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zoom RSS 『人類誕生・未來編』「第1集・第2集・第3集」

<<   作成日時 : 2018/09/10 16:46   >>

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 今年(2018年)4・5・7月にNHKスペシャル『人類誕生』が3回にわたって放送されました(第1回および第2回および第3回)。そのリメイク版として『人類誕生・未來編』がBS1で放送されました。このリメイク版を視聴して改めて思ったのは、NHKのCGの質の高さです。詳しく比較したわけではないのですが、人類進化の解説に大きな修正はなかったと思います。大きく変わったのが、番組の案内役として未來を生きる老人「ドク」と謎の少女「eva」という2人が登場したことです。この2人は何者なのか、現代よりどれくらい先のことなのか、evaはどのような経緯で生まれたのか、という謎解きの点ではそれなりに楽しめました。人類進化の解説は、上述したように、NHKスペシャルと比較して大きく変わったわけではないと思いますが、上記の当ブログ記事で述べ忘れたことをいくつか付け加えておきます。

 第1集では、19万年前以降の寒冷化で、世界各地のホモ属のなかで、アフリカの現生人類(Homo sapiens)のみが深刻な危機に陥り、人類がそれまで食べていなかった貝を食べる好奇心の強い個体のみが生き延びた、との見解が提示されていました。確かに、人類が貝を恒常的に食していたと推定される最古の事例は、番組で紹介されていた、アフリカ南部のピナクルポイント(Pinnacle Point)遺跡で確認されており、その年代は164000年前頃までさかのぼります(関連記事)。しかし、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)も同じ頃に貝を食べていたと推測されており(関連記事)、人類は20万年以上前より貝も食べていて、それが恒常的だった集団もいる、と考える方が妥当だと思います。50分弱の一般向け番組において最初期の人類から現生人類の出現までを扱うということで、かなり単純化・簡略化されたのは仕方のないところでしょうが、それにしても、貝を食べるような好奇心の強い現生人類個体のみが生き残った、との解説はあまりにも単純化しているというか、率直に言って間違いだと思います。

 そもそも、現生人類が東南アジアのエレクトス(Homo erectus)やヨーロッパのネアンデルタール人といった他のホモ属と比較して、19万年前以降の寒冷化でより大きな打撃を受けた、との見解自体に疑問が残ります。アフリカといっても環境は多様で、19万年前以降の寒冷化により一律に人類にとって居住が厳しくなった、というわけではないでしょう。そもそも、寒冷化は20万年以上前にも何度もあり、19万年前以降の寒冷化が特別だったはずはないと思います。また、ネアンデルタール人が寒冷気候に適応していたとはいっても、寒冷化にともない撤退・移住し、温暖化にともない拡大・移住した、ということを繰り返していた可能性は高いでしょう(関連記事)。19万年前以降の寒冷化により、他地域のホモ属への大きな影響はなかった一方で、アフリカの現生人類のみが大打撃を受けた、との想定は説得力を欠くと思います。さらに言えば、現生人類はすでに20万年以上前にアフリカからユーラシアに拡散していた可能性が高いと思います(関連記事)。もっとも、この「超早期」出アフリカ現生人類集団が、現代人にどれだけの遺伝的影響を及ぼしているのか、定かではなく、絶滅した可能性は低くないと思います。

 第2集ではネアンデルタール人が取り上げられました。はぐれたネアンデルタール人の少女を現生人類集団が迎え入れ、その少女と現生人類男性との間に子供が生まれた、という描写はリメイク版でも省略されませんでした。ネアンデルタール人と現生人類との交雑に関しては、ネアンデルタール人男性と現生人類女性の組み合わせのみだった、との見解が日本社会の一部?では浸透しているように思われるのですが、その証拠はまだ得られていないと思います(関連記事)。第2集の推定再現映像のように、ネアンデルタール人女性と現生人類男性との間にも交雑があり、その子孫が現代に存在していたとの想定は、無理筋ではないと思います。

 第3集では最後に、番組の案内役として登場した未來を生きる老人「ドク」と謎の少女「eva」の正体というか、世界観が描かれました。発達した技術のために人類はほぼ絶滅してしまい、アンドロイドのドクは罪滅ぼしとしてevaを「創り」、現生人類の記憶を伝えようとした、というわけです。ドクがevaにすべてを語り終えて動作を停止した後、evaは旅に出て物語は終わります。世界観は途中でかなりの程度見えてしまい、けっきょく予想通りだったのですが、陳腐な感が否めず、残念でした。ドクがアンドロイドなのは予想外で、これは悪くなかったと思います。このリメイク版を視聴し、『人類誕生』はなかなかの出来だった、と改めて思いました。今後も、数年に1回、こうしたシリーズがNHKスペシャルで放送されることを期待しています。

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