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zoom RSS Thomas Suddendorf「思考力をもたらした2つの性質」

<<   作成日時 : 2019/01/11 16:00   >>

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 『日経サイエンス』2018年12月号の特集「新・人類学 ヒトはなぜ人間になったのか」第1部「人間性の起源」に掲載された解説です。人間を現生動物のなかで特別な存在としているのは認知能力であるものの、それが具体的には何か、証明することは難しい、と本論文は指摘します。なぜならば、人間も含まれる霊長類に限らず鳥類まで、動物において広く、人間に匹敵する認知能力を有すると考えられるような事例が相次いで報告されているからです。

 しかし本論文は、そうした報告から動物が「豊かな」認知能力を示していると「課題解釈的な」結論を採る前に、代替的なより単純で「簡素な」説明を慎重に除外する必要があり、多くの研究では、そうした厳しい基準が満たされていない、と指摘します。もっとも本論文は、動物のそうした「豊かな」認知能力を示すことは難しいものの、そうした能力がないことを証明するのはもっと難しい、とも指摘し、慎重な姿勢を示しています。この問題については、本論文が指摘しているように、厳しい基準を設定して、より多くの実験を行なっていくしかないのでしょう。

 本論文は、他の動物にはなく、人間に備わっている二つの認知特性が、人間を特別な存在しにした、と指摘します。その二つの特性とは、「入れ子構造を持つシナリオの構築」と、「互いの心を結びつけたいという欲求」です。前者は、複数の状況を想像して熟考し、関連する出来事に関する、より大きな物語に組み込む能力で、予見性・計画性と深く関わってきます。後者は、考えを他者と交換したいという深く根づいた衝動で、人間は単独の場合よりも優れたものを作り出すために協力し合います。本論文の詳しい内容については、著者の『現実を生きるサル 空想を語るヒト』が参考になります(関連記事)。


参考文献:
Suddendorf T. (2018)、熊谷玲美訳「思考力をもたらした2つの性質」『日経サイエンス』2018年12月号P40-45

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