テーマ:読書

加藤聖文『国民国家と戦争 挫折の日本近代史』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2017年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は近代日本において国民国家がいかに形成されたのか、戦争はそれとどう関わったのか、論じます。まず本書は、**人(民族集団)と**国民とを区別し、同じ民族だから同じ国家に属しているとも、同じ国民だから同じ民族であるとも限らない、と指摘します。…
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Joseph Henrich『文化がヒトを進化させた 人類の繁栄と〈文化−遺伝子革命〉』第2刷

 ジョセフ・ヘンリック(Joseph Henrich)著、今西康子訳で、白揚社より2019年9月に刊行されました。第1刷の刊行は2019年7月です。原書の刊行は2016年です。本書はまず、現代人がいかに文化に依存しているのか指摘したうえで、人類の進化における文化の役割の大きさを強調します。人類の「成功」の要因は個体の認知能力ではなく、共…
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年末の挨拶

 いよいよ2020年も終わりが近づいてきました。一年間この過疎ブログをお読みくださった方、さらには有益な情報を寄せてくださった方には感謝申し上げます。例年、大晦日の記事はおおむね定形化しており、ほぼ流用して一部だけ修正していたのですが、今年からは短くとも1年を回顧するようなことも述べていきます。今年は、1年前にはまったく予想していなかっ…
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平井上総『列島の戦国史8 織田政権の登場と戦国社会』

 吉川弘文館より2020年10月に刊行されました。『列島の戦国史』は全9巻で、すべて読まねばならないところですが、戦国時代の優先順位は以前ほど高くないので、まずは最も関心の高い話題を扱っているだろう本書を読むことにしました。昨年(2020年)半ば頃に電子書籍に移行したので、漫画作品の『卑弥呼』と『創世のタイガ』の単行本を除いて紙の書籍を…
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安藤優一郎『渋沢栄一と勝海舟 幕末・明治がわかる!慶喜をめぐる二人の暗闘』

 朝日新書の一冊として、朝日新聞社より2020年8月に刊行されました。本書は、徳川慶喜をめぐる渋沢栄一と勝海舟との関係から、幕末史と明治史を見直します。慶喜に対する渋沢と勝の姿勢は正反対でした。豪農の長男として生まれた渋沢は、慶喜家臣の平岡円四郎と面識があり、無謀な倒幕計画への追及から逃れる目的もあり、平岡の勧めで一橋家に仕えます。渋沢…
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白峰旬編『関ヶ原大乱、本当の勝者』

 日本史史料研究会監修で、朝日新書の一冊として、朝日新聞社より2020年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。関ヶ原の戦いについても20年近く勉強を怠っているので、近年の知見を得るために読むことにしました。 序章●白峰旬「「関ヶ原の戦い」の従来イメージ打破に向けて」  関ヶ原の戦いに関するじゅうらいの通俗的印象…
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原口泉『明治維新はなぜ薩摩からはじまったのか』

 パンダ・パブリッシングより2015年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、薩摩藩が幕末に大きな影響力を有するに至ったことに関して、18世紀にまでさかのぼって検証しています。本書は、薩摩藩が組織として動いたからこそ幕末に大きな影響力を有した、という視点から、家老、とくにそのうちの二人に注目しています。一人は幕府の命により行…
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岡田晋吉『ショーケンと優作、そして裕次郎 「太陽にほえろ!」レジェンドの素顔』

 KADOKAWAから2020年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。既出の話が多いとの評判を聞いていましたが、著者とゴリさん役の竜雷太氏とプロデューサーの梅浦洋一氏の鼎談が収録されているので、購入しました。本書は、萩原健一氏と松田優作氏と石原裕次郎氏を取り上げています。やはり、『太陽にほえろ!』出演者でとくに知名度が高いというか…
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斎藤成也編著『最新DNA研究が解き明かす。 日本人の誕生』

