中国で10~8万年前頃の人骨発見

 河南省許昌市の霊井遺跡で、10~8万年前頃の人類のほぼ完全な頭蓋骨が発見された、との報道がありました。
http://www.reuters.com/article/scienceNews/idUST20581320080123
http://j.peopledaily.com.cn/2008/01/23/jp20080123_82948.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000127-jij-int
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000025-rcdc-cn

 頭蓋骨は16の断片から成り、ほぼ完全な頭蓋骨を復元できたとのことです。眉骨は厚く突き出ており、額は小さく平らとのことです。この頭蓋骨で注目すべきなのは、頭蓋骨の内側の膜組織が化石化して残存していたことで、神経組織の解明につながるのではないか、と期待されています。

 報道によると、ある専門家は「中国現生人類の起源を示す直接の証拠になる可能性がある」と述べ、ミルフォード=ウォルポフ氏、アラン=ソーン氏とならぶ多地域進化説の大御所である呉新智氏は、「今回の発見は北京原人に次ぐ重要発見で、東アジアの人類進化と中国現生人類の起源研究にとって重大な学術的価値がある」と述べている、とのことです。

 たいへん貴重な発見であることに間違いはありませんが、報道を読んだかぎりでは、眉骨が厚く突き出ており、額が小さく平らという点で、原始的特徴の目立つ頭蓋骨のようです。遅くとも10万年前までには、アフリカやレヴァントに現生人類(解剖学的現代人)が登場していたことは間違いありませんので、この「許昌人」は現代中国人(またはその周辺地域の現代人)の直系の祖先ではなく、エレクトスまたはハイデルベルゲンシスの子孫で、現生人類とは異なる集団だと考えるのがよさそうです。ただ、アフリカから東アジアに現生人類が進出してきたとき、この「許昌人」またはその類縁集団と、低頻度ながら混血があった可能性はあるでしょう。

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