SSDの速度が遅い

 先日、新たにデスクトップパソコンを購入し(関連記事)、データの移行もおおむね終了しましたが、ディスク速度の確認を忘れていたので実行したところ、起動ドライブとなる新規購入のSATA3.0接続のSSD(1TB)の速度が意外に遅く、困惑しました。先代のデスクトップパソコンで3年3ヶ月ほど起動ドライブとして使用していたSSD(480GB)の速度が

Sequential Read (Q=32,T=1) :534.118 MB/s
Sequential Write (Q=32,T=1) :442.288 MB/s
Random Read 4KiB (Q=8,T=8) :217.487 MB/s [53097.4 IOPS]
Random Write 4KiB (Q=8,T=8) :177.879 MB/s [43427.5 IOPS]
Random Read 4KiB (Q=32,T=1) :214.643 MB/s [52403.1 IOPS]
Random Write 4KiB (Q=32,T=1) :179.532 MB/s [43831.1 IOPS]
Random Read 4KiB (Q=1,T=1) :29.265 MB/s [7144.8 IOPS]
Random Write 4KiB (Q=1,T=1) :80.219 MB/s [19584.7 IOPS]

なのに対して、1TBのSSDは

Sequential Read (Q=32,T= 1) :402.518 MB/s
Sequential Write (Q=32,T= 1) :397.300 MB/s
Random Read 4KiB (Q=8,T= 8) :248.145 MB/s [60582.3 IOPS]
Random Write 4KiB (Q=8,T= 8) :175.180 MB/s [42768.6 IOPS]
Random Read 4KiB (Q=32,T= 1) :220.730 MB/s [53889.2 IOPS]
Random Write 4KiB (Q=32,T= 1) :192.500 MB/s [46997.1 IOPS]
Random Read 4KiB (Q=1,T= 1) :40.741 MB/s [9946.5 IOPS]
Random Write 4KiB (Q=1,T= 1) :87.464 MB/s [21353.5 IOPS]

で、Sequentialが明らかに遅くなっています。念のために先々代のデスクトップパソコンで録画した8 GBのファイルをディスク内でコピーしたところ、480GB のSSD が約35秒だったのに対して、1TBのSSDの方は約40秒とやや遅い結果になってしまいました。性能に大きな違いはなく、しかも3年3ヶ月ほど使用していたことから、これはおかしいと思い、色々と検証してみました。まず考えられるのは温度ですが、40度代なので原因ではない、と判断しました。こうした問題で原因としてよく言われるのがSATA2.0への接続なのですが、Sequential Readで400MB/s超の数値が出ており、そもそもマザーボードにSATA2.0はありませんし、CrystalDiskInfoでもSATA3.0接続で表示されていることから、この点は問題ないと判断しました。初期不良も考えましたが、全体的には極端に遅くなっているわけでもないので、こちらも可能性は低いと判断しました。次に、ケーブルを交換してみましたが、速度に大差はありませんでした。

 この問題ではSATAポートへの接続を変えてみることもよく言われるので試してみました。初期設定ではSATAポート1に接続されているので、まず空いているSATAポート2に変更してみましたが、速度に大差はありませんでした。もうほとんど諦めかけていたのですが、最後にSATAポート6に接続すると、

Sequential Read (Q=32,T=1) :547.667 MB/s
Sequential Write (Q=32,T=1) :465.445 MB/s
Random Read 4KiB (Q=8,T=8) :183.089 MB/s [44699.5 IOPS]
Random Write 4KiB (Q=8,T=8) :155.030 MB/s [37849.1 IOPS]
Random Read 4KiB (Q= 32,T=1) :230.014 MB/s [56155.8 IOPS]
Random Write 4KiB (Q=32,T=1) :192.955 MB/s [47108.2 IOPS]
Random Read 4KiB (Q=1,T=1) :40.371 MB/s [9856.2 IOPS]
Random Write 4KiB (Q=1,T=1) :93.718 MB/s [22880.4 IOPS]

とRandomで一部遅くなったものの、Sequentialはまずまずの速度となりました。これでも、ネットで検索した結果と比較すると明らかに遅いのですが、とりあえずSATAポート6に接続して使用することにしました。タスクマネージャーでは、起動ドライブが増設ドライブよりも下に表示され、あまり見栄えはよくないようにも思いますが、仕方のないところでしょうか。今のところ体感では速度に不満はないのですが、今後重い処理を行なうこともあるでしょうから、価格もそれなりに下がってきたNVMeのSSDを購入し、SATA3.0接続の1TB のSSDをバックアップ用にすることも考えています。

紅藻類の姉妹群である非光合成捕食

 紅藻類の姉妹群である非光合成捕食についての研究(Gawryluk et al., 2019)が公表されました。紅色植物門(紅藻類)は、色素体の一次細胞内共生起源という特徴を共有する真核生物の巨大系統群(スーパーグループ)である、アーケプラスチダ(古色素体類)を構成する3系統の1つで、残り2系統は、緑藻類および緑色植物からなる緑色植物門と、灰色植物類と呼ばれる原生生物群です。紅藻類は、ゲノムの小ささとイントロンの少なさや、中心小体や鞭毛、運動性に関連した細胞骨格構造など、系統分類に有用な数多くの形態的特徴を欠くために、その進化の解明および他の生物群との比較が困難です。

