鳥の卵の色の多様性

 鳥の卵の色の多様性に関する研究(Wisocki et al., 2020)が公表されました。鳥の卵の色と模様はさまざまですが、こうした多様性の主要因については分かっていません。たとえば、濃い色素は薄い色素よりも多くの熱を吸収するため、色の濃い卵殻は寒冷な地域で有利と考えられますが、温暖な地域の方が強い有害な紫外線放射も遮断します。同様に、濃い色素は抗菌特性がより強いため、温暖湿潤な地域で有利と考えられます。薄い色素は捕食者の目につきやすいものの、捕食者は暑い地域の方に多い傾向があります。

 この研究は、自然史博物館のコレクションに由来する634種の卵の明度と色合いを測定することにより、卵殻の色の全般的パターンを調べました。そのパターンをそれぞれの種の地理的繁殖地域にマッピングすると、気温と日射が共に低く、(穴の中やカップ状の巣ではなく)巣が地上で開放的に作られる場合に、卵の色が著しく濃くなる、と明らかになりました。次に、色合いと明度がさまざまな卵(ニワトリ、アヒル、ウズラ)を日射に曝露しました。その結果、色の薄い卵よりも色の濃い卵の方が、孵卵温度を長時間維持できる、と明らかになりました。これらの知見は、温度調節が卵殻色決定の主たる要因となっている可能性を強く示唆しています。なお、現生鳥類の色付き卵の起源は恐竜の中でも獣脚類において生じた一度の進化にある、と推測されています(関連記事)。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【進化学】鳥の卵の色はなぜ多様なのか

 生息地の気候が寒冷で巣が開放的な鳥は、濃い色の卵を産む傾向があることを明らかにした論文が掲載される。色の濃い色素によって、日光にさらされた卵は内部の温度を維持できる時間が長くなるのではないか、とその研究は示唆している。

 鳥の卵の色と模様はさまざまであるが、こうした多様性の主たる要因は分かっていない。例えば、濃い色素は薄い色素よりも多くの熱を吸収するため、色の濃い卵殻は寒冷な地域で有利と考えられるが、有害な紫外線放射も遮断する。紫外線は温暖な地域の方が強い。同様に、濃い色素は抗菌特性がより強いため、温暖湿潤な地域で有利と考えられる。薄い色素は捕食者の目につきやすいが、捕食者は暑い地域の方に多い傾向がある。

 Daniel Hanley、Phillip Wisockiたちは、自然史博物館のコレクションに由来する634種の卵の明度と色合いを測定することにより、卵殻の色の全般的パターンを調べた。そのパターンをそれぞれの種の地理的繁殖地域にマッピングすると、気温と日射が共に低く、(穴の中やカップ状の巣ではなく)巣が地上で開放的に作られる場合に、卵の色が著しく濃くなることが明らかになった。

 次に、色合いと明度がさまざまな卵(ニワトリ、アヒル、ウズラの卵)を日射に曝露した。その結果、色の薄い卵よりも色の濃い卵の方が、孵卵温度を長時間維持できることが明らかになった。以上の知見を総合すると、温度調節が卵殻色決定の主たる要因となっている可能性が強く示唆される。



参考文献:
Wisocki PA. et al.(2020): The global distribution of avian eggshell colours suggest a thermoregulatory benefit of darker pigmentation. Nature Ecology & Evolution, 4, 1, 148–155.
https://doi.org/10.1038/s41559-019-1003-2

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