岡田晋吉『太陽にほえろ!伝説』

 ちくま文庫の一冊として、筑摩書房より2020年2月に刊行されました。本書の親本『太陽にほえろ!伝説 疾走15年私が愛した七曲署』は、2003年に増補決定版として日本テレビ放送網より刊行されました。この増補決定版の親本は1996年に日本テレビ放送網より刊行されました。本書の親本は、以前図書館で読んだと記憶していますが、もうその記憶は薄れてしまいましたし、全作品リストも掲載されているので、文庫化を契機に資料用として購入しました。

 本書を読んで改めて思うのは、制作者側と視聴者側とでは『太陽にほえろ!』への想いが異なる、ということです。もちろん、制作者側とはいっても、プロデューサー・監督・脚本家・出演者などで違ってくるでしょうし、そもそも想いは一人ずつ違ってくるもので、それは視聴者でも同様だと思います。ただ、制作者側と視聴者側とでは、やはり『太陽にほえろ!』への想いに大きな違いが生じやすいとは思います。視聴者は基本的に放送された作品しか知らず、制作時の苦労は見えてきません。そこが最大の違いかな、とは思います。著者が選んだ「ベスト・エピソード100」に、私のお気に入りの話が入っていなかったり、逆に意外な話が入っていたりするところに、制作者側と視聴者側の意識の大きな違いが窺えます。

 すっかり忘れていた話も多いのですが、ボギー役の世良公則氏は、『太陽にほえろ!』のプロデューサーである著者から劇中で歌うよう、何度か要請されても、最後まで歌わなかったそうです。世良氏は演技の世界と歌の世界を峻別し、自分の歌は『太陽にほえろ!』には合わない、と言っていたそうですが、世良氏への印象通りの話です。石原裕次郎氏は、亡くなる2週間前に見舞いに訪れた著者に、ラガー役だった渡辺徹氏は太りすぎなので、医者の指導で食生活を変えなければいけない、と言っていたそうです。もうその頃には石原氏は肉体的にも精神的にもかなり厳しい状態だったのでしょうが、それでも若い役者を気遣うところが、石原氏らしいと思います。ベスト・エピソード100もそうですが、本書を読んで視聴当時のことが思い出され、懐かしくなりました。購入して正解だったと思います。

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