五島勉氏死去

 五島勉氏が先月(2020年6月)16日に亡くなっていた、と報道されました。ご冥福をお祈りいたします。当ブログでも何度か述べてきましたが、私は五島勉氏のファンであり、単独のブログテーマを設定しているくらいです。それだけに、五島氏が亡くなったのは残念ですが、もう五島氏も90歳ですから、天命と言うべきでしょうか。いつか五島氏のまとめサイトを開設しようと考えてきましたが、怠惰なこともありますし、優先順位のより高い趣味が他にもあるので、ほとんど進んでいません。まあ、本気で五島氏の思想・言説を検証しようとしたら、現代フランス語のみならず中世フランス語(「方言」も含めて)やラテン語も習得しなければならないでしょうから、さすがに自分の能力では無理そうだな、と思って尻込みしているということもあります。五島氏の存命中に何とかある程度は形にしたかったのですが、公開できる目途は全く立っていません。

 五島氏は、近年ではもうすっかり「あの人は今」といった扱いを受けていましたが、時々マスコミでも取り上げられており、昨年6月にはデイリー新潮が五島氏へのインタビュー記事を公開しました(関連記事)。その時には、インタビューに応じられるくらい元気そうだったので、やや安心していたのですが、今年になって難病の膿疱性の湿疹が再発したそうで、先月上旬に体調が悪化して入院し、やがて食事が摂れなくなり、そのまま先月16日に亡くなったそうです。

 五島氏には黙示録を題材にした新作の構想があったそうですから(関連記事)、もう以前とは大きく異なる見解を提示するのは難しいでしょうし、過去作の使いまわし的性格が強くなりそうとはいえ、楽しみにしていました。何とか五島氏の新著をもう一冊読みたかったので、その点でも先月亡くなったのは残念です。まあ、こんなことを述べると、日本社会に害悪をまき散らした五島氏のファンとは意識が低すぎる、と罵倒・嘲笑されそうですが、五島氏の読ませる力は本物で、私も魅了されました。20年近く前(2000年8月4日)に述べましたが(関連記事)、とくに擬態語や擬声語の使い方が上手いと思います。五島氏の文章力に少しでも近づきたい、と若い頃から考えてきましたが、今でもほとんど近づけていない、と痛感します。

 なお、五島氏の日本社会への悪影響というと、(ノストラダムスの詩集などの根拠薄弱な解釈に基づく)終末論で不安を煽ったとか、それがオウム真理教にも影響を与えて暴走させてしまった、とか批判されることが多いように思いますが、もっと問題なのは、反ユダヤ主義との関わりかもしれません。日本社会において反ユダヤ主義が浸透するにあたって、最も大きな影響力を及ぼしたのは宇野正美氏の1980年代の一連の著作でしょうが、同じく1980年代に刊行された五島勉氏の一連の著作の一部も、大きな影響力を及ぼしたのではないか、と思います(関連記事)。

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