大河ドラマ『青天を衝け』第32回「栄一、銀行を作る」

 大蔵省を辞めた栄一は銀行作りに奔走し、第一国立銀行の設立に関わって総監役に就任します。官界でも民間でもそれぞれ違う苦労があるもので、それぞれの立場に応じて栄一の才覚と苦労が描かれており、よいと思います。民間に転じた栄一は癖のある人物相手に苦労が多いものの、それを楽しんでもいるように見えます。今回新たに登場した岩崎弥太郎は、ひじょうに癖のある人物として描かれるようで、まだ栄一とは会っていませんが、二人の対面というか対決は後半の見どころの一つになるのではないか、と期待しています。

 今回は栄一の家庭場面の描写が長めで、家庭場面を描くことにやたら否定的な大河ドラマ愛好者もいるようですが、世相の変化も台詞で自然に示されていましたし、何よりも栄一の母親の退場ですから、長めでよかったのではないか、と思います。史実がどうだったのか知りませんが、本作では栄一は両親に恵まれています。気になるのは、相変わらず大久保利通が悪役寄りの小物のように見えることで、今後、大物政治家としての側面が描かれるのでしょうか。