恐竜の鳥類に似た特徴の起源

 恐竜の鳥類に似た特徴の起源を指摘した二つの研究が報道されました。日本語の解説記事もあります。一方の研究(Hanson et al., 2021)は、非鳥類型恐竜・ワニ類・鳥類を含む主竜類群の絶滅種と生存種を対象にその内耳構造を調査し、半規管と蝸牛の形が二足歩行・四足歩行・飛行といった運動能力と高周波音を聞く聴力に関係する、明確なパターンを発見しました。この研究は、これらの分析により恐竜の飛行能力を示す最古の例が示されたとともに、最古いと考えられる親子間の口頭伝達も明らかになった、と指摘します。

 もう一方の研究(Choiniere et al., 2021)は、獣脚竜の生存種と絶滅種を対象に内耳と視覚系の状態を調査し、フクロウのような夜間の捕食に必要な聴覚と視覚の適応は、とりわけ後期白亜紀のアルヴァレスサウルスでは、早い時期に進化したことを発見しました。この発見は、夜間活動のための恐竜の感覚適応は現代の鳥類の登場のかなり前に個々に進化したことを示唆しているとともに、これらの特徴が非鳥類型恐竜・鳥類・哺乳類の間で何百万年もの時間をかけて収斂したことを実証しています。

 絶滅種124種と生存種91種を対象とした内耳構造と眼球を支える強膜輪に関するこれら二つの研究により、恐竜の感覚器官の生態と、飛ぶ・夜間に狩りをする・子供の甲高い鳴き声を聞くといった能力を含む行動の進化について、新たな知見が得られました。これら二つの研究では最先端の画像技術と高度な統計分析が活用されており、これまで調査の届かない部分だった、器官内部の構造の多くの特徴と子育てや日常の活動パターンといった習慣との確かな関連性が示されました。


参考文献:
Choiniere JN. et al.(2021): Evolution of vision and hearing modalities in theropod dinosaurs. Science, 372, 6542, 610–613.
https://doi.org/10.1126/science.abf1667

Hanson M. et al.(2021): The early origin of a birdlike inner ear and the evolution of dinosaurian movement and vocalization. Science, 372, 6542, 601–609.
https://doi.org/10.1126/science.abe7941

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