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円口類の内耳の発生と脊椎動物の半規管の進化

2019/01/17 16:10
 円口類の内耳の発生と脊椎動物の半規管の進化に関する研究(Higuchi et al., 2019)が公表されました。脊椎動物学の全ての教科書には、「顎口類(ヒトを含む有顎脊椎動物)は左右それぞれの内耳に、ピッチ、ロール、ヨーといった回転運動を検知するのに最適化された、三半規管を持つ」と書かれています。一方、内耳の構造が知られている顎を持たない魚類の化石には半規管が2つしかなく、これは一般に、同じく無顎の魚類である現生のヤツメウナギにも当てはまると考えられています。しかし、同じ無顎類に属するヌタウナギは、半規管を1つしか持っていません。こうした違いはこれまで、ヤツメウナギが進化的にヌタウナギよりも顎口類に近い場所に位置づけられる根拠として用いられてきました。

 しかし近年、ヤツメウナギとヌタウナギは円口類という1つの自然分類群を形成し、ヌタウナギに見られる祖先的と考えられてきた多くの形質は二次的に派生したものである、という見方が復活しています。この研究は、ヤツメウナギとヌタウナギの発生の分析から、ヌタウナギとヤツメウナギの近縁性を示す新たな証拠を示しました。ヤツメウナギには、半規管が2つではなく1つしかないことが明らかになったものの、膨大部稜として知られる感覚器官は2つ発生するように見受けられました。顎口類では、これら2つの膨大部稜が三半規管のうち2つの半規管の基礎となっており、ヌタウナギにおける膨大部稜の数の減少は二次的な変化と見られます。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


発生生物学:円口類の内耳の発生と脊椎動物の半規管の進化

発生生物学:ヤツメウナギの耳の中

 脊椎動物学の全ての教科書には、「顎口類(すなわち、ヒトを含む有顎脊椎動物)は左右それぞれの内耳に、ピッチ、ロール、ヨーといった回転運動を検知するのに最適化された、三半規管を持つ」と書かれている。一方、内耳の構造が知られている顎を持たない魚類の化石には半規管が2つしかなく、これは一般に、同じく無顎の魚類である現生のヤツメウナギにも当てはまると考えられている。しかし、同じ無顎類に属するヌタウナギは、半規管を1つしか持たない。こうした違いはこれまで、ヤツメウナギが進化的にヌタウナギよりも顎口類に近い場所に位置付けられることの根拠として用いられてきた。ところが近年、ヤツメウナギとヌタウナギは円口類という1つの自然分類群を形成し、ヌタウナギに見られる原始的と考えられてきた多くの形質は二次的に派生したものであるという見方が復活している。今回、こうしたヌタウナギとヤツメウナギの近縁性を示す新たな証拠が、倉谷滋(理化学研究所)たちによるヤツメウナギとヌタウナギの発生研究によって示された。ヤツメウナギには、半規管が2つではなく1つしかないことが明らかになったものの、膨大部稜として知られる感覚器官は2つ発生するように見受けられた。顎口類では、これら2つの膨大部稜が三半規管のうち2つの半規管の基礎となっており、ヌタウナギにおける膨大部稜の数の減少は二次的な変化と見られる。



参考文献:
Higuchi S. et al.(2019): Inner ear development in cyclostomes and evolution of the vertebrate semicircular canals. Nature, 565, 7739, 347–350.
https://doi.org/10.1038/s41586-018-0782-y
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初期四肢類の歩行(追記有)

2019/01/17 16:07
 初期四肢類の歩行に関する研究(Nyakatura et al., 2019)が公表されました。四肢類(四足の動物)が水中での生活から陸上での歩行に踏み出した時、さまざまな適応が後押しをしました。四肢類に属する羊膜類は、急速に多様化し、より効率の良い直立歩行の発達と関連づけられてきました。しかし、化石に保存されている情報量は少ないことが多く、高度な移動運動が発達した時期は明確になっていませんでした。この研究は、約2億9000万年前に生息しており、羊膜類の近縁種だと考えられている大型の草食四足動物(Orobates pabsti)の化石を調べ、それに対応する連続した足跡化石を照合して、動作と歩様に関する知見を得ました。

 この研究は、それを現生の両生類種と爬虫類計4種の測定結果と組み合わせることで、初期大型草食四足動物のデジタル復元を行ない、「OroBOT」と命名されたロボットシミュレーションを構築し、用いて歩行様式に関する仮説の妥当性と有効性を調べました。その結果、初期大型草食四足動物が、羊膜類以外の四肢類と通常関連づけられてきた歩行よりも直立に近く、バランスが取れており、機械的に省力化された姿勢で歩行できた可能性がひじょうに高い、と明らかになりました。この研究は、高度な移動運動様式がこれまで考えられていたよりも早い時点で発達し、羊膜類の多様化に先行した、と考えています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用(引用1および引用2)です。


【化石】四肢類が高度な歩行をし始めた時を再現するロボット

 先史時代の四肢類(四足の動物)は、これまで考えられていたよりも早くから陸上で効率よく歩行する術を身に付けていたことが、ロボット工学と模擬骨格による知見から示されたことを報告する論文が、今週掲載される。この知見は、陸上での効率的な移動運動が発達してから羊膜類(爬虫類、鳥類、哺乳類)の進化と多様化が起こったことを示唆している。

 四肢類が水中での生活から陸上での歩行に踏み出した時、さまざまな適応が後押しをした。四肢類に属する羊膜類は、急速に多様化し、より効率の良い直立歩行の発達と関連付けられてきた。しかし、高度な移動運動が発達した時期は明確になっていなかった。

 今回、John Nyakatura、Kamilo Meloたちの研究グループは、Orobates pabstiの化石を調べた。Orobatesは、約2億9000万年前に生息していた大型の草食四足動物で、羊膜類の近縁種だと考えられている。Orobatesの化石とそれに対応する足跡化石の照合が行われ、Orobatesの動作と歩様に関する知見が得られた。著者たちは、このOrobatesの化石と足跡の分析結果を現生の両生類種と爬虫類種(計4種)の測定結果と組み合わせることで、Orobatesのデジタル復元を行い、ロボットシミュレーション(「OroBOT」と命名)を構築し、これを用いて歩行様式に関する仮説の妥当性と有効性を調べた。

 著者たちはその結果、Orobatesが、羊膜類以外の四肢類と通常関連付けられてきた歩行よりも直立に近い姿勢で歩行できた可能性が非常に高いことを明らかにした。従って、高度な移動運動様式は、これまで考えられていたよりも早い時点で発達したと、著者たちは考えている。


バイオメカニクス:羊膜類のステムグループに属する種のロコモーションのリバースエンジニアリング

Cover Story:ロボット古生物学:羊膜類化石のロボットモデルが示唆する初期の四肢類の歩行様式

 四肢を持つ脊椎動物が初めて陸に上がったときに、その歩様が具体的にどのように進化したのかを解明するのは、化石に保存されている情報量が少ないことが多いために困難である。今回J Nyakaturaたちは、羊膜類のステムグループの一種であるOrobates pabstiの推定される歩行様式を、リバースエンジニアリングで再構築した結果を報告している。今回Orobatesが選ばれたのは、全身の完全な化石が、歩行の際に足が置かれた場所を捉えた行跡(連続した足跡)の化石とともに保存されているためである。著者たちは、Orobatesと行跡の化石をデジタル化して、運動学的シミュレーションと動的シミュレーションを行い、妥当と思われる歩様を特定した。次に、この結果を、Orobatesの実用模型を作って検証した。その結果、Orobatesのロコモーションは、初期の四肢類にこれまで想定されていたものと比べて、より直立的でバランスの取れた、機械的に省力化された高度なものであったことが示された。これは、高度なロコモーションが羊膜類の多様化に先行した可能性を示唆している。



参考文献:
Nyakatura JA. et al.(2019): Reverse-engineering the locomotion of a stem amniote. Nature, 565, 7739, 351–355.
https://doi.org/10.1038/s41586-018-0851-2


追記(2019年1月19日)
 ナショナルジオグラフィックでも報道されました。
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DNAの二重螺旋構造解明のワトソン氏が人種差別発言で名誉職剥奪

2019/01/14 15:06
 DNAの二重螺旋構造を解明したことで有名な、生きる伝説とも言えるワトソン(James Dewey Watson)氏が、人種差別的な発言を繰り返したとして、かつて自身が所長を務めていた、アメリカ合衆国のコールド・スプリング・ハーバー研究所(CSHL)の名誉職をはく奪された、と報道されました。ワトソン氏は、「白人と黒人の知能検査では、遺伝子に起因する知性の差が出る」と発言したそうです。報道にあるように、ワトソン氏のこうした発言は以前からのもので、とくに驚きませんでした。

 ただ、任意に設定した2集団間に遺伝的構成の違いがあるのは当然なので、「黒人」と「白人」との間に「遺伝子に起因する知性の差」があったとしても不思議ではありません。問題となるのは、集団の設定・比較にどれだけ妥当性があるのか、知性はどう定義・測定され得るのか、ということです。まず、「黒人」と「白人」との対比自体が不適切です。遺伝的には、「黒人」はきわめて多様な集団なのにたいして、「白人」の遺伝的多様性は乏しく、いわば「黒人」の多様な系統のうちの1系統と比較的近い世代で祖先を共有しているにすぎないからです。「黄色人種」に関しても、「白人」と同様のことが当てはまります。「黒人」を「白人」と比較するのは、爬虫類と鳥類を対等な分類群として比較するようなものです。

 次に、「知性」は表現型の一部であり、当然のことながら遺伝的基盤があります。したがって、任意に設定した複数集団間に「遺伝子に起因する知性の差」があるのは当然なのですが、表現型とは遺伝子と環境の相互作用により発現するものであり、環境要因をとても無視できない、ということです。さらに、「知性」の定義も問題となります。たとえば、対人関係や意思伝達に関わる能力と博物的知能とでは、共通する遺伝的基盤はもちろんあるでしょうが、異なるものも少なくない、と予想されます。「知性」も無数に設定し得るものであり(関連記事)、その測定にかなり恣意的な側面が入り込むのはとても否定できないでしょう。

 何よりも、多くの表現型は集団間の差異よりも集団内の個体差の方がはるかに大きいので、「黒人」だから特定の分野で優秀とか劣っているとか判断できません。多くの表現型で重要なのは、集団間の差異よりも個体差の方です(能力・成績なども含めて特定の表現型に基づいて各集団を選抜するような事例は除外します)。その意味でも、特定の集団を一律にある別の集団よりも優れているとか劣っているとか断定することは大問題です。そもそも、「科学的知見」以前に、個人と人権の尊重といった近代の理念から言って、論外となるわけですが。

 ただ、「人種」の生物学的定義は困難だとしても、通俗的観念ではしばしば「人種」と結びつけられるような地域集団間において、表現型に有意な差があることも否定してはならないでしょう。遺伝学の分野でも、ライク(David Reich)氏は著書にて、人類集団間において実質的な遺伝学的差異があるのに、「正統派的学説」の立場から、それを無視したり、研究を抑制したりするようなことが続けば、集団間の実質的な遺伝学的差異の確たる証拠を提示された時に右往左往して対処できなくなるし、また抑圧により生じた空白を似非科学が埋めることになり、かえって悪い結果を招来するだろう、と懸念を表明しています(関連記事)。私もライク氏の懸念に同意します。

 これは性別についても同様で、男女には本質的な違いはないとか、性別を重視すること自体が社会的に構築されたものだとか、性別自体が生物学的に否定されているとかいった「社会正義の活動家」の主張には大いに疑問が残り、そうした主張を批判する生物学者のライト(Colin Wright)氏の見解に同意します(関連記事)。
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イエメンで大流行したコレラのゲノム解析

2019/01/10 16:48
 イエメンで大流行(エピデミック)したコレラのゲノム解析に関する研究(Weill et al., 2019)が公表されました。イエメンでは現在、近年最大と考えられるコレラの大流行が起きています。最初の症例群は2016年9月に公表され、それ以来110万以上の症例と2300人以上の死亡が報告されています。本論文は、イエメンのこの大流行したコレラ菌(Vibrio cholera)分離株と周辺地域の最近の分離株のゲノムの塩基配列を解読し、系統発生学的関係・発症機序・抗微生物薬耐性の決定要因について調べました。得られた計116のゲノム塩基配列は、第7次世界的大流行の血清群O1型およびO139型コレラ菌エルトール生物型の1087分離株からなる全球コレクションの系統発生学的範囲内に位置していました。

 イエメンのコレラ大流行の2回の疫学的流行の波は、初回が2016年9月28日〜2017年4月23日(疑われる症例は25839件)、2回目が2017年4月24日以降(疑われる症例は100万件以上)です。そのさいに採取された分離株は、第7次パンデミックの血清群O1型コレラ菌エルトール生物型(7PET)系統の単一の亜系統である、小川型コレラ菌分離株である、と示されました。本論文はゲノム手法を用いて、イエメンのエピデミックを全球規模のパンデミックコレラ菌の拡散に結びつけ、さらにこの亜系統は南アジアに起源があり、イエメンに出現する前に東アフリカで大発生を引き起こした、と明らかにします。さらに、イエメンの分離株は、コレラ治療に一般的に用いられるいくつかの抗生物質やポリミキシンB(耐性がエルトール生物型のマーカーとして用いられる)に感受性であることも示されています。この研究は、全球規模のコレラの拡散を理解し、それを阻止する取り組みにとって、国境を超えた共同研究がきわめて重要である、と示しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


微生物遺伝学:イエメンでの2016〜2017年のコレラのエピデミックに関するゲノムに基づく手掛かり

微生物遺伝学:イエメンでのコレラのエピデミックを追跡する

 イエメンでのコレラのエピデミックは2016年に始まり、それ以来、100万以上の症例と数千人の死亡が報告されている。F Weillたちは今回、このエピデミックの42の分離株のゲノムの塩基配列解読を行い、その起源についてさらに理解を深めた。周辺地域の分離株の塩基配列との比較から、最近の単一の亜系統がイエメンのエピデミックの原因であり、この亜系統は南アジア起源で、イエメンに出現する前に東アフリカで大発生を引き起こしたことが分かった。この研究は、全球規模のコレラの拡散を理解し、それを阻止する取り組みにとって、国境を超えた共同研究が極めて重要であることを示している。



参考文献:
Weill FX. et al.(2019): Genomic insights into the 2016–2017 cholera epidemic in Yemen. Nature, 565, 7738, 230–233.
https://doi.org/10.1038/s41586-018-0818-3
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ピンタゾウガメの巨体と長寿の遺伝的基盤

2019/01/09 15:21
 ピンタゾウガメ(Chelonoidis abingdonii)の巨体と長寿の遺伝的基盤に関する研究(Quesada et al., 2019)が公表されました。「孤独なジョージ(Lonesome George)」と呼ばれたピンタゾウガメは2012年に死亡し、これによりガラパゴス諸島のピンタゾウガメは絶滅した、と考えられています。この研究は、「孤独なジョージ」とアルダブラゾウガメ(Aldabrachelys gigantea)1頭のゲノムを解析しました。アルダブラゾウガメは、インド洋に生息する唯一のゾウガメ種です。両者のゲノムを近縁種と比較した結果、代謝調節と免疫応答に関係する遺伝子ファミリーの正の選択、および増加を示す証拠が見いだされました。この研究は、これらの遺伝子ファミリーがゾウガメの巨体と長寿に関係している可能性がある、と示唆しています。

 寿命が長い生物は理論的に癌のリスクが高くなります。この研究は、カメの腫瘍抑制遺伝子が他の脊椎動物よりも多くなっていることに加えて、過剰発現が癌の一因になると知られている2つの遺伝子の、ゾウガメ特異的な変化を明らかにしました。こうした知見はゾウガメ特異的な癌の機序を示している可能性があるものの、カメでは腫瘍が極めてまれであるため、このようなゲノムの特徴が腫瘍の発生と関係しているかを明らかにするには、さらに研究を進める必要があります。この研究は、これらのデータがゾウガメ生物学の理解を進展させる一助になるとともに、ガラパゴス諸島の他のゾウガメを保護する活動に役立つだろう、と指摘しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


ロンサム・ジョージの巨体と長寿はゲノムのたまもの

 「ロンサム(孤独な)・ジョージ」を含む2頭のゾウガメのゲノムから、その体のサイズと長寿に関する洞察が得られたことを報告する論文が、今週掲載される。

 ロンサム・ジョージは、すでに絶滅したガラパゴス諸島のピンタゾウガメ(Chelonoidis abingdonii)を象徴する最後の個体であった。

 今回Carlos Lopez-Otin、Adalgisa Cacconeたちの研究グループは、ロンサム・ジョージおよびアルダブラゾウガメ(Aldabrachelys gigantea)1頭のゲノム塩基配列を解読した。アルダブラゾウガメは、インド洋に生息する唯一のゾウガメ種である。両者のゲノムを近縁種と比較した結果、代謝調節と免疫応答に関係する遺伝子ファミリーの正の選択、および増加を示す証拠が見いだされた。研究グループは、これらの遺伝子ファミリーがゾウガメの巨体と長寿に関係している可能性があることを示唆している。

 寿命が長い生物は理論的にがんのリスクが高くなる。研究グループは、カメの腫瘍抑制遺伝子が他の脊椎動物よりも多くなっていることに加え、過剰発現ががんの一因となることが知られている2つの遺伝子のゾウガメ特異的な変化を明らかにした。こうした知見はゾウガメ特異的ながんの機序を示している可能性があるが、カメでは腫瘍が極めてまれであるため、このようなゲノムの特徴が腫瘍の発生と関係しているかを明らかにするには、さらに研究を進める必要がある。

 著者たちは、今回のデータがゾウガメ生物学の理解を進展させる一助になるとともに、ガラパゴス諸島の他のゾウガメを保護する活動に役立つだろう、としている。



参考文献:
Quesada V. et al.(2019): Giant tortoise genomes provide insights into longevity and age-related disease. Nature Ecology & Evolution, 3, 1, 87–95.
https://doi.org/10.1038/s41559-018-0733-x
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地球外の環境でもデオキシリボースは作られる

2019/01/08 15:25
 地球外の環境でもデオキシリボースが作られる可能性についての研究(Nuevo et al., 2018)が公表されました。この25年間で、宇宙物理学的氷に似た化合物に対する光照射や粒子衝突をシミュレートする実験室実験により、非生物学的条件下で有機分子が生成し得る、と明らかになってきました。また、始原的な隕石の中に糖誘導体(リボースなど)やその他の生体化合物(アミノ酸など)が存在していることは、原始地球上で生物学的過程が開始した化合物のかなりの部分が、彗星・隕石・惑星間ダスト粒子によって運び込まれたものである可能性を示唆しています。

 この研究は、宇宙物理学的条件下で、水とメタノールからなる氷混合物に紫外線を照射して生成した残渣物から、DNAを構成する糖である2-デオキシリボースとその他のデオキシ糖誘導体を検出しました。また、この研究は、隕石試料を分析して数種類のデオキシ糖誘導体を検出しましたが、2-デオキシリボースなどの高分子糖類の存在は明確には確認できませんでした。しかし、この研究は、別のもっと大きな隕石試料を分析すれば、これらの高分子糖類が地球外環境に存在していたか否か、確度の高い答えが得られるかもしれない、と指摘しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【天文学】地球外の環境条件で作られたデオキシリボース

 実験室の標準的な宇宙物理学的条件下で、氷混合物に紫外線を照射して生成した残渣物から2-デオキシリボース(DNAを構成する糖)と数種類のデオキシ糖誘導体が検出されたことを報告する論文が、今週掲載される。この研究によって、デオキシ糖誘導体の一部が炭素質隕石試料から初めて同定された。これに対して、分析の行われた隕石試料では、2-デオキシリボースなどの高分子糖類の存在は確認できなかった。

 この25年間で、宇宙物理学的氷に似た化合物に対する光照射や粒子衝突をシミュレートする実験室実験によって、非生物学的条件下で有機分子が生成し得ることが明らかになった。また、始原的な隕石の中に糖誘導体(リボースなど)やその他の生体化合物(アミノ酸など)が存在していることは、原始地球上で生物学的過程が開始した化合物のかなりの部分が、彗星、隕石、および惑星間ダスト粒子によって運び込まれたものである可能性を示唆している。

 今回、Michel Nuevoたちの研究グループは、宇宙物理学的条件下で、水とメタノールからなる氷混合物に紫外線を照射して生成した残渣物から2-デオキシリボースとその他のデオキシ糖誘導体を検出した。また、Nuevoたちは、隕石試料の分析で、数種類のデオキシ糖誘導体を検出したが、2-デオキシリボースなどの高分子糖類の存在は明確に確認できなかった。しかし、Nuevoたちは、別のもっと大きな隕石試料を分析すれば、これらの高分子糖類が地球外環境に存在していたかという疑問に対して確度の高い答えが得られるかもしれないという見解を示している。



参考文献:
Nuevo M, Cooper G, and Sandford SA.(2018): Deoxyribose and deoxysugar derivatives from photoprocessed astrophysical ice analogues and comparison to meteorites. Nature Communications, 9, 5276.
https://doi.org/10.1038/s41467-018-07693-x
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フトオハチドリ雄の求愛

2019/01/07 15:43
 フトオハチドリ雄の求愛に関する研究(Hogan, and Stoddard., 2018)が公表されました。雄のフトオハチドリは、垂直に約30メートル上昇してから急降下するというU字型の飛行を連続的に行なうことで雌に対する求愛を示し、この急降下を行なう時に、尾を使って急降下に特異的な機械雑音を生じさせるとともに、喉の虹色の斑点から視覚シグナルを発します。しかし、この求愛ディスプレイのさいに求愛行動の構成要素がどの程度同期しているのか、分かっていません。

 この研究は、野生の雄のフトオハチドリによる48回の急降下の動画と音声を記録し、そこにマルチアングル映像技術を適用して、雌のフトオハチドリが急降下中の雄の喉の虹色の斑点をどのように認識するのか、調べました。その結果、雄の急降下中に雌が認識する音と色が著しく変化する、と明らかになりました。この研究は、雌のフトオハチドリが、近づいてくる雄の音の周波数が6.5%増加し、離れていく雄の周波数が4%減少することをドップラー効果によって認識していると推定しており、この変化が急降下の速度と軌跡に直接関連している、と結論づけています。また、急降下の幾何学的形状と高速性を合わせて考えると、雄の喉の斑点が雌に見えるのはほんの一瞬(約120ミリ秒)で、雌が認識する色は赤から黒に急速に変化します。この研究は、これらの知見により、動物のディスプレイを調べるさいに運動と方向性を説明することの重要性が明確になった、と指摘しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【動物学】ほんの一瞬、全ての構成要素がそろうと完成するハチドリの求愛

 雄のフトオハチドリの求愛ディスプレイでは、素早い動きと雑音、視覚シグナルが高度に同期して300ミリ秒以内(ヒトのまばたきの所要時間に相当)に一気に起こることを報告する論文が、今週掲載される。

 雄のフトオハチドリは、垂直に約30メートル上昇してから急降下するというU字型の飛行を連続的に行うことで雌に対する求愛ディスプレイを行い、この急降下を行う時に、尾を使って急降下に特異的な機械雑音を生じさせるとともに、喉の虹色の斑点から視覚シグナルを発する。しかし、この求愛ディスプレイの際に求愛行動の構成要素がどの程度同期しているのかは分かっていない。

 今回、Benedict HoganとMary Caswell Stoddardが、野生の雄のフトオハチドリによる48回の急降下の動画と音声を記録し、そこにマルチアングル映像技術を適用して、雌のフトオハチドリが急降下中の雄の喉の虹色の斑点をどのように認識するのかを調べた。その結果、雄の急降下中に雌が認識する音と色が著しく変化することが明らかになった。著者たちは、雌のフトオハチドリが、近づいてくる雄の音の周波数が6.5%増加し、離れていく雄の周波数が4%減少することをドップラー効果によって認識していると推定しており、この変化が急降下の速度と軌跡に直接関連していると結論付けている。また、急降下の幾何学的形状と高速性を合わせて考えると、雄の喉の斑点が雌に見えるのはほんの一瞬(約120ミリ秒)で、雌が認識する色は赤から黒に急速に変化する。

 著者たちは、この知見によって、動物のディスプレイを調べる際に運動と方向性を説明することの重要性が明確になったと主張している。



参考文献:
Hogan BG, and Stoddard MC.(2018): Synchronization of speed, sound and iridescent color in a hummingbird aerial courtship dive. Nature Communications, 9, 5260.
https://doi.org/10.1038/s41467-018-07562-7
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ヒトにおける父親からのmtDNAの遺伝

2019/01/06 10:13
 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ヒトにおける父親からのミトコンドリアDNA(mtDNA)の遺伝に関する研究(Luo et al., 2018)が報道されました。ミトコンドリアはエネルギーの産生に関わっている細胞内の小器官で、核とは異なる独自のDNAを有しています。そのため、真正細菌が真核生物と共生し、取り込まれたことがミトコンドリアの起源と推定されていますが、それがどの系統かをめぐっては議論が続いています(関連記事)。ヒトのような2倍体の生物では、核DNAは1個の細胞の核内に両親から1セットずつ受け継いだ2セットの染色体上にしか存在しませんが、ミトコンドリアは1個の細胞に数千個存在することもあり、それだけmtDNAも豊富です。そのため、古代DNA研究の初期においては、核DNAの解析よりも容易なmtDNAの解析が主流でした。

 mtDNAは原則として母親からしか受け継がれません。しかし、藻類と植物では厳密な父系遺伝が観察されており、双系遺伝は酵母でよく報告されています。動物では、ショウジョウバエ・マウス・ヒツジなどいくつかの種で、稀にmtDNAの父系からの遺伝が報告されています。これまでヒトでも、mtDNAの父系遺伝がいくつか報告されてきました。しかし、それらは試料汚染の可能性が指摘されたり、骨格筋のみで他の組織では確認されなかったりするなど、確実な事例はまだありませんでした。本論文は、血縁関係にないヒト3家系の3〜4世代のmtDNAの解析から、ヒトにおいてもmtDNAの父系遺伝が確認された、報告しています。本論文は、3ヶ所の研究室で複数の方法を用いてmtDNAの父系遺伝を検証し、それを確認したことから、ヒトにおけるmtDNAの父系遺伝は確実に存在する、と言えそうです。

