テーマ:自然科学

夜間のブルーライトと鬱病の関係

 夜間のブルーライトと鬱病の関係についての研究(An et al., 2020)が公表されました。光は、気分など哺乳類のさまざまな生理機能に影響を及ぼします。日中に行なわれる光線療法は鬱病患者に抗鬱効果をもたらすことがある一方で、光害や電子機器による夜間の光への過度の曝露が鬱症状に関連している、と明らかになっていました。しかし、このよう…
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漸新世後期の新種有袋類

 漸新世後期の新種有袋類に関する研究(Beck et al., 2020)が公表されました。本論文は、オーストラリアの南オーストラリア州のエア湖盆地で出土した頭蓋骨と部分骨格の化石について報告しています。この化石は、2600万~2500万年前頃となる漸新世後期のもので、ウォンバット亜目の新種(Mukupirna nambensis)とさ…
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運動により若返る老齢マウスの筋肉

 運動による老齢マウスの筋肉の若返りに関する研究(Brett et al., 2020)が公表されました。加齢に伴って筋肉量は減少し、筋肉の再生能力と修復能力は低下します。こうした能力低下の原因には、筋肉幹細胞(MuSC)数の減少と加齢に伴う再生能力減退の両方の関与の可能性が高い、と考えられています。これまでの研究から、加齢しても運動に…
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海底下の火山岩の微生物

 海底下の火山岩の微生物に関する研究(Suzuki et al., 2020)が報道されました。地球の上部海洋地殻は過去38億年間、中央海嶺での玄武岩質溶岩噴火により形成されてきました。形成後350万~800万年以内の海嶺系には、無機エネルギー源に依存して生きる細菌とその他の微生物が存在している、と先行研究により明らかになっています。し…
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二足歩行の白亜紀のワニ類

 二足歩行の白亜紀のワニ類に関する研究(Kim et al., 2020)が公表されました。この研究は、大韓民国慶尚南道泗川市近郊のチャヘリ遺跡で、白亜紀前期の地層であるチンジュ層から発掘作業中に発見された複数の行跡(連続した足跡)化石を報告しています。この行跡化石は、現代のクロコダイルや食魚性クロコダイルやアリゲーターの祖先であるワニ…
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花粉不足時に葉をかじって開花を早めるマルハナバチ

 花粉不足時のマルハナバチの行動に関する研究(Pashalidou et al., 2020)が報道されました。日本語の解説記事もあります。植物と授粉媒介者は依存し合って生きています。マルハナバチのような授粉媒介者が不可欠な栄養を花に依存しているように、植物もその繁殖に授粉媒介者を必要としています。この共生関係は、春に気温が上昇して日が…
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動物を誘引する土壌細菌の匂い

 動物を誘引する土壌細菌の匂いに関する研究(Becher et al., 2020)が公表されました。細菌は揮発性の化合物を多数生産し、ヒトなどの大型の生物はこれを感知します。ストレプトマイセス属(Streptomyces)の細菌は土壌中に広く存在し、雨が降った後の地面に特徴的な「土くさい」匂いの元になるゲオスミンという有機化合物を作り…
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絶滅しにくい革新性のある鳥類

 革新性のある鳥類が絶滅しにくいことを報告した研究(Ducatez et al., 2020)が公表されました。革新を行なう能力は種を絶滅リスクに強くする、と長年考えられてきましたが、それを全球レベルで徹底的に検証することは困難でした。この研究は、世界の多くの地域から集めた8600種以上の鳥類のデータセットを解析しました。このデータセッ…
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ミトコンドリアから予測される哺乳類における雑種の繁殖力

 ミトコンドリアから哺乳類における雑種の繁殖力を予測した研究(Allen et al., 2020)が報道されました。複数の動物種間で雑種が確認されており、クマやイヌ科やネコ科やクジラ目やウシ科といった哺乳類だけではなく、鳥類も同様で、蝶や蚊といった無脊椎動物でも古代および現代の遺伝子流動の広範なパターンが見られます。哺乳類では、種間の…
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多層的メカニズムによる短い染色体の減数分裂期組換え

 多層的メカニズムによる短い染色体の減数分裂期組換えに関する研究(Murakami et al., 2020)が公表されました。ほとんどの生物種における減数分裂のさいには、正確に染色体を分離するため、少なくとも1ヶ所のDNA交叉(乗り換え)により相同染色体間の組換えが必要とされます。組換えがランダムな位置で起こると、短い染色体での不分離…
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ヒトゲノム多様体のカタログ