 秀和システムより2020年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はDNA研究による日本人起源論を扱っています。表題には「最新」とありますが、進展の速い分野なので、脱稿後にも関連研究が次々と公表されていくわけで、その意味では、「最新」と謳っているのにあの研究が取り上げられていない、といった否定的感想もありそうです。しかし、この…
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坂野潤治『明治憲法史』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2020年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者は先月(2020年10月)14日に亡くなり、本書が遺著となるのでしょうか。ご冥福をお祈りいたします。本書は、大日本帝国憲法(明治憲法)の構造と機能を分析します。明治憲法が施行されてから昭和戦前期までの政治史を憲法史として再構成します。まず本書…
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光成準治『本能寺前夜 西国をめぐる攻防』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2020年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、地域としては畿内よりも西、とくに毛利を、年代は織田信長の上洛から本能寺の変までを主要な対象として、織田権力と西国の大名・領主層との関係に着目し、本能寺の変を検証しています。本書から窺えるのは、戦国時代の領主層の自立性と、それがとくに境目…
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川田稔『木戸幸一 内大臣の太平洋戦争』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2020年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、表題にあるように、おもに太平洋戦争期とそこへ至るまでの木戸幸一を満洲事変の頃から取り上げており、前半生は簡潔に言及されています。木戸は戦前・戦中期の昭和天皇の側近の代表格的人物で、昭和天皇の補佐を誤ったとして、一般的にはきわめて評判が悪い…
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廣部泉『黄禍論 百年の系譜』

 講談社選書メチエの一冊として、2020年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。近年、中華人民共和国の経済力・軍事力の拡大により、アメリカ合衆国で黄禍論が再燃しつつあるかのように思えたところ、今年(2020年)になって、新型コロナウイルスの流行により、アメリカ合衆国だけではなくヨーロッパでも黄禍論が復活するのではないか、とさえ私は…
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岡本隆司『腐敗と格差の中国史』

 NHK出版新書の一冊として、NHK出版から2019年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、現在、中華人民共和国の習近平政権で進められている「反腐敗」運動の歴史的起源を探ります。なぜ中国では最高権力者今が大々的に腐敗撲滅に力を入れているのか、単に共産党の一党独裁体制による腐敗、つまり権力、それも独裁的な権力は必ず腐敗する、…
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岡本隆司『近代日本の中国観 石橋湛山・内藤湖南から谷川道雄まで』

 講談社選書メチエの一冊として、2018年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、近代日本の中国観を、おもに知識人の言説に依拠して検証します。もちろん本書は、知識人の言説だけを取り上げるのではなく、それらが形成されて支持された背景、あるいは受け入れられなかった理由を検証します。具体的に取り上げられる知識人は、石橋湛山・矢野仁…
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伊藤之雄『真実の原敬 維新を超えた宰相』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2020年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者の講談社選書メチエ『原敬 外交と政治の理想』をいつか読もうと思っていたのですが、分厚いので尻込みしていたところ、本書の刊行を知り、講談社選書メチエよりは気軽に読めるかな、と考えて購入しました。本書も原敬についての堅実な評伝になっていますが、…
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青木健『ペルシア帝国』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2020年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。まず、「ペルシア」の語源はシュメール語で「名馬の産地」を意味する「パラフシェ」で、紀元前三千年紀にアッシリア語の「パルスアシュ」となり、イラン高原西北部を指す言葉として定着しました。後の「ペルシア」であるイラン高原西南部は、紀元前三千年紀後半以…
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森恒二『創世のタイガ』第7巻(講談社)

 本書は2020年9月に刊行されました。第7巻は、タイガたちのいる現生人類(Homo sapiens)の集落がネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)に襲撃され、リカとユカなど拉致された女性たちをタイガたちが奪回に行く場面から始まります。タイガにより飼われている狼のウルフが敵であるネアンデルタール人の気配を察知し…
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岩井秀一郎『永田鉄山と昭和陸軍』

 祥伝社新書の一冊として、祥伝社より2019年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。最近5年くらい、以前よりも日本近現代史関連の本を多く読むようになりましたが、それらの本で永田鉄山に言及されることが多かったので、一度評伝的な本を読もう、と考えた次第です。本書で初めて知りましたが(以前他の本で読んで忘れてしまっただけかもしれませんが…
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守屋純『独ソ開戦の真実 『ジューコフ回顧録』完全版が明かす』

