再コード化された大腸菌ゲノムの全合成

 再コード化された大腸菌ゲノムの全合成に関する研究(Fredensl et al., 2019)が公表されました。タンパク質をコードするゲノム領域は、その塩基配列がRNAポリメラーゼによってメッセンジャーRNAに転写され、次にタンパク質に翻訳されます。このようなリーディングフレームは開始コドンの位置で規定されます。しかし、各アミノ酸に対応するコドン(3塩基暗号)は複数あり、また翻訳を終結させる終止コドンも3通りあります。この冗長性は生物の翻訳に広く見られる固有の性質です。この研究は、大腸菌(Escherichia coli)の全ゲノムを再コード化して、2通りのセンスコドンと1通りの終止コドンを除去しました。この研究は、技術的にはこれまでの再コード化の試みを超えるもので、実質的には同義コドンの完全な圧縮が可能と立証しています。将来的には、このような置換されたコドンを用いて非天然型アミノ酸をコードできるようになるかもしれない、と指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


合成生物学:再コード化された大腸菌ゲノムの全合成

合成生物学:コドンを3つ減らして61通りに

 タンパク質をコードするゲノム領域は、その塩基配列がRNAポリメラーゼによってメッセンジャーRNAに転写され、次にタンパク質に翻訳される。このようなリーディングフレームは開始コドンの位置で規定される。しかし、各アミノ酸に対応するコドン(3塩基暗号)は複数あり、また翻訳を終結させる終止コドンも3通りある。この冗長性は生物の翻訳に広く見られる固有の性質である。J Chinたちは今回、大腸菌(Escherichia coli)の全ゲノムを再コード化して、2通りのセンスコドンと1通りの終止コドンを除去した。この研究は、技術的には、これまでの再コード化の試みを超えるもので、実質的には、同義コドンの完全な圧縮が可能であることを立証している。将来的には、このような置換されたコドンを用いて非天然型アミノ酸をコードできるようになるかもしれない。



参考文献:
Fredens J. et al.(2019): Total synthesis of Escherichia coli with a recoded genome. Nature, 569, 7757, 514–518.
https://doi.org/10.1038/s41586-019-1192-5

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