大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第36回「前畑がんばれ」

 今回は前畑秀子が実質的な主役です。前畑は1932年にロサンゼルスで開催された夏季オリンピック大会の水泳平泳ぎ200mで2位となり、その後世界記録も出し、日本人の多大な期待を寄せられていました。前畑は重圧を感じながら、ベルリンで開催される1936年夏季オリンピック大会に臨みます。重圧で苦悩する前畑は、水泳平泳ぎ200mの予選で世界記録を出しながら、準決勝では遅い時計を出してしまい、不安定な精神状態のまま決勝前日を迎えます。両親の夢を見た前畑は、国民からの期待をともに泳ぐことだと考え、覚悟を決めて決勝に臨みます。

 今回は、前畑のオリンピックでの優勝が描かれました。じっさいの競技場面は、なかなか盛り上げてくる脚本・演出だったと思います。この後は1940年に開催予定の東京オリンピック大会の中止が描かれるわけで、しばらくは暗い展開が続くでしょうから、今回は後半の山場という位置づけなのだと思います。それに相応しい内容になっており、しばらくは落差を感じさせることになりそうです。というか、すでに今回終盤の時点で、河野一郎のオリンピック反対論予告や日中戦争(当時は公式には事変扱い)の始まりなど、1940年の東京オリンピック大会をめぐって不穏な空気が描かれていました。

 オリンピックの負の側面も描いてきた本作ですが、1936年のベルリン大会に関しては、ナチス政権下で行なわれたこともあり、日本チームのユダヤ系ドイツ人通訳の自殺や、嘉納治五郎もベルリン大会の影響を強く受けて平静ではない、という副島道正の指摘など、とくに強調された感があります。嘉納の退場は次回かその次のようですが、これは嘉納の老いも踏まえての描写なのでしょう。マスコミでは大河ドラマ史上記録的な低視聴率という話題が多く取り上げられていますが、オリンピックの多様な側面が描かれており、傑作だと私は考えています。

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