 本論文は、ミトコンドリア病の家系のmtDNAの解析により、トにおけるmtDNAの父系遺伝を確認しました。もっとも、厳密な父系遺伝ではなく、父系と母系双方からの遺伝です(双系遺伝)。上述したように、ヒトでも原則としてmtDNAは母親からのみ継承されます。また、細胞によっては数千個存在するミトコンドリアのDNAは、基本的にはほぼ同一なのですが(同質性、homoplasmy)、多くのミトコンドリア病では変異型が共存しており、異質性(heteroplasmy)として知られています。異質性の程度は組織により異なり、ミトコンドリア病の重症度を決定する一因となります。たとえば、小児患者の事例からは、精神・運動の力の低下などをもたらすような変異は、その割合が30%未満の時は無症状で、60〜70%に達するまでは重症化する可能性は低い、と予想されています。したがって、低水準の有害な異質性変異を有する臨床的に無症状の女性は、病因となる変異を子孫に伝えるかもしれません。

 しかし本論文は、上述したようにmtDNAが父系でも遺伝する事例を報告しており、mtDNAの異質性が双系遺伝に由来する可能性を指摘しています。本論文がまず検証した家系では、ミトコンドリア病の疑いのある4歳男児患者の双子の妹は、話すようになるのが遅かったものの、それ以外は健康でした。この双子にとって姉となる女児は健康でした。双子およびその姉の3人の子供の母には脚の痛みがありましたが、ミトコンドリア病が原因とは考えられていませんでした。双子の母方祖父は心臓発作を経験したことがあるものの、その他にはとくに疾患はありませんでした。この家系の他に、独立した2家系が調査されました。これら3家系のmtDNAの遺伝の共通点は以下の通りです。

 きょうだい間では、通常の母系遺伝と父系・母系双方からの双系遺伝が分かれます。双系遺伝の場合のmtDNAハプログループは、両親のものが混在しています。母親のmtDNAが双系遺伝の場合は、子供のmtDNAは通常の母系遺伝で、母と同じく母の両親(子供の視点からは母方祖父母)のmtDNAが継承されます。したがって、mtDNAハプログループも母方祖父母のものが混在しています。父親のmtDNAが双系遺伝のさいには、子供たちの間で通常の母系遺伝と双系遺伝の両方が見られます。ここで注目されるのは、mtDNAが双系遺伝の父親の子供のmtDNAが双系遺伝だった場合、父系のハプログループのみが継承され、父方祖母のハプログループは継承されない、ということです。もっとも、まだ3家系だけの調査なので、mtDNAが双系的に遺伝することもあるとはいっても、どのようなパターンなのか、確定したとは言えないでしょう。

 本論文は、ヒトにおいてmtDNAが基本的には母系遺伝との見解は依然として有効ではあるものの、父系からも含む双系遺伝が例外的に見られることは確実だ、と指摘します。ヒト(に限らずほとんどの生物)においてmtDNAが原則として母系遺伝なのは、受精時に父方のミトコンドリアが除去されるからですが、このある分子メカニズムはまだ部分的にしか解明されていないそうです。上述したショウジョウバエ・マウス・ヒツジなどの事例からは、異なる組み合わせが機能することで、父系でのmtDNA遺伝が起きているようです。

 本論文は、父親由来のミトコンドリアの除去と関連する未特定の核遺伝子の多様体が影響しているのではないか、と推測します。受精胚に継承される父系ミトコンドリアの量は、卵母細胞にすでに存在する母系ミトコンドリアと比較してかなり少ない(0.1%未満程度)ので、ミトコンドリアの除去と関連する未特定の核遺伝子の多様体は、mtDNAの複製もしくはコピー数制御に関与しており、父系mtDNAを増加させる一方で、母系mtDNAを増加させないか、減少させるような役割を担っているのではないか、と本論文は推測しています。また本論文は、特定のmtDNA多様体と、この未定の核遺伝子との間に相乗的な相互作用がある可能性も想定しています。

 mtDNAの父系遺伝は間違いなくたいへん注目される研究なので、今後、mtDNAの父系遺伝がどの程度の頻度で起き、それがどの程度継承されていくのか、大規模な調査が期待されます。その結果により、mtDNAに基づくじゅうらいの人類進化史も、あるいはかなりの程度修正が必要になってくるかもしれません。また本論文は、このように、時として父系でも起き得るミトコンドリアの遺伝様式の解明は、ミトコンドリア病の治療法の改善にも役立つのではないか、と指摘しています。


参考文献:
Luo S. et al.(2018): Biparental Inheritance of Mitochondrial DNA in Humans. PNAS, 115, 51, 13039–13044.
https://doi.org/10.1073/pnas.1810946115
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ミツバチの集団行動

2018/12/21 14:44
 セイヨウミツバチ(Alis mellifera Linnaeus)の集団行動に関する研究(Peleg et al., 2018)が公表されました。ハチは、個体よりも群れを優先させるさまざまな集団行動を示すことが知られています。セイヨウミツバチは、女王バチと一部の働きバチが群れを離れて新たな群れを形成する分封により、新たなコロニーを作ります。そのさい、偵察バチが適当な営巣地を探している間、残りの群れは近くの木に集まり、おもに逆円錐型のクラスターを形成します。このクラスターは、環境の変化に応答して形と密度を変え、高温・雨・風・捕食に耐えて、凝集した超個体として群れを保ちます。

 この研究は、ミツバチの群れが攪乱に耐える仕組み解明するため、ミツバチの円錐状のクラスターを板の下面に付け、さまざまな振幅・周波数・継続時間で振動させました。その結果、水平方向に振動させると、群れが自己組織化して当初の円錐形より機械的に安定した扁平な構造になる、と明らかになりました。この研究は、粒子ベースのシミュレーションを用いて、ミツバチの群れにおいては、個々のハチが、経験する歪みに対して歪みを増大させる方向に動いて応答することにより適応し、集団の安定性を最大化できる、と示しています。このように、見かけの集団知能に必要な長距離信号伝達は、ミツバチの物理的相互作用により実現されています。この知見は、集団行動が局所の化学的手掛かりを通した相互作用に起因しており、長距離作用はほとんど影響しないとする従来の考えを補完するものです。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


ミツバチはコロニーの利益を大きくするために負担を引き受ける

 休息している群れのミツバチは、たとえ個々のミツバチに負担がかかるとしても、群れ全体の形を変えることで物理的かく乱に応答することを報告する論文が、今週掲載される。

 ハチは、個体よりも群れを優先させるさまざまな集団行動を示すことが知られている。セイヨウミツバチ(Alis mellifera Linnaeus)は、女王バチと一部の働きバチが、群れを離れて新たな群れを形成する分封によって、新たなコロニーを作る。その際、偵察バチが適当な営巣地を探している間、残りの群れは近くの木に集まって、主に逆円錐型のクラスターを形成する。このクラスターは、環境の変化に応答して形と密度を変え、高温や雨、風、捕食に耐えて、凝集した超個体として群れを保つ。

 今回Orit Pelegたちは、ミツバチの群れがかく乱に耐える仕組み解明するため、ミツバチの円錐状のクラスターを板の下面に付け、さまざまな振幅、周波数、継続時間で振動させた。その結果、水平方向に振動させると、群れが自己組織化して、当初の円錐形より機械的に安定した扁平な構造になることが分かった。

 Pelegたちは粒子ベースのシミュレーションを用いて、ミツバチの群れは、個々のハチが、経験するひずみに対してひずみを増大させる方向に動いて応答することによって適応し、グループの安定性を最大化できることを示している。このように、見かけの集団知能に必要な長距離信号伝達は、ミツバチの物理的相互作用によって実現されている。今回の結果は、集団行動が局所の化学的手掛かりを通した相互作用に起因しており、長距離作用はほとんど影響しないとする従来の考えを補完するものである。



参考文献:
Peleg O. et al.(2018): Collective mechanical adaptation of honeybee swarms. Nature Physics, 14, 12, 1193–1198.
https://doi.org/10.1038/s41567-018-0262-1
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ジュラ紀の魚竜類と現代のハクジラ類の類似性

2018/12/20 17:25
 ジュラ紀の魚竜類と現代のハクジラ類の類似性に関する研究(Lindgren et al., 2019)が公表されました。魚竜類は絶滅した海生爬虫類で、現生のハクジラ類(イルカなど)に似ています。魚竜類とクジラ類は、流線形の体など外観が似ていることから、海洋での生活に適応するために類似した戦略を持つようになったと考えられ、収斂進化の一例とされます。また、魚竜類は温血動物だったとする学説が長らく提起されてきましたが、保存されている化石がひじょうに少ないため、この点を含めて数々の類似点の確認が困難になっています。

 この研究は、約1億8000万年前のものとされる保存状態の良好な魚竜類ステノプテリギウス(Stenopterygius)属の化石標本に含まれる皮膚組織の組成を調べました。その結果、ステノプテリギウスの元々の滑らかな皮膚の遺残物がいまだに柔軟性を保っており、明確な内層(真皮層)と外層(表皮層)から構成され、その下に脂肪層がある、と明らかになりました。脂肪層は現生海洋哺乳類の特徴で、断熱性によって低温から身を守り、浮力を増し、脂肪を貯蔵する作用があります。魚竜類の化石で脂肪層が同定されたのは今回が初めてで、魚竜類が温血動物だった、と確認されました。

 さらにこの研究は、魚竜類の皮膚には色素によるパターンがあり、これが爬虫類のカウンターシェイディング(体表の日陰になる腹側が明るい色、光の当たる背側が暗い色になること)を示唆するものである、と明らかにしました。この皮膚の配色は多くの現生海洋哺乳類に見られ、カムフラージュとして作用し、紫外線から身を守り、温度調節にも役立っています。このように、魚竜類と現生海生哺乳類との収斂は超微細構造や分子のレベルにまで及んでおり、外洋生活への共通した適応には遍在する制約があることを反映しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用(引用1および引用2)です。


【古生物学】ジュラ紀の魚竜類と現代のハクジラ類の類似性は表面上だけではなかった

 皮膚の外層と内層、およびその下にある脂肪層と色素沈着が保存されている魚竜類化石について説明する論文が、今週掲載される。化石化した魚竜類の脂肪層に関する知見が報告されるのは今回が初めてで、魚竜類が温血爬虫類であったことが示唆されている。

 魚竜類は、絶滅した海生爬虫類で、現生のハクジラ類(イルカなど)に似ている。魚竜類とクジラ類は、外観が似ていることから、海洋での生活に適応するために類似した戦略を持つようになったと考えられ、収斂進化の一例とされる。また、魚竜類は、温血動物だったとする学説が長らく提起されてきたが、保存されている化石が非常に少ないため、この点を含めて数々の類似点の確認が困難になっている。

 今回、Johan Lindgrenたちの研究グループは、約1億8000万年前のものとされる保存状態の良好な魚竜類ステノプテリギウス(Stenopterygius)属の化石標本に含まれる皮膚組織の組成を調べた。その結果、ステノプテリギウスのもともとの滑らかな皮膚の遺残物が、いまだ柔軟性を保っており、明確な内層(真皮層)と外層(表皮層)から構成され、その下に脂肪層があることが明らかになった。脂肪層は、現生海洋哺乳類の特徴であり、断熱性によって低温から身を守り、浮力を増し、脂肪を貯蔵する作用がある。魚竜類の化石で脂肪層が同定されたのは今回が初めてで、魚竜類が温血動物だったことが確認された。

 さらにLindgrenたちは、魚竜類の皮膚には色素によるパターンがあり、これが爬虫類のカウンターシェイディング(体表の日陰になる腹側が明るい色、光の当たる背側が暗い色になること)を示唆するものであることを見いだした。この皮膚の配色は、多くの現生の海洋哺乳類に見られ、カムフラージュとして作用し、紫外線から身を守り、温度調節にも役立っている。


古生物学:ジュラ紀の魚竜の恒温性および保護色を示す軟組織の証拠

古生物学:ジュラ紀の海生爬虫類に見られる皮膚の配色および脂肪層

 魚竜類は、恐竜類と同じ時代に生きた海生爬虫類で、流線形の体など水中生活へのさまざまな適応で古くから知られている。今回、軟組織が極めて良好な状態で保存されているジュラ紀の魚竜ステノプテリギウス(Stenopterygius)の標本を、領域横断的な実験手法によって調べた結果が報告されている。ステノプテリギウスの皮膚は、クジラ類のように滑らかで黒色素胞を含んでおり、黒色素胞の分布パターンは、生前のステノプテリギウスがカウンターシェイディング(背部が暗くて腹部が明るい)という保護色を有していたことを示唆している。この標本で特に目を引くのは、現生の海生哺乳類に見られるような脂肪層の記録であり、これは、魚竜類が温血性であったばかりか、他のどの爬虫類にも見られないほどの哺乳類との収斂性を有していたことも示している。



参考文献:
Lindgren J. et al.(2018): Soft-tissue evidence for homeothermy and crypsis in a Jurassic ichthyosaur. Nature, 564, 7736, 359–365.
https://doi.org/10.1038/s41586-018-0775-x
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タイトル 日 時
血液の起源
 血液の起源に関する研究(Rosental et al., 2018)が公表されました。造血は多細胞動物で進化した極めて重要な仕組みで、造血幹細胞(HSC)がこの仕組みの中心です。HSCは多能性と自己複製能を合わせ持つ細胞で、動物の一生を通じて血液細胞や免疫細胞の全レパートリーを作り出します。脊椎動物のHSCでは、自己複製・分化・生理学的調節・ニッチの占有についての包括的な研究が行なわれてきましたが、HSCの進化的起源やニッチについては比較的わずかしか知られていません。 ...続きを見る

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2018/12/20 17:24
真核生物の新系統
 真核生物の新系統に関する研究(Lax et al., 2018)が公表されました。現在、真核生物のほぼ全ての生命体は、分子系統学によって界を超えたレベル(supra-kingdom-level)の5〜8の系統群のいずれかに分類されています。ヘミマスティゴフォラ(Hemimastigophora)「門」は、そうした系統発生学的な割り当てがまだなされていない生物の中で、おそらく最も特徴的な、形態が明らかにされている系統と考えられます。ヘミマスティゴート(hemimastigote)類は、19世紀に... ...続きを見る

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2018/12/20 17:23
行動状態に応じて変化するショウジョウバエの二酸化炭素への誘引
 ショウジョウバエの二酸化炭素への誘引に関する研究(Breugel et al., 2018)が公表されました。二酸化炭素はさまざまな有機的過程で産生され、昆虫にとって、血液宿主や花・共同巣・果実、あるいは山火事を探索するのに都合の良い揮発性の手掛かりとなります。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)は、発酵のさいに二酸化炭素とエタノールを産生する酵母を餌としていますが、研究室内での実験では、歩行中のハエは二酸化炭素を避ける、と示されています。 ...続きを見る

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2018/12/20 17:22
気候変動にともなう熱帯の高木の移動
 気候変動にともなう熱帯の高木の移動に関する研究(Fadrique et al., 2018)が公表されました。地球温暖化によって多くの生物種が分布域の高地への移動を余儀なくされており、その結果、特定の場所に見られる種組成が変化しています。しかし、この予測は熱帯の高木に関してはほとんど検証されていません。この研究は、アンデス山脈の森林の、33.5度を超す緯度幅(南緯26.8度〜北緯7.1度)および3000 mの標高幅(海抜360〜3360 m)にわたって広がる200近い区画から得られたインベント... ...続きを見る

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2018/12/13 15:55
父方祖父の子供期の栄養状態と男孫の死亡リスクの関係
 父方祖父の子供期の栄養状態と男孫の死亡リスクの関係についての研究(Vågerö et al., 2018)が公表されました。この研究は、「ウプサラ多世代出生コホート研究」の対象となった、スウェーデン国内の地域における1874〜1910年の作物の収量データを集めた上で、このデータを用いて、祖父母9039人にとって、思春期前の成長の鈍化する時期に食料を取得するのがどれだけ難しかったのか、推定しました。この研究は、これらの祖父母の孫11561人の1961〜2015年の死亡データを... ...続きを見る

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2018/12/12 03:30
絶滅したホラアナグマの現生種への遺伝的影響
 取り上げるのが遅れてしまいましたが、絶滅したホラアナグマの現生種への遺伝的影響に関する研究(Barlow et al., 2018)が報道されました。この研究は、71000〜34000年前頃のホラアナグマ4頭のゲノム塩基配列を調べ、古代および現代のヒグマの他、アメリカグマ・ツキノワグマ・ガネグマ・パンダ・ホッキョクグマと比較しました。これらのうちホッキョクグマは、過去にヒグマとの交雑が確認されています。この研究は、塩基配列を解読した全てのヒグマのゲノムに、0.9〜2.4%の割合でホラアナグマD... ...続きを見る

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2018/12/10 16:11
イングランド北西部におけるウシ結核の流行
 イングランド北西部におけるウシ結核の流行に関する研究(Barron et al., 2018)が公表されました。本論文は、2014〜2015年にイングランド北西部のチェシャー州で交通事故死したアナグマの死体を、地元の農業従事者・獣医師・野生生物保護グループ・政府機関のネットワークを通じて収集し、調べました。その結果、アナグマの死体の21%(94体のうちの20体)からウシ型結核菌が検出されました。これに対して、1972〜1990年にチェシャー州で実施された、路上死したアナグマの調査でウシ型結核菌... ...続きを見る

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2018/12/07 15:58
アミノ酸の非生物的形成と生命の起源
 アミノ酸の非生物的形成に関する研究(Ménez et al., 2018)が公表されました。非生物的な炭化水素およびカルボン酸は地球上で形成されると知られており、その顕著な例にマントル岩石の熱水変質作用過程があります。非生物的なアミノ酸の形成は、実験研究および熱力学計算の両方で予測されてきましたが、地球環境での非生物的なアミノ酸形成が実証された例はまだありません。この研究は、高解像度の画像化技術を複数組み合わせた多モード手法を用いて、大西洋中央海嶺アトランティス岩体(Atlantis... ...続きを見る

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2018/12/06 16:31
哺乳類幹細胞の多能性を維持するローヤルゼリー
 哺乳類幹細胞の多能性を維持するローヤルゼリーについての研究(Wan et al., 2018)が公表されました。ローヤルゼリーは、セイヨウミツバチ(Apis mellifera)の女王蜂になるべき幼虫に与えられる食物ですが、哺乳類にも作用して、その寿命・稔性・再生に影響を及ぼす、と知られています。MRJP1(Major Royal Jelly Protein 1、別名ロイヤラクチン)はローヤルゼリーの機能成分で、これまでの研究では、セイヨウミツバチ以外の種に対する影響を調節する、と明らかにされ... ...続きを見る

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2018/12/05 16:09
社会正義の活動家たちによるカトリック教会的でポストモダン的な反進化学
 社会正義の活動家たちによる進化学への攻撃を批判した記事が公開されました。執筆者は、昆虫の行動を研究している生物学者のライト(Colin Wright)氏で、検索してみたところ、クモの社会行動に関する論文を発見しました。この記事では、「社会正義の活動家たち(social justice activists)」と表記されていますが、「社会正義の戦士たち(Social Justice Warriors)」とほぼ同じ意味合いなのかな、と思います。まあ、私はこうした議論に詳しいわけではないので、的外れか... ...続きを見る

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2018/12/04 19:10
アザラシの交雑
 アザラシの交雑に関する研究(Savriama et al., 2018)が報道されました。哺乳類においても交雑は珍しくありませんが、古代の交雑に関しては、化石から遺伝的情報を得ることが困難にため、形態的に判断しなければならない場合が多くなります。本論文はアザラシの事例から、哺乳類において交雑個体群、とくに交雑第一世代は形態的に区分できるのか、またそれが可能として、どのような指標を区分に用いるべきなのか、といった問題を検証しています。これまで形態では、とくに歯と頭蓋が重視されていました。 ...続きを見る

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2018/12/03 16:07
氷期における北半球から南半球への気候の影響
 氷期における北半球から南半球への気候の影響に関する研究(Buizert et al., 2018)が公表されました。南半球中緯度域の偏西風は、南大洋の湧昇流、深海との間の炭素交換、アガラスリーケージ(インド洋の海水の大西洋への輸送)、場合によっては南極大陸の氷床の安定性を通して、全球の気候システムに重要な役割を担っています。南半球の偏西風の南北方向の移動についてはこれまで、充分な裏づけのあるダンスガード・オシュガー(Dansgaard–Oeschger)イベン)に応答した熱帯収束帯... ...続きを見る

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2018/11/29 16:24
トリュフのゲノム解析
 トリュフのゲノム解析に関する研究(Murat et al., 2018)が公表されました。トリュフは胞子が詰まった菌類の子実体で、植物の根で成長します。トリュフを作る菌種は100回以上独立して進化しており、主要な多肉質の菌類のほぼ全てに見られますが、トリュフの生活様式の進化に関しては未解明の問題も残っています。この研究は、珍重されているピエモンテ・白トリュフ(Tuber magnatum)とバーガンディー・トリュフ(Tuber aestivum)に加えて、砂漠トリュフ(Terfezia bou... ...続きを見る

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2018/11/26 16:39
恐竜から始まった色付き卵
 現生鳥類の色付き卵の起源に関する研究(Wiemann et al., 2018)が報道されました。現生の卵生有羊膜類(鳥類・爬虫類・卵生哺乳類)のうち、色付き卵を産むのは鳥類だけで、たとえば現生ワニ類は無地で白い卵を産みます。有色卵は鳥類の新機軸だと長年考えられてきましたが、最近の研究では、鳥類の色付き卵に用いられているプロトポルフィリン(赤褐色)とビリベルジン(青緑色)の色素と同じものが、特定の恐竜の卵殻化石において同定されました。しかし、鳥類が卵の着色法を祖先の恐竜から受け継いだのか、卵殻... ...続きを見る

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2018/11/22 18:29
大型動物の長距離移動を可能にする効率的な筋肉
 大型動物の長距離移動を可能にする効率的な筋肉についての研究(Curtin et al., 2018)が公表されました。乾燥環境や砂漠環境に生息する大型哺乳類は、長距離を移動することによって降雨・食物・気候の季節的・地域的な変動に対処できますが、そうした移動では多くの場合、途中で水や食物を確実に得られません。このような長距離移動を行なう動物個体の能力はエネルギー利用率に大きく依存し、移動運動行動中の熱発生(移動コスト)に左右されます。陸上での移動コストは他の移動手段よりはるかに大きく、飛行の移動... ...続きを見る

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2018/11/17 12:20
腸内細菌によって調節されているショウジョウバエの移動運動
 ショウジョウバエの移動における腸内細菌の影響に関する研究(Schretter et al., 2018)が公表されました。動物行動の生物学的性質の研究はおもに中枢神経系を中心に行なわれてきた一方で、末梢組織や環境からの合図は脳の発達や機能と関連づけられてきました。腸と脳の間の双方向性のコミュニケーションが、不安・認知・痛覚・社会的相互作用などの行動に影響を及ぼすことを示す新たな証拠があります。協調的な移動運動行動は動物の生存と繁殖に不可欠で、内因性および外因性の感覚入力によって調節されています... ...続きを見る

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2018/11/17 12:19
苦味の知覚と飲料の好み
 苦味の知覚と飲料の好みに関する研究(Ong et al., 2018)が公表されました。各個人が苦みのある物質をどう知覚するのかは、特定の遺伝子群を有していることと関連している、と明らかになっています。この研究は、カフェインの苦味に対する感受性の高さ(特定の遺伝子の存在によって判定)がコーヒー消費量の多さと関連している一方、プロピルチオウラシル(PROP)とキニーネの苦味に対する感受性の高さはコーヒー消費量の少なさと関連していることを明らかにしました。また、カフェインの苦味に対する感受性が高い... ...続きを見る

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2018/11/16 16:45
低グルテン食の腸内微生物叢への影響
 低グルテン食の腸内微生物叢への影響に関する研究(Hansen et al., 2018)が公表されました。グルテンはコムギ・ライムギ・オオムギの主成分で、体内では消化されにくい部分のあるタンパク質によって構成されています。グルテンは、セリアック病などの特定の疾患の患者に害を及ぼすことがあります。しかし、健常者がグルテンの摂取量を減らすことでどのような影響を受けるのかについては、解明が進んでいません。 ...続きを見る

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2018/11/14 16:59
医薬品に汚染されているオーストラリアの河川
 オーストラリアの河川における医薬品による汚染についての研究(Richmond et al., 2018)が公表されました。人間が日常的に使用する化学物質(医薬品やパーソナルケア製品など)は、汚水処理では効果的に除去されないため、近くの河川の流域に残留します。しかし、そのような化学物質の生物活性・曝露・生態学的影響についてはほとんど明らかになっていません。 ...続きを見る

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2018/11/09 18:39
地球最古の化石とされる岩石構造への異論
 地球最古の化石とされる岩石構造を再検証した研究(Allwood et al., 2018)が公表されました。本論文は、2年前(2016年)の研究(Nutman et al., 2016)の見直しとなります。グリーンランドの古始生代の表成岩帯は地球最古の岩石を含み、地球上の生命に関する最古の証拠の探索において主要な研究対象となっています。しかし、変成作用により岩石の本来の組織および組成はほとんど失われているため、生物の痕跡の保存は困難です。 ...続きを見る

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2018/11/08 17:01
ゲノムから明らかになるサメの視覚と嗅覚
 サメの視覚と嗅覚に関する研究(Hara et al., 2018)が公表されました。サメ類を含む軟骨魚類は、その他の有顎脊椎動物から約4億5000万年前に分岐し、独特な生殖形質や感覚形質を有しています。しかし、軟骨魚類のゲノム資源は乏しく、その独特の生活様式を理解する妨げとなっています。本論文は、イヌザメおよびトラザメに関してゲノムとトランスクリプトームの塩基配列解読を行ない、最大の現生魚類であるジンベエザメのゲノムアセンブリーを改善するとともに、サメのゲノムを他の脊椎動物のゲノムと比較するこ... ...続きを見る

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2018/11/03 05:54
生態系の安定性を向上・低下させる生物多様性
 生態系の安定性と生物多様性に関する研究(Pennekamp et al., 2018)が公表されました。種の多様性の喪失と獲得は、生態学的安定性や、生態系機能および生態系サービスの持続可能性に影響を及ぼします。実験およびモデルからは、時間的変動性・抵抗性・復元力など、安定性の個々の要素にたいして多様性が好影響や悪影響を与えたり、全く影響を与えなかったりすることが示されています。これらの安定性要素がどのようにして共変するのかは、まだほとんど理解されていません。同様に、概念的には生態系の多機能性と... ...続きを見る

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2018/11/01 18:11
キンカチョウの発声行動の文化伝達
 キンカチョウの発声行動の文化伝達に関する研究(Tanaka et al., 2018)が公表されました。行動の文化伝達は、生徒が適切な教師のみを模倣することで可能になっています。しかし、生徒の脳がどのようにして適切な教師を見つけ、その行動を符号化するのかは、ほとんど解明されていません。幼いキンカチョウは、身近な成鳥を教師(チューター)としてその囀りを容易に真似ますが、スピーカー越しに聞かされた囀りは真似ないことから、チューターが発する社会的手掛かりが囀りの模倣を促進している、と示唆されます。 ... ...続きを見る

