藻類の繁栄と動物の繁栄

 これは9月13日分の記事として掲載しておきます。藻類の繁栄と動物の繁栄に関する研究(Brocks et al., 2017)が公表されました。カンブリア紀に複雑な動物が突然出現したことはダーウィンの悩みの種であり、自然選択による進化という自身の理論に付きまとう極めて重大な問題である、とダーウィンは考えました。この研究は、「カンブリア爆発」に先行して「藻類の繁栄」が存在し、それは全球がほぼ完全に凍結していた可能性がある2つの氷期の合間に起こったことを明らかにしています。堆積物に保存されているさまざまなステロイドは真核生物の特異なマーカーですが、藻類に典型的なステロイドが多く見られるのは、クライオジェニアンのスターティアン氷期(約7億2000万~6億6000万年前)とマリノアン氷期(約6億5000万~6億3500万年前)の間の短期間のみでした。この比較的短い温暖な期間に、スターティアン氷期の風化作用で流出したリンによって真核生物が繁栄し、これにより、低いリン濃度で生存可能なシアノバクテリアによる地球生態系の完全支配は崩壊しました。この「藻類の繁栄」は、より連鎖が短くて効率的な食物網を作り出し、生物の大型化および複雑化に向けた競争を激化させ、動物の繁栄を促進したと考えられます。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


生物地球化学:クライオジェニアンの海洋における藻類の繁栄と動物の出現

生物地球化学:藻類が大発生したとき

 カンブリア紀に複雑な動物が突然出現したことは、ダーウィンの悩みの種であり、彼はこれを、自然選択による進化という自身の理論に付きまとう極めて重大な問題であると考えた。今回J Brocksたちは、「カンブリア爆発」に先行して「藻類の繁栄」が存在し、それは全球がほぼ完全に凍結していた可能性がある2つの氷期の合間に起こったことを明らかにしている。堆積物に保存されているさまざまなステロイドは真核生物の特異なマーカーだが、藻類に典型的なステロイドが多く見られるのは、クライオジェニアンのスターティアン氷期(7億2000万~6億6000万年前)とマリノアン氷期(6億5000万~6億3500万年前)の間の短期間のみであった。この比較的短い温暖な期間に、スターティアン氷期の風化作用で流出したリンによって真核生物が繁栄し、これによって、低いリン濃度で生存可能なシアノバクテリアによる地球生態系の完全支配は崩壊した。この「藻類の繁栄」はより連鎖が短くて効率的な食物網を作り出し、生物の大型化および複雑化に向けた競争を激化させ、動物の繁栄を促進したと考えられる。



参考文献:
Brocks JJ. et al.(2017): The rise of algae in Cryogenian oceans and the emergence of animals. Nature, 548, 7669, 578–581.
http://dx.doi.org/10.1038/nature23457

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