ドマニシ人は火山噴火のため死亡

 グルジアのドマニシで発見された180~170万年前頃の人骨群は、古人類学にじゅうような知見をもたらしてきました。この人骨群に原始的特徴と派生的特徴が混在しているという見解は、昨年9月21日分の記事で紹介しましたが、この人骨群は基本的にはホモ属とされています。ただ、種区分については見解が一致しておらず、エレクトスともエルガスターともグルジクスとも分類されています。

 このドマニシ人は火山活動のために死亡したようだとする論文が、このブログでも何度か紹介したことのあるザルヴァトール氏のブログで取り上げられました。英語の要約とザルヴァトール氏の記事を通じてこの論文の見解を見ていくことにします。なお、この論文ではドマニシ人をグルジクスと分類しています。

 多数にのぼるドマニシの人骨群は窪地に密集しており、たいへんよく保存されていました。これらは少なくとも5人分の人骨であり、彼らの死亡時の年齢は、10代から40歳以上にまで分布しています。ドマニシの人骨群は、突然死亡した家族集団を想起させます。彼らの突然死という仮定の検証に使えそうなのが、火山灰です。

 火山灰は粒状測定と化学的分析がなされましたが、ドマニシの西方20kmの火山から降ってきたものと思われます。このような距離だと、灰は燃えてはいないのですが、吸入すると窒息することがあります。ドマニシ人の上に降ってきた灰は熱くないので、即死することはなく、窪地に避難することはできたでしょうが、けっきょくは窒息死してしまったと思われます。

 ドマニシの人骨群の出土状況からは、このような想定があり得そうです。おそらく200万年前頃より、人類は世界各地に拡散していきましたが、そうした人類集団が常に各地で長く存続したというわけではなく、このように災害のために絶滅したことも多々あったのでしょう。

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