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2018/11/01 18:10
鳥のつがいの絆を決定するのは雄の個性
 鳥のつがいの絆に関する研究(Firth et al., 2018)が公表されました。鳥類種の約90%は社会的に一雄一雌のつがいを形成し、関係が長く持続するほど高い生殖成果が伴う、と明らかになっています。しかし、そのような絆の形成に影響を与える要因は、あまり理解されていません。この研究は3年間にわたって、イギリスのオックスフォード近郊の森林に生息するシジュウカラ(Parus major)の社会的ネットワーク関係を追跡しました。その森林で捕獲した全ての鳥には個体識別用のマイクロチップが装着され、群... ...続きを見る

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2018/10/29 16:40
大量絶滅関連の記事のまとめ
 自然科学関連の記事も500本に近づいてきたので、少しは整理しておこうと考えています。今回は、恐竜関連の関連記事と一部重なりますが、大量絶滅関連の記事をまとめてみました。 ...続きを見る

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2018/10/27 08:27
恐竜関連の記事のまとめ
 自然科学関連の記事も500本に近づいてきたので、少しは整理しておこうと考えています。今回は、恐竜関連の記事をまとめてみました。もっとも、鳥類も恐竜に含まれるわけですが、今回は、新生代以降の鳥類関連の記事は除外しています。これは通俗的な分類により近く、基本的には側系統群としての恐竜が対象となります。 ...続きを見る

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2018/10/27 08:25
痕跡器官の社会的調節により生じるアリ類の複雑なワーカーのカースト制
 アリ類の複雑なワーカーのカースト制に関する研究(Rajakumar et al., 2018)が公表されました。アリ類が有する複雑なワーカーのカースト制の起源はダーウィンを当惑させ、今でも進化生物学および発生生物学における問題であり続けています。アリ類は約1億5000万年前に出現し、有翅の女王カーストと雄カースト、および無翅のワーカーカーストからなるコロニーを形成します。 ...続きを見る

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2018/10/25 16:37
妊娠期間と乳癌リスクの関連
 妊娠期間と乳癌リスクの関連に関する研究(Husby et al., 2018)が公表されました。妊娠回数と妊娠期間は乳癌リスクの差異に関連しており、特に若齢(30歳未満)での満期妊娠の経験や出産回数の多さが乳癌リスクの低さと関連している、と報告されていますが、これらの要因が乳癌の発生にどのような影響を及ぼすのかについては、まだ明らかにされていません。 ...続きを見る

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2018/10/24 16:57
中国から日本へのパンダ貸与
 日本政府は新たなパンダ貸与について中国側と協議を進めていく、との考えを菅官房長官が示した、と報道されました。しかし私は、パンダの古代DNA研究に関して当ブログで取り上げた時に述べたように(関連記事)、中国から日本へのパンダ貸与には大反対です。一つには、パンダの貸与料が高額だからなのですが、もう一つというか、根本的な問題として、パンダは希少動物(近年、絶滅危惧種からは危急種に引き下げられたようですが)だからです。 ...続きを見る

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2018/10/23 16:50
気候変動による北アメリカ大陸のマルハナバチの個体数減少
 気候変動による北アメリカ大陸のマルハナバチの個体数減少に関する研究(Sirois-Delisle, and Kerr., 2018)が公表されました。マルハナバチ種は、この100年間で分布域(マルハナバチ種が見られる地理的地域)が縮小し、個体数も減少しています。その一因として、ネオニコチノイド系殺虫剤やスルホキシイミン系殺虫剤といった農薬の問題もありますが(関連記事)、気候変動も一因となっており、マルハナバチは頻発する極端な気温現象の影響を受けやすい、と指摘されています。一部の花粉媒介生物種は... ...続きを見る

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2018/10/19 16:48
真核生物と近縁な古細菌の細胞骨格調節
 真核生物と近縁な古細菌(アーキア)の細胞骨格調節に関する研究(Akıl, and Robinson., 2018)が公表されました。よく理解できてはいないのですが、重要な研究と思われるので、とりあえずまとめてみました。真核細胞の起源は明らかになっていません。最近、メタゲノミクス塩基配列解読によってAsgard上門アーキアで真核細胞遺伝子ホモログ候補が複数見つかり、これは真核細胞がアーキアドメイン内から進化したとする仮説と一致しています。しかし、これらの真核細胞様塩基配列の多くは相違が... ...続きを見る

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2018/10/18 16:52
嗅覚と空間記憶の関連
 嗅覚と空間記憶の関連についての研究(Dahmani et al., 2018)が公表されました。動物が嗅覚を持つようになったのは、環境におけるナビゲーションに役立てるためだったと考えられています。現在までに、嗅覚同定(何の匂いか特定すること)と空間記憶(環境中のさまざまな目標物同士の関係を学習し、認知地図を構築することに関与します)が関連している可能性を示すいくつかの証拠は集まっていますが、それらが直接検討されたことはありませんでした。 ...続きを見る

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2018/10/17 17:48
家畜と野生動物の共存が有益になる可能性
 家畜と野生動物の共存が有益になる可能性を報告した研究(Huypens et al., 2018)が公表されました。地球全体で見ると、野生動物の大半は保護区外に住んでいるため、野生動物と人間のそれぞれの要求の潜在的な衝突を生み出しています。こうした問題の典型例がアフリカ東部のサバンナで、ゾウやキリンなどの野生種の生息地であるとともに、人間や家畜の居住地にもなっています。土地利用を巡る対立はありふれたもので、家畜の管理と野生動物の管理の間には固有のトレードオフがある、という仮説が提示されています。... ...続きを見る

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2018/10/16 16:26
ディプロドクス科恐竜の生活様式
 ブロントサウルスなどの首の長い草食恐竜であるディプロドクス科恐竜の生活様式に関する研究(Woodruff et al., 2018)が公表されました。この研究は、これまでに発見されたものの中で最も小さなディプロドクス科恐竜の頭蓋骨(全長約24cm)を調べました。より大きな化石標本と比較すると、幼若体は単に成体を小型化したものではなく、自らの親(成体)よりも祖先に似た身体的特徴を有していた、と明らかになりました。この現象は「反復発生」として知られています。幼若体の身体的特徴は、個体が成長するとと... ...続きを見る

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2018/10/12 16:46
イギリスのバイオバンクの遺伝学的データ
 イギリスのバイオバンクの遺伝学的データに関する二つの研究が公表されました。イギリスのバイオバンクは、登録時に40〜69歳だった約50万人のイギリス人の遺伝的データと臨床データの情報資源で、健康と各種疾患の遺伝的基盤の研究に役立っています。参加者は2006〜2010年に集められ、モニタリングは今後も継続されます。バイオバンクに登録された最大のデータセットは遺伝子型と脳スキャンのデータで、これにより脳の構造と機能に影響を及ぼす遺伝子の研究が可能となります。 ...続きを見る

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2018/10/11 16:49
ミツバチは菌類の摂取によりウイルスを遠ざける
 菌類の摂取によりミツバチがウイルスを遠ざけている、と報告した研究(Stamets et al., 2018)が公表されました。全世界でミツバチの健康状態が低下しており、これに大きく関わっているのが、チヂレバネウイルス(DWV)やシナイ湖ウイルス(LSV)などのウイルスだと報告されています。しかし、現在のところ養蜂家が利用できる認可された抗ウイルス剤はなく、養蜂家は殺ダニ剤を使って、ウイルス媒介の疑いのあるダニが湧いたミツバチの巣を削減しています。 ...続きを見る

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2018/10/05 21:48
アフリカゾウの皮膚の微細な割れ目
 アフリカゾウの皮膚の微細な割れ目に関する研究(Martins et al., 2018)が公表されました。物理的割れ目のパターンは非生物において発生することが多く、生物系で生じるのは稀です。アフリカゾウの皮膚には、マイクロメートル幅の割れ目が互いにつながって形成された、複雑な網目模様が深く刻み込まれています。この割れ目により、保水性は平面の場合の5〜10倍に向上しており、これによって熱調節と寄生虫予防の有効性も高まっています。ただし、この割れ目の形成過程は未解明でした。 ...続きを見る

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2018/10/03 16:42
世代を超えても変わらないザトウクジラの鳴き声
 ザトウクジラの鳴き声の一部が世代を超えても変わらないことに関する研究(Fournet et al., 2018)が公表されました。クジラの発声には、歌(反復性のある長時間の発声)と鳴き声(歌のようにパターン化された反復性のある構造を持たない発声)がありくす。この研究は、ザトウクジラ(Megaptera novaeangliae)の鳴き声(歌以外の発声)の最も古い録音として知られる1970年代の録音とその後の録音(1990年代・2000年代・2010年代)を比較して、鳴き声の不変性を調べました。... ...続きを見る

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2018/09/28 18:39
初期哺乳類の顎と中耳の進化において小型化が果たした役割
 初期哺乳類の顎と中耳の進化において小型化が果たした役割に関する研究(Lautenschlager et al., 2018)が公表されました。哺乳類の顎の進化は脊椎動物史の中でも重要な新機軸の一つで、過去2億2000万年にわたる哺乳類の放散および多様化を支えています。哺乳類の進化には、顎と頭蓋とをつなぐ関節における根本的な変化が関与していました。とくに、複数の骨で構成されていた下顎が歯の生えた単一の骨(歯骨)へと変化して新たな顎関節が出現した一方で、祖先的な下顎の二つの骨が小型化して中耳の構成... ...続きを見る

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2018/09/27 16:58
免疫細胞がもたらす青年期ラットの性差
 免疫細胞がもたらす青年期ラットの性差に関する研究(Kopec et al., 2018)が公表されました。最近の研究で、免疫細胞の一種であるミクログリアが脳回路の発達過程に寄与している、と明らかになりました。個体の誕生直後に、ミクログリアがニューロン間の情報伝達の接点として機能するシナプスを貪食する(「飲み込む」)ことにより、乳仔の脳内に形成される余分なシナプスをそぎ落とす、というわけです。ミクログリアの特性には性差があるとされますが、このミクログリアの作用により個体の行動とその後の発達がどの... ...続きを見る

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2018/09/26 17:00
角のない雄ジカはオオカミに狙われやすい
 雄のアメリカアカシカの角の機能に関する研究(Metz et al., 2018)が公表されました。雄のアメリカアカシカは、交尾期間が過ぎた後2〜3ヶ月で角を落とします。新しい角はすぐに成長し始め、次の交尾期に競合相手の雄に対する武器として使えるようになります。大きな角は競合相手に対する優位性につながり、交尾の機会を増やせるので、早く角を落とせば次の交尾期までにより大きな角を生やすことができるにも関わらず、雄ジカが角を落とすタイミングはさまざまです。 ...続きを見る

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2018/09/24 07:04
個体の鳴き声を聞き分けるジャイアントパンダ
 ジャイアントパンダ(Ailuropoda melanoleuca)は個体の鳴き声を聞き分ける、と報告した研究(Charlton et al., 2018)が公表されました。ジャイアントパンダは単独行動性の動物であるため、配偶相手の居場所を知り、攻撃的かもしれない競争相手を避けるために、実効性のある情報伝達が不可欠である可能性は高い、と考えられています。雄のジャイアントパンダは、発情期の雌に遭遇すると高い確率で鳴き声を発することが知られており、こうした鳴き声が交尾活動の調整に重要なことが示唆され... ...続きを見る

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2018/09/21 17:03
蠕虫に似たカンブリア紀の動物
 蠕虫に似たカンブリア紀の動物に関する研究(Ou, and Mayer., 2018)が公表されました。この研究は、カンブリア紀(約5億4100万年〜4億8500万年前)の葉足動物(軟らかい脚を持つ蠕虫似の動物)の新種(Lenisambulatrix humboldti)について報告し、既知の葉足動物種(Diania cactiformis)と比較しました。その結果、これら2種はよく似た形態をしており、分節した体と長さ11.6〜18mmの太く長い脚(葉足)を有し、他の葉足動物と異なり鉤爪がない、... ...続きを見る

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2018/09/21 17:01
後期更新世における氷床の後退
 後期更新世における氷床の後退についての研究(Wilson et al., 2018)が公表されました。地質学的な過去の氷床の挙動解明は、気候システムにおける雪氷圏の役割を評価し、将来の温暖化シナリオにおける海水準上昇の速さと規模を予測するのに不可欠です。東南極氷床には、50 mを超える海水準上昇に相当する氷があり、過去の温暖な時期に、主要な区域のどこかが不安定化した可能性があるか否か、という問題が提起されています。地質データと氷床モデルは共に、東南極氷床の海洋を基部とする部分は、鮮新世の温暖期... ...続きを見る

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2018/09/20 18:49
発毛促進の可能性があるビャクダン
 ビャクダンが発毛を促進する可能性を報告した研究(Chéret et al., 2018)が公表されました。におい分子が鼻の特殊な細胞の表面にある嗅覚受容体により認識されると、においを感じるようになります。しかし、嗅覚受容体は体内の別の細胞にも発現しており、嗅覚以外の細胞機能を調節しています。この研究は、毛包上皮、とくに外毛根鞘に、嗅覚受容体OR2AT4が発現していることを明らかにしました。また、ヒトの頭皮組織外植片をサンダルウッド(ビャクダン)系合成香料で処理すると、毛包の角化細胞の... ...続きを見る

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2018/09/19 17:01
妊娠中の母親のストレスによる仔への影響
 妊娠中の母親のストレスによる仔への影響に関する研究(Jašarević et al., 2018)が公表されました。母体の膣液中に存在する微生物は、出生時に仔マウスの腸内に定着し、この腸内微生物叢(マイクロバイオーム)の組成が、その後に受けるストレスに対する仔の脳の応答に影響を及ぼします。マウスの場合には、出産前のストレスが母親の膣内微生物相を変化させ、雄の仔の出生後の脳機能に影響を及ぼすと知られていますが、この影響が微生物叢の変化の結果なのかどうか、明確になっていません。... ...続きを見る

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2018/09/18 16:56
プラスチック汚染によるウミガメへの影響
 プラスチック汚染によるウミガメへの影響に関する研究(Wilcox et al., 2018)が公表されました。この研究は、ウミガメの剖検246例と、座礁データベースに登録された剖検記録706件のデータを調べました。その結果、幼若個体は成体よりもプラスチック摂取量が多く、消化管に残存するプラスチックの量は死因により異なる、と明らかになりました。プラスチック摂取量は、死因不明の場合が最も少なく、それに次いで少ない死因は、プラスチック関連でなかった場合(船との衝突や溺死など)でした。一方、プラスチッ... ...続きを見る

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2018/09/14 16:43
段階的に発達してきた植物の根
 植物の根の進化に関する研究(Hetherington, and Dolan., 2018)が公表されました。根は維管束植物の体を構成する3つの器官系の1つで、体の固着・共生・栄養や水の吸収において役割を担っています。しかし、化石記録は断片的なものしかないため、根の起源は定かではなく、現生植物の根を定義づける唯一の特徴である、分裂組織(根端部が根冠に覆われた自己複製構造体)と呼ばれる自己複製構造の存在がいつ進化したのか、特定は困難です。 ...続きを見る

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2018/09/13 17:41
田園地帯のハリネズミ集団
 田園地帯のハリネズミ集団に関する研究(Williams et al., 2018)が公表されました。ハリネズミ集団に関する研究は都市部では盛んですが、田園地帯のハリネズミについてはほとんど解明されていません。これまでの研究は、規模が小さすぎてより広い地域に関する知見が得られないか、対象範囲が広すぎて根本的な生物学的影響や人為的影響が明確にならないかのどちらかでした。この研究は、ハリネズミの存否を調べるための足跡追跡用トンネルを使って、2014〜2015年にイングランドとウェールズのさまざまな生... ...続きを見る

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2018/09/07 16:35
氷河の融解により高まる津波の危険性
 氷河の融解により津波の危険性が高まる恐れを報告した研究(Higman et al., 2018)が公表されました。氷河が気候温暖化により融解し後退すると、岩盤斜面を支えられなくなり、落石や雪崩を引き起こすことがあります。また氷河の後退は、新たな水域の形成、あるいは既存の水域の拡大をもたらし、たとえば、アラスカ・パタゴニア・ノルウェー・グリーンランドの海岸線沿いで津波が起こりやすくなります。この研究は、2015年10月17日にアメリカ合衆国アラスカ州のティンドル氷河の末端で地滑りが発生し、1億8... ...続きを見る

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2018/09/07 16:33
マルハナバチのコロニーの適応度に影響を及ぼすスルホキシイミン系殺虫剤
 スルホキシイミン系殺虫剤のマルハナバチのコロニーの適応度への影響に関する研究(Siviter et al., 2018)が公表されました。集約農業では現在、作物の収量を最大にするために農薬に依存しています。ネオニコチノイド類は世界的に最も広く使用されている殺虫剤ですが、重要な花粉媒介者などの標的外生物に悪影響を及ぼしていることを示す証拠が増えていることから、法的な再評価が行なわれ、代替製品を開発する需要が生じています。これまで、当ブログでも何度か、ネオニコチノイド系殺虫剤のハチへの影響に関する... ...続きを見る

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2018/09/06 16:23
哺乳類の生殖形質の進化時期
 哺乳類の生殖形質の進化時期に関する研究(Hoffman, and Rowe., 2018)が公表されました。哺乳類はおもに生殖様式によって定義され、卵生種もごくわずかに存在しますが、一般に胎生で、母乳で仔を育てます。哺乳類ステム系統における形態・生理・行動の変化は、少数の仔に対する母親の高い投資を特徴とする生殖戦略や、脳の拡大に関連した初期の頭蓋発達における異時的変化の出現など、生殖および成長の著しい変化を伴っていました。哺乳類やその祖先の仔が成体と一緒に化石に保存されることは珍しく、新生仔や... ...続きを見る

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2018/09/06 16:20
小児期の生活が思春期を迎える年齢に及ぼす影響
 小児期の生活が思春期を迎える年齢に及ぼす影響についての研究(Magid et al., 2018)が公表されました。エネルギー面で高コストと考えられている男性の生殖投資は、テストステロン値・思春期のタイミング・身長に反映され、地域の環境と相関すると考えられています。しかし、男性の生殖投資が小児期の発達中に決定づけられるのか、成人期にも影響を受けるのか、あるいは民族性によって異なるのか、などといったことはよく分かっていません。 ...続きを見る

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2018/09/04 16:45
二酸化炭素の排出により損なわれる人間の栄養状態
 二酸化炭素の排出が人間の栄養状態に与える影響についての研究(Smith, and Myers., 2018)が公表されました。大気中の二酸化炭素濃度は、思い切った気候変動緩和策が取られない限り、今後30〜80年間に550 ppmを超えてしまう、と予想されています。二酸化炭素濃度がこのような値まで上昇すると、多くの主要作物に含まれる鉄・タンパク質・亜鉛の量が3〜17%減少する、と推定されています。このような食物栄養素の減少は、健康転帰の悪化につながる可能性があります。この研究は、大気中二酸化炭素... ...続きを見る

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2018/09/03 16:43
読み書き計算と関連する遺伝子
 読み書き計算と関連する遺伝子についての研究(Lee et al., 2018)が公表されました。この研究は、100万人以上の研究対象者の遺伝組成と学歴を調べました。このように大きなサンプルサイズの研究だったので、学校教育の修了年数に関連する遺伝的多様体が1200種以上同定され、座位の数は過去のさまざまな研究で見つかった数の10倍を超えました。また、この研究は、個々の対象者のテスト成績・数学能力の自己申告・最終的に修了した数学のクラスのレベルを調べ、これらの関連形質について数百の遺伝的関連を見つ... ...続きを見る

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2018/08/31 17:36
知能と神経症傾向に関連する遺伝子
 知能と神経症傾向に関連する遺伝子についての二つの研究が公表されました。一方の研究(Savage et al., 2018)は、25万人以上の遺伝的データと知能の測定値を解析しました。その結果、知能に関連する205の座位(そのうち190座位が新規)と、1016の特異的な遺伝子(そのうち939遺伝子が新規)が見つかりました。この研究は、これらの解析結果に基づき、知能が高い場合にはアルツハイマー病とADHD(注意欠陥・多動性障害)にたいする防御効果が認められる、との見解を提示しています。またこの研究... ...続きを見る

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2018/08/30 17:07
アリの分業の進化
 アリの分業の進化に関する研究(Ulrich et al., 2018)が公表されました。集団生活は人間社会の特徴の一つで、その開始時に得られる最初の適応度利益は、社会性の進化における最大の障壁であると考えられており、進化学では、これらの利益はひじょうに小さな集団規模で生じる必要がある、と予測されています。こうした利益は、一部には、集団規模が大きくなるにつれて効率が上がるという、スケーリング効果から生じると考えられています。社会性昆虫や他の分類群では、集団生活の利益は分業に起因すると提案されてき... ...続きを見る

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2018/08/30 17:04
古第三紀の寄生バチ(追記有)
 古第三紀の寄生バチに関する研究(Kamp et al., 2018)が公表されました。化石から寄生事象の証拠が見つかることは珍しく、それは寄生者と宿主の相互作用に関する情報が保存されていなければならないからです。そのため、寄生バチの化石記録は、成体単体の化石にほぼ限られており、正体不明の幼虫と宿主が隣り合って琥珀に封じ込められた数点の化石があるだけです。捕食寄生種のハチと推定される個体が宿主の体内にいる既知で唯一の化石記録は、フランスのケルシー地方で発見された約4000万〜3000万年前の鉱化... ...続きを見る

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2018/08/29 18:10
食品保存料の遺伝的影響
 食品保存料の遺伝的影響に関する研究(Huang et al., 2018)が公表されました。食事がヒトの健康上の転帰と平均余命に影響を及ぼすことを示す証拠が蓄積されてきており、こうした証拠は肥満・糖尿病・癌・精神疾患などの疾患の予防に役立つ可能性もあります。しかし、食事がヒトの生理に影響を与える機構については、まだ充分には理解されていません。細胞の機能を変化させる一つの経路としては、エピジェネティックな調節が考えられています。 ...続きを見る

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2018/08/29 18:08
経験豊富な見張り役の鳴き声を信頼するミーアキャット
 ミーアキャットの見張り役の鳴き声に関する研究(Rauber, and Nielsen., 2018)が公表されました。ミーアキャットが数匹の群れで採餌行動をする時には、通常、そのうちの1匹(2匹以上であることはめったにありません)が周囲を見渡し、残りの仲間にたいして定期的に鳴き声を発します。これは見張り行動として知られています。見張り役は、鳴き声を発することで、採餌中の個体にたいして、誰が見張りをしているのかという情報と、最新の捕食リスクに関する情報を伝えます。見張り役の鳴き声にたいする採餌中... ...続きを見る

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2018/08/25 07:24
アカギツネの攻撃性と従順性の遺伝的基盤
 アカギツネ(Vulpes vulpes)の攻撃性と従順性の遺伝的基盤に関する研究(Kukekova et al., 2018)が報道されました。アカギツネは、1世紀以上にわたり飼育下でうまく繁殖し、農場の環境に適応しています。しかし、飼育されているキツネは、近縁種であるイヌとは異なり、人間に対して恐怖心や攻撃性を示すことが多い、と報告されています。1960年代に始まったある計画では、農場で繁殖させたキツネの家畜化を試み、人間とより関わりたがる個体を選択することにより従順な系統のキツネを、人間に... ...続きを見る

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2018/08/25 07:23
多様な環境に生息可能だった翼竜類
 翼竜類の生息環境に関する研究(Britt et al., 2018)が公表されました。翼竜類は最古の動力飛行脊椎動物として知られています。翼竜類が初めて出現したのは後期三畳紀で、白亜紀末まで1億6000万年以上にわたって繁栄しました。三畳紀の翼竜類の化石は稀で、1点を除く全ての標本は、アルプスの海洋堆積物から出土しています。この研究は、アメリカ合衆国ユタ州北東部の後期三畳紀の地層(約2億1000万〜2億100万年前)で発見された、きわめて良好な状態の三畳紀の翼竜類化石を報告しています。この翼竜... ...続きを見る

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2018/08/25 07:21
カメ類の初期の進化過程
 カメ類の初期の進化過程に関する研究(Li et al., 2018)が公表されました。カメ類の起源と系統発生上の類縁関係は、進化生物学で長い間解明できていない問題の一つです。カメ類のボディープランは派生度が高く、他の分類群の動物との比較により進化の過程を解明することは困難です。しかし近年になって、カメ類の中間形の化石がいくつか発見されました。その一つは、中国で発見された三畳紀となる約2億2000万年前のオドントケリス(Odontochelys)で、腹甲(腹部を完全に覆う腹側の甲羅)はあるものの... ...続きを見る

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2018/08/24 16:48
新生仔期の腸内微生物相の組成
 新生仔期の腸内微生物相の組成に関する研究(Fulde et al., 2018)が公表されました。腸内微生物相の変化は、罹患者数がひじょうに多い複数の免疫介在性疾患や代謝疾患と関連があり、また、糞便移植などの実験から、そのような変化はこれらの病態の少なくとも一因を担っている、と示されています。出生後の時期は、微生物相の組成や宿主と微生物の相互作用、免疫恒常性の発達にとってとくに重要です。しかし、この新生児のプライミング期の根本的な分子機構は明らかにされていません。本論文は、宿主を介した細菌の定... ...続きを見る

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2018/08/24 16:44
先カンブリア時代〜オルドビス紀関連の記事のまとめ
 自然科学関連の記事も450本を超えたので、少しは整理しておこうと考えています。今回は、先カンブリア時代〜オルドビス紀関連の記事をまとめてみました。 ...続きを見る

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2018/08/20 16:42
絶滅危惧種のサンゴの繁殖に役立つかもしれない人工構造物
 人工構造物が絶滅危惧種のサンゴの繁殖に役立つ可能性に関する研究(Henry et al., 2018)が公表されました。原油掘削施設・ガス掘削施設・難破船・再生可能エネルギー設備などの人工構造物が世界のさまざまな海洋で増えていることで、侵入種の蔓延を促進するなど、海洋生態系にさまざまな悪影響をもたらしている可能性があります。しかし、こうした人工構造物が、絶滅危惧種の新たな生息地や採餌場となり、地理的分布域を広げることで保全に役立つ可能性があるかどうかは、あまり解明が進んでいません。 ...続きを見る

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2018/08/17 17:14
キンカチョウの色覚
 キンカチョウの色覚に関する研究(Caves et al., 2018)が公表されました。動物は、多くの状況において、個体間で連続的に変化するシグナルを用いて互いを評価します。こうしたシグナルは概して、シグナル発信者の質の差異を反映しています。シグナル受信者は、シグナルの連続的な変化を連続的に知覚して応答する、と多くの場合は考えられています。一方で、弁別や分類、またはその両方には限界があるため、シグナルの知覚および応答は非連続的である可能性もあります。弁別とは、2つの刺激を区別する能力のことで、... ...続きを見る