 ヒトゲノム多様体のカタログに関する4研究が公表されました。ゲノムデータを集約したデータベースである「Genome Aggregation Database(gnomAD)」に、ヒトの遺伝的多様体の公開カタログとして既知では最大のものが登録されました。この大きな標本規模により、個人間の一塩基多様体(SNV)だけではなく、50以上のヌクレ…
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ゴンドワナテリウム類の骨格化石

 ゴンドワナテリウム類の初めての骨格化石に関する研究(Krause et al., 2020)が公表されました。南半球の超大陸ゴンドワナに由来する中生代(2億5200万~6500万年前頃)の哺乳型類(哺乳類およびその近縁種)の化石記録は、北半球の超大陸ローラシアと比較してはるかに少ない、と理解されています。中生代の哺乳型類のうち、ゴンド…
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乳児の腸へのウイルス定着に影響を及ぼす母乳育児

 母乳育児による乳児の腸へのウイルス定着における影響に関する研究(Liang et al., 2020)が公表されました。健康なヒト新生児の腸には通常、出生時にはウイルスは存在しませんが、すぐにウイルスや微生物が定着するようになり、場合によってはこれが胃腸疾患を引き起こします。しかし、ウイルス集団の集合過程についての解明は進んでいません…
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痛みの民族間差

 痛みの民族間差に関する研究(Losin et al., 2020)が公表されました。アメリカ合衆国(米国)の奴隷制度時代から、アフリカ系米国人は「白人」の米国人よりも痛みをそれほど強く感じない、と言われてきました。この考えは、アフリカ系米国人の疼痛治療の機会が不充分だったことと関連づけられており、広範かつ持続的な人種間・民族間の健康格…
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単一細胞レベルでのヒト細胞全体像の構築

 単一細胞レベルでのヒト細胞全体像の構築に関する研究(Han et al., 2020)が公表されました。1人のヒトの体を構成する細胞は、それぞれ同じ基本的遺伝情報を持っていますが、発現する遺伝子は細胞によって大きく異なり、細胞の機能は、その細胞で発現する遺伝子により決まります。単一細胞解析は、複雑な系において細胞の不均一性を解き明かす…
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生物学的防除によるブタクサアレルギーの低減

 生物学的防除によるブタクサ(Ambrosia artemisiifolia)アレルギーの低減に関する研究(Schaffner et al., 2020)が公表されました。ブタクサのような外来植物種は、生態系に著しい影響を及ぼし、相当な経済的費用を発生させる可能性がありますが、それが人間の幸福にどのような影響を及ぼすのか、充分には解明さ…
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末期更新世のユーラシア氷床の崩壊による急速な海水準上昇

 末期更新世のユーラシア氷床の崩壊による急速な海水準上昇に関する研究(Brendryen et al., 2020)が公表されました。最終氷期極大期(LGM)は、地球史における1期間で、33000年前頃に始まり、全球の温度が低く、北半球の大部分が厚い氷床に覆われていた、という特徴を示します。この期間のユーラシア氷床の氷の体積は、最大で現…
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自種の幼生を食べる侵入種のクシクラゲ

 自種の幼生を食べる侵入種のクシクラゲに関する研究(Javidpour et al., 2020)が公表されました。クシクラゲの一種(Mnemiopsis leidyi)は西大西洋の在来種ですが、1980年代にユーラシア海域に導入されて以降、バルト海西部に広範囲に分布するようになりました。この侵入種クシクラゲは、魚類やその幼生と競合し、…
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水中生活に適応していたスピノサウルス

 巨大獣脚類恐竜であるスピノサウルス(Spinosaurus aegyptiacus)の水中適応に関する研究(Ibrahim et al., 2020)が報道されました。過去数十年にわたる非鳥類型恐竜の徹底的な研究で、恐竜は陸上環境に限られていた、と強く示唆されてきました。竜脚類やハドロサウルス類などの一部の恐竜が水中環境に生息していた…
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現生種からは分からない進化史

 現生種の時間較正した系統樹(以下、現生種の時間系統樹)からは進化史が分からないことを指摘した研究(Louca, and Pennell., 2020)が公表されました。現生種の時間系統樹は、多様化の動態の推定に広く用いられています。しかし、このような推定の信頼性についてはかなり議論されてきており、この重要な問題はこれまで解決されていま…
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降雨と火山噴火の関係

