両生類に広く見られる生体蛍光

 両生類の生体蛍光に関する研究(Lamb, and Davis., 2020)が公表されました。これまでに生体蛍光(生物が光エネルギーを吸収して蛍光を発すること)が観察された両生類は、サンショウウオ1種とカエル3種だけでした。この研究は、32種の両生類のそれぞれ1~5個体に青色光と紫外光を当てて、これらの個体が発する光の波長を分光測定しました。その結果、研究対象の全ての両生類種が蛍光を発した、と明らかになりました。ただ、蛍光のパターンは種によって大きく異なっており、斑点・縞模様・骨の形などがあり、全身蛍光もありました。

 両生類は、緑色光や青色光に感受性のある桿体細胞が眼に含まれているため、生体蛍光により低光量下で互いの位置を特定している、と本論文は推測しています。生体蛍光により、両生類とその環境との間のコントラストが高くなり、他の両生類により容易に検出できるようになる、というわけです。両生類の生体蛍光は、他の生体蛍光性の生物種で観察されているように、隠蔽擬態(カムフラージュ)・捕食者擬態・配偶者選択に役立っている可能性があります。

 この研究は、生体蛍光の基盤となる機構として、皮膚・分泌物・骨の中に蛍光タンパク質と蛍光化合物が存在していることを挙げ、あるいは一部の両生類の色素胞(色素を有し、光を反射する細胞)の化学組成と構造的組成が関係している可能性を指摘しています。これらの知見は、現生両生類の祖先が生体蛍光能力を有しており、その結果、現生両生類の間に生体蛍光現象が広まったことを示唆しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


動物学:生体蛍光は両生類に広く見られるものかもしれない

 生体蛍光(生物が光エネルギーを吸収して蛍光を発すること)が、両生類(サンショウウオ、カエルなど)に広く見られるという見解を示す論文が、Scientific Reports に掲載される。これまでに生体蛍光が観察された両生類は、サンショウウオ(1種)とカエル(3種)だけだった。

 今回、Jennifer LambとMatthew Davisは、32種の両生類のそれぞれ1~5個体に青色光と紫外光を当てて、これらの個体が発する光の波長を分光測定した。その結果、研究対象の全ての両生類種がすべて蛍光を発したことが分かった。ただし、蛍光のパターンは、種によって大きく異なっており、斑点、縞模様、骨の形があり、全身蛍光もあった。

 両生類は、緑色光や青色光に感受性のある桿体細胞が眼に含まれているため、生体蛍光によって低光量下で互いの位置を特定しているとLambとDavisは考えている。生体蛍光によって、両生類とその環境との間のコントラストが高くなり、他の両生類によって容易に検出できるようになるのだ。両生類の生体蛍光は、他の生体蛍光性の生物種で観察されているように、隠蔽擬態(カムフラージュ)、捕食者擬態、配偶者選択に役立っている可能性がある。

 LambとDavisは、生体蛍光の基盤となる機構として、皮膚、分泌物、骨の中に蛍光タンパク質と蛍光化合物が存在していることを挙げ、あるいは一部の両生類の色素胞(色素を有し、光を反射する細胞)の化学組成と構造的組成が関係している可能性を指摘している。

 以上の知見は、現生両生類の祖先が蛍光を発する能力を有しており、その結果、現生両生類の間に生体蛍光現象が広まったことを示唆している。



参考文献:
Lamb JY, and Davis MP.(2020): Salamanders and other amphibians are aglow with biofluorescence. Scientific Reports, 10, 2821.
https://doi.org/10.1038/s41598-020-59528-9

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