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zoom RSS 氷期における北半球から南半球への気候の影響

<<   作成日時 : 2018/11/29 16:24   >>

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 氷期における北半球から南半球への気候の影響に関する研究(Buizert et al., 2018)が公表されました。南半球中緯度域の偏西風は、南大洋の湧昇流、深海との間の炭素交換、アガラスリーケージ(インド洋の海水の大西洋への輸送)、場合によっては南極大陸の氷床の安定性を通して、全球の気候システムに重要な役割を担っています。南半球の偏西風の南北方向の移動についてはこれまで、充分な裏づけのあるダンスガード・オシュガー(Dansgaard–Oeschger)イベン)に応答した熱帯収束帯の移動と並行して生じた、という仮説が提示されています。ダンスガード・オシュガー(DO)イベントは氷期の北大西洋における急激な温暖化で、グリーンランドから得られた氷床コアの記録に最も鮮明に見られます。水蒸気の西南極大陸への経路の変化はこの説明と矛盾しませんが、熱帯から強制された太平洋のテレコネクションのパターンに対応している可能性があります。サイクルに対する南半球の大気循環の全体的な応答と、南極大陸の気温に対するその影響は、まだよく分かっていません。

 本論文は、火山噴出物の層を指標として深さと年代を一致させた5つの氷床コアを用いて、DOサイクルに対する南極大陸の気温の応答は、次の2つのモードの重ね合わせとして理解できる、と示します。一つは北半球の気候から約200年遅延する空間的に均一な海洋の「両極シーソー」モードで、もう一つは北半球における急激な事象と同期する、空間的に不均一な大気モードです。大気モードの気温偏差は、太平洋–南米パターンではなく、現在の南半球環状モードの変動に伴う偏差と類似しています。さらに、重水素過剰の記録からは、全海盆にわたって南半球の偏西風が北半球の気候と位相を一致させて東西方向に移動する、と示唆されました。

 これらの知見から、北半球の急激な気候変動に強制された南極大陸周辺の気温変動を理解するための単純な概念的枠組みが得られました。本論文は、南半球の偏西風の急激な移動に関する観測的な証拠を提供しています。これは、全球の海洋循環と大気中の二酸化炭素に関して過去に報告されている影響です。こうした連動した変化は、単に北大西洋のみではなく全球的なDOサイクルの把握の必要性を浮き彫りにしています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


気候科学:氷期には北極からの伝搬で南極周辺の偏西風や南極の気候が急激に変動する

気候科学:海洋と大気の経路によって南極大陸へ伝わった北半球の気候の急激な変化

 ダンスガード・オシュガーイベントは、氷期における急激な温暖化事象であり、グリーンランドから得られた氷床コアの記録に最も鮮明に見られる。この事象の影響は、海洋の「両極シーソー」を介して南半球において感知されると考えられている。今回C Buizertたちは、南極大陸の氷床コアのネットワークを用いて、ダンスガード・オシュガーイベントの痕跡が実際に空間的に均一な海洋機構を介して生じており、こうした機構では、南極大陸での影響の出現が北半球より約200年遅れることを確かめている。この解析によって、おそらく南半球の偏西風の移動に起因する、空間的に不均一で同時に生じた大気の応答も明らかになった。



参考文献:
Buizert C. et al.(2018): Abrupt ice-age shifts in southern westerly winds and Antarctic climate forced from the north. Nature, 563, 7733, 681–685.
https://doi.org/10.1038/s41586-018-0727-5

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