大河ドラマ『青天を衝け』第22回「篤太夫、パリへ」

 栄一(篤太夫)が徳川昭武に同行して外遊に出たので、初期のように栄一の話と慶喜の話が別々に進行することになりました。栄一が外遊に出ている間に国内政局は劇的に動くわけで、栄一を主人公とする場合、幕末編で慶喜を準主人公として描くのは上手い構成だと思います。栄一は慣れない船旅に苦労しつつパリに到着し、万国博覧会の会場を視察し、西洋の技術に圧倒されます。日本の展示場には薩摩藩の紋が高々と掲げられており、幕府使節団は抗議し、フランス側からは妥協案が提示されますが、幕府と薩摩藩は同格の政府との風聞が流れます。これは薩摩藩の五代才助(友厚)たちの策略でした。

 国内政局では、慶喜がフランス公使ロッシュの助言も得て、さまざまな改革を打ち出します。慶喜は外交面ではフランスやオランダやイギリスに開港を約束するなど、将軍として積極的に動きます。渋沢家では、外遊に出た栄一の養子として尾高平九郎が迎えられます。今回は、栄一のパリでの見聞が描かれ、栄一が近代化に役立つさまざまな知見を得ていくところは、主人公の成長が見られてよいと思います。主人公が受動的に振り回されるのではなく、能動的に動いていき成長するところが本作の魅力になっていると思います。