縄文時代の平均寿命についての新たな研究

 『考古学ジャーナル』2010年10月臨時増刊号では「古人骨から縄文・弥生時代を考える」という特集が組まれていますが、
http://hokuryukan-ns.co.jp/magazines/archives/2010/09/201010_5.html
この臨時増刊号に掲載された、縄文時代の平均寿命について新たな見解が述べられている長岡朋人「縄文時代人骨の古人口学的研究」が報道されました。
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201011130129.html

 論文のほうはまだ読んでいませんが、上記報道によると、岩手県の蝦島貝塚や千葉県の祇園原貝塚など9遺跡から出土した計86体の人骨の腸骨耳状面を調査したところ、65歳以上が32.5%を占めた、とのことです。縄文時代の平均寿命についてよく引用される、1967年の小林和正氏の論文「出土人骨による死亡年齢の研究」では、65歳以上の縄文人骨は存在しなかったとのことですから、今までの年齢推定法は老年の人を実際より若く推定してきたのではないか、と長岡氏は指摘しています。

 長岡氏の推定が妥当であれば、縄文時代の平均寿命もじゅうらいの推定より長くなるわけですが、上記報道での国立長寿医療センター研究所所長の鈴木隆雄氏の指摘にあるように、結論を下すのは時期尚早でしょう。なお、上記報道では縄文時代の平均寿命が30歳前後と述べられていますが、これは小林和正氏の論文「出土人骨による死亡年齢の研究」の誤解に基づくものであり、小林論文に基づけば、縄文時代の平均寿命は30歳よりもかなり低くなるだろうということは、このブログの下記の事にて以前述べたことがあります。
http://sicambre.at.webry.info/200701/article_10.html

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