北海道で発見されたハドロサウルスの新種

 北海道で発見されたハドロサウルスの新種に関する研究(Kobayashi et al., 2019)が公表されました。ハドロサウルスは白亜紀後期(1億50万年前~6600万年前頃)の恐竜の中で最も繁栄した一群に分類され、その化石が、南北アメリカ大陸やユーラシアや南極で発見されています。この研究は、北海道の函淵(はこぶち)層の海洋堆積物で発見されたハドロサウルス科恐竜を新属新種(Kamuysaurus japonicus)に分類しました。海洋の影響を受けた環境でハドロサウルスの化石が発見されることは稀で、この発見は、こうした環境におけるハドロサウルスの多様性の理解に寄与する、と指摘されています。

 この化石標本は、全長約8メートルで、中型のハドロサウルス科恐竜の成体とされ、年代測定によって7200万年前のものである、と明らかになりました。この研究は、頭骨上に小さな稜があること、一列に短く並んだ神経棘が前方に傾いていることなどの固有の特徴を報告しています。この新種恐竜は、中国のLaiyangosaurus、ロシアのKerberosaurusなどの極東のハドロサウルスに近縁なことも示唆されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【古生物学】日本で発見されたハドロサウルスの新種が恐竜の多様性解明を進める

 白亜紀後期(1億50万年前~6600万年前)のハドロサウルス科恐竜の新種が発見されたことを報告する論文が、今週掲載される。この恐竜の化石は、日本で発見されたもので、極東におけるハドロサウルスの多様性と白亜紀後期のハドロサウルス科恐竜の進化についての理解を深めるものになっている。

 ハドロサウルスは白亜紀後期の恐竜の中で最も繁栄した一群に分類され、その化石が、北米、南米、アジア、ヨーロッパ、南極で見つかっている。

 今回、小林 快次(こばやし・よしつぐ)たちの研究グループは、北海道の函淵(はこぶち)層の海洋堆積物からハドロサウルス科恐竜の新属新種の化石を発見し、この恐竜をKamuysaurus japonicusと命名した。海洋の影響を受けた環境でハドロサウルスの化石が発見されることはまれで、今回の発見は、こうした環境におけるハドロサウルスの多様性の理解に寄与すると小林たちは考えている。

 この化石標本は、全長約8メートルで、中型のハドロサウルス科恐竜の成体とされ、年代測定によって7200万年前のものであることが判明した。小林たちは、頭骨上に小さな稜があること、一列に短く並んだ神経棘が前方に傾いていることなどの固有の特徴を報告している。この化石標本の分析からは、K. japonicusが、中国のLaiyangosaurus、ロシアのKerberosaurusなどの極東のハドロサウルスに近縁なことも示唆されている。



参考文献:
Kobayashi Y. et al.(2019): A New Hadrosaurine (Dinosauria: Hadrosauridae) from the Marine Deposits of the Late Cretaceous Hakobuchi Formation, Yezo Group, Japan. Scientific Reports, 9, 12389.
https://doi.org/10.1038/s41598-019-48607-1

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