大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第28回「走れ大地を」

 1931年8月、田畑政治発案の日米対抗水泳戦が開かれ、日本が圧勝しますが、今回はアメリカ合衆国側が遠征で日本側は自国での戦いだったのに対して、翌年ロサンゼルスで開かれる夏季オリンピック大会では逆となることから、田畑は楽観していませんでした。また田畑は、高石や鶴田といった実績のある選手よりも、伸びしろのある若手選手の方を重視していました。意気軒昂の田畑は、嘉納治五郎に東京市長の永田秀次郎を紹介され、皇紀2600年となる1940年に東京で夏季オリンピック大会を開催する予定だと聞かされます。

 嘉納は東京へのオリンピック招致に動き出しますが、日米対抗水泳戦の翌月、満洲事変が勃発します。田畑の先輩記者の河野一郎は、満洲事変が関東軍の自作自演であることを知りつつ、報道できないことや、新聞社にいても庶民の生活向上に役立たないことから新聞の無力を悟り、政治家への転身を図ります。新聞記者として生きていく決意を語る田畑にたいして、河野は何か実績を作るよう、励まします。そこで田畑は、すでに面識のある高橋是清を訪ね、次の首相が犬養毅だと教えられ、犬養とも遭遇します。これが田畑にとって初の特ダネとなり、上司の緒方竹虎から水泳指導に力を入れることも認められ、見合い相手も紹介されます。若手選手を優先し、オリンピックでのメダルに強く拘る田畑に高石は反発しますが、松澤一鶴は高石を宥めます。田畑が中心になって企画したオリンピック応援歌は1932年5月15日に披露されますが、その日、首相の犬養毅は襲撃され、その晩に没します(五・一五事件)。

 今回は、日米対抗水泳戦で圧勝し、1940年オリンピック大会の東京への誘致運動も現実化していくという、日本スポーツ界の明るい面と、満洲事変後の不安な政情とが対比的に描かれました。これはドラマとして王道的な構成になっており、今回はなかなか上手く描かれていたのではないか、と思います。犬養毅は今回だけの出演となりそうですが、主人公である田畑との絡みは巧みに構成されていたと思います。今後は、この明暗両面が描かれ、ついには暗が圧倒し、東京でのオリンピック開催を返上する、という展開になるのでしょう。田畑が勝負というかオリンピックでの金メダルに拘る理由も、今後詳しく描かれるのではないか、と期待しています。

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