イラン大統領選結果

 今月(2021年6月)18日に投票が行なわれたイラン大統領選挙で、検事総長や司法府長官などを歴任したエブラヒム・ライシ氏(60歳)が当選しました。得票率は約62%と圧勝でしたが、護憲評議会による事前審査で有力者も含む多くの立候補者が失格となり、少なからぬ国民が冷めていたためか、投票率は1979年のイスラム教体制成立後の大統領選挙では最低となる約48.8%でした。ライシ氏は前回(2017年)の大統領選挙にも立候補し、得票率は38.5%でロハニ大統領に敗れています。穏健派とされるロハニ大統領でも経済制裁解除で目立った成果は挙げられず(アメリカ合衆国では最近まで4年間トランプ政権だったこともありますが)、有力者が失格にならずとも、ライシ氏が勝っていたかもしれません。

 ライシ氏は「反米・保守強硬派」と言われており、以前より有力候補とされていましたが、大統領としての政治手腕はどうでしょうか。ライシ氏は次のイラン最高指導者の有力候補とも言われており、大統領就任はライシ氏に箔をつけるために現最高指導者のハメネイ氏が画策した、との憶測もあります。ライシ氏の勝利を確実にするため、事前審査で有力者も含む多くの立候補者が失格となったのでしょうが、それで少なからぬ国民が冷めたのだとしたら、長期的には体制維持にとって悪影響となるかもしれません。とくに独自の知見を提示できるわけではありませんし、イラン政治を日頃から熱心に追いかけているわけでもありませんが、当ブログを開設してからイラン大統領選を毎回取り上げてきたので、今回も言及しました。なお、過去のイラン大統領選に関する記事は以下の通りです。

2009年
https://sicambre.at.webry.info/200906/article_14.html

2013年
https://sicambre.at.webry.info/201306/article_18.html

2017年
https://sicambre.at.webry.info/201705/article_23.html