テーマ:読書

廣部泉『黄禍論 百年の系譜』

 講談社選書メチエの一冊として、2020年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。近年、中華人民共和国の経済力・軍事力の拡大により、アメリカ合衆国で黄禍論が再燃しつつあるかのように思えたところ、今年(2020年)になって、新型コロナウイルスの流行により、アメリカ合衆国だけではなくヨーロッパでも黄禍論が復活するのではないか、とさえ私は…
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岡本隆司『腐敗と格差の中国史』

 NHK出版新書の一冊として、NHK出版から2019年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、現在、中華人民共和国の習近平政権で進められている「反腐敗」運動の歴史的起源を探ります。なぜ中国では最高権力者今が大々的に腐敗撲滅に力を入れているのか、単に共産党の一党独裁体制による腐敗、つまり権力、それも独裁的な権力は必ず腐敗する、…
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岡本隆司『近代日本の中国観 石橋湛山・内藤湖南から谷川道雄まで』

 講談社選書メチエの一冊として、2018年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、近代日本の中国観を、おもに知識人の言説に依拠して検証します。もちろん本書は、知識人の言説だけを取り上げるのではなく、それらが形成されて支持された背景、あるいは受け入れられなかった理由を検証します。具体的に取り上げられる知識人は、石橋湛山・矢野仁…
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伊藤之雄『真実の原敬 維新を超えた宰相』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2020年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者の講談社選書メチエ『原敬 外交と政治の理想』をいつか読もうと思っていたのですが、分厚いので尻込みしていたところ、本書の刊行を知り、講談社選書メチエよりは気軽に読めるかな、と考えて購入しました。本書も原敬についての堅実な評伝になっていますが、…
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青木健『ペルシア帝国』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2020年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。まず、「ペルシア」の語源はシュメール語で「名馬の産地」を意味する「パラフシェ」で、紀元前三千年紀にアッシリア語の「パルスアシュ」となり、イラン高原西北部を指す言葉として定着しました。後の「ペルシア」であるイラン高原西南部は、紀元前三千年紀後半以…
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森恒二『創世のタイガ』第7巻(講談社)

 本書は2020年9月に刊行されました。第7巻は、タイガたちのいる現生人類(Homo sapiens)の集落がネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)に襲撃され、リカとユカなど拉致された女性たちをタイガたちが奪回に行く場面から始まります。タイガにより飼われている狼のウルフが敵であるネアンデルタール人の気配を察知し…
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岩井秀一郎『永田鉄山と昭和陸軍』

 祥伝社新書の一冊として、祥伝社より2019年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。最近5年くらい、以前よりも日本近現代史関連の本を多く読むようになりましたが、それらの本で永田鉄山に言及されることが多かったので、一度評伝的な本を読もう、と考えた次第です。本書で初めて知りましたが(以前他の本で読んで忘れてしまっただけかもしれませんが…
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守屋純『独ソ開戦の真実 『ジューコフ回顧録』完全版が明かす』

 パンダ・パブリッシングより2017年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、1939年8月23日に締結された独ソ不可侵条約から、1941年6月22日に始まった独ソ戦までのスターリンの思考・決断を、『ジューコフ回顧録』をしばしば引用しつつ検証します。独ソ不可侵条約のドイツ側というかヒトラーの意図は、ポーランドへの侵攻にさいし…
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一ノ瀬俊也『東條英機 「独裁者」を演じた男』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2020年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。東条英機については基本的な知識が欠けているので、首相就任前の軍人としての東条英機も詳しく取り上げている本書は、私にとって大いに有益な一冊となりました。東条英機が、その父である軍人の英教から強い反長州閥意識を受け継いだことは知っていましたが、英教の…
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岡本隆司『シリーズ中国の歴史5 「中国」の形成 現代への展望』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年7月に刊行されました。本書はいわゆる明清交代から現代までを扱っています。本書は、17世紀の混乱期に対して、アジア東部ではダイチン・グルン(大清国)が広範な地域の安定化をもたらした一方で、ヨーロッパでは諸勢力の競合がもたらされ、これが近代における東西の違いにつながった、との見通しを提示…
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天野忠幸『松永久秀と下剋上 室町の身分秩序を覆す』

