大相撲春場所千秋楽

 もうすっかり慣れてしまいましたが、両横綱のうち鶴竜関は初日から、白鵬関は3日目から休場となり、またもや横綱不在の場所となりました。稀勢の里関の悪例があるので、白鵬関と鶴竜関の休場に関して私はずっと擁護してきましたが、さすがに鶴竜関に関しては厳しいと思っていたところ、場所中に鶴竜関は引退を表明しました。親方として鶴竜を襲名するとのことで、まだ親方株を取得していないのでしょうか。鶴竜関は優れた親方になりそうですし、鶴竜関の前に引退した横綱7人のうち5人が定年よりもずっと前に相撲協会から離れていることもありますから、鶴竜関には親方株を取得してもらい、長く後進の指導に当たってもらいたいものです。白鵬関は来場所も休場して七月場所で進退をかけるそうですが、膝の状態がかなり悪そうなので、このまま引退することになりそうです。白鵬関はこれだけの実績を残しているので、一代年寄を認められるべきだと思いますが、もし認められないようならば、これを機に一代年寄制を廃止すべきでしょう。

 横綱不在で今場所も混戦となり、千秋楽を迎えた時点で4敗の力士にも優勝の可能性が残されているくらいでした。優勝争いを引っ張っていた高安関が13日目・14日目と連敗して後退したところは、兄弟子の稀勢の里関の勝負弱さを想起させました(2012年夏場所)。14日目を高安関とともに3敗で迎えた照ノ富士関は14日目に朝乃山関に勝ち、単独首位で千秋楽を迎えました。まず、4敗の碧山関と高安関が対戦し、高安関は硬くなっていたのか、はたき込みで敗れ、10勝5敗で優勝争いから脱落しました。高安関は、あるいは終盤にどこか痛めたのでしょうか。照ノ富士関は貴景勝関に一度は押し込まれながら逆襲して押し出して勝ち、12勝3敗で3回目の優勝を果たしました。

 照ノ富士関は大関復帰を確実にしました。序二段まで陥落しながら大関に復帰したのは見事です。白鵬関はこのまま引退しそうですから、現時点では照ノ富士関が最強と言えるかもしれません。しかし照ノ富士関は、大関から陥落する原因となった大怪我の前よりも心技の面では成長が見られますが、やはり体の面では膝の状態が悪いので、横綱に昇進するのは難しそうですし、仮に昇進できたとしても、満足な成績を残せず短命に終わりそうです。そもそも、照ノ富士関は今年(2021年)11月には30歳になりますから、大関の地位を長く維持することも容易ではないでしょう。

 高安関は最近復調してきたように見えたので、横綱不在の中、今場所最後まで優勝を争ったことは意外ではありませんでした。ただ、高安関も全盛期より力が落ちていることは否定できず、両横綱の衰えと若手の伸び悩みにより、また優勝争いができるようになった、と私は考えています。外国出身力士も幕内上位にいますが、少子高齢化が進む中、やはり圧倒的多数を占める日本出身力士の素質が以前よりも低いことは否めないので、全体的な水準が以前より下がっていると考えるべきなのでしょう。高安関の「復調」や照ノ富士関の大関復帰も、そうした文脈で解釈すべきだと思います。

 7勝8敗と負け越した正代関は不安定で今年11月には30歳になりますし、何とか二桁勝った朝乃山関は出稽古禁止で伸び悩んでいるところがあり、貴景勝関は押し相撲で不安定ですから、間もなく迎えるだろう横綱不在は長期化しそうです。貴景勝関は減量について色々と言われましたが、押し切れないところが見られたので圧力は減少したかもしれないものの、動きは良くなって総合的には正解だったと言えそうです。白鵬関の引退がいよいよ近づき、不安はありますが、横綱不在とはいっても、毎場所混戦の優勝争いも面白いものですから、悲観要素だけでもないとは思います。仮に以前よりも八百長が激減しているとしたら、横綱に昇進するにはそれこそ全盛期の白鵬関くらい力量が抜けていないと難しいので、今後は横綱不在が当たり前のように思えてくるのかもしれません。

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