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zoom RSS 真核生物の新系統

<<   作成日時 : 2018/12/20 17:23   >>

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 真核生物の新系統に関する研究(Lax et al., 2018)が公表されました。現在、真核生物のほぼ全ての生命体は、分子系統学によって界を超えたレベル(supra-kingdom-level)の5〜8の系統群のいずれかに分類されています。ヘミマスティゴフォラ(Hemimastigophora)「門」は、そうした系統発生学的な割り当てがまだなされていない生物の中で、おそらく最も特徴的な、形態が明らかにされている系統と考えられます。ヘミマスティゴート(hemimastigote)類は、19世紀に初めて確認された自由生活性の捕食性原生生物で、2列に並んだ鞭毛と独特の細胞構造を有しています。この系統群について現在の知見では、利用可能な分子の塩基配列データや培養は存在しません。

 本論文は、高カバー率の培養非依存的トランスクリプトミクスに基づく系統ゲノミクス解析により、ヘミマスティゴフォラが真核生物の確立されている全ての巨大系統群(スーパーグループ)の外に位置づけられる、と示します。ヘミマスティゴフォラはむしろ、界を超えたレベルの独立系統を構成し、この系統は真核生物の多様性の半分を占める「ディアフォレティケス」に対して、姉妹クレードを形成する可能性が高い、というわけです。ディアフォレティケスには、「ストラメノパイル、アルベオラータ、リザリア」からなる巨大系統群(Sar)、アーケプラスチダ(古色素体類)、クリプチスタ、さらにそれ以外の主要な系統群が含まれます。

 ヘミマスティゴフォラを門とする従来の階級付けは、この系統群の進化的な特殊性を軽視するもので、この系統群は実際、基本的な細胞系の起源の理解から系統樹の根の位置づけに至るまで、真核生物の進化史を深く掘り下げて研究する上できわめて重要です。本論文はまた、ヘミマスティゴート類の新種(Hemimastix kukwesjijk)の初めての培養も確立しました。こうした培養は、真核生物の進化および真核生物の最終共通祖先に関する今後のゲノム研究や細胞生物学研究を促進する、と考えられます。


参考文献:
Lax G. et al.(2018): Hemimastigophora is a novel supra-kingdom-level lineage of eukaryotes. Nature, 564, 7736, 410–414.
https://doi.org/10.1038/s41586-018-0708-8

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