大河ドラマ『青天を衝け』第37回「栄一、あがく」

 今回は栄一が共同運輸会社を設立し、岩崎弥太郎率いる三菱に再度海運業で挑み、激しい争いとなりますが、妻の千代が亡くなり憔悴していた栄一を周囲の人々は案じます。栄一の活躍が妻の千代に支えられてのものだったことは、これまでよく描かれていたので、自然な流れになっていました。栄一は、平岡円四郎の未亡人の「やす」の勧めもあり、没落した豪商の娘の伊藤兼子と再婚します。随分あっさりとした再婚でしたが、栄一が半ば自棄になっているようにも見えました。それだけ千代を失った栄一の精神的打撃は大きかった、ということを描いているのでしょう。

 栄一と岩崎弥太郎の海運業での争いが激化するなかで、さすがの岩崎弥太郎も心労のためか体調不良に陥りますが、それでも勝負を諦めず、共同運輸会社の株を購入します。両者の争いを五代友厚は仲裁しようと試みますが、岩崎弥太郎とは経営理念が異なると言って、栄一もあくまでも戦おうとします。栄一は旧知の伊藤博文に、政府が三菱を制裁するよう頼み込みますが、伊藤に大きな目で日本を見るよう諭されます。激しい争いのなか、岩崎弥太郎が没したと聞かされた栄一は、五代友厚の死期が近いことも知り、五代の仲裁を受け入れて三菱と和解して合併します。今回で岩崎弥太郎と五代友厚は退場となり、ともに出番は少なかったものの、存在感を示したように思います。