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2018/08/16 18:18
酵母細胞の染色体融合
 酵母細胞の染色体融合に関する論文2本が公表されました。真核生物のゲノムは染色体で分割されますが、その数は種によって異なります。たとえば、ヒトの染色体は23対、類人猿は24対であるのに対し、雄のトビキバハリアリは1対しか持っていません。昆虫では種間の染色体数が大きく異なります。こうした種差の原因は、偶発的なテロメア融合やゲノム重複事象である可能性がひじょうに高いのですが、染色体が複数あることの利点・染色体の総数の変化に対する生物種の耐性については、まだ解明されていません。 ...続きを見る

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2018/08/16 18:16
睡眠不足と引きこもりの関係
 睡眠不足と引きこもりの関係についての研究(Simon, and Walker., 2018)が公表されました。この研究は、18人の健康な成人を睡眠検査室に集めて、一晩断眠させた上で社交性を調べる心理テストを実施しました。このテストで、断眠した被験者は、他の人々を避ける傾向を示しました。また、他者の接近を警告する脳領域が断眠により過敏になることも明らかになりました。さらに、被験者と無関係の参加者1033人が、被験者のビデオ映像を見て、断眠した者の方が睡眠をとった者よりも孤独だと評価し、断眠した被... ...続きを見る

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2018/08/15 18:45
コアラのゲノム解析
 コアラのゲノム解析結果を報告した研究(Nagel et al., 2018)が報道されました。本論文は、ロングリード塩基配列解読技術と光学マッピングを用いて、コアラの高品質ゲノムを組み立てました。これは、有袋類のゲノム塩基配列としては、これまでに記録されたものの中で最も完全なものとなります。ゲノム解析の結果、コアラでは解毒酵素に関連する遺伝子ファミリーの拡大が見られる、と明らかになりました。これによりコアラは、フェノールを豊富に含むユーカリの葉を食べても生きていくことができます。さらに本論文は... ...続きを見る

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2018/08/14 16:24
サントリーニ火山の噴火時期
 サントリーニ火山の噴火時期に関する研究(Ehrlich et al., 2018)が公表されました。サントリーニ火山の噴火は、青銅器時代の地中海における年代順配列を整合させるための固定点となっていますが、この火山噴火の時期を正確に決定することは困難でした。最近、サントリーニ火山の岩石破片の中に埋もれていたオリーブの木の枝を用いた年代測定が行なわれ、その噴火時期が紀元前1627〜1600年と推定され、紀元前1500年とする考古学者たちのそれまでの学説を1世紀以上さかのぼることになりました。この年... ...続きを見る

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2018/08/10 17:56
ヤンガードライアス期の氷河深部の融解
 ヤンガードライアス期の氷河深部の融解に関する研究(Rainsley et al., 2018)が公表されました。北極氷河は、2200年までの海水準上昇のうち19〜30ミリメートルに関与すると予測されています。しかし、この予測では、海面下で氷河に影響を及ぼす可能性のある海洋学的変化が考慮されていません。この研究は、堆積物データに基づいたコンピューターモデリングにより、13000〜11500年前頃となるヤンガードライアス期におけるグリーンランド氷床と、メキシコ湾流を含む海流系である大西洋の南北方向... ...続きを見る

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2018/08/10 17:54
共通の進化的起源を持つ頭蓋プラコードと神経堤
 頭蓋プラコードと神経堤の進化的起源に関する研究(Horie et al., 2018)が公表されました。脊椎動物の特徴の一つは、神経堤と呼ばれる胚性組織の存在です。しかし、神経堤がある部位には頭蓋プラコードも存在しており、プラコードと神経堤のどちらが先に生じたのか、よく分かっていません。この研究は、細胞系譜追跡・遺伝子機能阻害・単一細胞RNA塩基配列解読解析を組み合わせ、脊椎動物の祖先型である尾索動物(被嚢類)のカタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)における側板外胚葉の特性に... ...続きを見る

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2018/08/09 17:04
認知機能低下とリンパ管の機能不全との関連
 認知機能低下とリンパ管の機能不全との関連についての研究(Mesquita et al., 2018)が公表されました。加齢は多くの神経学的病変の主要なリスク因子の一つですが、その機構については明らかになっていません。リンパ管は、体組織が生み出す細胞残屑や有害分子などの老廃物を除去する作業を行なっています。髄膜リンパ管は、中枢神経系を取り囲む膜の内部に位置し、高分子を排出するリンパ管のネットワークです。髄膜内のリンパ管は、齧歯類・非ヒト霊長類・ヒトで見つかっていますが、中枢神経系における髄膜リン... ...続きを見る

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2018/08/09 17:03
長期にわたるHox遺伝子の発現開始の仕組み
 長期にわたるHox遺伝子の発現開始の仕組みに関する研究(Pascual-Anaya et al., 2018)が公表されました。Hox遺伝子群は、動物胚において各領域が主要な体軸に沿って適切に運命指定されるさいに、きわめて重要な役割を果たしています。これらの遺伝子は一般に、Hox遺伝子クラスター内のそれぞれの位置にしたがって限定された空間的領域で発現し(空間的共線性)、これは左右相称動物全体で保存されている特徴でもあります。有顎脊椎動物(顎口類)では、クラスター内の位置によりHox遺伝子の発現... ...続きを見る

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2018/08/08 16:58
ハリケーンによるトカゲの自然選択
 ハリケーンによるトカゲの自然選択に関する研究(Donihue et al., 2018)が報道されました。ハリケーンはひじょうに破壊的で、人命や生活に損害をもたらすだけでなく、生態系にも甚大でしばしば長期に及ぶ影響を与えます。ハリケーンによる大量死の事例は数多くありますが、ハリケーンによる死が無差別に生じるのか、もしくはハリケーンにより、たとえば強風に耐える能力など、ある種の身体的特性が優先的に選択されるのか、明らかになっておらず、ハリケーンに誘導される自然選択についてはまだ実証されたことがあ... ...続きを見る

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2018/08/02 16:35
島のカラスは脳が大きい
 生息場所によるカラスの脳サイズの違いに関する研究(Sayol et al., 2018)が公表されました。ニューカレドニアカラス・ハワイガラス・キツツキフィンチが道具を用いることは、島で高度な認知能力の進化が起こることを示唆しています。しかし、島嶼種と大陸種の間に相対的な脳サイズの差があるかどうかを調べた研究は、これまでのところカラス属と霊長類の研究の2例しかなく、いずれの場合も、島での生活と体サイズに対する脳サイズとの関連は認められませんでした。 ...続きを見る

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2018/08/01 16:33
カイコの進化史
 カイコの進化史に関する研究(Xiang et al., 2018)が公表されました。絹糸の材料であるカイコの繭は、古来珍重されてきました。しかし、カイコの飼養化の詳細な歴史はよく分かっていません。本論文は、中国・ヨーロッパ・日本・インドのカイコ137系統の遺伝物質を解析しました。解析の結果、カイコが5000年前の中国で野生原種であるクワコ(Bombyx mandarina)から飼養化された、と確認されました。また、中国・南アジア・ヨーロッパを結ぶ古代の有名な交易路「シルクロード」に沿って、カイ... ...続きを見る

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2018/07/30 16:44
手稿の真贋を見分ける方法
 手稿の真贋を見分ける方法に関する研究(Newton et al., 2018)が公表されました。スコットランドの「国民的」詩人であるバーンズ(Robert Burns)の著作物については、発表から現在に至るまでに数多くの偽物が出現しています。原本であれば6000〜9万ポンド(約90万円〜1350万円)の売値がつくと考えられますが、本物かどうか疑わしい手稿がオークションに次々と出品されています。本論文は、質量分析法を用いて、バーンズの本物の手稿のサンプルと、優れた技能を有する近現代の贋作家である... ...続きを見る

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2018/07/27 17:04
最終氷期極大期の開始時における氷床形成の詳細
 最終氷期極大期の開始時における氷床形成の詳細に関する研究(Yokoyama et al., 2018)が公表されました。最終氷期の終結前、約1万年間継続した最終氷期極大期は、地球の最近の気候史において最も寒冷な期間でした。最終氷期極大期には、完新世と比較して、大気中の二酸化炭素は約100 ppm、熱帯の海面水温は約3〜5°C低いと推測されています。最終氷期極大期は、約31000年前に全球の平均海水準(GMSL)が突然約40 m低くなったときに始まり、約1万年間の急速な氷床融解によって幕を閉じ、... ...続きを見る

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2018/07/26 17:00
ショウジョウバエの求愛行動に関わる神経回路
 ショウジョウバエの求愛行動に関わる神経回路についての研究(Seeholzer et al., 2018)が公表されました。求愛儀式は、近縁種間での生殖障壁の強化に役立ちますが、これに関わる神経回路基盤はほとんど解析されていません。たとえばショウジョウバエでは、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)とオナジショウジョウバエ(Drosophila simulans)は生殖隔離を示しますが、それは雌のキイロショウジョウバエが、雄のキイロショウジョウバエの求愛行動を促... ...続きを見る

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2018/07/26 16:57
巨大恐竜の成長(追記有)
 巨大恐竜の成長に関する研究(Apaldetti et al., 2018)が公表されました。ブラキオサウルス(Brachiosaurus)やディプロドクス(Diplodocus)のような、巨大で首が長い4本足の竜脚類は、最も象徴的な部類の恐竜です。しかし、この分類群の最初期のものは、こうした50トンにもなる巨大恐竜ではなく、2本足の小型生物であした。そびえるような巨体となるには、体を支える真っすぐな脚と連続的な高速成長戦略の両方を発達させることが不可欠だった、と考えられていました。 ...続きを見る

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2018/07/25 16:42
さかのぼる新竜脚類恐竜の多様化(追記有)
 新竜脚類恐竜の多様化の年代に関する研究(Xu et al., 2018)が公表されました。竜脚類は首の長い草食恐竜で、地球上で生息した期間が最も長く、最も大型の陸生動物の一つです。竜脚類が進化した新竜脚類恐竜は、パンゲア超大陸が分裂したさいに多様化し、それぞれの種が孤立するまでは東アジアに到達しなかった、と考えられてきました。この研究は、中華人民共和国寧夏回族自治区の霊武(Lingwu)で発見された、ディプロドクス上科恐竜のこれまでに知られていなかった種の部分的な骨格化石数点を報告し、「霊武の... ...続きを見る

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2018/07/25 16:41
抗生物質を食べる細菌
 抗生物質を食べる細菌に関する研究(Crofts et al., 2018)が公表されました。抗生物質の存在下で生存する微生物(汚染土壌などに存在します)は、拡散して人畜の健康を脅かすと考えられますが、一部の細菌はこの能力をもう一段進歩させ、じっさいに抗生物質を食物として利用することができます。この研究は、一部の土壌細菌がペニシリンを利用可能な断片に分解するさいに働く酵素と遺伝子を同定しました。この研究は、この種の細菌が、まずβラクタマーゼという酵素を使いペニシリンを不活性化させることを発見しま... ...続きを見る

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2018/07/19 16:27
ペキンアヒルのゲノム解析
 ペキンアヒルのゲノム解析に関する研究(Zhou et al., 2018)が公表されました。マガモが中国中央部で紀元前500年頃に家畜化されて以降、さまざまな在来種のアヒルが作られています。その一つがペキンアヒルで、数百年にわたって人為選択が集中的に行なわれました。しかし、白い羽毛や成長速度などといった、ペキンアヒルの望ましい特徴の一部に寄与する遺伝的変異は同定されていませんでした。この研究は、マガモ40羽・中国の在来種のアヒル12種(シャオシンアヒル、ガオヨウアヒルなど)36羽・ペキンアヒル... ...続きを見る

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2018/07/18 17:00
松田洋一『性の進化史 いまヒトの染色体で何が起きているのか』
 新潮選書の一冊として、新潮社から2018年5月に刊行されました。本書はヒトを中心とした性の進化史を染色体、とくに性染色体の観点から解説しています。一般向けを意識したのか、やや繰り返しが多くてくどいところもありますが、それは丁寧な解説ということでもあり、良書だと思います。本書は一般向けであることを意識してか、おもにヒトを取り上げていますが、ヒト以外の哺乳類だけではなく、爬虫類・鳥類など多様な生物を取り上げており、性の進化史がじつに多様であることを改めて思い知らされます。生物における多様な性の決定... ...続きを見る

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2018/07/15 12:51
鳥の移動の理由
 鳥の移動の理由に関する研究(Somveille et al., 2018)が公表されました。世界の鳥類種の約15%は繁殖地とそれ以外の生息地との間で渡りを行なうことにより、たとえば食物の不足や冬季の厳しい天候から逃れることができます。しかし、渡り鳥と渡りを行なわない鳥の全種に共通して移動を行なわせている行なわせている要因は、これまで明らかにできていません。この研究は、世界の渡り鳥種の移動パターンを使い、移動・生殖・体温調節の代謝コストに関する理論に基づき、二つの異なる生息地の間を移動するときの... ...続きを見る

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2018/07/11 16:56
高木の寿命が長い遺伝的理由
 高木の寿命が長い遺伝的理由に関する研究(Plomion et al., 2018)が公表されました。ユーラシア・アメリカ大陸の各地に450種が分布するナラ類は、その遍在性と長寿ゆえに、世界中で文化的な象徴となってきました。また、このナラ類は先史時代以来、人間社会に食物や住居などきわめて価値あるサービスを供給してきました。この研究は、ヨーロッパナラのゲノム塩基配列を解読し、アセンブリーとアノテーションを実施しました。このヨーロッパナラのゲノムを、木本植物・草本植物の両方を含む他の植物の既存の全ゲ... ...続きを見る

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2018/07/09 17:04
仔犬の社会的学習技能
 仔犬の社会的学習技能に関する研究(Fugazza et al., 2018)が公表されました。この研究は、さまざまな品種の生後8週齢の仔犬48匹を対象に、問題箱を開けて中にある食餌の報酬を得る行動を学習する能力について、そのやり方を示したのがヒト・仔犬の母親・見知らぬイヌの場合にどのように異なるのか、評価しました。その結果、やり方を示したのがイヌかヒトかにかかわらず、仔犬はこの課題の遂行法を学習した、と明らかになりました。1時間後に再び同じ課題を行なった場合には、仔犬は成犬と同じように学習した... ...続きを見る

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2018/07/06 20:18
社会的相互作用の遺伝的決定因子
 社会的相互作用の遺伝的決定因子に関する研究(Day et al., 2018)が公表されました。本論文は、孤独感・他者との相互作用の頻度・およびこの相互作用の質の高さ(秘密を打ち明けることのできる者の存在)に関する質問票に回答した、イギリスのバイオバンク研究参加者487647人の遺伝的多様性を解析しました。本論文は、複数形質のゲノム規模関連解析の手法を用いて、個人の遺伝的構成が孤独に対する感受性をどのように決定するのか調べて、ゲノム上の15ヶ所の座位における遺伝的変異が、この被験者集団における... ...続きを見る

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2018/07/04 17:12
記憶を基に道具作りをするカレドニアガラス
 カレドニアガラスが記憶を基に道具を作る能力についての研究(Jelbert et al., 2018)が公表されました。カレドニアガラスは、基本的な棒状の道具(スティックツール)、先端が鍵状になった棒状の道具(フックツール)、植物の葉を破って作った棘のある道具(バーブドツール)を作る、と知られています。しかしこれまで、カレドニアガラスが他のカラスから道具の設計を学習しているのか、また、その設計がだんだんと改良されていくのかについては、明らかになっていませんでした。 ...続きを見る

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2018/06/29 17:56
逃避決定の神経機構
 逃避決定の神経機構に関する研究(Evans et al., 2018)が公表されました。切迫した危険の回避は生存の基礎となる本能的行動で、そのために必要なのは、感覚刺激が無害か脅威かを識別することです。脅威なしとなれば、動物は必須資源を得られますが、脅威の水準や危害の可能性が高まるにつれて、安全を求めるか否かの決定を下さなくてはならなくなります。本能的防御行動について、これまで齧歯類で研究されてはいますが、逃避を始めるべき脅威の水準を脳がどのように計算するのか、ほとんど明らかになってませんでし... ...続きを見る

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2018/06/28 16:26
有袋類の系統樹の見直し
 有袋類の系統樹を見直した研究(Bi et al., 2018)が公表されました。哺乳類における有胎盤類と有袋類の、さらにはそれらの上位単系統群である真獣類と後獣類の間の分岐年代は、複数の分子証拠からジュラ紀と推定されています。この推定を補強する証拠として、中国北東部の後期ジュラ紀前期(約1億6000万年前)の層から発見された、最古の真獣類とされるジュラマイア(Juramaia)があります。一方、最古の後獣類とされてきたシノデルフィス(Sinodelphys)は、地理的には同じではあるものの、年... ...続きを見る

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2018/06/21 16:42
22000年前頃のパンダのmtDNA解析(追記有)
 22000年前頃のジャイアントパンダ(Ailuropoda melanoleuca)のミトコンドリアDNA(mtDNA)解析結果を報告した研究(Ko et al., 2018)が報道されました。本論文は、現在では野生のパンダの存在しない、中華人民共和国広西チワン族自治区百色市楽業県(Leye County)の慈竹坨洞(Cizhutuo)で発見されたジャイアントパンダ(以下、パンダと省略)の頭蓋のmtDNAを解析し、他の現生パンダ・138頭の現生熊・32頭の古代熊と比較しました。慈... ...続きを見る

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2018/06/19 17:17
熱帯雨林最古のカエル化石(追記有)
 熱帯雨林最古のカエル化石に関する研究(Xing et al., 2018)が公表されました。カエル類の起源は今から約2億年前にさかのぼりますが、そうした初期両生類の化石記録は比較的少ないのが現状です。現在は、世界中の熱帯雨林にさまざまな種のカエルが生息しています。現生種のカエルの起源は、約6600万〜2300万年前となる古第三紀であった可能性が高いものの、熱帯生息地に出現した時期を示す直接的証拠は、ほとんど見つかっていません。 ...続きを見る

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2018/06/15 16:27
白亜紀末の大量絶滅後の小惑星衝突地点における生態系の急速な回復
 白亜紀末の大量絶滅後の生態系回復に関する研究(Lowery et al., 2018)が公表されました。6600万年前頃の白亜紀末の大量絶滅では、非鳥類恐竜類・翼竜類・大型海生爬虫類・アンモナイト類など、地球上の全生物種の約76%が絶滅しました。この大絶滅は、メキシコ湾南部のユカタン炭酸塩プラットフォームに小惑星が衝突して引き起こされ、現在は海底に埋もれているチクシュルーブ衝突クレーターが形成されました。 ...続きを見る

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2018/06/14 16:40
繰り返されていたグレートバリアリーフの移動
 過去3万年のグレートバリアリーフの移動に関する研究(Webster et al., 2018)が公表されました。海水面は過去3万年にわたり、大陸氷床の拡大・縮小とともに劇的に変化してきました。21000年前頃の最終氷期極大期には、海水面は現在よりも約120メートル低く、その分、現在よりも陸地が広がっていました。少なからぬ当時の人類の痕跡は現在では海面下にあり、発見は容易ではなさそうですが、それだけに、調査が進めば多くの知見が得られそうで、今後の研究の進展が期待されます。この研究は、現在のグレー... ...続きを見る

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2018/06/09 09:44
危険な行動を助長するかもしれない酸味
 酸味が危険な行動を助長するかもしれない可能性を指摘した研究(Vi, and Obrist., 2018)が公表されました。この研究は、ギャンブル課題を用いて、五つの基本的な味と危険を冒す行動との関係を調べました。この研究では、イギリスでの参加者70人(女性46人と男性24人、平均年齢25歳)とベトナムでの参加者71人(女性45人と男性26人、平均年齢20歳)が、甘味・酸味・苦味・塩味・うま味のいずれかの味の液体を飲んでから、パソコン上でギャンブル課題に取り組みました。この課題は、参加者がエアー... ...続きを見る

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2018/06/08 20:35
都市部の動物の身体サイズの変化
 都市部の動物の身体サイズの変化に関する研究(Merckx et al., 2018)が公表されました。身体サイズは代謝速度や生活史形質と本質的に関連しており、食物網および群集動態の重要な決定要因となります。都市のヒートアイランド現象に関連した温度上昇によって代謝コストは高くなり、より小型の体サイズへの移行が駆動されると予想されます。一方で、都市環境にはまた、生息地の分断化が著しいという特徴があり、こうした環境では移動性の種が有利となります。 ...続きを見る

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2018/06/07 17:08
ハラミヤ類の新種化石
 初期哺乳類の一分類群であるハラミヤ類の新種化石に関する研究(Huttenlocker et al., 2018)が公表されました。ハラミヤ類は後期三畳紀から少なくとも後期ジュラ紀までの長い期間にわたって繁栄した哺乳形類の単系統群ですが、ユーラシア以外では化石がほとんど発見されておらず、白亜紀の記録については議論となってきました。当ブログではハラミヤ類について、大いに繁栄した後に絶滅した齧歯類様の多丘歯類に近縁だとか(関連記事)、最古の滑空哺乳類だとか(関連記事)、独特の中耳構造だった(関連記事... ...続きを見る

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2018/06/07 17:07
塩分が変動する水中環境で始まった初期四肢動物の進化
 初期四肢動物が進化した環境に関する研究(Goedert et al., 2018)が公表されました。魚類から四肢類への移行とそれに続いて起きた陸生化は、脊椎動物の進化における重大な一歩で、その結果生じた単系統群は現在3万種を超すほど繁栄しています。初期の四肢類であるイクチオステガ(Ichthyostega)は、1929年にグリーンランド東部のデボン系旧赤色砂岩堆積層(推定年代は約3億6500万年前)で発見されました。それ以降、魚類から四肢類への移行に関する知見は、初期四肢類または進化的にそれに... ...続きを見る

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2018/06/07 17:06
白亜紀末の大絶滅を生き延びた地上性の鳥類
 白亜紀末の大絶滅を生き延びた鳥類についての研究(Field et al., 2018)が報道されました。6600万年前頃の白亜紀末、直径約15キロの小惑星が地球に衝突しましした。爆発の威力は原子爆弾100万個分に相当し、ほとんどの恐竜を含む地球上の生物の3/4が絶滅しました。しかし、一部の系統の恐竜は生き残り、小惑星衝突後の過酷な世界を生き抜いて繁栄し、現在の鳥類になりました。白亜紀末の大絶滅において、鳥類のなかでも絶滅したものと生き延びたものがあり、その違いについて議論されてきました。 ... ...続きを見る

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2018/06/07 17:05
熱帯雨林では高い木の方が旱魃耐性は高い
 熱帯雨林における旱魃耐性と樹高の関係についての研究(Giardina et al., 2018)が公表されました。アマゾンのジャングルでは、全球規模の気候変動の結果として起こり得る厳しい旱魃が、広範な森林の喪失をもたらす可能性があります。しかし、さまざまな木の属性(高さなど)が、森林の旱魃への応答にどのような役割を果たすのか、まだよく分かっていません。この研究は、アマゾンの森林において背の高い木と低い木の光合成が、旱魃に対してどの程度影響を受けやすいか、分析しました。 ...続きを見る

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2018/06/05 17:04
トカゲ類の起源
 トカゲ類の起源に関する研究(Simões et al., 2018)が公表されました。現生有鱗類(トカゲ類・ヘビ類・ミミズトカゲ類)は四肢類のうち鳥類と並んで世界で最も多様な分類群で、既知の最古となる化石の年代は1億6800万年前頃の中期ジュラ紀までさかのぼります。有鱗類の進化的起源に関しては、複数の問題で議論が続いています。まず、既知となる最古の化石と、それらの起源と推定される化石との間に約7000万年間に及ぶ空白期間が存在することです。次に、爬虫類の系統発生における有鱗類の標本数... ...続きを見る

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2018/05/31 17:02
バラのゲノム解読
 バラのゲノム解読に関する研究(Raymond et al., 2018)が公表されました。バラの現生種は、その美しさと匂いが珍重されていますが、品種改良の手段となる遺伝的情報をじゅうぶんに利用するには、バラの複雑なゲノムの解読が必要とされます。しかし、過去に発表されたバラのゲノムのアセンブリーは高度に断片化されていたため、解読が困難でした。この研究は、ロングリード塩基配列解読法と小胞子培養法のプロトコルを適用して、バラの現生種で「オールドブラッシュ」と呼ばれるコウシンバラ(Rosa chine... ...続きを見る

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2018/05/31 17:01
気候変動により低下する隠蔽的擬態効果
 気候変動により低下する隠蔽的擬態効果に関する研究(Atmeh et al., 2018)が公表されました。イタチ科動物のイイズナ(Mustela nivalis)には、冬毛がそれぞれ白色と茶色の2亜種が存在し、一般的に同じ生息地で共存しています。周囲の色と同じ毛色で隠蔽的擬態したイイズナは、捕食されることが少なく、生存率が高いと考えられています。 ...続きを見る

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2018/05/26 09:51
ミツバチのコロニーにおける寄生性ミツバチにたいする女王バチの役割
 ミツバチのコロニーにおける寄生性ミツバチにたいする女王バチの役割に関する研究(Mumoki et al., 2018)が公表されました。ケープミツバチ(Apis mellifera capensis)の働きバチは、自分たちのコロニーに女王バチが存在していると繁殖しませんが、アフリカミツバチ(Apis mellifera scutellata)のコロニーに侵入すると、偽女王バチ(クローン)となり、そのコロニーの本来の女王バチの生殖機能を果たすようになります。しかし、アフリカミツバチの女王バチが存... ...続きを見る

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2018/05/26 09:50
遺伝子発現に影響を及ぼす局所環境
 局所環境が遺伝子発現に影響を及ぼす可能性に関する研究(Favé et al., 2018)が公表されました。世界の多くの地域では、工業化と化石燃料エネルギーの使用量増加が、大気汚染と大気の有害化をもたらしています。こうした環境要因に対する応答は、1人1人の遺伝的背景に応じて異なっており、特定の疾患の遺伝性と発症リスクに個人差が生じていると考えられています。しかし、環境要因への曝露を原因とする疾患リスク、および環境要因への曝露とゲノムの相互作用を原因とする疾患リスクについては、解明が進... ...続きを見る

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2018/05/23 17:18
意図的ではない人為的要因により局地的に絶滅したチョウ
 人為的要因により局地的に絶滅したチョウに関する研究(Singer, and Parmesan., 2018)が公表されました。人間による生物の全球的な輸送は野生種に新たな資源を提供しますが、そうした資源への野生種の応答は不適応である場合が多いとされています。在来の植食性昆虫が有毒な外来植物を摂食して死ぬ例が複数あり、こうした例では外来植物は「生態学的罠(エコロジカルトラップ)」として作用します。逆に、外来資源に対する適応を欠くにも関わらず、そうした資源への適応度が高いという効果から生じる、新規... ...続きを見る

