テーマ:自然科学

最古のサソリ

 最古のサソリに関する研究(Wendruff et al., 2020)が公表されました。サソリは海中から陸上に移動した最初期動物群の1系統ですが、化石記録が少ないため、陸上での生活にいつどのように適応したのか、明らかになっていません。この研究は、アメリカ合衆国ウィスコンシン州のウォーキシャ生物相で発見され、約4億3750万年~4億36…
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小惑星衝突による恐竜の絶滅とその後の生物相の形成を促した火山活動(追記有)

 小惑星衝突による恐竜の絶滅とその後の生物相の形成を促した火山活動に関する研究(Hull et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。非鳥類型恐竜が地球上の生物種の3/4とともに絶滅した白亜紀~古第三紀(K/Pg)境界大量絶滅に関しては、20世紀後半になって小惑星衝突説が有力になりましたが、インドのデカントラ…
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マラリア媒介蚊の殺虫剤抵抗性機構

 マラリア媒介蚊の殺虫剤抵抗性機構エピに関する研究(Ingham et al., 2020)が公表されました。ピレスロイドを染み込ませた蚊帳は、アフリカでのマラリアに関連する罹患率と死亡率の大幅な低下の原動力となってきました。しかし、蚊帳による強い選択圧は、アフリカのハマダラカ属(Anopheles)個体群においてピレスロイドに対する抵…
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小児期の鉛曝露による認知機能への影響

 小児期の鉛曝露による認知機能への影響に関する研究(Marshall et al., 2020)が公表されました。小児期の鉛曝露は、低濃度であっても、認知機能や行動の発達に悪影響を及ぼすことが知られており、その後の人生の社会経済的地位の低下にも関連する、と推測されています。しかし、小児期の社会経済的状態や鉛曝露と脳の発達に及ぼす作用との…
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永久凍土の古気候学的証拠

 永久凍土の古気候学的証拠に関する研究(Vaks et al., 2020)が公表されました。北極圏では気候変動が急速に生じており、予測では、今世紀半ばまでに夏季の海氷が完全に失われる、と示唆されています。北半球の永久に凍った土壌(永久凍土)の温暖化に対する感度はあまり分かっておらず、その長期的傾向の監視は、海氷の傾向の監視より困難です…
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極地域では優位な内温性の海洋捕食者

 極地域における内温性の海洋捕食者の優位に関する研究(Grady et al., 2019)が公表されました。日本語の解説記事もあります。地球の生物多様性の大部分は熱帯付近に集中し、赤道に向かって多様性が増すという緯度勾配を形成しており、これが陸上・海洋のほぼすべての動物・植物・昆虫で広範に観測されるパターンです。しかし、海洋哺乳類と海…
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気候変動による環境ストレスが女性に及ぼす悪影響

 気候変動による環境ストレスと女性への影響に関する研究(Rao et al., 2019)が公表されました。家庭・地域社会・国家レベルで強化された確固たる社会構造は、男女各個人の気候変動の経験と気候変動に対する反応を形成しています。この状況下でのジェンダー研究により、移動性および資源の利用機会と役割分担が、気候の変化および社会構造と生活…
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胎児への大麻の影響

 胎児への大麻の影に関する研究(Frau et al., 2019)が公表されました。大麻入手の合法化が進むにつれて、悪阻や不安などの症状を治療するために大麻を使用する妊婦が増えてきています。大麻の使用が乳児の脳の発達に長期的な影響を及ぼす可能性を示す証拠が提示され始めていますが、そのメカニズムは明らかになっていません。この研究は、妊娠…
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ツキノワグマの食いだめ戦略

 ツキノワグマ(Ursus thibetanus)の食いだめ戦略に関する研究(Furusaka et al., 2019)が公表されました。日本語の解説記事もあります。ヒトをはじめとする動物は、食べることで得られる摂取エネルギーと、身体を動かすことで使われる消費エネルギーのエネルギー収支を健全に保つことで身体を維持しています。エネルギー…
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アマゾン川流域の火災により進むかもしれないアンデス山脈の氷河の融解

 アマゾン川流域の火災によりアンデス山脈の氷河の融解が進む可能性を報告した研究(Neto et al., 2019)が公表されました。この研究は、2000年から2016年までに収集した火災事象・煙流の動き・降水量・氷河融解に関するデータを用いて、アマゾン川流域におけるバイオマス燃焼がボリビアのゾンゴ氷河に及ぼす影響の可能性をモデル化しま…
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認知症リスクと生活スタイル

