正しい歴史認識・真実の歴史

 「正しい歴史認識」や「真実の歴史」といった主張への警戒は、十数年前より当ブログで何度か述べてきました。もちろん、どのような立場からの「正しい歴史認識」および「真実の歴史」なのか、という問題があるわけで、さまざまな観点からの警戒があるとは思います。私が十数年前よりとくに警戒していたのは、中華人民共和国の経済・軍事・政治力の強化が予想されるので(実際そうなったわけですが)、日本においても、「中国」と現代の中華人民共和国の領域とが同一視されて肥大化した「中国」や、それを多少読み替えて「中国を中心とした東アジア世界」を主張する見解が、「正しい歴史認識」として声高に語られるようになることです(関連記事)。

 そうした懸念は、2012年放送のNHKスペシャル『中国文明の謎』である程度現実になったように思います(関連記事)。ただ、この問題についてその後詳しく追いかけているわけではないので、あるいは的外れな発言になるかもしれませんが、近年では、日本における対中感情の悪化にともない、NHKスペシャルでここまで露骨な番組が放送されることはなかったように思います。ただ、これも、日本人の間に定着した中国への感情的な反発への配慮にすぎないのだとしたら、危ういことだと思います。

 この問題についてはその後、夏王朝関連の議論を当ブログで取り上げました(関連記事)。夏王朝の実在は確定的との現代中国社会で一般的らしい見解には大きな問題がある、と私は以前から考えています。しかし、日本における中国の影響力が決定的に強化されたら、「夏王朝」の「実在」に疑問を呈すと、「自主的な」日本人から「歴史修正主義者」とか「ネトウヨ」とか批判されるような時代が到来するかもしれません。もしそうなったとしたら、個人としてはできるかぎり抵抗したいものではあります。この他に、朝鮮通信使をめぐる歴史認識でも「正しい歴史認識」や「真実の歴史」と関わる問題があると考えているのですが(関連記事)、その後ほとんど勉強が進んでいないので、今後の課題としておきます。

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