認知症リスクと生活スタイル

 認知症リスクと生活スタイルに関する研究(Licher et al., 2019)が公表されました。認知症は複雑な病気で、はっきりした原因はまだ分かっていませんが、遺伝的要因と生活要因(定期的に運動をしていないなど)が主な促進因子だと考えられています。これまでの研究のほとんどは、個別の防御因子に焦点を合わせて行なわれてきましたが、複数の要因が組み合わせると、有益な効果が個々の因子の総和よりも大きくなる可能性があります。この研究は、生活要因と遺伝的要因が認知症リスクに及ぼす組み合わせ効果を調べるため、ロッテルダム研究の55歳以上の参加者6000人以上のデータを解析し、望ましい健康要因や生活要因(たとえば、定期的な運動、健康的な食事、限定的なアルコール摂取、禁煙)に基づいて、個々の参加者に点数をつけました。

 その結果、遺伝的に認知症のリスクが低い人たちでは、望ましい生活要因の点数と、認知症リスクのさらなる低下との間に関連がある、と分かりました。逆に、遺伝的な認知症リスクが低い参加者であっても、生活要因の点数が望ましくない場合は、認知症リスクが高くなりました。またこの研究は、遺伝的に認知症のリスクが高い人では、生活スタイルが望ましくても望ましくなくても、認知症リスクには影響が見られないことも見いだしました。ロッテルダム研究は大規模で長期にわたる研究デザインというメリットがあるが、この研究は、これとは無関係な集団での解析も行ない、今回の知見を確かめる必要があると指摘しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。



健康的な生活スタイルが認知症リスクの低下に結び付く

 健康や生活スタイルに関する要因を変えることによって、遺伝的に認知症のリスクが低いあるいは中程度の人では、そのリスクを下げられるかもしれないという報告が、今週掲載される。

 認知症は複雑な病気で、はっきりした原因はまだ分かっていないが、遺伝的要因と生活要因(定期的に運動をしていないなど)が主な促進因子だと考えられている。これまでの研究のほとんどは、個別の防御因子に焦点を合わせて行われてきたが、複数の要因が組み合わせると、有益な効果が個々の因子の総和よりも大きくなる可能性がある。

 今回、Silvan Licherたちは、生活要因と遺伝的要因が認知症リスクに及ぼす組み合わせ効果を調べるため、ロッテルダム研究の55歳以上の参加者6000人以上のデータを解析した。そして、望ましい健康要因や生活要因(例えば定期的な運動、健康的な食事、限定的なアルコール摂取、禁煙)に基づいて、個々の参加者に点数をつけた。すると、遺伝的に認知症のリスクが低い人たちでは、望ましい生活要因の点数と、認知症リスクのさらなる低下との間に関連があることが分かった。逆に、遺伝的な認知症リスクが低い参加者であっても、生活要因の点数が望ましくない場合は、認知症リスクが高くなった。著者たちはさらに、遺伝的に認知症のリスクが高い人では、生活スタイルが望ましくても望ましくなくても、認知症リスクには影響が見られないことも見いだした。

 ロッテルダム研究は大規模で長期にわたる研究デザインというメリットがあるが、著者たちは、これとは無関係な集団での解析も行って、今回の知見を確かめる必要があると述べている。



参考文献:
Licher S. et al.(2019): Genetic predisposition, modifiable-risk-factor profile and long-term dementia risk in the general population. Nature Medicine, 25, 9, 1364–1369.
https://doi.org/10.1038/s41591-019-0547-7

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