 この研究は、現時点では2種の複雑な原生生物からなる、新たな真核生物門(Rhodelphidia)を報告しています。これら2種は紅藻類に近縁な姉妹群ですが、光合成を行わない捕食性の鞭毛虫類です。これらは、混合栄養摂食(捕食と光合成栄養との組み合わせ)がアーケプラスチダの進化において長く存続したことを示し、紅藻類の起源、さらにはアーケプラスチダ進化の全体像に関するじゅうらいの見解を変えるものとなりました。

 Rhodelphis類と紅藻類との間の最も顕著な違いは、その遺伝子含量にあります。たとえば、Rhodelphis類は、中心小体の祖先的な構成要素であることが明らかにされている18のタンパク質のうち15をコードしているのに対し、紅藻類は中心小体を完全に欠いています。また、色素を欠くことと一致して、Rhodelphis類は光合成電子伝達やATP合成に関与するタンパク質をほとんどコードしておらず、色素体ゲノムの存在を裏づける証拠も存在しません。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


進化生物学:紅藻類の姉妹群である非光合成捕食者

進化生物学:紅藻類に近縁な捕食者

 紅色植物門(紅藻類)は、色素体の一次細胞内共生起源という特徴を共有する真核生物の巨大系統群(スーパーグループ)であるアーケプラスチダ(古色素体類)を構成する3つの系統の1つである(残りの2系統は、緑藻類および緑色植物からなる緑色植物門と、灰色植物類と呼ばれる原生生物群)。紅藻類は、ゲノムが小さくてイントロンが少なく、中心小体や鞭毛、運動性に関連した細胞骨格構造など、系統分類に有用な数多くの形態的特徴を欠くために、その進化を解明するのが難しく、これが他の生物群との比較を困難にしている。今回R Gawrylukたちは、現時点では2種の複雑な原生生物からなる、新たな真核生物門Rhodelphidiaを報告している。これら2種は紅藻類に近縁な姉妹群だが、光合成を行わない捕食性の鞭毛虫類である。彼らは、混合栄養摂食(捕食と光合成栄養との組み合わせ)がアーケプラスチダの進化において長く存続したことを示しており、今回の発見は、紅藻類の起源、そしてアーケプラスチダ進化の全体像に関する我々の見方を変えるものとなった。Rhodelphis類と紅藻類との間の最も顕著な違いは、その遺伝子含量にある。例えば、Rhodelphis類は、中心小体の祖先的な構成要素であることが明らかにされている18のタンパク質のうち15をコードしているのに対し、紅藻類は中心小体を完全に欠いている。また、色素を欠くことと一致して、Rhodelphis類は光合成電子伝達やATP合成に関与するタンパク質をほとんどコードしておらず、色素体ゲノムの存在を裏付ける証拠も存在しない。



参考文献:
Gawryluk RMR. et al.(2019): Non-photosynthetic predators are sister to red algae. Nature, 572, 7768, 240–243.
https://doi.org/10.1038/s41586-019-1398-6

サハラ砂漠以南のアフリカにおける地下水の復元力

 サハラ砂漠以南のアフリカにおける地下水の復元力に関する研究(Cuthbert et al., 2019)が公表されました。サハラ砂漠以南のアフリカの人間社会は、地下水を含む水資源の持続可能性に深く依存しています。地下水の涵養についての観測結果は乏しく、そうした結果の統合が困難なため、地下水涵養が降水・気候・地質によりどのように制御されているのか、理解は困難です。この研究は、数十年間のハイドログラフのデータセットを集め、涵養を支配する簡単な関連性は存在しないことを見いだしました。

 乾燥地域では、降水量が閾値を超えている限り、比較的乾燥している年でも涵養量がきわめて多い、と明らかになりました。一方、湿潤な地域では、降水量が年ごとに変動するにも関わらず、涵養量はほぼ一定のレベルを示し、涵養速度は気候ではなく地質によって左右される、と明らかになりました。これらの知見は、サハラ砂漠以南のアフリカでは、起こり得る気候変動パターン(豪雨の頻度は減りますが、より強いものとなります)では、地下水資源は必ずしも減少しないことを示唆しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


水文学:サハラ以南のアフリカにおける気候変動に対する地下水の復元力についての観測された制御機構

水文学:一時的な強い降雨による効率の良い地下水の涵養

 サハラ以南のアフリカの人間社会は、地下水を含む水資源の持続可能性に深く依存している。地下水の涵養についての観測結果は乏しく、そうした結果の統合が困難なため、地下水涵養が降水、気候、地質によってどのように制御されているか理解することは難しい。今回M Cuthbertたちは、数十年間のハイドログラフのデータセットを集め、涵養を支配する簡単な関連性は存在しないことを見いだしている。乾燥地域では、降水量がしきい値を超えている限り、比較的乾燥している年でも涵養量が極めて多い。一方、湿潤な地域では、降水量が年ごとに変動するにもかかわらず、涵養量はほぼ一定のレベルを示し、涵養速度は気候ではなく地質によって左右されている。まとめると今回の結果は、サハラ以南のアフリカでは、起こり得る気候変動パターン(豪雨の頻度は減るがより強いものとなる)では、地下水資源は必ずしも減少しないことを示唆している。



参考文献:
Cuthbert MO. et al.(2019): Observed controls on resilience of groundwater to climate variability in sub-Saharan Africa. Nature, 572, 7768, 230–234.
https://doi.org/10.1038/s41586-019-1441-7