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2018/05/10 19:05
日焼けと関連する遺伝的要因
 日焼けと関連する遺伝的要因についての研究(Visconti et al., 2018)が公表されました。日に焼けると、皮膚が黒くなる(皮膚の色が濃くなる)のか(サンタン)、炎症を起こして赤くなるのか(サンバーン)、個人により異なります。この研究は、日光曝露に対する各人の反応が、その遺伝的構成によってどのように決まるのかという疑問を解明するため、多数の被験者における遺伝的多様性を解析しました。これらの被験者に日焼けに関して自己申告させたところ、いつもサンバーンが起こり、サンタンが起こったことはな... ...続きを見る

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2018/05/09 17:03
他者の笑顔への反応
 他者の笑顔への反応に関する研究(Martin et al., 2018)が公表されました。スピーチをする場面など、他者の評価を受ける状況において、「よかった/よくなかった」といった言語的なフィードバックのきっかけが、視床下部-下垂体-副腎軸(HPA軸、人体のきわめて重要なストレス応答系)を活性化させることが知られています。しかし、HPA軸が非言語的なフィードバックのきっかけに応答するかどうかを調べた研究は多くありません。本論文は、ストレスのかかる社会的状況に置かれた人が、笑顔を評価的なフィード... ...続きを見る

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2018/05/08 18:02
ソ連崩壊後のエストニアにおける能力主義の遺伝的側面
 ソ連崩壊後のエストニアにおける能力主義の遺伝的側面に関する研究(Rimfeld et al., 2018)が公表されました。人々の生活レベルや社会経済的地位は、遺伝的要因と環境的要因を組み合わせることで説明できます。この研究は、12500人のエストニア人の遺伝子を、学習および職務上の成績に関する情報と共に解析しました。被験者は、ソ連時代に育ったグループと、1991年以降、すなわちソ連崩壊後の独立したエストニアにおいて、中等教育やさらに上級の教育を受けたグループとに分けられました。国家が独立する... ...続きを見る

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2018/05/05 00:01
最終氷期極大期から完新世までの温度変動
 最終氷期極大期から完新世までの温度変動に関する研究(Rehfeld et al., 2018)が公表されました。気候変動の変化は、社会が取り組む上で、平均的な気候の変化と同じくらい重要です。最終氷期極大期と完新世の温度変動の対比からは、気候の平均的な状態とその変動の関係に関する知見が得られます。しかし、氷期〜間氷期の変動の変化は、グリーンランドについては定量化されていますが、全球的な描像はまだ得られていません。この研究は、海洋と陸上の温度の代理指標のネットワークを用いて、最終氷期極大期(210... ...続きを見る

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2018/05/05 00:00
ミトコンドリアの起源の見直し
 ミトコンドリアの起源の見直しに関する研究(Martijn et al., 2018)が公表されました。ミトコンドリアはATPを産生する細胞小器官で、その内部共生的な起源は真核細胞の進化史における重要な事象でした。ミトコンドリアはアルファプロテオバクテリアを祖先とする、という強力な系統発生学的証拠があり、細胞内寄生体であるリケッチア目の細菌、またはその他のアルファプロテオバクテリアだと考えられています。しかし、最初期の化石真核生物は約20億年前までさかのぼり、分岐からは非常に長い時間が経過してい... ...続きを見る

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2018/05/04 10:38
祖先的鳥類の頭蓋
 祖先的鳥類の頭蓋に関する研究(Field et al., 2018)が公表されました。現生鳥類の頭蓋は、祖先である恐竜類に見られる状態から大きく変化しています。鳥類の頭蓋には、歯のない拡大した前上顎の嘴と、可動性の口蓋および顎の懸垂骨(jaw suspensorium)を含む複雑な動力学系が存在します。鳥類の拡張した神経頭蓋は拡大した脳を保護しており、その両側には縮小した顎内転筋が位置しています。しかし、こうした特徴が出現した順序や、それらが最初に現れた際の状況については、まだ明らかになってい... ...続きを見る

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2018/05/04 10:37
毛髪の色に関連する遺伝子
 毛髪の色に関連する遺伝子に関する研究(Hysi et al., 2018)が公表されました。ヒトにおける自然な色素沈着(たとえば、皮膚や毛髪の着色)は、2つのタイプのメラニンによって起きます。双生児の研究では、毛髪に関して、メラニンの産生と分布の大部分が遺伝的性質を有し、色の多様性の約97%が遺伝要因によることが明らかになっています。この研究は、約30万人のヨーロッパ人(黒髪・金髪・焦げ茶色の髪・薄茶色の髪・赤毛の人々)から得た遺伝的データを解析しました。 ...続きを見る

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2018/05/04 00:00
恐竜の営巣戦略と生息分布の関係
 恐竜の営巣戦略と生息分布の関係についての研究(Tanaka et al., 2018)が公表されました。日本語の解説記事もあります。この研究は、恐竜のクレードごとに営巣に好んで用いる材料が異なっており、土や植物の材料を用いて塚の巣を造るクレードもあれば、砂に穴を掘って卵を産みつけるクレードもあることを発見しました。一部の竜脚類がよく造った穴の巣では、孵卵はおもに太陽光からの熱に依存しており、その温度は気温よりやや高い程度でした。他の竜脚類とハドロサウルス類は、土や植物でできた塚の巣を造ることが... ...続きを見る

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2018/04/27 17:59
能動的飛行をしていた始祖鳥
 始祖鳥の飛行に関する研究(Voeten et al., 2018)が公表されました。始祖鳥が羽毛の生えた翼を使って能動的飛行をしていたのか、それとも受動的滑空をしていたのか、これまでの研究で解決されていませんでした。この研究は、位相差シンクロトロン・マイクロトモグラフィーという手法を用い、化石を破壊せずに骨の内部を可視化し、始祖鳥の翼の骨の構造を分析しました。この研究は、絶滅した翼竜類から現生鳥類に至る広範囲の動物種との比較により、骨の構造から飛翔様式を高い信頼性で予測できると示し、始祖鳥が短... ...続きを見る

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2018/04/26 17:19
バルト海における侵入種による生態系への影響
 バルト海における侵入種による生態系への影響に関する研究(Kotta et al., 2018)が公表されました。この研究は、ミナトオウギガニ(Rhitropanopeus harrisii)を対象とした個体数調査を監視した長期データと野外実験を組み合わせることで、ミナトオウギガニの侵入の影響を記録しました。この研究は、ミナトオウギガニが2011年に到来し、その個体数がその後の2年間で急増した一方で、底生の(海底に生息する)無脊椎生物のバイオマスと種数が、それぞれ61%と35%減少したことを明ら... ...続きを見る

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2018/04/25 18:51
山岳地帯の鳥類の多様性
 山岳地帯の鳥類の多様性に関する研究(Quintero, and Jetz., 2018)が公表されました。山脈は、進化が生じるさいに重要な役割を担っています。生物種の豊富さの標高に応じた低下は、生物多様性の緯度方向の勾配に次いで、生態系で最も普遍的に見られるパターンの一つです。山脈は複雑で多様な地形になっており、高度に分離していることが多く、生息地としては新種の発生につながる個体群の遺伝的隔離が生じやすくなっているわけです。ただ、そうした特性のために山岳地帯の研究は困難なので、標高に伴う多様性... ...続きを見る

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2018/04/24 17:21
周期ゼミの交雑
 周期ゼミの交雑に関する研究(Fujisawa et al., 2018)が公表されました。周期ゼミは、幼虫として生涯の大半を地中で過ごし、樹木の根から樹液を吸っています。13年間あるいは17年間の地中での生活の後、それぞれのブルード(同じ周期で同時発生する周期ゼミのグループ)のセミが同時に発生し、最終的に脱皮して成虫になり、1ヶ月足らずとなる生涯の最後の日々は繁殖に力を注ぎます。周期ゼミは3種群7種に分類され、それぞれの種群は、17年ゼミ1種と13年ゼミ1種または2種から構成されています。13... ...続きを見る

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2018/04/23 18:33
性差が大きいと絶滅の可能性が高い
 これは4月22日分の記事として掲載しておきます。性差と絶滅の可能性に関する研究(Martins et al., 2018)が公表されました。性選択の結果として、交尾相手の誘引や獲得競争に役立つ性質を有する一定数の個体の繁殖成功度が高まります。このため、両性間に顕著な身体的差異が生じ、これを「性的二形」と言います。これが種の発達にどのような影響を与えるのか、という論点を巡っては、かなりの議論があります。性選択により適応速度が上昇し、種が絶滅しにくくなるという考え方を示した研究がある一方で、誇張さ... ...続きを見る

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2018/04/22 00:01
人類到達以前に多様性が低下していたフクロオオカミのゲノム
 これは4月6日分の記事として掲載しておきます。フクロオオカミミ(Thylacinus cynocephalus)のゲノムに関する研究(Feigin et al., 2018)が報道されました。フクロオオカミ(タスマニアタイガー)は、3000年前頃までオーストラリア全域に広く分布していた大型有袋類肉食動物です。タスマニアの隔離個体群はヨーロッパ系入植者により養羊業界の脅威とみなされ、政府による駆除の対象となりました。既知の最後のフクロオオカミは、1936年にホバート動物園で死にました。進化的に離... ...続きを見る

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2018/04/06 00:00
未発達な青年期における脳領域の接続
 青年期における脳領域の接続に関する研究(Insel et al., 2017)が公表されました。これまで、成人を対象とした研究から、報酬が優れた動機付けとなる場合があり、本人にとって重要性の高い目標が設定されれば、一層の努力をなされることが明らかになっています。しかし、同じことが青年期の男女にも当てはまるのか、不明でした。この研究は、13〜20歳の被験者に対して「惑星タスク(Planets Task)」という認知機能検査を実施しました。このタスクでは、被験者には提示された惑星の画像を正しく分類... ...続きを見る

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2018/03/31 00:00
目の見えない洞窟魚の栄養欠乏環境での適応
 目の見えない洞窟魚の栄養欠乏環境での適応に関する研究(Riddle et al., 2018)が公表されました。洞窟に生息する動物は、光合成をする植物と藻類がいないため、長期にわたる栄養欠乏に耐えなければなりません。メキシカンテトラ(Astyanax mexicanus)には、河川に生息する(表層)個体群と洞窟に生息する(洞窟)個体群がいますが、それぞれの栄養素の利用可能性は著しく異なっています。洞窟魚は飢餓に対する抵抗性を持っており、表層魚と比較して食料が欠乏した時の体重の減り方が少なくなっ... ...続きを見る

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2018/03/29 18:43
狩猟規制により増加する仔育てをする母グマの個体数
 狩猟規制と仔育てをする母グマの個体数との関係についての研究(Walle et al., 2018)が公表されました。この研究は、20年以上かけて収集されたヒグマの繁殖と生存に関するデータを解析し、ヒグマの個体群で最初の観察が実施された1990年代半ば以降は母グマによる養育期間が1.5年だったのにたいして、2.5年になっている個体数が増加したことを明らかにしました。また、この研究は、養育期間が長期化すれば雌の繁殖機会は減るものの、狩猟規制と強い狩猟圧が同時に存在するため、母グマと仔グマの生存率が... ...続きを見る

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2018/03/28 10:40
微生物がいるかもしれない土星の衛星
 土星の衛星に微生物がいる可能性を報告した研究(Taubner et al., 2018)が公表されました。土星の氷衛星であるエンセラダスには、氷の地殻の下に水を含んだ海洋が、また南極には熱水活動があり、さらに、微生物により産生され繁殖に利用されるメタン・二酸化炭素・アンモニア・分子状水素などのさまざまな化合物が存在していると考えられていることから、地球外生命の探索におけるホットスポットになっています。エンセラダスについて推定されているこうした条件下では、メタン生成菌として知られる微生物が二酸化... ...続きを見る

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2018/03/28 10:39
気候変動と暴力的紛争の関連性を示す証拠の偏り
 気候変動と暴力的紛争の関連性を示す証拠の偏りに関する研究(Adams et al., 2018)が公表されました。この研究は、気候変動と紛争の関連性に関する査読論文を分析し、文献に最も多く登場する国々は紛争関連死者数の多い国々であるという傾向を明らかにしました。これに対して、気候変動のリスクに最もさらされている国々、または気候変動のリスクの最も多い国々は、そうした研究で重点的に取り扱われていないか、紛争との関連性の研究が全く行われていませんでした。さらに、気候変動と紛争の関連性についての研究は... ...続きを見る

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2018/03/23 06:08
巨大ウイルスの発見
 新たに発見された巨大ウイルスに関する研究(Abrahão et al., 2018)が公表されました。巨大ウイルスが発見されて以降、ウイルスの進化に関する論争が続いており、有力な学説が二つあります。一方の説によれば、もともと単純だったウイルスの祖先が感染宿主から遺伝子を獲得して複雑な巨大ウイルスに進化したとされます。もう一方の学説では、巨大ウイルスの祖先も巨大で、進化の過程で不要になった遺伝子が失われた、とされます。 ...続きを見る

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2018/03/23 06:07
無性生殖魚類のゲノム解析
 無性生殖魚類のゲノム解析に関する研究(Warren et al., 2018)が公表されました。無性生殖には、有害な変異が蓄積して、それがゲノムの崩壊や最終的な絶滅につながることなど、理論的に複数の短所が予測されています。有性生殖では新たな環境条件への適応に重要な遺伝的多様性が生まれますが、無性生殖生物にはそれがないことも問題点の一つです。したがって、無性生殖生物は、生物学的逆説と考えられる場合が多くなっています。 ...続きを見る

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2018/03/22 12:18
チスイコウモリの特異な食餌
 チスイコウモリの特異な食餌に関する研究(Mendoza et al., 2018)が公表されました。血液のみを摂食する哺乳類はわずか3種で、ナミチスイコウモリ(Desmodus rotundus)はその中の1種です。血液は炭水化物やビタミン類の少ない低栄養の資源で、血液媒介性疾患が潜んでいる場合もあることから、血液食は他の摂食戦略とは異なる極端な進化的特殊化です。この研究は、チスイコウモリのゲノムと糞便メタゲノム(コウモリの糞から回収した微生物のDNA試料)の塩基配列を合わせて解読することによ... ...続きを見る

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2018/03/22 12:17
クモ類の進化
 クモ類の進化に関する二つの研究が公表されました。クモ類の系統はきわめて繁栄していますが、その進化には未解明の側面が残されています。これらの研究は、ミャンマーで発見された1億年前頃の琥珀に保存されていたクモ類標本4点を分析しました。これらのクモ類は新属新種(Chimerachne yingi)に分類されました。この新種クモ類には祖先的特徴と派生的特徴とが混在していました。 ...続きを見る

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2018/03/22 12:16
カラスにおける群れの規模と認知能力の関係
 これは3月10日分の記事として掲載しておきます。カラスにおける群れの規模と認知能力の関係についての研究(Ashton et al., 2018)が公表されました。脳サイズ・栄養状態・環境要因はそれぞれ、一般的知能を決定づける役割を果たしていますが、最も支持されている仮説の一つが、知能は社会的複雑性と関連するとする「社会脳仮説」です。安定した社会的群れで生活する生物種の場合、個体群内の群れの大小により情報処理の需要に格差が生じ、それが認知形質に影響を与える可能性がある、というわけです。これまでの... ...続きを見る

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2018/03/10 00:00
ヒツジとヤギの家畜化過程の違い
 これは3月8日分の記事として掲載しておきます。ヒツジとヤギの家畜化過程の違いに関する研究(Alberto et al., 2018)が公表されました。これまでにさまざまな家畜が、従順さ・成長の速さ・スタミナといった特定の形質を定着させるために選択的に交配されてきました。ヒツジの野生原種であるアジアムフロン(Ovis orientalis)とヤギの野生原種であるパサン(Capra aegagrus)は、それぞれ10500年前頃に中東(具体的にはアナトリア南東部とイランのザグロス山脈)で家畜化され... ...続きを見る

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2018/03/08 00:00
性回路を形成する社会行動
 これは3月2日分の記事として掲載しておきます。性的行動にたいする社会経験の影響を検証した研究(Remedios et al., 2017)が公表されました。研究室での動物の実験的学習行動のほとんどでは、成績向上に訓練を必要とし、動物が課題を習得するにつれて神経回路と神経集団が変化します。一方、全ての動物には一連の生得的行動が備わっており、こうした行動は訓練なしに実行可能ですが、その回路が経験に影響されるか否かは、明らかになっていませんでした。 ...続きを見る

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2018/03/02 00:00
捕食者─被食者間の軍拡競走の生体力学
 これは3月1日分の記事として掲載しておきます。捕食者–被食者間の軍拡競走の生体力学に関する研究(Wilson et al., 2018)が公表されました。最も速く最も敏捷な陸生動物は、走る被食者を捕食者が追い掛けて捕らえるというサバンナ環境で見られます。狩りの結果および成功率は生存にきわめて重要なため、捕食者にも被食者にも、速さや敏捷性を向上させるような選択圧が作用します。この研究は、ライオンとシマウマ、およびチーターとインパラという、2組の捕食者と被食者の組み合わせにおける移動運... ...続きを見る

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2018/03/01 00:00
完新世の気候の変化傾向
 完新世の気候の変化傾向に関する研究(Marsicek et al., 2018)が公表されました。過去11700年間の完新世における気候の変化傾向については、まだ議論が続いています。過去2000年の大半の期間における寒冷化は広く認識されており、これは完新世における全球気温の支配的な変化傾向であると推測されています。しかし、長期的な寒冷化と全球の強制力を一致させることは難しく、気候モデルでは、一貫して長期的な温暖化がシミュレートされています。たとえば、日射の既知の変化を強制力として与えた気候モデ... ...続きを見る

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2018/02/28 17:47
最終氷期〜間氷期の移行期における全球平均海水温
 最終氷期〜間氷期の移行期における全球平均海水温についての研究(Bereiter et al., 2018)が公表されました。過去の海水温を再構築する手法は多くありますが、こうした手法の大半は、特定の深さや季節の研究にしか使用できないか、複雑であまり解明されていない生物学的過程に基づいています。この研究は、氷床コア中の希ガスを用いて、最終氷期極大期から初期完新世(2万〜1万年前頃)の平均海水温を高分解能で再構築しました。その結果、この期間に全球平均海水温が2.57 ± 0.24°C上昇し、南極の... ...続きを見る

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2018/02/28 17:46
氷床と火山活動の関係
 氷床と火山活動の簡潔についての研究(Muschitiello et al., 2017)が公表されました。火山の噴火と大気中への火山灰の放出は、一般に気候に対する冷却効果がありますが、火山活動が古い氷床にどのような影響を及ぼすのかについては、ほとんど分かっていません。こうした強制力に対する氷床の応答を解明することは、海水準上昇に対する氷床の融解の寄与可能性をよく理解する上で重要となります。 ...続きを見る

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2018/02/28 17:46
サルモネラ菌が原因となった16世紀メキシコの壊滅的な伝染病
 16世紀メキシコの壊滅的な伝染病に関する研究(Vågene et al., 2018)が公表されました。感染症の原因となる病原体には、骨格の痕跡を残さないものが多いため、それを古人骨中から発見することは極めて困難です。この研究は、ココリツトリ(現地のナワトル語で「致命的な伝染病」の意味)の墓地に埋葬され、ヨーロッパ人と接触して間もなくのものとされている先住民10人の歯から、MALT(MEGAN Alignment Tool)という新しいスクリーニング技術を用いて、サルモネラ菌(Sal... ...続きを見る

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2018/02/28 17:45
ゲノム解析によるシマウマの分類の見直し
 これは2月28日分の記事として掲載しておきます。ゲノム解析によるシマウマの分類の見直しに関する研究(Pedersen et al., 2018)が公表されました。アフリカ南部および東部のサバンナに生息しているサバンナシマウマ(Equus quagga)は、頭部の形態と縞模様のパターンに基づき6亜種に分類されています。シマウマは生息場所の縮小と狩猟により脅かされており、保全当局は、亜種の形態学的分類を利用してシマウマ個体群のアセスメントを行なっていますが、この研究は、遺伝学的な知見を反映させてシ... ...続きを見る

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2018/02/28 00:00
微生物の分散と進化
 微生物の分散と進化に関する研究(Sriswasdi et al., 2017)が公表されました。微生物は地球上のあらゆる生態系の根本を支えています。その主要な生存戦略として、広範な環境に適応できる「ジェネラリスト」戦略をとる微生物がいる一方で、ある種の生息環境に特化した「スペシャリスト」戦略をとる微生物もいます。これまで、個々の生態系におけるジェネラリストとスペシャリストの生態学的な役割や性質については研究されていたものの、微生物の分布パターンや進化の過程を決定する一般原則は解明されていません... ...続きを見る

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2018/02/27 19:34
柑橘類の進化
 柑橘類の進化に関する研究(Wu et al., 2018)が公表されました。ミカン属(Citrus)は世界で最も広範に栽培されている果樹ですが、その総数およびミカン属の起源と歴史は明らかになっていません。この研究は、オーストラリアンフィンガーライムからクレオパトラマンダリンに至る60種の柑橘類のゲノム塩基配列を解析しました。これらのうち30種は、この研究が初めての塩基配列解析となります。この研究は、現存する柑橘類の樹木は、少なくとも10種の柑橘類の天然種に由来している、と報告しています。 ... ...続きを見る

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2018/02/27 19:34
糖類の摂取と心の健康との関連性
 糖類の摂取と心の健康との関連性についての研究(Knüppel et al., 2017)が公表されました。糖分の摂取量が増えると鬱病の有病率が高くなるという関係のあることが、いくつかの研究で明らかになっていますが、精神疾患にかかっているために糖分摂取量が増えるのであり、心の健康が損なわれていることが、食事と心の健康の関連が生じる原因あるいは一因になっている、という可能性を調べる研究はありませんでした。 ...続きを見る

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2018/02/27 19:33
恐竜に寄生していたダニ
 恐竜に寄生していたダニに関する研究(Peñalver et al., 2017)が公表されました。現代のダニは、最も多く見られる吸血性寄生虫の一つですが、古代のダニの宿主に関しては、ほとんど解明されていません。約9900万年前の白亜紀にダニが生息していたことは既存の研究で明らかになっていましたが、当時のダニの化石は希少で、摂餌習慣と宿主の詳細は解明されていません。この研究は、ミャンマーで発見された約9900万年前の白亜紀の琥珀から、ダニが羽毛恐竜の血を吸っていたことを示す証拠を新たに... ...続きを見る

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2018/02/26 14:59
恐竜の絶滅後に夜行性から昼行性へと移行した哺乳類
 恐竜絶滅後の哺乳類の夜行性から昼行性への移行に関する研究(Maor et al., 2017)が公表されました。現在、哺乳類の多くは日中に活動しますが、たとえば色覚など、きわめて優れた昼間捕食者としての魚類・爬虫類・鳥類を支えている特性をほとんど有しておらず、多くの哺乳類の視覚は夜行性の爬虫類や鳥類に近いことが分かっています。こうした所見から「夜行性ボトルネック」説が展開されてきました。これは、古代の哺乳類が、日中に活動していた恐竜との衝突を避けるために、活動を夜間に限定しなければならなかった... ...続きを見る

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2018/02/26 14:59
水上生活をしていた新種の恐竜
 水上生活をしていた新種の恐竜に関する研究(Cau et al., 2017)が報道されました。マニラプトル類は鳥類とその最近縁種である獣脚類恐竜が含まれる恐竜分類群で、白亜紀には祖先であるコエルロサウルス類のボディープランから複数系統が分岐し、マニラプトル類のいくつかの系統において生息生態系に関連するいろいろな特徴(たとえば、能動飛翔・巨大化・走行するための特別な適応・草食性)が生じました。この研究は、モンゴルで発見された、白亜紀のカンパニアン期(約7100万〜7500万年前)の部分的に岩石に... ...続きを見る

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2018/02/26 14:58
マラリアを媒介するハマダラカの遺伝的多様性
 ハマダラカの遺伝的多様性に関する研究が公表されました。アフリカのハマダラカ属(Anopheles)の蚊はマラリアを媒介することで知られていますが、近年ではハマダラカ属の蚊に殺虫剤耐性が生じ、脅威となっています。この研究は、蚊の個体群が進化を続ける仕組みをより深く理解するために、アフリカ全土に及ぶ15ヶ所で採取したハマダラカ属の「Anophles gambiae(ガンビエハマダラカ)」および「Anopheles coluzzii」の765試料のゲノムの塩基配列を解読しました。 ...続きを見る

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2018/02/26 14:58
野生の馬はもう存在していなかった
 これは2月26日分の記事として掲載しておきます。馬の古代ゲノムを解析・比較した研究(Gaunitz et al., 2018)が報道されました。AFPでも報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。馬の家畜化については議論が続いていますが、5700〜5100年前頃となる、カザフスタン北部のボタイ(Botai)文化が、馬の家畜化の確実な証拠としては最古になる、との見解が提示されています(関連記事)。ボタイ遺跡の動物の骨の95%以上は馬で、馬の利用に特化した生活様式だったようです... ...続きを見る

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2018/02/26 00:03
「赤の女王」仮説の再検証
 「赤の女王」仮説の再検証に関する研究(Žliobaitė et al., 2017)が公表されました。「赤の女王」仮説は、生物種間で継続的に起こっている進化的軍拡競争(捕食者は常に被食者より優位に立とうとし、対する被食者は捕食者から逃れようとする選択圧が作用します)を記述したもので、絶滅率一定の法則を説明するために提唱されました。「赤の女王」仮説が提唱された当時、種は勢いを失った時に絶滅すると考えられていましたが、「赤の女王」仮説では、絶滅はより確率的なものであり、分類群の... ...続きを見る

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2018/02/23 23:52
耳の骨が1〜2個多かったジュラ紀の滑空性哺乳類
 ジュラ紀の滑空性哺乳類の耳に関する研究(Han et al., 2017)が公表されました。滑空は独特な移動運動の種類で、中生代の哺乳類で確認されているのは3種のみです。ハラミヤ類は中生代に生息していた哺乳類の1群で、現代のモモンガやムササビによく似た滑空の習性があったと考えられています。こうした滑空するハラミヤ類については、近年2つの新種が報告されています。この研究は、中国で発見された、1億6400万〜1億5900万年前頃のジュラ紀に生息していたハラミヤ類の新種について報告しています。この新... ...続きを見る

