花粉不足時に葉をかじって開花を早めるマルハナバチ

 花粉不足時のマルハナバチの行動に関する研究(Pashalidou et al., 2020)が報道されました。日本語の解説記事もあります。植物と授粉媒介者は依存し合って生きています。マルハナバチのような授粉媒介者が不可欠な栄養を花に依存しているように、植物もその繁殖に授粉媒介者を必要としています。この共生関係は、春に気温が上昇して日が長くなるにつれて、越冬昆虫が目覚めると同時に春の花が開花することで、バランスが保たれます。しかしこの順序立ては狂いやすく、気候変動に脅かされます。たとえば、春早い時期に気温が上昇すると授粉媒介者が早く目覚め過ぎてしまう一方で、春の花はまだ開花しておらず、授粉媒介者の食料はありません。

 この研究は、絶食状態のマルハナバチが植物の開花時期を操作するために使う適応戦略を発見しました。花粉が不足しているコロニーの働きバチは口器を使って顕花植物の葉に独特な形の穴を開け、その結果、開花が2週間から1ヶ月と大幅に早まることを確認しました。この研究は、自分たちで傷を真似ても開花効果を再現できませんでした。これはハチの方法には未知なる独自の特徴があることを示唆しています。この知見は、マルハナバチが花という資源の地域利用可能性に影響する強力な作用因子であることを明らかにしました。授粉システムではこれまで推測されていた以上に、訪花昆虫の行動適応から気候変動に対応する柔軟性と回復力が得られる、と考えられます。


参考文献:
Pashalidou FG. et al.(2020): Bumble bees damage plant leaves and accelerate flower production when pollen is scarce. Science, 368, 6493, 881–884.
https://doi.org/10.1126/science.aay0496

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント