テーマ:歴史総合

天皇のY染色体ハプログループ

 天皇というか皇族のY染色体ハプログループ(YHg)について、D1bとの情報がネットで出回っており、確定したかのように喧伝されているので、以前から一度調べてみるつもりだったのですが、さほど優先順位が高いわけでもないので、後回しにしていました。今回、少し調べてみたのですが、査読誌に掲載された論文や、信頼できる研究機関の報告では見つけること…
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過去2000年間における最近の気候変動の位置づけ

 過去2000年間における最近の気候変動の位置づけに関する3本の論文が公表されました。過去2000年間の気候変動性については議論が繰り広げられてきました。とくに注目すべき時期としては、中世の気候異常、小氷期、気候に対する人間の影響に対応した過去150年間の急速な温暖化などがあります。これらの時期の範囲を決定することは、過去に気候変動性を…
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石浦章一『王家の遺伝子 DNAが解き明かした世界史の謎』

 川端裕人著、海部陽介監修で、講談社ブルーバックスの一冊として、講談社から2019年6月に刊行されました。本書はおもに王族を対象として、DNA解析により解明された世界史上の著名人の「謎」を取り上げています。具体的には、リチャード3世、ツタンカーメン、ジョージ3世、ラムセス3世、トーマス・ジェファーソンです。本書の主題からして、醜聞めいた…
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1970年代に社会主義への道を批判した市井人

 表題の記事を読みましたが、なかなか興味深い内容でした。この記事が取り上げている中村隆承氏は、おそらく有名ではなく、失礼ながら私も知りませんでしたが、優れた見識の持ち主だったようです。中村氏は1983年に49歳という若さで亡くなり、翌年『中村隆承遺稿集』が家族により自費出版されたそうです。インターネットの普及した現在なら、優れた見識を有…
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佐藤弘夫『「神国」日本 記紀から中世、そしてナショナリズムへ』

 講談社学術文庫の一冊として、2018年6月に講談社より刊行されました。本書の親本『神国日本』は、ちくま新書の一冊として2006年4月に筑摩書房より刊行されました。以前、当ブログにて本書を取り上げましたが、制限字数の2万文字を超えてしまったので、前編と後編に分割しました。今週(2019年7月2日)、ウェブリブログの大規模メンテナンスおよ…
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ヨーロッパのジャガイモの複雑な進化史

 ヨーロッパのジャガイモの複雑な進化史に関する研究(Gutaker et al., 2019)が公表されました。ジャガイモは南アメリカ大陸のアンデス地方が起源で、現在では世界各地に見られます。ヨーロッパのジャガイモに関する歴史記録は、16世紀後半のスペインまでさかのぼります。ジャガイモの塊茎の成長は、日長や温度などの複数の環境要因の影響…
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小路田泰直『日本史の思想』、『「邪馬台国」と日本人』、『邪馬台国と「鉄の道」』

 小路田泰直氏の著書で過去に取り上げたものを一つの記事にまとめます。『日本史の思想』の雑感は2001年12月に前編と後編に分割して、『「邪馬台国」と日本人』の雑感は2001年5月に、『邪馬台国と「鉄の道」』の雑感は2011年9月にそれぞれ掲載しました。小路田氏の著書の雑感をまとめようと思ったのは、近年、小路田氏の著書『卑弥呼と天皇制』(…
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山極寿一、小原克博『人類の起源、宗教の誕生 ホモ・サピエンスの「信じる心」が生まれたとき』

 平凡社新書の一冊として平凡社より2019年5月に刊行されました。補論を除いて対談形式になっています。第1章では、宗教の起源として共存のための倫理が挙げられており、この点に関して、(人間を除く)動物と人間との間の連続性が指摘されています。宗教を人間と動物の決定的な違いとするヨーロッパ世界で根強い観念が、一定以上相対化されています。ただ、…
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原勝郎の古代~中世日本史認識

 以前、原勝郎『日本中世史』を取り上げましたが(関連記事)、その古代~中世日本史認識は、その後の日本人の歴史認識に大きな影響を及ぼしたように思います。原の古代~中世日本史認識をまとめると、以下のようになります。  古代日本は中華文明を輸入し、律令国家体制と、一見すると華麗な文化を築きましたが、中華文明の影響は皮相・局所的で、社会全…
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双系的な現生人類社会

 最近、神武天皇のY染色体を強調する言説について、皇位継承と絡めて述べましたが(関連記事)、人類社会の構造について、少し補足しておきます。古代日本社会を双系的と解釈する見解は現在では有力とされているでしょうが、それは現生人類(Homo sapiens)において普遍的な、所属集団を変えても元の集団への帰属意識を持ち続ける、という特徴に由来…
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中国における朝鮮人女性性奴隷疑惑

 中華人民共和国において朝鮮民主主義人民共和国の女性数千人が性労働者として強制的に働かされている、との報告書の公表について報道されました。ロンドンに本部のあるコリア・フューチャー・イニシアティヴという人権団体が調査したそうです。もちろん、これがどこまで正確な調査なのか、という問題はありますし、謀略を主張する人は日本でもいるでしょうが、現…
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神武天皇のY染色体

 皇位継承にさいして男系維持派がY染色体を根拠とすることについては、すでに11年半近く前(2007年11月)に当ブログで述べましたが(関連記事)、今でも男系維持派がY染色体を根拠とすることもあり、一部?の界隈ではすっかり定着したようです。この問題について当時も今も思うのは、皇位継承のような物語性の強い社会的合意事項に安易に自然科学の概念…
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Vybarr Cregan-Reid『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』

 ヴァイバー・クリガン=リード(Vybarr Cregan-Reid)著、水谷淳・鍛原多惠子訳、真柴隆弘解説で、飛鳥新社より2018年12月に刊行されました。原書の刊行は2018年です。本書は、現代社会の環境の多くが人間にとって「ミスマッチ」となっており、それが腰痛・糖尿病・肥満・近視などの要因になっている、と指摘します。『人体600万…
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複雑社会の出現後に始まった道徳を説く神への信仰

 道徳を説く神への信仰の起源に関する研究(Whitehouse et al., 2019)が公表されました。日本語の解説もあります。過去1000年間に「向社会的な宗教」の広がりが顕著になっています。このような宗教では、強力な「道徳律に従うことを求める神」、またはより一般的な道徳律違反に対する「超自然的な罰」(たとえば、仏教におけるカルマ…
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石井公成『東アジア仏教史』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2019年2月に刊行されました。率直に言って、本書は新書としてはかなり密度の濃い一冊になっており、一読しただけでは、概略を把握することも困難でした。もちろん、これは私に仏教史の知見が著しく欠けているためで、仏教史の教科書として、今後再読していかねばならないな、と痛感しています。本書は、1章を割…
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天武の年齢が不明な件についての補足

 もう8年半近く前(2010年9月30日)になりますが(関連記事)、天武天皇の年齢が不明であることについて、井沢元彦『逆説の日本史』文庫版2巻(小学館、1998年)を引用しました。以下、『逆説の日本史』文庫版からの引用は、「逆説*」と省略します(*が巻数)。逆説2は、『日本書紀』は天武を顕彰するための史書であり、現代にたとえるならば、創…
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私ほど東大や朝日などの権威主義に反発してきた人間はいないと言う自負があります

 井沢元彦氏が亀田俊和氏の 私は、あなたが呉座さんへの批判に梅原猛氏のお名前を出したことを完全な蛇足であると考えました。そして、それはあなたの権威主義が原因であると解釈しています。 との指摘を受けて(この経緯についてはまとめ記事があります)、以下のように発言しています。 私ほど東大や朝日などの権威主義に反発してきた人間…
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「宗教なんて迷信に過ぎないから歴史の解明には一切必要ない」という日本歴史学者

 井沢元彦氏が以下のように発言しています。 私はあなた方宗教学者のために「宗教なんて迷信に過ぎないから歴史の解明には一切必要ない」という日本歴史学者に対して「それは違いますよ」と四半世紀にわたって戦ってきました。私の愛読者のみならず宗教学会の先輩なら誰でも知っている事実です。それにあなたの批判には事実誤認があります。  率直…
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アイヌ民族が12世紀ごろ樺太から北海道に渡来した

 表題の呟きがTwitter上で流れてきました。全文引用すると、 DNA解析により、アイヌ民族が12世紀ごろ樺太から北海道に渡来したのが判明! 北海道の縄文人には、アイヌ民族の特徴であるミトコンドリアDNAのハプログループYがない。 よって、アイヌ民族は北海道先住民族ではない と北海道庁ご認定していた:そよ風 となります…
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正しい歴史認識・真実の歴史

 「正しい歴史認識」や「真実の歴史」といった主張への警戒は、十数年前より当ブログで何度か述べてきました。もちろん、どのような立場からの「正しい歴史認識」および「真実の歴史」なのか、という問題があるわけで、さまざまな観点からの警戒があるとは思います。私が十数年前よりとくに警戒していたのは、中華人民共和国の経済・軍事・政治力の強化が予想され…
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独裁者マドゥロを擁護する「21世紀の社会主義」の無責任

 表題の記事を読みました。ベネズエラの政治情勢については、2013年にチャベス前大統領が亡くなった時と(関連記事)、その後の大統領選(関連記事)について当ブログで取り上げました。チャベス大統領の訃報を聞いた時は、後継の大統領は国内運営に苦労しそうだ、と予想しましたが、現実は私の予想をはるかに上回っていました。当ブログでは、もう6年近くベ…
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マリファナ革命

 歴史上、有力政治家ではない個人の行動が歴史を動かす契機になったことは珍しくなく、最近(とはもう言えなくなったかもしれませんが)では、「ジャスミン革命」の発端になった焼身自殺がよく知られているように思います。この他にも、アメリカ合衆国における人種差別問題でのバス・ボイコット事件が有名だと思います。もちろん、そうした事例の多くでは、すでに…
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難波の倭王を百済の王が承認したのが「天皇」の始まり

 天皇には「キリスト生誕年を起点にしてる西暦より長い2679年の歴史」があり、天皇は「世界で現存する唯一の皇帝」で「ローマ法王やエリザベス女王より格上の位」との発言(記事を公開しようとしたら削除されていました)にたいして、「ただのファンタジー」との揶揄があり、それにたいして、 1500年前に漢字が入ってくるよりさらに1100年前に…
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先人たちの無能さをあざ笑う

 先行研究を読まずにひたすら史料を読み、論理的に導かれる確固たる答えを得た後で初めて先行研究を読むと、先行研究が気づいていないことや読み間違っていることがたちどころに分かる、との発言にたいして、 人類が今までに培った技術を完全に無視して、自分の力だけで火星行き有人宇宙船を1から開発し、今まで月までしか行けなかった先人たちの無能さを…
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よくもわるくも中国人はもともと「アジア」や「東アジア」といった語は好まない

 杉山正明氏関連の記事をまとめようとして、かつて当ブログで表題の一節を引用していた(関連記事)、と思い出しました。それと関連した調査をどこかで見かけた記憶があるのですが、今回見つけた論文(上ノ原.,2013)で引用されている調査がそうだったのか、はっきりとは思い出せませんでした。ただ、杉山氏の指摘を裏づける調査結果ではあると思います。本…
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人類の社会構造と近親婚

 人類の社会構造が元々は父系的だったのか母系的だったのか、という問題について、私は以前より高い関心を抱いていたので、当ブログでも何度か取り上げてきました。この問題については、唯物史観の影響により現在でも、人類の「原始社会」は母系制だった、との観念が一般層でも根強いように思われます(関連記事)。もっとも、より詳しくは、唯物史観が「原始社会…
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唯物論はネアンデルタール人級の発想

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)について検索していたら、表題の呟きを発見しました。関連する呟きを時系列に沿ってまとめてみます(呟き1および呟き2および呟き3および呟き4および呟き5)。 『ホモサピエンス全史』は読んでいて面白い。これによるとネアンデルタール人など旧人類とホモサピエンスの違いは目…
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新元号の公表時期をめぐる自民党保守派議員の奮闘に期待

 来年(2019年)5月1日に現在の皇太子が天皇となり、元号も平成から変更となるわけですが、次の元号の公表時期をめぐって与党内でも意見が一致していないことは、たびたび報道されていました。国民生活の混乱を避けるため、できるだけ早く公表しようという意見は以前から強く主張されていましたが(おそらくそれは今上天皇の意思でもあるのでしょうが)、自…
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増淵竜夫『歴史家の同時代史的考察について』

 岩波書店より1983年12月に刊行されました。本書を古書店で購入したのはかなり前だったと記憶していますが、その後ずっと放置してしまいました。本棚を整理していて本書が目についたので、読んでみようと思い立った次第です。本書はひじょうに濃密なのですが、精読して詳しく備忘録的に取り上げるだけの気力も見識も今はないので、とりあえず本書の内容を大…
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文藝春秋編『日本史の新常識』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社から2018年11月に刊行されました。以下、備忘録として各論考についてまとめます。なお、以下の西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です。 ◎序章 通史 ●出口治明「交易から見れば通史がわかる」P8~30  交易こそが人類社会の繁栄をもたらすのであり、社会・国家は開かれてい…
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