 シリーズ「中世から近世へ」の一冊として、平凡社より2018年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。随分前に読んだ本か記事では、松永久秀は出自不明とされていたように記憶しています。本書では、久秀の出自は摂津国の五百住の土豪だった可能性が高い、とされています。久秀は当時としてはそれなりの身分の生まれだったようですが、父の名前も伝わっ…
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川戸貴史『戦国大名の経済学』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2020年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、大名領国の収入と支出の分析から、戦国時代の日本経済の構造、さらにはアジア東部および南東部とのつながりまでを対象としており、戦国大名の領国経営という一見すると細かい主題ながら、広い視野を提示しているように思います。こうした一般向け書籍では…
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大津透『律令国家と隋唐文明』第2刷

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年4月に刊行されました。第1刷の刊行は2020年2月です。本書は、律令の導入を中心に、古代日本が隋と唐から文化・制度をどのように受容していったのか、概説します。碩学の著者らしく、その射程は律令に留まらず仏教や儒教にも及んで、広くまた深く掘り下げられており、新書とはいえ、たいへん密度が高…
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檀上寛『シリーズ中国の歴史4 陸海の交錯 明朝の興亡』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年5月に刊行されました。一般向けの中国通史で、10巻以上の構成ならばともかく、本シリーズは5巻構成にも関わらず明に1巻を割いており、かなり大胆だと思います。本書は、明初の体制が、大元ウルス治下の14世紀前半における、気候変動に伴う大きな社会的不安定化への対処によりもたらされた統治の厳格…
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森祇晶『責任者の條件 勝利への九つの設計図』

 青春文庫の一冊として、青春出版社から1999年3月に刊行されました。本書は、同じ題名で青春出版社から1997年4月に刊行された単行本の文庫化です。本書の刊行時期は、著者が西武の監督を退いて横浜の監督に就任する前で、著者は一般的には名将として高く評価されていたように思います。もっとも、本書刊行の前年に、著者が巨人監督に就任するという話が…
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野村克也『野球は頭でするもんだ!』

 朝日文庫の一冊として、朝日新聞社から1985年9月に刊行されました。本書は、同じ著者でともに朝日新聞社から刊行された、『プロ野球の男たち』(1982年)と『プロ野球・野村克也の目』(1983年)の中から、著者の考える野球とは何か、そのエッセンスを抜き出し、加筆・再構成して刊行されました。本書を古書店で購入したのは随分と前のことで、まだ…
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小林道彦『近代日本と軍部 1968~1945』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2020年2月に刊行されました。本書は近代(1868~1945年)日本陸軍の通史です。陸軍に焦点を当てているとはいえ、日本近代の通史を一人で執筆することには多大な労力が必要だったでしょう。膨大な研究蓄積があるだけに、一人での通史執筆となると、本書の個々の見解への異論は少なくないかもしれませんが、日…
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大隅洋『日本人のためのイスラエル入門』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2020年3月に刊行されました。本書は現代イスラエルの多面的側面を一般層向けに分かりやすく解説しています。日本に限らないでしょうが、イスラエルへの印象は政治的信条に基づくものになりがちで、イスラエルに対してひじょうに悪い印象を抱いている人は少なくないかもしれません。それは、反ユダヤ主義的側面もあるで…
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保阪正康『幻の終戦 もしミッドウェー海戦で戦争をやめていたら』

 中公文庫の一冊として、中央公論新社から2001年7月に刊行されました。本書の親本は、同じ題名で柏書房から1997年6月に刊行されました。本書は、ミッドウェー海戦後に太平洋戦争が終結していた可能性を探る、思考実験的な歴史書と言えるでしょうが、小説的な性格も多分にあるように思います。本書はまず第一部にて、ミッドウェー海戦へと至る経緯を、軍…
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鈴木眞哉『戦国時代の計略大全』

 PHP新書の一冊として、2011年6月にPHP研究所より刊行されました。奇襲・水攻め・火攻め・伏兵・内応などといった、合戦における奇策・計略の事例を紹介しています。軍記物や講談が出典の話も多いので、単に紹介するだけではなく、創作の可能性が高いなどといった評価もなされています。戦国時代の事例が中心なのですが、南北朝時代や平安時代末期など…
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古松崇志『シリーズ中国の歴史3 草原の制覇 大モンゴルまで』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年3月に刊行されました。本書はおもに、紀元後4~14世紀のユーラシア内陸部東方を対象としています。比較的乾燥した「中央ユーラシア」は、文字記録の多く残るアジア東部および南西部やヨーロッパよりも軽視されてきたところがありますが、前近代、とくに海域交流が比重を増してくる16世紀以前において…
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池上英洋『血みどろの西洋史 狂気の1000年』