 降雨と火山噴火の関係についての研究(Farquharson, and Amelung., 2020)が公表されました。2018年5月のハワイ島キラウエア火山の亀裂貫入と噴火は、少なくともこの200年間で最も特異な噴火推移の一つですが、その引き金となった機構はまだよく分かっていません。この噴火では、2018年5月から8月にかけて火山の周…
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火山噴火に伴う二酸化炭素排出による三畳紀末期の地球温暖化

 火山噴火に伴う二酸化炭素排出による三畳紀末期の地球温暖化に関する研究(Capriolo et al., 2020)が公表されました。約2億100万年前となる三畳紀末期の大量絶滅では、全ての海生種と陸生種の大部分が死滅しましたが、その原因は、同時期に発生したことが知られている顕著な気候変動と海面上昇と考えられています。中央大西洋マグマ分…
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昆虫の食物摂取と発達成長を調節する腸の亜鉛センサー

 昆虫の食物摂取と発達成長を調節する腸の亜鉛センサーに関する研究(Redhai et al., 2020)が公表されました。細胞や器官あるいは生物体全体で、恒常性を維持し(ホメオスタシス)、変動する環境に適応するには、栄養素の感知が重要です。多くの動物では、栄養センサーは消化器系の腸内分泌細胞内に見られますが、その姉妹細胞である腸管吸収…
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オーストラリアの始新世の琥珀に含まれる動植物

 オーストラリアの始新世の琥珀に含まれる動植物についての研究(Stilwell et al., 2020)が公表されました。この研究は、マッコーリー湾累層(オーストラリアのタスマニア島西部)から出土した始新世初期(5400万~5200万年前頃)の琥珀片と、アングルシー夾炭層(オーストラリアのビクトリア州)から出土した始新世中期末(420…
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最古の緑藻類

 最古の緑藻類に関する研究(Tang et al., 2020)が公表されました。光合成を行う緑色植物(緑色植物亜界)は分子時計やバイオマーカー分析により、約25億~16億年前となる古原生代から約7億2000万~6億3500万年前となるクライオジェニアン紀までの間に出現した、と推定されています。しかし、化石証拠が存在しないため、その年代…
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外洋捕食魚類が潜んでいる場所

 外洋捕食魚類が潜んでいる場所に関する研究(Roesti et al., 2020)が公表されました。陸上と海洋の生物多様性は、いずれも赤道に向かって増加する傾向があります。しかし、これまでの陸上生態系の研究では、種間の相互作用が赤道付近で最も強いことを肯定する証拠と否定する証拠の両方が見つかっていました。一方、外洋における種間相互作用…
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ヒトの内臓の細菌のDNA

 ヒトの内臓の細菌のDNAに関する研究(Anhê et al., 2020)が公表されました。細菌は、体表の至る所や腸管の中に生息しています。内臓は普通無菌ですが、肥満などの病気では、細菌の断片が腸管から血中に移動し、炎症応答を引き起こすことがあります。しかし、このような細菌断片がどこから来るのか、またこれら断片が組織にどのように分布す…
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大型陸ガメの記憶力

 大型陸ガメの記憶力に関する研究(Gutnick et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。大型陸ガメはこれまで、動作は遅く知能は劣っている、と考えられてきました。これは、ヒトが大型陸ガメを簡単に捕獲できるからでもあります。しかし、そうした認識と矛盾するような記録も残されています。たとえば、ガラパゴス島のゾ…
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真珠貝の進化に影響する気候変動

 気候変動が真珠貝の進化に影響する可能性を報告した研究(Takeuchi et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。日本では19世紀後半から真珠養殖が盛んに行なわれ、美しい真珠を広く養殖・商品化できるようになりました。一方、遺伝学的・進化論的な観点では、真珠の母貝であるアコヤガイ(Pinctada fuca…
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脊椎動物の手の起源

 脊椎動物の手の起源に関する研究(Cloutier et al., 2020)が公表されました。魚類から四肢類(肢が4本の脊椎動物)への進化は、脊椎動物の進化において最も重要な変化の一つです。四肢類の出現は3億7400万年前頃と推定されていますが、その起源に関する仮説は、中期および後期デボン紀(3億9300万~3億5900万年前頃)の数…
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