白保竿根田原洞穴遺跡の破壊

 沖縄県石垣島の白保竿根田原洞穴遺跡で出土した人骨のうちの1点が、日本列島の人骨としては現時点では最古となる、放射性炭素年代測定法で20000年前頃だと判明した、との報道を以前このブログで取り上げましたが、その白保竿根田原洞穴遺が、ずさんな調査により破壊されてしまった、と報道されました。化石を含む堆積層の大部分が壊されてしまっており、20000年前頃だと判明した人骨が発見された、「化石のホール」と呼ばれていた場所も大半はなくなっていた、とのことです。こうしたずさんな調査が行われた理由として、白保竿根田原洞穴が新石垣空港の建設予定地内にあり、空港建設が急がれたためではないか、と報道されています。

 こうした発掘にまつわる問題はおそらく珍しくないでしょう。今回の件が全国紙で報道されたのは、発見された人骨が日本列島最古と判明したためで、大々的に取り上げられず、非専門家にはほとんど知られないまま、残念ながら開発のために破壊される遺跡は少なくないと思われます。とはいえ、開発には現代人の生活がかかっているという側面もあり、止むを得ない場合もあるのでしょうが。なお、この報道では、白保竿根田原洞穴遺跡で魚の骨が発見されており、人類が持ち込んだかもしれないことから、人類の歴史を塗り替える可能性もある、と指摘されていますが、人類が魚を食べ始めた時期は、中期更新世までさかのぼる可能性があるでしょう(関連記事)。

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