妊娠期間と乳癌リスクの関連

 妊娠期間と乳癌リスクの関連に関する研究(Husby et al., 2018)が公表されました。妊娠回数と妊娠期間は乳癌リスクの差異に関連しており、特に若齢(30歳未満)での満期妊娠の経験や出産回数の多さが乳癌リスクの低さと関連している、と報告されていますが、これらの要因が乳癌の発生にどのような影響を及ぼすのかについては、まだ明らかにされていません。

 この研究は、出産と癌に関するデンマークの全国レジストリを用いて、230万人の女性からなるコホートを確立し、妊娠期間と乳癌の長期的リスクの関連を評価しました。その結果、乳癌リスクの低さは34週以上にわたる妊娠期間と関連している一方で、33週未満の妊娠期間では乳癌リスクは低くならない、と明らかになりました。また、他の要因(出産回数や社会経済的状況など)では、乳癌リスクの低さとの関連を説明できませんでした。さらに、この解析結果は、同様のノルウェー人女性160万人のコホートでも再現されました。この研究は、妊娠34週頃に何らかの生物学的作用が明確に働いている可能性があり、今回の知見により、こうした効果の背後にある原因因子を研究できるようになる、と指摘しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【がん】妊娠期間と乳がんリスクの関連を調べる

 34週以上の妊娠経験が乳がんリスクの低下と関連していることを明らかにした観察研究について報告する論文が、今週掲載される。

 妊娠回数と妊娠期間は乳がんリスクの差異に関連しており、特に若齢(30歳未満)での満期妊娠の経験や出産回数の多さが乳がんリスクの低さと関連していると報告されているが、これらの要因が乳がんの発生にどのような影響を及ぼすのかについては、まだ明らかにされていない。

 今回、Mads Melbyeたちの研究グループは、出産とがんに関するデンマークの全国レジストリを用いて、230万人の女性からなるコホートを確立し、妊娠期間と乳がんの長期的リスクの関連を評価した。その結果、乳がんリスクの低さは34週以上にわたる妊娠期間と関連している一方、33週未満の妊娠期間では乳がんリスクは低くならないことが分かった。また、他の要因(出産回数や社会経済的状況など)では、乳がんリスクの低さとの関連を説明できなかった。さらに、この解析結果は、同様のノルウェー人女性160万人のコホートでも再現された。Melbyeたちは、妊娠34週頃に何らかの生物学的作用が明確に働いている可能性があり、今回の知見によって、こうした効果の背後にある原因因子を研究できるようになると考えている。



参考文献:
Husby A. et al.(2018): Pregnancy duration and breast cancer risk. Nature Communications, 9, 4255.
https://doi.org/10.1038/s41467-018-06748-3

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