 パンダ・パブリッシングより2017年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、1939年8月23日に締結された独ソ不可侵条約から、1941年6月22日に始まった独ソ戦までのスターリンの思考・決断を、『ジューコフ回顧録』をしばしば引用しつつ検証します。独ソ不可侵条約のドイツ側というかヒトラーの意図は、ポーランドへの侵攻にさいし…
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一ノ瀬俊也『東條英機 「独裁者」を演じた男』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2020年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。東条英機については基本的な知識が欠けているので、首相就任前の軍人としての東条英機も詳しく取り上げている本書は、私にとって大いに有益な一冊となりました。東条英機が、その父である軍人の英教から強い反長州閥意識を受け継いだことは知っていましたが、英教の…
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岡本隆司『シリーズ中国の歴史5 「中国」の形成 現代への展望』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年7月に刊行されました。本書はいわゆる明清交代から現代までを扱っています。本書は、17世紀の混乱期に対して、アジア東部ではダイチン・グルン(大清国)が広範な地域の安定化をもたらした一方で、ヨーロッパでは諸勢力の競合がもたらされ、これが近代における東西の違いにつながった、との見通しを提示…
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天野忠幸『松永久秀と下剋上 室町の身分秩序を覆す』

 シリーズ「中世から近世へ」の一冊として、平凡社より2018年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。随分前に読んだ本か記事では、松永久秀は出自不明とされていたように記憶しています。本書では、久秀の出自は摂津国の五百住の土豪だった可能性が高い、とされています。久秀は当時としてはそれなりの身分の生まれだったようですが、父の名前も伝わっ…
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川戸貴史『戦国大名の経済学』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2020年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、大名領国の収入と支出の分析から、戦国時代の日本経済の構造、さらにはアジア東部および南東部とのつながりまでを対象としており、戦国大名の領国経営という一見すると細かい主題ながら、広い視野を提示しているように思います。こうした一般向け書籍では…
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大津透『律令国家と隋唐文明』第2刷

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年4月に刊行されました。第1刷の刊行は2020年2月です。本書は、律令の導入を中心に、古代日本が隋と唐から文化・制度をどのように受容していったのか、概説します。碩学の著者らしく、その射程は律令に留まらず仏教や儒教にも及んで、広くまた深く掘り下げられており、新書とはいえ、たいへん密度が高…
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檀上寛『シリーズ中国の歴史4 陸海の交錯 明朝の興亡』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年5月に刊行されました。一般向けの中国通史で、10巻以上の構成ならばともかく、本シリーズは5巻構成にも関わらず明に1巻を割いており、かなり大胆だと思います。本書は、明初の体制が、大元ウルス治下の14世紀前半における、気候変動に伴う大きな社会的不安定化への対処によりもたらされた統治の厳格…
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森祇晶『責任者の條件 勝利への九つの設計図』

 青春文庫の一冊として、青春出版社から1999年3月に刊行されました。本書は、同じ題名で青春出版社から1997年4月に刊行された単行本の文庫化です。本書の刊行時期は、著者が西武の監督を退いて横浜の監督に就任する前で、著者は一般的には名将として高く評価されていたように思います。もっとも、本書刊行の前年に、著者が巨人監督に就任するという話が…
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野村克也『野球は頭でするもんだ!』

 朝日文庫の一冊として、朝日新聞社から1985年9月に刊行されました。本書は、同じ著者でともに朝日新聞社から刊行された、『プロ野球の男たち』(1982年)と『プロ野球・野村克也の目』(1983年)の中から、著者の考える野球とは何か、そのエッセンスを抜き出し、加筆・再構成して刊行されました。本書を古書店で購入したのは随分と前のことで、まだ…
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小林道彦『近代日本と軍部 1968~1945』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2020年2月に刊行されました。本書は近代(1868~1945年)日本陸軍の通史です。陸軍に焦点を当てているとはいえ、日本近代の通史を一人で執筆することには多大な労力が必要だったでしょう。膨大な研究蓄積があるだけに、一人での通史執筆となると、本書の個々の見解への異論は少なくないかもしれませんが、日…
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大隅洋『日本人のためのイスラエル入門』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2020年3月に刊行されました。本書は現代イスラエルの多面的側面を一般層向けに分かりやすく解説しています。日本に限らないでしょうが、イスラエルへの印象は政治的信条に基づくものになりがちで、イスラエルに対してひじょうに悪い印象を抱いている人は少なくないかもしれません。それは、反ユダヤ主義的側面もあるで…
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