 光文社新書の一冊として、光文社より2007年11月に刊行されました。本書はまず、ヨーロッパには『ヨーロッパの歴史』という共通教科書があり、ヨーロッパの相互の利害関係を排除した中立的視点で歴史を把握しようとしているものの、ヨーロッパをあまりにも美化していることが決定的欠陥である、と指摘します。このヨーロッパ共通教科書は、日本語版で400…
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丸橋充拓『シリーズ中国の歴史2 江南の発展 南宋まで』第2刷

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年2月に刊行されました。第1刷の刊行は2020年1月です。本書はおもに江南を対象に、新石器時代から南宋の滅亡までを取り上げています。江南は華北で形成されていった「中華世界」の視点からは、当初外縁的な位置づけでした。それが、前漢後期から後漢前半にかけて成立していった「古典国制」に江南も次…
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小山俊樹『五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」 』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2020年4月に刊行されました。本書は五・一五事件の具体的な経過とともに、その背景について対象を広くとって考察しています。また、五・一五事件後の首謀者、とくに三上卓の動向が詳しく取り上げられているのも本書の特徴です。そもそも、五・一五事件の具体的な経過を詳しく読んだことがなかったので、本書の簡潔な…
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桐野作人『明智光秀と斎藤利三』

 宝島社新書の一冊として、宝島社から2020年3月に刊行されました。表題にあるように、本書は本能寺の変における斎藤利三の役割を重視しています。まず不明な点の多い明智光秀の前半生ですが、やはり確実な史料はないようで、本書も後世の編纂史料などから推測するに留まっています。本書から窺えるのは、光秀は美濃土岐氏もしくは土岐明智氏のなかなか有力な…
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加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』第10刷

 朝日出版社より2009年11月に刊行されました。第1刷の刊行は2009年7月です。本書は中学生と高校生を対象とした著者の5日間の講義の書籍化です。対象となるのは日清戦争から太平洋戦争までですが、日清戦争の前史としての日清関係も詳しく取り上げられており、「戦争を選択した」という観点からの大日本帝国史とも言えそうです。本書の特色は、同時代…
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渡辺信一郎『シリーズ中国の歴史1 中華の成立 唐代まで』第2刷

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2019年11月に刊行されました。第1刷の刊行は2019年11月です。『シリーズ中国の歴史』の特色は、単純な時代区分による通史になっていないことです。本書は新石器時代から安史の乱までを扱っていますが、主要な対象は中原で、江南への言及は少なくなっています。江南は第2巻で扱われるそうですが、こちら…
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Emmanuel Todd『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告』第2刷

 エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd)著、堀茂樹訳で、文春新書の一冊として、文藝春秋社から2015年6月に刊行されました。第1刷の刊行は2015年5月です。本書は著者への複数のインタビューで構成されており、本書自体すでに5年近く前の刊行と古いのに、インタビューは2011年11月から2014年8月までのものですから、今になっ…
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福留真紀『将軍と側近 室鳩巣の手紙を読む』

 新潮新書の一冊として、新潮社から2014年12月に刊行されました。本書は、室鳩巣の視線を通して、江戸時代中期、6代将軍家宣~8代将軍吉宗の時代までの幕府政治史を検証しています。本書は、将軍個人に仕え、将軍の交代とともに失脚することもある側近と、幕府官僚として将軍が交代しても政権中枢にい続ける老中とを対比させ、この期間の幕府政治史を描い…
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関幸彦『戦争の日本史5 東北の騒乱と奥州合戦』

 吉川弘文館より2006年11月に刊行されました。本書は、前九年合戦・後三年合戦・奥州合戦(源頼朝が奥州藤原氏を攻め滅ぼした戦い)を扱っています。一般書ながら、研究史の把握・整理が多いのが特徴となっています。本書は、東北地方と河内源氏という共通点を有するこれら三合戦から、中世的世界の成立の経緯・背景・その意味、頼朝の御家人たちの間で共有…
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