 認知症リスクと生活スタイルに関する研究(Licher et al., 2019)が公表されました。認知症は複雑な病気で、はっきりした原因はまだ分かっていませんが、遺伝的要因と生活要因(定期的に運動をしていないなど)が主な促進因子だと考えられています。これまでの研究のほとんどは、個別の防御因子に焦点を合わせて行なわれてきましたが、複数の…
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鳥類の嘴の進化

 鳥類の嘴の進化に関する研究(Friedman et al., 2019)が公表されました。日本語の解説記事もあります。オオハシからハチドリまで、鳥類がさまざまな形状や大きさの嘴を有しているのは、鳥の進化を示しています。嘴は鳥にとって、餌を食べたり、体温を調節したり、囀ることを可能にしていますが、鳥が生存するために必要なこうした機能は、…
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前頭皮質ニューロンの意思決定要因

 前頭皮質ニューロンの意思決定要因に関する研究(Hirokawa et al., 2019)が公表されました。多くの皮質領域で、個々のニューロンは、当該領域の機能に対応した環境または自身の体の、特定の識別可能な特徴を符号化している、と知られています。しかし、認知機能に関わる前頭皮質では、神経応答は不可解な複雑さを呈し、知覚や運動やその他…
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脊椎動物の遺伝的な寿命予測

 脊椎動物の遺伝的な寿命予測に関する研究(Mayne et al., 2019)が報道されました。老化はほとんど全ての動物種で観察されており、多様な生物学的機能の低下を伴い、種の最大寿命を制約します。また、加齢はエピジェネティックな変化にも関連しています。生物種の最長寿命は定義が難しく、その長さは種によって大きく異なっています。最長寿命…
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マメ科植物の根粒共生の遺伝的基盤

 マメ科植物の根粒共生の遺伝的基盤に関する研究(Soyano et al., 2019)が公表されました。日本語の解説記事もあります。窒素は全生物が生命を維持するために必須な成分です。一般的に、植物は硝酸塩やアンモニアといった窒素栄養素を土壌から吸収します。一方マメ科植物は、根粒と呼ばれる特殊な器官に窒素固定細菌を共生させており、ほとん…
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マントルの動きにより3000万年にわたって維持されてきたナイル川

 ナイル川が3000万年にわたってマントルの動きにより維持されてきたことを報告する研究(Faccenna et al., 2019)が公表されました。大規模な河川の排水系は長い間謎となっており、ナイル川の進化については2つの相反する可能性が示唆されています。一方は、エチオピアから地中海へ流れる川の流れは過去3000万年の間活動的であった…
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閉経後のシャチの祖母は孫の生存率を高める

 閉経後のシャチの祖母と孫の生存率に関する研究(Nattrass et al., 2019)が報道されました。朝日新聞でも報道されています。また、ナショナルジオグラフィックでも報道されています。この研究はオンライン版での先行公開となります。多くの哺乳類は年齢とともに繁殖力が低下し、これは通常体細胞老化と一致しているので、繁殖行動ができな…
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コウモリが山火事から恩恵を受けている可能性

 コウモリが山火事から恩恵を受けている可能性に関する研究(Steel et al., 2019)が公表されました。山火事は、生物多様性と生息地の質に影響を及ぼす重要な生態学的過程です。火災により生じる生息地の不均一性(しばしばpyrodiversityと呼ばれます)は、コウモリの採餌と就塒(ねぐらに就くこと)に影響を及ぼし、生息地の質に…
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羽毛恐竜に寄生し羽毛を食べていた昆虫

 シラミの現生種に似た昆虫が羽毛恐竜に寄生し、羽毛を食べていた可能性に関する研究(Gao et al., 2019)が公表されました。中生代の化石記録(2億5000万~6500万年前頃)には数々の空白部分があるため、昆虫が羽毛を摂食する行動の起源と進化は未解明のままになっています。血液を摂取する昆虫は、ジュラ紀(2億100万~1億450…
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出生前のアンドロゲン曝露による多嚢胞性卵巣症候群のリスク

 出生前のアンドロゲン曝露による多嚢胞性卵巣症候群のリスクに関する研究(Risal et al., 2019)が公表されました。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は生殖年齢の女性の17%にまで見られ、受精率の低下や2型糖尿病、それに不規則な月経周期のような健康に有害な事象に関連があり、そのすべては肥満によりさらに悪化します。PCOSの罹患率…
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現生哺乳類と異なる聴覚器官を持つ初期哺乳類