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2018/02/23 23:51
トカゲ類の二足歩行の起源
 トカゲ類の二足歩行の起源に関する研究(Lee et al., 2018)が公表されました。多くの現生トカゲ類は陸上で二足走行できますが、後足だけで走る能力が進化上のどの時点で発達したのかは不明です。この研究は、トカゲ類の二足走行の初めての直接的証拠となる化石を報告しています。この研究が分析したのは、韓国のアプチアン期からアルビアン期初期(1億2500万〜1億年前頃)のHasandong層で発見された4点のトカゲ類の足跡化石です。この研究は、これらは世界最古のクラウン群トカゲ類の足跡と考えていま... ...続きを見る

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2018/02/16 17:55
無性生殖で増えるザリガニ
 無性生殖で増えるザリガニに関する研究(Gutekunst et al., 2018)が報道されました。1990年代に初めて同定された、「Marmorkrebs」とも呼ばれるザリガニであるミステリークレイフィッシュ(Procambarus virginalis)は、ドイツの水槽でペットとして飼育されていた北アメリカ大陸の近縁種スラウクレイフィッシュ(Procambarus fallax)の個体が、多くの有性生殖動物のように両親から1セットずつ受け継いだ計2セットの染色体に加えて、新たに第3の完全... ...続きを見る

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2018/02/16 17:54
中国の東西で被子植物の進化史が異なっている
 予備として書き溜めておいた記事がかなりの本数になってしまったので、今後何回かにわけて、ある程度まとめて掲載していくことにします。中国の東西での被子植物の進化史の違いに関する研究(Lu et al., 2018)が公表されました。中国では全世界の被子植物種の10%近くが生育しており、起源の古い植物種にとっての隠れ家・博物館であると同時に、最近の地形変化や気候変化(青海チベット高原の形成やモンスーンの発達など)により新たな生息地が生じ、顕著な放散が促進されたことにより多くの系統が発生したために揺り... ...続きを見る

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2018/02/16 17:53
左右相称動物の神経系の収斂進化
 これは1月6日分の記事として掲載しておきます。左右相称動物の神経系の収斂進化に関する研究(Martín-Durán et al., 2018)が公表されました。左右相称動物(左右相称で明確な前端と後端がある動物群)は、正中線に集中した腹側神経索を持つ単一の共通祖先から進化した、との見解が有力です。その根拠は、ショウジョウバエや環形動物やヒトといった多種多様な動物で、体軸に沿った分子発現パターンが共通して見られることです。しかし、こうした類似性が左右相称動物の多様な神経構造で... ...続きを見る

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2018/01/06 00:00
小惑星の衝突場所が関係した恐竜の絶滅
 小惑星の衝突場所と恐竜の絶滅の関係についての研究(Kaiho, and Oshima., 2017)が公表されました。6600万年前頃、現在のメキシコで起きチクシュルーブの小惑星衝突は生態系を崩壊させ、陸上の植生を破壊し、恐竜と約75%の陸上・海洋動物を絶滅させました。過去の研究では、岩石中の炭化水素が小惑星の衝突で燃焼して成層圏の煤と硫酸塩エアロゾルを生じさせ、極度の地球寒冷化と乾燥が起きた、と明らかになっています。しかし、岩石中の炭化水素と硫黄の量は場所によって大きく異なることから、絶滅事... ...続きを見る

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2018/01/03 00:00
森林の脊椎動物に対して全球的な影響を及ぼす林縁形成
 これは12月28日分の記事として掲載しておきます。林縁形成が森林の脊椎動物にたいして及ぼす影響に関する研究(Pfeifer et al., 2017)が公表されました。全世界の森林で現在も続いている分断化は、生物多様性にたいして(森林中心部における生息地の減少による)直接的な影響と(林縁部の創出による)間接的な影響を及ぼしています。現在、全世界の森林の約半分が林縁から500メートル以内に位置しています。 ...続きを見る

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2017/12/28 00:00
侵略的被食種に反応した捕食種の急激な変化
 これは12月16日分の記事として掲載しておきます。タニシトビ(Rostrhamus sociabilis)の嘴の急激な変化に関する研究(Cattau et al., 2017)が公表されました。タニシトビは湾曲したくちばしと長い爪を使い、リンゴガイの身を殻の中から引き出します。リンゴガイの個体群は急激に縮小してきましたが、2016年に発表された研究は、その個体数が増加に転じたことを明らかしました。それと並行して、その生息範囲には侵入した別種のリンゴガイ(Pomacea maculata)が広が... ...続きを見る

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2017/12/16 00:00
子の新しい遺伝学的変異に影響を及ぼす親の年齢
 これは12月15日分の記事として掲載しておきます。子の新しい遺伝学的変異に影響を及ぼす親の年齢に関する研究(Jónsson et al., 2017)が公表されました。この研究は、親の年齢や性別がヒトのde novo変異(DNM、ある家系に最初に現れる遺伝子変化で、両親のいずれかの卵あるいは精子に生じた1変異が原因)の変化を引き起こす仕組みを理解するために、1万4688人のアイスランド人(両親と子の3人組から構成される1548組で、そのうちの225組については少なくとも1人の孫を含み... ...続きを見る

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2017/12/15 00:00
暁新世後期の巨大なペンギン化石
 これは12月14日分の記事として掲載しておきます。暁新世後期の絶滅種ペンギン化石エピに関する研究(Mayr et al., 2017)が公表されました。巨大化は、ペンギンの進化の特徴の一つとして知られており、古代のペンギン種の体長は、現生種で最大のものを上回っています。巨大なペンギンの化石標本については、約5000万〜2000万年前のものについて充分な記録が残っていますが、それよりも古い系統のペンギンの化石標本は確認されていませんでした。 ...続きを見る

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2017/12/14 00:00
男性の性的指向と遺伝的要因との関連
 これは12月12日分の記事として掲載しておきます。男性の性的指向と遺伝的要因との関連についての研究(Sanders et al., 2017)が公表されました。男性の性的指向には多くの要因が関係しており、複数の遺伝的要因と環境的要因に関する証拠が得られています。しかし、男性の性的指向に関する遺伝的関連研究の数は少ないのが現状です。この研究は、おもにヨーロッパ系の男性同性愛者1077人と男性異性愛者1231人を対象として、男性の性的指向に関するGWAS(全ゲノム関連解析)を実施しました。 ...続きを見る

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2017/12/12 00:00
顔の表情により意思疎通を図ろうとするイヌ
 イヌの意思疎通と顔の表情に関する研究(Kaminski et al., 2017)が公表されました。動物の顔面表情は、柔軟性のない不随意の誇示行動で、感情状態の反映とされ、他者と意思の疎通を図ろうとする積極的な試みではないと考えられてきました。しかし、非ヒト霊長類の顔面表情には、観客の存在という要素の介在が明らかになり、霊長類はその顔面表情を他者に見られているかどうかをある程度理解している可能性がある、と示唆されました。しかし、霊長類以外の動物種については、類似した観客の注目に対する感受性によ... ...続きを見る

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2017/12/07 00:00
マウスの仔の行動異常をもたらすの母体の炎症
 これは12月2日分の記事として掲載しておきます。マウスの仔の行動異常をもたらすの母体の炎症に関する二つの研究が公表されました。霊長類と齧歯類の両方で、妊娠中に起こる母体免疫活性化(MIA)が仔の神経発達症に伴う行動異常の一因になっていることが知られています。ヒトの場合には、胎児が母体の炎症にさらされると、自閉症スペクトラム症にかかる確率が高くなることが複数の研究で示唆されています。また、過去のマウスの研究では、Th17細胞(複数の炎症性疾患に関与するヘルパーT細胞)によって産生されるインターロ... ...続きを見る

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2017/12/02 00:00
雷による放射性同位体の生成
 これは11月30日分の記事として掲載しておきます。雷による放射性同位体の生成に関する研究(Enoto et al., 2017)が公表されました。雷雲では、相対論的電子によってエネルギーが非常に高いγ線が放出され、理論的にはこうしたγ線の大気中の原子や分子との相互作用により、放射性同位体・中性子・陽電子などが生成される可能性があり、最近、中性子や陽電子が観測されたとする弱い証拠がいくつか報告されました。この研究は、4台の放射線検出器を使い、2017年2月6日に日本国内で雷雨が発生したさいに、中... ...続きを見る

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2017/11/30 00:00
小林武彦『DNAの98%は謎 生命の鍵を握る「非コードDNA」とは何か』
 これは11月19日分の記事として掲載しておきます。講談社ブルーバックスの一冊として、講談社から2017年10月に刊行されました。本書は、ヒトのDNAのうち98%を占めると推定されているタンパク質をコードしていない領域(非コードDNA領域)について解説しています。本文は200ページにも満たない新書サイズですが、遺伝の基礎から非コードDNA領域の役割まで丁寧に解説されており、遺伝に関する一般向けの良書になっていると思います。ただ、たいへん充実した内容なので、私の見識・能力では一度読んだだけでおおむ... ...続きを見る

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2017/11/19 00:00
甲殻類も食べていた大型草食恐竜
 これは11月4日分の記事として掲載しておきます。大型草食恐竜の食性に関する研究(Chin et al., 2017)が公表されました。大型の草食恐竜は厳密に草食性だった、と通常は考えられていますが、その根拠は、歯と顎の分析により繊維質の植物性食物を処理できると示唆されたことです。これまでの大型鳥盤類(草食恐竜の一群)の摂食行動を復元する研究の大部分で、体のサイズが同等と考えられている巨大草食哺乳類が用いられていました。しかし、鳥盤類の食物の選択に関する具体的な情報は、ほとんど得られていません。... ...続きを見る

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2017/11/04 00:00
火山の噴火と古代エジプトの衰退の関係
 火山の噴火と古代エジプトの衰退の関係についての研究(Manning et al., 2017)が公表されました。AFPやナショナルジオグラフィックでも報道されています。大都市アレクサンドリアに首都を置いたプトレマイオス朝時代(紀元前305〜30年)のエジプトの繁栄は、ナイル川と直接結びついていました。夏になると発生するナイル川の洪水は、おもにエチオピア高原でのモンスーンによる降水に起因しており、ナイル川流域の農業を成立させるために必須でした。詳細に記述された当時の文献には、ナイル川の洪水がない... ...続きを見る

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2017/11/01 00:00
選ばれなかった無数の進化の道
 これは10月25日分の記事として掲載しておきます。あり得た進化の道筋に関する研究(Starr et al., 2017)が公表されました。歴史に別の展開があり得たのかどうかは、無数の「たられば」論の核心的問題ですが、実験で取り扱うことができないため、ほとんど推測することしかできていません。この研究は、特性が充分明らかにされている祖先的ホルモン受容体のDNA結合特異性に着目し、このタンパク質がとり得た可能性のある膨大な数の進化的道筋をマッピングしました。 ...続きを見る

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2017/10/25 00:00
遺伝子発現における多様な人体組織間の差異と個人差
 これは10月14日分の記事として掲載しておきます。遺伝子発現における多様な人体組織間の差異と個人差に関する一連の研究が公表されました。ヒトゲノムには遺伝子発現調節の指令がコードされていますが、遺伝子発現調節は細胞の種類によって異なっており、その結果、それぞれ独自の機能を持つ多様な組織が生じているものの、遺伝子発現調節には個人差もあります。こうした差異を生じさせる遺伝的多様体は、ゲノムの非コード領域内に位置している傾向があり、この非コード領域が遺伝子の発現状態と発現時期を決めている、と考えられて... ...続きを見る

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2017/10/14 00:00
不公平にたいする感受性と鬱病の関係
 これは10月13日分の記事として掲載しておきます。不公平にたいする感受性と鬱病の関係についての研究(Tanaka et al., 2017)が公表されました。過去の研究では、富の不平等な分配(経済的不平等)が、うつ病をはじめとする精神疾患の増加に寄与することが示唆されていましたが、その背後にある神経機構は不明でした。この研究は、仮想的なパートナーからバーチャル・マネーを受け取るコンピューターゲーム(最終提案ゲーム)をプレイ中の健常者の脳活動を測定しました。ゲームにおいてパートナーとプレイヤーは... ...続きを見る

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2017/10/13 00:00
大量絶滅による生物多様性への影響
 これは10月12日分の記事として掲載しておきます。大量絶滅による生物多様性への影響に関する研究(Button et al., 2017)が公表されました。大量絶滅の結果、広範囲に生息する少数の種が大きな割合を占める生物群集(「災害動物相」)が出現すると考えられています。しかし、この学説を検証する研究の数は少なくて研究対象も狭く、たとえば、小さな領域を対象としていました。この研究は、こうした問題に取り組むため、パンゲア超大陸における生物多様性の長期的変化を評価しました。この研究は、約2億6000... ...続きを見る

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2017/10/12 00:00
39億5000万年前頃の生命体の痕跡
 これは10月4日分の記事として掲載しておきます。39億5000万年前頃の生命体の痕跡に関する研究(Tashiro et al., 2017)が報道されました。朝日新聞でも報道されています。地球史の初期に生命体が存在していたことを示す証拠はたいへん少ないのですが、最近では、日光が届く浅瀬に生息するストロマトライトや、深海の熱水噴出孔に生息する細菌など、約37億年前にはすでに多種多様な生物が存在していたことを裏づける証拠が示されており、カナダのケベック州北部の37億7000万年前頃の事例などが知ら... ...続きを見る

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2017/10/04 00:00
左巻健男『暮らしのなかのニセ科学』
 これは10月1日分の記事として掲載しておきます。平凡社新書の一冊として平凡社より2017年6月に刊行されました。現代日本社会(もちろん、日本に限らないのでしょうが)において、ニセ科学と呼ばれるものは多くあり、中にはかなり浸透しているものもありますが、本書は「暮らしのなか」と題しているように、生活、とくに健康と強く直接的に関連したニセ科学を取り上げて検証しています。生活との直接的関わりがさほど強くないニセ科学としては、たとえば相対性理論への「懐疑」や進化学を否定する創造説やその亜流的な説などがあ... ...続きを見る

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2017/10/01 00:00
雌のカッコウの鳴き声の役割
 雌のカッコウの鳴き声の役割に関する研究(York, and Davies., 2017)が公表されました。托卵することで知られているカッコウの鳴き声について、雄の場合は縄張りを守る役割を果たすと考えられていますが(カッコウの名前のもとになっている「カッコー」という鳴き声は、雄だけが発します)、雌の鳴き声(笑い声のような声であることから「チャクル」や「バブル」として知られています)の役割は未解明です。雌の鳴き声は、カッコウが托卵するヨーロッパヨシキリの捕食者であるハイタカの鳴き声に似ています。 ... ...続きを見る

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2017/09/29 00:00
火山による暁新世・始新世境界の温暖化
 これは9月22日分の記事として掲載しておきます。暁新世・始新世境界の温暖化に関する研究(Gutjahr et al., 2017)が公表されました。暁新世・始新世境界温暖化極大期(PETM)は、約5600万年前に起こった生態系の破壊を伴う地球表面の温暖化事象です。この事象では大量の炭素が放出されたと考えられていますが、放出された炭素の総量と供給源はまだよく分かっていません。この研究は、地球システムモデルにおいてホウ素と炭素の同位体データを組み合わせて、炭素の供給源はこれまで考えられていたよりも... ...続きを見る

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2017/09/22 00:00
条鰭類の進化
 これは9月20日分の記事として掲載しておきます。条鰭類の進化に関する研究(Giles et al., 2017)が公表されました。現生条鰭類(条鰭亜綱)は、現存する脊椎動物種の約半数によって構成され、グッピーとタラのように多様な魚が含まれています。この分類群は、デボン紀の「魚類時代」の直前の約3億8500年前に起源があると考えられています。その生き残りが構成する小規模な分類群に属するのがビチャー(ポリプテルス科)で、この分類群にはチョウザメも含まれます。 ...続きを見る

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2017/09/20 00:00
『カラー図解 進化の教科書 第3巻 系統樹や生態から見た進化』
 これは9月17日分の記事として掲載しておきます。カール=ジンマー(Carl Zimmer)、ダグラス=エムレン(Douglas J. Emlen)著、更科功・石川牧子・国友良樹訳で、講談社ブルーバックスの一冊として、2017年8月に講談社より刊行されました。原書の刊行は2013年です。第1巻(関連記事)と第2巻(関連記事)については、すでにこのブログで取り上げています。第3巻は系統樹・遺伝子・種間関係・生態の進化を重点的に解説しており、第9章「系統樹」・第10章「遺伝子の歴史」・第11章「遺伝... ...続きを見る

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2017/09/17 00:00
藻類の繁栄と動物の繁栄
 これは9月13日分の記事として掲載しておきます。藻類の繁栄と動物の繁栄に関する研究(Brocks et al., 2017)が公表されました。カンブリア紀に複雑な動物が突然出現したことはダーウィンの悩みの種であり、自然選択による進化という自身の理論に付きまとう極めて重大な問題である、とダーウィンは考えました。この研究は、「カンブリア爆発」に先行して「藻類の繁栄」が存在し、それは全球がほぼ完全に凍結していた可能性がある2つの氷期の合間に起こったことを明らかにしています。堆積物に保存されているさま... ...続きを見る

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2017/09/13 00:00
ヒトのシグナル伝達を模倣する微生物
 これは9月9日分の記事として掲載しておきます。ヒトのシグナル伝達を模倣する微生物に関する研究(Cohen et al., 2017)が公表されました。微生物相が産生する代謝産物が、ヒトの生理機能に何らかの機能を果たしたり影響を及ぼしたりしていることが、次第に明らかになってきています。この研究は、腸内細菌が産生するN-アシルアミドが、宿主のGPCR受容体と相互作用することを明らかにしています。マウスモデルおよび細胞を用いた解析により、これらの細菌代謝産物がGPR119のアゴニストとして働き、マウ... ...続きを見る

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2017/09/09 00:00
マウスの妊娠と子宮年齢
 これは9月7日分の記事として掲載しておきます。マウスの妊娠と子宮年齢に関する研究(Woods et al., 2017)が公表されました。母体の年齢は繁殖の成功に対するリスク因子であると知られており、加齢に伴う卵子の異常は、胎仔の染色体異常を引き起こし、妊娠初期の流産につながることもあります。この研究はマウスを使い、流産や周産期死亡など妊娠中期以降の妊娠合併症の原因となり得るものを明らかにしました。 ...続きを見る

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2017/09/07 00:00
絶滅したドードーの生活史
 これは9月6日分の記事として掲載しておきます。絶滅したドードーの生活史に関する研究(Angst et al., 2017)が公表されました。この研究は、モーリシャスのさまざまな化石産地から産出した22羽のドードーの22点の骨の微細構造を調べて、ドードーの繁殖行動と成長、換羽(羽の生え変わり)の習性に関する新たな手掛かりを得ました。研究対象となった骨試料のうちの数点は幼鳥のものです。その結果、ドードーの骨において広範なカルシウム再吸収が観察されましたが、これは換羽を示す証拠である可能性がある、と... ...続きを見る

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2017/09/06 00:00
農業用殺虫剤への曝露によって生じる胎児への危険性
 これは8月31日分の記事として掲載しておきます。農業用殺虫剤への曝露によって生じる胎児への危険性に関する研究(Larsen et al., 2017)が公表されました。これまでの研究で、殺虫剤による健康への悪影響が農業従事者に出ていると明らかになっていますが、農業地域の周辺住民がどのような影響を受けているのか、まだ明らかになっていません。この研究は、アメリカ合衆国カリフォルニア州のサンホアキン・バレー地域における1997〜2011年の約50万人の出生記録と殺虫剤の使用量を分析し、殺虫剤への曝露... ...続きを見る

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2017/08/31 00:00
ハエの翅の進化
 これは8月26日分の記事として掲載しておきます。ハエの翅の進化に関する研究(Houle et al., 2017)が公表されました。遺伝的変異は進化の「機関室」です。遺伝的変異がなければ遺伝子は多様化せず、自然選択は作用する力を持たないでしょう。しかし、遺伝的変異が適応の原材料を提供するとした場合に、そうした変異がさらにどの程度、地質年代スケールで進化を制約するのか、議論の的となっています。変異速度は概してひじょうに低く、進化の時間スケールで見られる多くの遺伝的分岐に圧倒されると考えられていま... ...続きを見る

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2017/08/26 00:00
女王バチの新コロニー形成を妨げるネオニコチノイド
 これは8月24日分の記事として掲載しておきます。ネオニコチノイドが女王バチの新コロニー形成への影響に関する研究(Baron et al., 2017)が公表されました。ネオニコチノイド系殺虫剤は、ミツバチのコロニー(関連記事)や野生ミツバチ(関連記事)に影響を及ぼす可能性が指摘されています。そのため、EUはその使用を凍結することにしています。しかし、ハチの個体またはコロニーに対するネオニコチノイドの有害な作用と個体群レベルの衰退との関係は、まだ充分には理解されていません。 ...続きを見る

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2017/08/24 00:00
最初期の被子植物
 これは8月23日分の記事として掲載しておきます。最初期の被子植物に関する研究(Sauquet et al., 2017)が公表されました。被子植物は地球上に生息する植物全体の約90%を占め、約1億4000万年前に生息していた単一の祖先に起源がある、と考えられています。被子植物とその特有の構造である花の起源と初期の進化については解明が進んでおらず、花の化石記録もひじょうに少ないため、花の進化の解明には新たな方法が必要となっています。 ...続きを見る

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2017/08/23 00:00
他人に与えると気分が良くなる脳内機構
 他人に与えると気分が良くなる脳内機構についての研究(Park et al., 2017)が公表されました。気前の良い行動は、さまざまな社会と文化で高く評価されていますが、この行動は本人の資源を他人の利益のために投資することが関係する傾向があるため、標準的な経済理論で説明することは難しいとされています。この点について、気前の良さに伴って増進される幸福感が気前の良さの動機だとする研究報告がすでに存在します。 ...続きを見る

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2017/08/19 00:00
ジュラ紀の新種の滑空哺乳類化石
 これは8月18日分の記事として掲載しておきます。中国で発見された1億6000万年前頃のジュラ紀の新種となる滑空哺乳類化石に関する二つの研究が公表されました。中生代に恐竜類とほぼ同時期を生きた哺乳類の祖先は、哺乳類の歴史の最初期における解剖学的進化と生態的多様化に関するひじょうに重要な証拠と言えます。一方、初期哺乳類は、現生哺乳類の数多くのありふれた特徴も発達させました。滑空行動の発達は、陸上の生息地から大きく異なる空中の生息地への重要な移行と言えます。 ...続きを見る

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2017/08/18 00:00
完新世における西南極氷床の後退
 完新世における西南極氷床の後退に関する研究(Hillenbrand et al., 2017)が公表されました。風によって生じる周極深層水(CDW)の湧昇は、特にアムンゼン海に接する海域において、南極の棚氷を不安定化している可能性があります。しかし、こうした氷と海洋の相互作用が、氷床に大きな変化を生じるのに充分なほど長く持続し得ることを示す確かな証拠は得られていませんでした。この研究は、海底の古気候の証拠を提示し、完新世の初期の大半にわたって、また1940年代以降において、南半球における西風の... ...続きを見る

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2017/08/17 00:00
乳幼児の社会的視覚関与の遺伝性
 乳幼児の社会的視覚関与の遺伝性に関する研究(Constantino et al., 2017)が公表されました。赤ん坊が手を伸ばしたり、ハイハイしたり、歩行したりする前の段階において情報収集の手段として用いるのが社会的視覚関与という能力です。この研究は、社会的場面を見ることの個人差を評価するために一連の視標追跡実験を実施し、顔と顔に似た視覚刺激に対する注意力や個々の眼球運動のタイミング・方向性と目標設定を調べました。この実験の対象となったのは338人の乳幼児で、そのうち166人が一卵性双生児と... ...続きを見る

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2017/08/05 00:07
動物の速度の限界要因
 動物の速度の限界要因に関する研究(Hirt et al., 2017)が公表されました。チーターなどの中型動物は、より大きな動物と比較して筋肉が小さく筋繊維が少ないにも関わらず、陸上では最速です。ハヤブサやカジキなどの中型種がそうであるように、空中や水中でも同じ傾向が成立します。この研究は、全動物にわたって、ある動物が到達できる最高速度を最終的に制限するのは加速に要する時間である、ということを示す一般的理論モデルを構築しました。 ...続きを見る

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2017/08/03 00:00
音楽にたいする2種類の強烈な情動反応
 これは8月2日分の記事として掲載しておきます。音楽にたいする2種類の強烈な情動反応に関する研究(Mori, and Iwanaga., 2017)が公表されました。人間は時として、芸術作品に対して強烈な情動反応を経験します。これまでの研究から、音楽を聴いたときに喚起される「鳥肌感(chill;鳥肌が立ったり背筋がぞくぞくしたりする感覚)」という強烈な情動反応には、精神生理学的な覚醒や、ある種の報酬効果が関わっていることが明らかになっています。しかし、強烈な情動の多くの側面はまだ解明されていませ... ...続きを見る

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2017/08/02 00:00
北極ツンドラにおける水銀の吸収
 北極ツンドラにおける水銀の吸収に関する研究(Obrist et al., 2017)が公表されました。人為的な活動は北極域における大規模な水銀汚染をもたらしていますが、北極域の高い水銀負荷の原因が、降水を介した酸化水銀の湿性沈着なのか、あるいは海塩によって生じる水銀の化学循環なのか、まだよく分かっていません。この研究は、水銀沈着の質量収支の分析と北極ツンドラから得られた安定同位体データを提示し、水銀の主な供給源は気体の水銀元素に由来し、示唆されていた他の二つの供給源の寄与はわずかであることを明... ...続きを見る

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2017/08/01 00:00
初期の四肢類の形態的多様性
 これは7月29日分の記事として掲載しておきます。初期の四肢類の形態的多様性に関する研究(Pardo et al., 2017)が公表されました。欠脚類は特殊化した絶滅両生類であり、伸長した体と退化した四肢を特徴とします。欠脚類は通常、空椎類クレードという羊膜類にやや近縁な両生類の特異な分類群内に位置づけられており、こうした生物の一つにレティスクス(Lethiscus stocki)がいます。レティスクスは、デボン紀の原始的な大型の初期四肢類とその後の時代の生物とを隔てる前期石炭紀の「ローマーの... ...続きを見る

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2017/07/29 00:00
定説よりも早いヒトの免疫系の形成
 これは7月12日分の記事として掲載しておきます。胎児の免疫系の形成に関する研究(McGovern et al., 2017)が公表されました。発生中のヒト胎児は、微生物や食物粒子など、免疫系を活性化させる可能性のある多様な分子にさらされます。この研究は、妊娠中絶が臨床的に必要となった妊娠中期(妊娠14〜22週)の胎児96例の組織を採取して調べ、最も早くて妊娠中期の胎児に免疫学的に活性な細胞が存在していることを明らかにしました。この胎児の樹状細胞は、病原体を感知するとともにT細胞を刺激でき、免疫... ...続きを見る

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2017/07/12 00:00
絶滅した南米の有蹄動物のmtDNA解析
 絶滅した南アメリカ大陸の有蹄動物のミトコンドリアDNA(mtDNA)解析に関する研究(Westbury et al., 2017)が公表されました。この研究が解析対象とした絶滅生物は、南アメリカ大陸で2万年前頃まで存在したと考えられている固有の有蹄動物マクラウケニア(Macrauchenia patachonica)です。マクラウケニアの進化史における位置づけに関しては、発見以来議論が続いてきました。マクラウケニアの子孫は現存しておらず、ラクダのような胴体とバクのような鼻を有しているといった風... ...続きを見る

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2017/07/01 00:00
遺伝的に決定されている鳴禽類の音楽の好み
 これは6月29日分の記事として掲載しておきます。鳴禽類の音楽の好みに関する研究(Wheatcroft, and Qvarnström., 2017)が公表されました。鳴禽類は、同種と近縁種のさえずりをヒナのうちから聞き分けます。しかし、囀りの聞き分けの背後にあるメカニズムは未解明で、ヒナの時期の経験・母鳥の影響・遺伝的背景など、さまざまな要因の寄与が考えられていました。この研究は、バルト海のエーランド島にいるマダラヒタキとシロエリヒタキの巣の胚を交換し、ヒナが同種ではない鳥の成体に育... ...続きを見る

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2017/06/29 00:00
アリの拡散と人間の行動
 これは6月28日分の記事として掲載しておきます。アリの拡散と人間の行動に関する研究(Bertelsmeier et al., 2017)が公表されました。人間の交易と移動は生物地理学的な垣根を下げ、生物の地理的分布に変化を引き起こします。その結果、外来種の拡散は世界の生物多様性および生態系サービスへの大きな脅威となり、新参種が定着するペースは上昇し続ける、と予測されています。生物の侵略に関する研究の多くは個々の種の侵略の全過程を通じた経過に注目していますが、外来種全般が類似の定着パターンに従う... ...続きを見る

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2017/06/28 00:00
一夫一妻制ハタネズミの社会的絆形成
 これは6月23日分の記事として掲載しておきます。一夫一妻制ハタネズミの社会的絆形成関する研究(Amadei et al., 2017)が公表されました。多くの哺乳類種は一夫一妻型のペアの絆を形成しませんが、プレーリーハタネズミ(Microtus ochrogaster)はそうした絆を形成します。成体が一雄一雌関係を形成する時、相手個体の認識と評価にいくつかの注目すべき変化が生じます。主要な変化の一つは、絆を形成しうる2個体がお互いの脳内報酬系を確実に活性化し始める時に起きまか。報酬処理ネットワ... ...続きを見る

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2017/06/23 00:00
ショウジョウバエの交尾による影響
 これは6月20日分の記事として掲載しておきます。ショウジョウバエの交尾による影響についての論文2本が公表されました。交尾をした雌が攻撃性を増す種は多く、それは、仔を守る必要性と関係している可能性があると指摘されています。しかし、この攻撃性の強化に関与する直接的な仕組みは明らかにされていません。また、交尾は雄の生理および加齢にも長期的な影響を与えますが、こちらの仕組みもよく分かっていません。 ...続きを見る

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2017/06/20 00:00
温泉鉱床で発見された初期生物の痕跡
 温泉鉱床で発見された初期生物の痕跡に関する研究(Djokic et al., 2017)が公表されました。この研究は、オーストラリア西部のピルバラ地塊にある34億8000万年前頃の温泉鉱床が、陸上のものか海底のものかを確定するために調べたところ、高温のシリカ溶液から生成する鉱床で、陸上温泉でのみ見つかっているガイザライトが同定されました。このガイザライトには、ストロマトライト(微生物の活動によって形成した薄層状の累層)とその他の微生物の痕跡が見つかり、34億8000万年前頃の温泉に多様な生物が... ...続きを見る

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2017/06/17 00:00
ヒトノックアウトプロジェクトの第一歩
 ヒトノックアウトプロジェクトに関する研究(Saleheen et al., 2017)が公表されました。遺伝子の機能を解明するための研究はこれまで、モデル動物の重要な遺伝子をノックアウトし、その後の変化を調べるという方法で行なわれていましたが、この研究は逆の手法を採用しました。それは、パキスタン在住の10503人のゲノムの遺伝子コード領域を解読し、1317個の遺伝子の機能喪失を引き起こすと予想される49138ヶ所の変異をそれぞれ1人以上の被験者で同定し、これらの変異が血液試料で測定される201... ...続きを見る

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2017/06/15 00:00
胎生の主竜様類
 胎生の主竜様類に関する研究(Liu et al., 2017)が公表されました。主竜様類には恐竜・鳥類・ワニ類などが含まれています。胎生は多くの種類の動物において独立に進化しましたが、現生の鳥類とワニ類は全て産卵によって繁殖しており、これらの系統の生物にたいして、胎生を妨げる生物学的制約が加わっていることを示唆しています。 ...続きを見る

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2017/06/14 00:00
イギリスのヨーロッパ大陸からの最初の分離
 イギリスのヨーロッパ大陸からの最初の分離に関する研究(Gupta et al., 2017)が公表されました。イギリスは、イギリス南東部からフランス北西部まで広がった白亜層の尾根を介して、かつてはヨーロッパ大陸とつながっていました。これまでの理論は、氷河湖からの溢出がドーバー海峡の開いた原因だと示唆していますが、この仮説を検証するには、推測される分裂地点の高分解能データが不足していました。この研究は、海峡が開いたことには少なくとも2つの主要な浸食事象が関わっていることを示す、新しい証拠を提示し... ...続きを見る

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2017/06/13 00:00
攻撃者から被害者を守る第三者の介入を肯定する乳児
 これは6月7日分の記事として掲載しておきます。ヒトに見られる、有害な相互作用に対する第三者による保護的介入が始まる時期についての研究(Kanakogi et al., 2017)が公表されました。有害な相互作用に対する第三者による保護的介入は、一般には称賛される行為であり、道徳・正義・英雄的資質といった概念と結びつけられています。じっさい、そうした第三者の介入が絡む物語は、神話・書物・映画などの形で、有史以来の大衆文化のなかに数多く見られます。現代の発達科学では、ヒトはこうした介入を就学前から... ...続きを見る

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2017/06/07 00:00
鈴木紀之『すごい進化 「一見すると不合理」の謎を解く』
 これは6月4日分の記事として掲載しておきます。中公新書の一冊として、中央公論新社から2017年5月に刊行されました。本書は、一見すると「不合理」な進化を適応主義的な観点から検証していきます。擬態が不完全だったり、「求愛エラー(繁殖能力のある子孫を残せない近縁種との生殖行動)」を起こしたりするのは、遺伝子など何らかの制約に起因する、といった制約を重視する説にたいして、本書はあくまでも、一見すると「不合理」な進化のなかに、適応主義的な理由があるのではないか、と追及していきます。 ...続きを見る

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2017/06/04 00:00
初期恐竜の進化
 これは6月3日分の記事として掲載しておきます。初期恐竜の進化に関する研究(Nesbitt et al., 2017)が公表されました。現生主竜類の鳥類とワニ類が共通祖先から分岐したのは三畳紀のことでした。これは、陸生脊椎動物の進化における主要な移行期で、四肢の比率と体サイズの変化が関係していましたが、こうした新機軸は化石記録にほとんど残っていません。この研究は、鳥類の幹系統で最も原始的なものの一つである化石(Teleocrater rhadinus)について報告しています。Teleocrate... ...続きを見る

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2017/06/03 00:00
現生鳥類のような羽毛を持っていた鳥類様恐竜
 これは5月31日分の記事として掲載しておきます。現生鳥類のような羽毛を持っていた鳥類様恐竜に関する研究(Xu et al., 2017)が公表されました。この研究は、中国東北部で発見された、羽毛の保存されたほぼ完全な骨格化石から新種(Jianianhualong tengi)を同定しました。この化石の年代は、白亜紀前期(約1億4500万〜1億年前)と推定されています。非対称の羽毛は飛翔能力のある現生鳥類からも飛翔能力のない現生鳥類からも見つかっており、この新種化石に飛翔能力があったのかどうか不... ...続きを見る

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2017/05/31 00:00
マウスの子育ての遺伝的性質
 マウスの子育ての遺伝的性質に関する研究(Bendesky et al., 2017)が公表されました。哺乳類の養育行動は個体差・性差・種差が大きいと明らかになっていますが、マウスの場合には、仔の移動・寄せ合い・仔の面倒を見ること・仔の毛づくろい・営巣などの行動が含まれています。しかし、そうした行動を引き起こす遺伝的機構と進化的機構については、解明が進んでいません。この研究は、乱婚型のシカシロアシマウス(Peromyscus maniculatus)と一雄一雌型のハイイロシロアシマウス(Pero... ...続きを見る

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2017/05/19 00:00
真菌類の起源
 真菌類の起源に関する研究(Bengtson et al., 2017)が公表されました。控えめの推定では、真菌類は約4億年前に出現したと示唆されていますが、近年の研究では、14億年前の真菌類の化石証拠と考えられるものが報告された例もあります。真核生物の系統樹の枝は約27億年前に生じたと示唆されていますが、現時点で最古となる既知の真核生物(全ての動植物および真菌類を含み、真正細菌および古細菌を含まない生物群)化石であるグリパニア=スピラリス(Grypania spiralis)の年代は19億年前... ...続きを見る

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2017/05/18 00:00
ペンギンに大きな影響を及ぼした火山噴火
 これは5月16日分の記事として掲載しておきます。ペンギンにたいする火山噴火の影響についての研究(Roberts et al., 2017)が公表されました。南極半島の北部沖合に浮かぶアードレイ島には、多様性を示す大型のペンギンコロニーが存在しています。しかし、ジェンツーペンギンの個体数が増加している一方で、アデリーペンギンとヒゲペンギンの個体数が減少しており、温暖化と海氷面積の変化により多様性は脅かされています。ただ、このコロニーに関する長期記録がないため、このコロニーの過去の変化の解明とそれ... ...続きを見る

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2017/05/16 00:00
進化的放散と衰退の速度
 進化的放散と衰退の速度に関する研究(Lim, and Marshall., 2017)が公表されました。種の豊かさ(種数)の変化速度と、生物的環境および非生物的環境の変化との関係を明らかにすることは、進化生物学における重大な目標の一つとされています。しかし、優れた化石記録や地質記録から手掛かりが得られる場合もあるものの、ほとんどの分類群では質の高い化石記録が欠如しています。そのため、クレードの多様性動態の研究では、多様化の速度変化を環境変化や形質変化と相関させるというような、分子系統学的手法に... ...続きを見る

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2017/05/12 00:00
植物の進化は花粉媒介生物の種類に応じて異なる
 これは5月6日分の記事として掲載しておきます。植物の進化と花粉媒介生物の種類に関する研究(Gervasi, and Schiestl., 2017)が公表されました。花粉媒介生物に応じた植物の進化に関する過去の研究は野外で行なわれており、花粉媒介生物以外の要因で植物の特徴に変化が生じる可能性がありました。この研究では、花粉媒介生物それ自体が植物の進化に及ぼす影響を分離できる実験系が用いられました。 ...続きを見る

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2017/05/06 00:00
雨が降ると土壌中の細菌が大気中に運ばれる
 これは4月22日分の記事として掲載しておきます。雨が降ると土壌中の細菌が大気中に運ばれることを明らかにした研究(Joung et al., 2017)が公表されました。これまで、雨滴が土壌に衝突するとエアロゾル(大気中に浮遊する水滴)が生成することは明らかになっていました。土壌が細菌にとって中間的な生息地の機能を果たしている可能性はあるものの、細菌はエアロゾル化過程を生き延びることができないと考えられていたので、細菌がどのようにして大気中に移動するのか、明らかになっていませんでした。 ...続きを見る

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2017/04/22 00:00
地球上の動物の分布の要因
 これは4月21日分の記事として掲載しておきます。地球上の動物の分布の要因に関する研究(Ficetola et al., 2017)が公表されました。近い種類の動物は世界の同一地域に共存する傾向があり、それは「生物地理区」として知られています。たとえば、ウォレス線はインドネシアを通る明確な境界を認めており、その両側の動物群は、それぞれオーストラリアとアジアにみられる動物群との近縁度が高くなっています。しかし、地球全体にこのような境界を形成する力は、これまで明らかにはされていませんでした。 ...続きを見る

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2017/04/21 00:00
更新世において間氷期をもたらす要因
 これは4月14日分の記事として掲載しておきます。更新世において間氷期をもたらす要因についての研究(Tzedakis et al., 2017)が公表されました。全般的に気候が寒冷だった更新世の温暖な期間である間氷期の存在は、さまざまな証拠からよく知られています。日射量の変化のタイミングは、地球と太陽の幾何学的配置の小さな変動によって調節されていますが、間氷期のタイミングや、間氷期の契機となるのに必要な軌道配置の明らかな変化について、明確な説明はまだ困難です。この研究は、夏季の日射量の閾値に基づ... ...続きを見る

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2017/04/14 00:00
最古の生命の痕跡
 最古の生命の痕跡に関する研究(Dodd et al., 2017)が公表されました。海底の熱水噴出孔は、地球上における最初期の、生物が生息可能な環境の一つだったと考えられています。この研究は、少なくとも37億7000万年前の熱水噴出孔の内部および周囲に見られる生命の痕跡と推定されるものが、地球最古の生命の証拠である可能性を示唆しています。カナダのケベック州北部で発見された碧玉および炭酸塩岩に、糸状微生物の存在を示すと考えられる構造体が保存されており、こうした構造体に赤鉄鉱からなる管状のものが含... ...続きを見る

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2017/04/13 00:00
負担になりかねない絶滅種の復活
 絶滅種の復活が地域に及ぼす影響に関する研究(Bennett et al., 2017)が公表されました。この研究は、費用便益分析を行ない、ニュージーランドおよびオーストラリアのニューサウスウェールズ州の政府にとって、保護する余裕を持てる生物種の数を算出しました。費用の推定は、最近の絶滅種および類似の現生種に基づいています。分析の結果、最近の絶滅種の一部を元の生息地に再導入すると、局地的には現存の生物多様性が向上する可能性があるものの、ニュージーランドでは、全11種の絶滅焦点生物種を政府資金で保... ...続きを見る

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2017/04/12 00:21
ヒトの身長に関連する遺伝子群
 これは4月7日分の記事として掲載しておきます。ヒトの身長に関連する遺伝子群についての研究(Marouli et al., 2017)が公表されました。ヒトの身長には複数の遺伝子が関与しており、複雑な形質の遺伝的解析のモデルとされてきました。ゲノム規模の関連研究によって、これまでに約700のありふれた多様体が身長と関連づけられていますが、低頻度の多様体や希少な多様体が果たす役割については、系統的な評価が行なわれていませんでした。この研究は、71万1418人のゲノムのコード領域を解析し、身長に関連... ...続きを見る

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2017/04/07 00:00
初期の軟体動物の形態
 初期の軟体動物の形態に関する研究(Vinther et al., 2017)が公表されました。カタツムリからダイオウイカまで、外見の大きく異なる多様な動物群で構成される軟体動物門は、最も繁栄を遂げた動物門の一つです。しかし、軟体動物は5億年前頃のカンブリア紀に急速に進化したため、その初期の歴史、特に最初期の形態に関しては、今でも議論が続いています。この研究は、バージェス頁岩型の動物相で知られる、モロッコのオルドビス紀のFezouata累層から発見された化石について報告しています。 ...続きを見る

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2017/04/06 00:00
カメ類が甲羅に収納する機構を発達させた理由
 カメ類が甲羅に収納する機構を発達させた理由に関する研究(Anquetin et al., 2017)が公表されました。これまで、カメ類が甲羅に収納する機構を発達させたのは、頭と首を防護する選択圧のためだとされてきました。現生カメ類の2系統は、それぞれ異なる収納機構を発達させました。曲頸亜目のカメは、首を横に曲げて収納するのに対して、潜頸亜目のカメは、首を垂直方向に曲げ、頭を真っすぐ引いて収納します。この二つの機構は、1億6100万年〜1億4500万年前頃のジュラ紀後期以降に独立に進化したと考え... ...続きを見る

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2017/03/30 00:00
鳥類のくちばしの形状の進化
 これは3月25日分の記事として掲載しておきます。鳥類のくちばしの形状の進化に関する研究(Cooney et al., 2017)が公表されました。この研究は、2000種を超す鳥類の分析から、くちばしの形状の多様性は、鳥類の進化がより沈静化した状態に落ち着く以前の初期段階に拡大したことを明らかにし、ダーウィンの「くさび」式の自然淘汰説を支持しています。しかし、このパターンは時間的変動とは連動しておらず、初期の進化の速度はその後の進化とさほど変わりませんでした。また、系統樹の枝に沿って進化速度が急... ...続きを見る

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2017/03/25 00:00
大きく変わるかもしれない恐竜の系統樹
 これは3月24日分の記事として掲載しておきます。恐竜の系統樹の見直しに関する研究(Baron et al., 2017)が公表されました。恐竜は過去130年間ほど、鳥式骨盤を特徴とする鳥盤目と爬虫類に似た骨盤を持つ竜盤目という2主要分類群(クレード)に分類されてきました。鳥盤目には鳥脚亜目(イグアノドンなど)と装甲恐竜(トリケラトプス、ステゴサウルスなど)が含まれ、竜盤目には肉食の獣脚亜目(ティラノサウルス=レックスなど)と巨大な竜脚亜目(ディプロドクスなど)が含まれています。 ...続きを見る

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2017/03/24 00:00
高地に順応する方法を「記憶」している血液細胞
 これは3月23日分の記事として掲載しておきます。赤血球が高地へ順応する仕組みについての研究(Song et al., 2017)が公表されました。ヒトの体は、低酸素状態を生き延びるために適応応答を起こして、体内組織への酸素供給を促進します。そうした適応応答の一つがアデノシンという化学物質の放出で、これにより血管漏出が防止され、炎症が軽減されて、血管が拡張して組織の損傷が減ります。これまでの研究では、高地に繰り返して行くことで低酸素環境への適応が加速されることが明らかになっていましたが、このよう... ...続きを見る

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2017/03/23 00:00
『カラー図解 進化の教科書 第2巻 進化の理論』
 これは3月19日分の記事として掲載しておきます。カール=ジンマー(Carl Zimmer)、ダグラス=エムレン(Douglas J. Emlen)著、更科功・石川牧子・国友良樹訳で、講談社ブルーバックスの一冊として、2017年1月に講談社より刊行されました。原書の刊行は2013年です。第1巻については、すでにこのブログで取り上げています(関連記事)。第2巻はとくに淘汰を重点的に解説しており、第5章「進化のメカニズム─遺伝的浮動と自然淘汰」・第6章「量的遺伝学と表現型の進化」・第7章「自然淘汰」... ...続きを見る

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2017/03/19 00:00
化学物質に汚染されている海洋最深部
 海洋最深部の汚染に関する研究(Jamieson et al., 2017)が公表されました。この研究は、太平洋のマリアナ海溝とケルマデック海溝の最深部に生息する生物の試料を引き揚げるために、両海溝の水深の測定が可能な深海探査船を利用しました。分析の結果、端脚目甲殻類の脂肪組織には、絶縁油として一般的なポリ塩化ビフェニル(PCB)や、難燃剤として広く使用されるポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)など、残留性有機汚染物質(POP)が極めて高レベルで発見されました。 ...続きを見る

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2017/03/18 00:35
最古の新口動物
 これは3月17日分の記事として掲載しておきます。最古の新口動物に関する研究(Han et al., 2017)が公表されました。新口動物には脊椎動物・ヒトデ類・ギボシムシ類・被嚢動物などさまざまな異なる生物が含まれています。このように多種多様であり、形態上の中間的生物が現存していないため、初期の新口動物がどのようなものであったか、解明は困難です。この研究は、中国の陝西省で発見された、カンブリア紀最初期の微小な化石群を報告しています。この化石群は袋状の体を持っている一方で肛門を持っておらず、その... ...続きを見る

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2017/03/17 00:00
シルクロードの形成過程
 これは3月15日分の記事として掲載しておきます。シルクロードの形成過程に関する研究(Frachetti et al., 2017)が公表されました。現在の中国から地中海東岸、さらにその先まで伸びる複雑な交易路網であるシルクロードは、その途中でいくつもの苛酷な山岳地帯を通り抜けています。シルクロードがどのように形成されたのか、どのような要因がシルクロードの地理的特性に影響を与えたのか、まだ確証はありません。これまで、シルクロードの形成をモデル化しようとした研究はありますが、経路網上の既知の地点を... ...続きを見る

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2017/03/15 00:00
新生児は成人と同様に視覚処理ができる
 これは3月14日分の記事として掲載しておきます。新生児の視覚処理に関する研究(Deen et al., 2017)が公表されました。成人の大脳皮質の視覚野は、顔・物体・風景など目に見えるもの全てをそれぞれ処理する領域に分かれています。ただ、こうした領域が周辺環境にさらされたために形成されたのか、それとも若い頃から存在していたのかは、まだ明らかになっていません。この研究は、9人の乳児(生後4〜6か月)を機能的磁気共鳴画像装置の中に寝かせたままで、さまざまな画像を見せて画像データを取得しました。こ... ...続きを見る

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2017/03/14 00:00
食虫植物の進化(追記有)
 食虫植物の進化に関する研究(Fukushima et al., 2017)が公表されました。オーストラリアの嚢状葉植物であるフクロユキノシタ(Cephalotus follicularis)は、獲物の動物を消化することができる液体で満たされた捕虫葉と非捕虫葉(普通葉)の両方を作ります。これは、両者の比較により食虫性がどのように発達したのか分かることを意味しています。この研究は、フクロユキノシタのゲノム塩基配列を解読し、両タイプの葉の全ゲノム的な発現パターンを比較することにより、獲物の誘引・捕獲... ...続きを見る

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2017/03/09 00:00
肥満と糖尿病の関係
 肥満と糖尿病の関係についての研究(Wahl et al., 2017)が公表されました。肥満は2型糖尿病や関連する代謝疾患の主要なリスク因子です。遺伝子関連研究により肥満に関連するゲノムの座位が明らかにされており、最近の研究でもDNAメチル化との関連が示唆されています。この研究では、ボディーマス指数(BMI)に関してエピゲノム全体にわたる検証が行なわれ、血液および脂肪組織では187の座位でDNAメチル化との関連が明らかになりました。また、これらのメチル化の変化は肥満の結果として生じ、従来のリス... ...続きを見る

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2017/03/08 00:16
『カラー図解 進化の教科書 第1巻 進化の歴史』
 これは3月5日分の記事として掲載しておきます。カール=ジンマー(Carl Zimmer)、ダグラス=エムレン(Douglas J. Emlen)著、更科功・石川牧子・国友良樹訳で、講談社ブルーバックスの一冊として、2016年11月に講談社より刊行されました。原書の刊行は2013年です。本書は、進化の具体的な過程とともに、進化の基本的な仕組みについての解説にもなっており、進化の入門書としてたいへん優れていると思います。豊富な具体的な事例が本書の特徴で、一般層にも面白く読める構成にしよう、との意図... ...続きを見る

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2017/03/05 00:00
オルドビス紀における海洋生物多様性爆発の要因
 これは3月3日分の記事として掲載しておきます。オルドビス紀における海洋生物多様性爆発の要因に関する研究(Lindskog et al., 2017)が公表されました。オルドビス紀の4億7100万年前頃には海洋生物の多様性が大きく増加したとされています。これはGOBE(Great Ordovician Biodiversification Event)と呼ばれており、ほぼ同時期に起こったと推測されている地球上での激しい隕石爆撃現象に関連したものと考えられていました。 ...続きを見る

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2017/03/03 00:00
真核生物の性質を持つ古細菌
 真核生物の性質を持つ古細菌(アーキア)に関する研究(Zaremba-Niedzwiedzka et al., 2017)が公表されました。真核細胞が祖先の原核細胞からどのように生じたのか、まだ明らかになっていませんが、真核生物の起源は原核生物の1群である古細菌だと徐々に明らかになってきています。最近の研究では、ロキアーキオータ(Lokiarchaeota)門やThorarchaeota門などの古細菌分類群には、真核生物に特異的と考えられていた多くのタンパク質をコードする遺伝子が含まれていること... ...続きを見る

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2017/03/01 00:00
加齢によるリスク選好の変化は脳構造の変化に起因する
 これは2月25日分の記事として掲載しておきます。加齢によるリスク選好の変化に関する研究(Grubb et al., 2016)が公表されました。ヒトがリスク(予測できない結果)を伴う意思決定を行うさいには、右後部頭頂皮質という脳領域が活動しています。これまでの研究では、この領域の灰白質の量が若年成人のリスク選好と相関していることが明らかになっています。ヒトでは、昔から知っていて見慣れたものを選ぶ傾向は、年齢を重ねるにつれて顕著になります。ヒトは年をとるとリスクのある決定をあまりしなくなるわけで... ...続きを見る

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2017/02/25 00:00
「男脳」「女脳」のウソはなぜ、どのように拡散するのか
 これは2月20日分の記事として掲載しておきます。表題の記事がナショナルジオグラフィックに掲載されました。正直なところ、表題を読んだ時には、男女には本質的な違いはないとか、性別を重視すること自体が社会的に構築されたものだとか、性別自体が生物学的に否定されているとかいった言説が展開されるのではないか、とかなり警戒したのですが、以前からの私の見解にひじょうに近いところがあり、かなり同意できる内容でした。もっとも、表題の記事で男女差の事例とされた課題実験も、社会的に構築された性差の構造に起因するものに... ...続きを見る

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2017/02/20 00:00
ハインリッヒイベントの要因
 ハインリッヒイベントの要因に関する研究(Bassis et al., 2017)が公表されました。ハインリッヒイベントは、ローレンタイド氷床などの氷床から北大西洋へ多数の氷山が流出する大規模な事象です。しかし、数十年にわたる研究で多数の見解が提示されているにも関わらず、ハインリッヒイベントを起こす機構に関してはまだ激しい議論が続いています。この研究は、新しいモデルによる証拠を提示し、ハインリッヒイベントが驚くほど単純な機構によって起こることを示しています。それは、暖かい海水の流入が氷床の分離面... ...続きを見る

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2017/02/18 00:00
古生代の触手冠動物であるヒオリテス類
 ヒオリテス類の分類に関する研究(Moysiuk et al., 2017)が公表されました。ヒオリテス類は、古生代を通して広く存在した、殻を持つ化石生物です。その姿は蓋付きの角杯のようで、杯を支えるようにカーブした2本の突起(「ヘレン」と呼ばれます)があり、三脚付きの角形の殻にも見えます。ヒオリテス類は、冠輪動物(環形動物・軟体動物・腕足動物などの触手冠を有する動物)と呼ばれる無脊椎動物の分類群に属すると考えられていますが、あまりに特異なため、その類縁関係を判断することは困難でした。 ...続きを見る