 現生哺乳類と異なる聴覚器官を持つ初期哺乳類に関する研究(Wang et al., 2019)が公表されました。発生生物学および古生物学の双方から蓄積されたデータからは、哺乳類では、顎の歯骨後方の骨の、頭蓋の耳小骨への変化が、少なくとも3回独立に起きた、と示唆されています。また、保存状態の良好な化石からは、哺乳類中耳の進化における移行段…
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都市部の河川におけるリチウム濃度

 都市部の河川におけるリチウム濃度に関する研究(Choi et al., 2019)が公表されました。携帯電話と電気自動車が普及し、需要が生まれているため、リチウムの使用量が増加しています。また、今後もリチウムの需要増加が予想されていますが、廃棄されたリチウムの処理ガイドラインはひじょうに少なく、リチウムの製造と廃棄が環境と人間の健康に…
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絶滅したシカ似の種の「再発見」

 絶滅したシカ似の種を「再発見」したと報告する研究(Nguyen et al., 2019)が報道されました。ベトナムとラオスの大アンナマイトエコリージョン(Greater Annamites Ecoregion)は、世界有数の生態学的多様性を有する地域でする。1910年、silver-backed chevrotainと呼ばれるシカに…
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梅津和夫『DNA鑑定 犯罪捜査から新種発見、日本人の起源まで』

 講談社ブルーバックスの一冊として、講談社から2019年9月に刊行されました。本書はDNA鑑定の原理をその問題点・限界点とともに分かりやすく解説しており、DNA鑑定の具体例も示されていますから、入門書としてなかなか工夫されており、楽しめると思います。また、環境DNAなど最新の研究動向も抑えられており、この点もよいと思います。著者はDNA…
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血液におけるY染色体喪失モザイクの遺伝的要因

 血液におけるY染色体喪失モザイクの遺伝的要因に関する研究(Thompson et al., 2019)が公表されました。循環白血球におけるY染色体喪失のモザイク(LOY)は、細胞のクローン性増殖によるモザイク現象の最も一般的な形態ですが、その原因や結果についての知見は限られています。この研究は、新たな計算手法を用いて、イギリスのバイオ…
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記憶の再固定化阻害によるアルコール摂取量の減少

 記憶の再固定化阻害によるアルコール摂取量の減少に関する研究(Das et al., 2019)が公表されました。再固定化は記憶を維持するプロセスで、再活性化した長期記憶が一時的に不安定化して、新しい情報を取り込みます。不安定化した記憶は、N-メチルD-アスパラギン酸受容体(NMDAR)経路により、新しい形の記憶として安定化します。この…
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メンフクロウの白い羽衣は獲物を捕らえやすくしている

 メンフクロウの白い羽衣と獲物の捕獲に関する研究(San-Jose et al., 2019)が公表されました。月光は、個体の食餌発見能力を変えたり、動物が身を隠したままにしたりするなど、動物の模様の働きを変化させています。また月は、夜の世界をさまざまな光にさらしており、それが夜行性動物の配色の進化を促進している可能性もあります。この研…
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家畜ウマの父系起源

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、家畜ウマの父系起源に関する研究(Wallner et al., 2017)が公表されました。Y染色体の雄特有領域(MSY)は、父親から息子へと組み換えなしに継承されるので、雄の移住および人口史を反映しています。母系継承となるミトコンドリアDNA(mtDNA)と組み合わせると、単一種の雌雄の人…
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高齢期に始めた食餌制限では寿命は延びない

 栄養状態の記憶の影響に関する研究(Hahn et al., 2019)が公表されました。カロリー摂取量を通常の20~40%減にする食餌制限を一生にわたって行なうと、健康に良い影響があり寿命が延びる、と多くの動物でよく知られています。しかし、食餌制限を一生の比較的遅い時期に開始した場合に効果があるのかどうかは、分かっていませんでした。 …
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超長テロメアを持つマウスは代謝老化が少なく寿命が長い

 テロメアの長さと寿命に関する研究(Muñoz-Lorente et al., 2019)が報道されました。テロメアは体内の各細胞の核で染色体の末端を形成しており、その役割は、DNAの遺伝情報の完全性を保護することです。 細胞が分裂するたびに、テロメアは少し短くなるため、老化のおもな特徴の一つは、細胞内の短いテロメアの蓄積です。テロメア…
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