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2017/02/15 00:00
脳が相互に関連し合った対象を意識的に結びつける機構
 これは2月9日分の記事として掲載しておきます。脳が相互に関連し合った対象を意識的に結びつける機構についての研究(Falco et al., 2016)が公表されました。この研究は、2つの対象物や2人の関連性の強さについて、1対の画像にたいするヒトの神経活動を測定することで、この関連性の程度を予測できることを明らかにしました。この研究は、癲癇治療のため電極を埋め込まれた49人の被験者のニューロンの発火パターンを測定する実験を行ないました。この実験では、被験者に一定数の画像が見せられ、個々のニュー... ...続きを見る

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2017/02/09 00:00
換歯の起源
 これは2月5日分の記事として掲載しておきます。換歯の起源に関する研究(Chen et al., 2016)が公表されました。人間の子供の乳歯が脱落するとき、抜け落ちるのは歯冠で、歯根は吸収されます。この研究は、4億2400万年前頃のステム群硬骨魚類アンドレオレピスの一種(Andreolepis hedei)の歯列について三次元構造を明らかにし、換歯に関する新たな情報を得ました。その結果、アンドレオレピスの歯の脱落は、基部組織の吸収によって起こっていたことが明らかになりました。これは換歯が確認さ... ...続きを見る

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2017/02/05 00:00
ギンザメ類の起源
 ギンザメ類(全頭亜綱)の進化系統樹における位置づけについての研究(Coates et al., 2017)が公表されました。ギンザメ類は軟骨魚類の主要な分類群で、サメ類やエイ類と類縁とされています。しかし、ギンザメ類の外観はひじょうに特徴的で、進化的な状況における位置づけが困難なため、その類縁関係は不明瞭とされています。ギンザメ類の眼は眼窩が脳の形をゆがめてしまうほどに大きく、奇妙で特徴的な歯を有しています。 ...続きを見る

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2017/02/01 00:00
妊娠により変わる女性の脳の構造
 これは1月31日分の記事として掲載しておきます。妊娠による女性の脳の構造の変化に関する研究(Hoekzema et al., 2017)が公表されました。妊娠すると、ホルモンの濃度が急上昇するため、体に急激な生理的変化と物理的変化が生じます。思春期のホルモン変化といったそれほど急激でないホルモンの変化があっても、脳の構造と機能が変化することが明らかになっていますが、妊娠により女性の脳の構造がどのように変化するのか、まだ解明されていません。この研究は、妊娠・出産を初めて経験した25人の女性を妊娠... ...続きを見る

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2017/01/31 00:00
音楽の普遍的な特徴の変化
 これは1月28日分の記事として掲載しておきます。音楽の普遍的な特徴の変化に関する研究(Ravignani et al., 2016)が公表されました。世界には多種多様なヒトの音楽がありますが、文化圏の違いに関わらず類似性が認められます。また、ヒトの音楽は本質的に構造を持ちますが、そうした構造的規則性が生まれる仕組みは不明です。この研究はそうした現象を調べるために、音楽の進化のシミュレーションを実験室で実施しました。まず、実験参加者の第1グループが、ランダムに作られたドラムの音の連なりを聞き、そ... ...続きを見る

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2017/01/28 00:00
コウモリの喉頭反響定位能力の進化
 これは1月27日分の記事として掲載しておきます。コウモリの喉頭反響定位能力の進化に関する研究(Wang et al., 2017)が公表されました。コウモリは、喉頭で発生させたソナーシグナルの反響を内耳で検知することによるナビゲーション能力(喉頭反響定位能力)を有しています。しかし、一部のコウモリ種はこの方法で反響定位を行なうことができません。化石証拠も遺伝学的証拠も、喉頭反響定位を利用するコウモリが単一の進化群を形成しない、と示唆しています。これは、反響定位の進化が2回以上起きたか、もしくは... ...続きを見る

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2017/01/27 00:00
初期の四肢動物の化石空白期間
 初期の四肢動物(最初の4本足の脊椎動物)の化石空白期間に関する研究(Clack et al., 2017)が公表されました。3億5800万年前頃となる後期デボン紀の大量絶滅以前の四肢動物は、指が多く、かなり魚類に似たものでした。ローマーの空白として知られるその時期以後の化石は指の数が減り、現在の陸生脊椎動物に姿が近づいています。化石記録に外見上の空白がある理由は明らかにされていませんが、酸素レベルの低さが四肢動物の数および多様性を制限していた、と示唆されています。 ...続きを見る

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2017/01/20 00:00
マウスと霊長類で作用の異なる因子Osteocrin
 これは1月15日分の記事として掲載しておきます。マウスと霊長類で作用の異なる因子に関する研究(Ataman et al., 2016)が公表されました。脳の発生を促す遺伝子発現ネットワーク研究の多くは、マウスを用いて行なわれてきました。マウスと比較すると、他の動物群、とくに霊長類での発現ネットワークについて得られている知識はわずかで、大脳皮質が非常に発達した霊長類では、マウスモデルと異なる可能性があります。この研究は、マウスの非神経性の分泌因子であるOsteocrinは、霊長類では進化の過程に... ...続きを見る

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2017/01/15 00:00
アマゾン低地における過去45000年間の水文気候の変化
 アマゾン低地における過去45000年間の水文気候の変化に関する研究(Wang et al., 2017)が公表されました。アマゾンの森林は、気候変動と生物化学的変動の大部分にたいして、年々から1000年の時間スケールで応答するとともに、影響も及ぼしています。しかし、この地域における過去の気候変動の分解能の高い記録を手に入れるのは難しく、最終氷期極大期(LGM)において、アマゾンの森林が湿潤だったのか、それとも乾燥していたのかについてすら、これまでよく分かっていませんでした。 ...続きを見る

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2017/01/14 00:00
四肢類の指の起源
 これは1月13日分の記事として掲載しておきます。四肢類の指の起源に関する研究(Nakamura et al., 2016)が報道されました。陸上哺乳類の手足は魚の鰭から進化したことが明らかになっています。しかし、鰭のどの部分が指や手首になったかは不明でした。この研究は、熱帯魚ゼブラフィッシュの鰭において、四肢類の肢や指の発生で主要な役割を担っているHox遺伝子の細胞系譜解析とノックアウト解析を行ない、鰭と肢におけるHox遺伝子の機能を比較しました。その結果、HoxAとHoxDの遺伝子クラスター... ...続きを見る

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2017/01/13 00:00
小原嘉明『入門!進化生物学 ダーウィンからDNAが拓く新世界へ』
 これは1月12日分の記事として掲載しておきます。中公新書の一冊として、中央公論新社から2016年12月に刊行されました。本書は、現在の進化学の成果とともに学説史を参照し、進化学がどのように成立・展開してきたのか、分かりやすく解説しています。題名に入門とありますが、日本語で読める進化学の最新の入門書としてたいへん優れていると思います。これは、理論的な問題を扱いつつも、本書があくまでも具体的事例を取り上げて解説しようとしているからでもあるのでしょう。近いうちにまた再読したい一冊です。 ...続きを見る

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2017/01/12 00:00
渉禽類の社会的に同調されたリズムの多様性
 これは1月8日分の記事として掲載しておきます。渉禽類(シギ・チドリ類)の社会的に同調されたリズムの多様性に関する研究(Bulla et al., 2016)が公表されました。生物リズムはあらゆる生物に認められますが、社会性の種では、こうしたリズムを集団内の他の個体と同調させる必要があります。この研究は、あらゆる生物に認められる生物リズムが、社会性の種ではどのように集団内の他の個体と同調しているのか、検証しています。この研究が対象としたのは渉禽類(シギ・チドリ類)32種で、91個体群の729の巣... ...続きを見る

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2017/01/08 00:00
能動的に植物を栽培するアリ
 これは1月6日分の記事として掲載しておきます。能動的に植物を栽培するアリについての研究(Chomicki, and Renner., 2016)が公表されました。菌類を栽培するハキリアリや甲虫類など複数種の動物は、他の生物を世話して育てるという、栽培する互恵関係を発達させました。この研究は、フィジーの島々にいるアリ(Philidris nagasau)が、少なくとも6種のSquamellaria属植物(体を支えるためにほかの植物や樹木に付着して地上で生育し、栄養素を求めて地面まで伸びることのな... ...続きを見る

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2017/01/06 00:00
5本指の四肢動物の進化
 これは1月3日分の記事として掲載しておきます。5本指の四肢動物の進化に関する研究(Kherdjemil et al., 2016)が公表されました。肢が4本の陸上脊椎動物のほとんどは、肢1本につき指趾が5本あり、この数が変異によって変動する場合には例外なく、典型的な5本からの減少が起きます。しかし、「五指性」と呼ばれるこの状態は初めから四肢動物の典型だったわけではなく、初期の四肢動物には、肢1本当たり指趾が6〜8本存在しました。このような「多指性」は、現在では希少な変異でしか見られません。この... ...続きを見る

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2017/01/03 00:00
2億7000万年前頃にさかのぼる昆虫の葉への擬態
 これは12月28日分の記事として掲載しておきます。昆虫の葉への擬態に関する研究(Garrouste et al., 2016)が公表されました。キリギリスの現生種については葉の擬態がよく知られており、それにより捕食者の目の前で身を隠すことができます。これまで、葉の擬態の最古の証拠は中生代(2億5200万〜6600万年前頃)のものであり、キリギリス類自体の起源が、中生代のジュラ紀(2億100万〜1億4500万年前頃)だと考えられていました。この研究は、フランス南東部で出土した、ペルム紀中期となる... ...続きを見る

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2016/12/28 00:00
男女平等と病原体の罹患率の関係
 これは12月14日分の記事として掲載しておきます。男女平等と病原体の罹患率の関係についての研究(Varnum, and Grossmann., 2016)が公表されました。異なる社会間にみられる男女差および社会内にみられる男女差については詳しく調べられているものの、男女平等の程度の変化をもたらす要因については、ほとんど分かっていません。この研究は、米国については1951〜2013年の、英国については1945〜2014年のアーカイブデータを使い、感染症・リソースの不足・戦争・気候ストレスという四... ...続きを見る

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2016/12/14 00:00
寒冷期に多様化した海生甲殻類
 これは12月13日分の記事として掲載しておきます。海生甲殻類の種分化速度と気候変動についての研究(Davis et al., 2016)が公表されました。気候変動により、生物種の生息場所が生息に適さなくなり、絶滅速度が上昇する場合がある一方で、全球気温の上昇により陸生脊椎動物と海生脊椎動物の種分化速度が上昇する、という気候と種分化速度の関係が複数の研究によって明らかになっています。この研究は、過去2億年の異尾下目における種分化速度と気候の関係を調べた結果、種分化速度の顕著な変化が起きたのは過去... ...続きを見る

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2016/12/13 00:00
後期青銅器時代におけるサントリーニ火山噴火後の大洪水の原因
 これは12月10日分の記事として掲載しておきます。後期青銅器時代におけるサントリーニ火山噴火後の大洪水の原因に関する研究(Nomikou et al., 2016)が公表されました。後期青銅器時代のサントリーニ火山噴火による津波は、ミノア文明の終焉につながる一因だったとする見解が提示されており、9 m以上の高波があったことを示す証拠が、ギリシアのクレタ島のミノア遺跡の発掘現場で発見されています。じゅうらいの研究では、カルデラ(火山クレーター)が海側に崩壊したことが噴火後の津波の原因だった、とい... ...続きを見る

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2016/12/10 00:00
じゅうらいの推定よりも多様性の大きい細菌
 細菌(真正細菌)の多様性の見直しに関する研究(Hug et al., 2016)が公表されました。現在、生物の最上位の分類水準とされるドメインでは、細菌(真正細菌)・古細菌・真核生物という3区分が一般的です。じゅうらい、系統樹の作成にさいしては、ヒトを含む真核生物の詳しく分類されている既知の系統に焦点が絞られていましたが、これまで調べられていなかった環境からのゲノム採集やゲノム塩基配列解読の新しい手法が登場し、生命の多様性に関する理解は大きく変化しつつあります。 ...続きを見る

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2016/12/01 00:00
ネオニコチノイド系殺虫剤の野生ミツバチへの長期的影響
 これは11月25日分の記事として掲載しておきます。ネオニコチノイド系殺虫剤の野生ミツバチへの長期的影響に関する研究(Woodcock et al., 2016)が公表されました。すでにネオニコチノイド系薬剤によるミツバチのコロニーへの悪影響は指摘されていますが(関連記事)、これまでの研究のほとんどは、実験的状況で短期的影響だけを調べていました。この研究は、1994〜2011年にかけての、栽培作物であるセイヨウアブラナへのネオニコチノイドの大量使用が、イギリス国内の62種の野生ミツバチの個体数変... ...続きを見る

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2016/11/25 00:00
更科功 『爆発的進化論 1%の奇跡がヒトを作った』
 新潮新書の一冊として、新潮社から2016年9月に刊行されました。本書は生物の進化におけるさまざまな重要点を取り上げ、進化史を解説しています。新書で短い分量なのですが、生物の進化における要点を一般層にも分かりやすく簡潔に解説できているように思います。一般向け書籍であることを強く意識した構成・文体になっており、一般向けの進化史概説としてなかなか興味深い内容になっています。各分野の専門家からは色々と批判があるのかもしれませんが、なかなか興味深く読み進められました。 ...続きを見る

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2016/10/18 00:00
代謝や老化に影響するミトコンドリアDNA
 これは9月17日分の記事として掲載しておきます。ミトコンドリアDNAの代謝や老化への影響に関する研究(Latorre-Pellicer et al., 2016)が公表されました。この研究は、マウスを用いて、ミトコンドリアが、インスリンシグナル伝達・肥満・テロメアの短縮などといったさまざまな生理学的性質に強い影響を及ぼし、その結果平均生存期間に違いが出ることを明らかにしました。病的ではないミトコンドリアDNA多様体でも代謝では幅広い影響をもたらし、高齢期になるとその影響が大きく現れます。この研... ...続きを見る

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2016/09/17 00:00
クローン動物の老化
 これは9月15日分の記事として掲載しておきます。クローンヒツジの健康の影響に関する研究(Sinclair et al., 2016)が公表されました。クローンヒツジのドリーは1996年7月に生まれ、6歳半という比較的若い頃に変形性関節症で死にました。この結果により、クローン動物が普通に生まれた動物よりも早く老化し、より不健康な老化を起こすのではないか、と懸念されました。この研究は、7〜9歳の13頭のクローンヒツジを調べました。そのうち4頭はドリーと同じ乳腺細胞株の核を用いて作製されたクローン動... ...続きを見る

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2016/09/15 00:00
鉄の多い熱水環境で誕生した生物
 これは9月13日分の記事として掲載しておきます。全生物最終共通祖先(LUCA)の誕生した環境に関する研究(Weiss et al., 2016)が公表されました。この研究は、LUCAに起源を持つ可能性のある古代の遺伝子を探すため、原核生物(単細胞)のタンパク質コード遺伝子610万個の進化上の関係を解析しました。この研究の厳しい基準に適合したのは355個のタンパク質群だけでしたが、LUCAが嫌気的(成長に酸素を必要としない)で、高温を好み(比較的高温で繁殖する)、二酸化炭素・窒素・水素を利用して... ...続きを見る

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2016/09/13 00:00
アジアモンスーンの64万年間の記録
 アジアモンスーンの64万年間の記録に関する研究(Cheng et al., 2016)が公表されました。この研究は、ウラン・トリウム年代測定法で測定できる最古の年代に近い64万年前頃までさかのぼる洞窟二次生成物の記録を、中国の洞窟の試料から得ました。これにより、10万年の氷期サイクルが歳差周期の整数(4または5)倍に対応し、日射がモンスーン強度の1000年スケールの変動に影響を及ぼしていることが裏づけられた、と指摘されています。気候変動は人類の進化とも大きく関わっているだけに、今後の研究の進展... ...続きを見る

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2016/08/27 00:00
過去最大の大量絶滅とその後の長い回復期間の要因
 これは8月26日分の記事として掲載しておきます。過去最大の大量絶滅とその後の長い回復期間の要因に関する研究(Clarkson et al., 2016)が公表されました。2億5200万年前頃のペルム紀末期には、地球上の生物多様性の90%が失われ、その後の回復に500万年という長い期間を要した、とされています。この大量絶滅の要因は、硫黄を多く含む有毒な海洋だと考えられてきました。この研究は、鉄スペシエーション法という高精度の化学的手法を用いて、現在のオマーン付近となる新テチス海の堆積物に保存され... ...続きを見る

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2016/08/26 00:00
親の社会的つながりを仔が相続する
 親の社会的つながりの仔への相続に関する研究(Ilany, and Akçay., 2016)が公表されました。社会的相互作用の数・相互作用がネットワーク内のサブグループに集中する程度などといった社会的ネットワークの構造は、情報の流れや病気の蔓延など重要な進化過程と生態学的過程に影響を与えることがあります。しかし、動物界での社会的相互作用の構造の根本原因については解明が進んでおらず、社会的ネットワークの形成のモデル化を試みた過去の研究では、その複雑な構造を再現することができていませんで... ...続きを見る

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2016/08/25 00:00
攻撃の報酬性
 これは8月23日分の記事として掲載しておきます。攻撃の報酬性に関する研究(Golden et al., 2016)が公表されました。攻撃行動の開始に関わる脳領域はすでに明らかになっていますが、攻撃の動機づけまたは報酬の要素の成立に関わるシステムについては、ほとんど明らかになっていません。この研究は、前脳基底部から外側手綱核への抑制性投射が、攻撃のこの面を両方向に制御していることを示しました。この結果は、攻撃性と攻撃性に関連した神経精神疾患の治療のための新たな標的特定への道を開く可能性がある、と... ...続きを見る

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2016/08/23 00:00
父親の養育行動と母親の多産性との関係
 これは8月18日分の記事として掲載しておきます。父親の養育行動と母親の多産性との関係に関する研究(West, and Capellini., 2016)が公表されました。哺乳類のいずれの種でも、雌は大量の資源を仔の養育に投資しますが、雄が雌(母親)に食料を提供することで養育に直接的または間接的に貢献しているのは、哺乳類全種の約10%にすぎません。雄にとって、仔の養育は新たな交尾の機会を諦めることであり、その雄が仔の父親であることの確実性が高まった場合あるいは将来の交尾機会が少ない場合には、雄に... ...続きを見る

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2016/08/18 00:00
人間の判断における偏り
 人間の判断における偏りについての研究(Soltani et al., 2016)が公表されました。人間は通常、複数の証拠を組み合わせて意思決定を行ないますが、各状況下で最大の報酬を伴う選択がどれなのか、という判断が偏ることもあります。こうした意思決定過程に伴う神経機構については、まだよく分かっていませんでした。この研究は、37人の大学生に、異なる結果(報酬)と関連づけられた最大4つの形状の組み合わせを示し、課題を遂行させました。参加者には、形状の組み合わせを次々と示し、報酬の異なる赤・青の2つ... ...続きを見る

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2016/08/10 00:00
恐竜絶滅の要因だったかもしれない煤
 これは8月6日分の記事として掲載しておきます。恐竜絶滅の要因に関する研究(Kaiho et al., 2016)が公表されました。6600万年前頃の恐竜の大量絶滅の要因については、小惑星の衝突により凝縮した硫酸エアロゾルが成層圏に生成した、という仮説が提示されています。この硫酸エアロゾルが酸性雨を引き起こし、太陽光を反射して地球の地表全体を暗黒にした結果、光合成が減ってほぼ凍結状態になった、というわけです。しかし、この仮説ではワニも絶滅していなければなりませんが、ワニは絶滅していません。また、... ...続きを見る

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2016/08/06 00:00
白亜紀末期の大量絶滅の始まりの原因
 これは8月5日分の記事として掲載しておきます。白亜紀末期の大量絶滅の始まりの原因に関する研究(Petersen et al., 2016)が公表されました。6600万年前頃の白亜紀と古第三紀の境界の大量絶滅では、非鳥類型恐竜が地球上の生物種の3/4とともに絶滅しました。その原因については古くから議論が続いており、現在では、巨大隕石の衝突が主原因で、インドのデカントラップ火山地域の噴火を二次的機構とする見解が主流です。しかし、この二つの現象は時期的に近接しており、化石記録も不完全なため、区別して... ...続きを見る

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2016/08/05 00:00
人間社会における正直さと規則違反
 これは8月4日分の記事として掲載しておきます。人間社会における正直さと規則違反についての研究(Gächter, and Schulz., 2016)が公表されました。正直さは全ての人間社会において重要な性格特性の一つです。不正行為や規則違反を抑制する優れた制度は繁栄と発展にきわめて重要ですが、生物界では欺きが多く、人間もその例外ではありません。この研究は、個人レベルでは嘘を検知できないものの、集団レベルでは推測可能な、正直さを調べる行動研究を23ヶ国の若者を対象に行うことにより、規則... ...続きを見る

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2016/08/04 00:00
白亜紀の幼鳥の翼
 白亜紀の幼鳥の翼に関する研究(Xing et al., 2016)が公表されました。この研究は、ミャンマーのカチン州の9900万年前頃の遺跡で発見された、琥珀中に保存された鳥類の骨と羽毛について報告しています。これまでの白亜紀の鳥類の翼と羽衣に関する知識は、二次元化石(炭素質圧縮化石)と琥珀中に保存された羽毛がもたらしたものだったので、この研究で取り上げられた三次元化石標本ほどの情報が含まれていません。その意味で、この発見は重要だと言えるでしょう。 ...続きを見る

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2016/08/01 05:04
超巨大火山の噴火の仕組み
 これは7月22日分の記事として掲載しておきます。超巨大火山の噴火の仕組みに関する研究(Koulakov et al., 2016)が公表されました。スマトラ島のトバ湖は世界最大のカルデラ湖として知られています。74000年前頃のトバの大噴火は人類史上でも最大級の噴火であり、人類も含めて生物に大きな影響を及ぼしたのではないか、と考えられています。トバ大噴火により、初期現生人類(Homo sapiens)は大きな打撃を受け、遺伝的多様性を失ったのではないか、というわけです。しかし、この仮説には反論... ...続きを見る

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2016/07/22 00:00
特定の成鳥の歌に選択的に応答するキンカチョウの幼鳥
 これは7月21日分の記事として掲載しておきます。キンカチョウの幼鳥が、チューターと呼ばれる成鳥(通常は父鳥)の歌(さえずり)に選択的に応答する神経機構の仕組みに関する研究(Yanagihara, and Yazaki-Sugiyama., 2016)が公表されました。キンカチョウの幼鳥は、成鳥のチューターの歌を記憶し、正確に模倣することによって歌を歌えるようになることが知られています。この過程で必要なのは、幼鳥にとってのチューターの歌の特異的な記憶が形成されることですが、この記憶された歌に関連... ...続きを見る

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2016/07/21 00:00
複数の形質に影響する遺伝学的多様体
 これは7月7日分の記事として掲載しておきます。複数の形質に影響する遺伝学的多様体に関する研究(Pickrell et al., 2016)が公表されました。全ゲノム関連解析を実施すると、一つの形質と統計的に関連する遺伝学的多様体、およびその形質をもたらす過程に関係している可能性のある遺伝学的多様体を同定できます。また、複数の形質に関連する多様体は、遺伝子の分子機能と複数の形質間の関係に関して手掛かりをもたらすことがあります。しかし、これまでの複数の形質に関する研究の大部分は、関連のあることがす... ...続きを見る

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2016/07/07 00:00
体色の変化に関連する遺伝子
 これは6月17日分の記事として掲載しておきます。体色の変化に関連する遺伝子についての二つの研究が公表されました。オオシモフリエダシャク(Biston betularia)の体色が黒っぽくなる「工業暗化」と呼ばれる現象は、進行中の生物進化の例として知られています。暗色型(carbonaria)変異体の遺伝学的背景はいまだに明らかになっていませんが、これまでの研究で、この現象に関わる遺伝子の位置が13個の遺伝子を含む約400キロ塩基の領域内にある、というところまでは特定されていました。今回公表され... ...続きを見る

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2016/06/17 00:00
ショウジョウバエの精子が巨大な理由
 これは6月7日分の記事として掲載しておきます。ショウジョウバエの精子が巨大な理由についての研究(Lüpold et al., 2016)が公表されました。ショウジョウバエの雄は体長が3 mmほどですが、精子の長さは5 cmを超えることもあります。性選択を受けている雄は、貴重な資源を少数の巨大精子の生産に投入するのではなく小型の精子を多数作ると考えられるため、ショウジョウバエの精子が巨大な理由はよく分かっていませんでした。この研究は、精子の生産は雄の状態と関係しており、質の高い雄のみが... ...続きを見る

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2016/06/07 00:00
協同的な哺乳類に見られる競争的な成長
 これは6月2日分の記事として掲載しておきます。ミーアキャットの群れにおける競争的成長と「社会的序列」の関係についての研究(Huchard et al., 2016)が公表されました。ミーアキャットは小型の社会性肉食動物で、集団ごとに1対の優位なペアが繁殖を独占しますが、その仔はグループの全ての構成員によって養育されます。繁殖の権利をめぐる競争は激しく、社会的階層構造内の個体の位置づけは、個体のサイズと体重に依存して決まります。この研究は、カラハリ砂漠に生息する野生ミーアキャット自然個体群につい... ...続きを見る

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2016/06/02 00:00
モンゴル軍のハンガリーからの撤退と気候変動の関係
 モンゴル軍のハンガリーからの撤退と気候変動の関係についての研究(Büntgen, and Cosmo., 2016)が公表されました。1242年初頭、モンゴル軍はドナウ川を渡ってハンガリー西部に侵攻しましたが、その2ヶ月後に突然撤退し始め、セルビアとブルガリアを経由する南経路でロシアに戻りました。この理由について議論が続いてきましたが、この研究は、気候変動との関係を指摘しています。この研究は、木の年輪データおよび気候に関する情報を含む文献を用いて、1230〜1250年の環境条件を調べ... ...続きを見る

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2016/06/01 05:36
15億6000万年前の多細胞真核生物化石
 これは5月29日分の記事として掲載しておきます。約15億6000万年前の多細胞真核生物化石に関する研究(Zhu et al., 2016)が公表されました。この研究は、中国北部で発見された167点の化石のうち53点を4種類の形状に分類しました。その結果、約半数が直線形状を有し、残りは楔形・楕円形・舌形であることが明らかになりました。これらの化石は、炭素を豊富に含む圧縮化石として保存されており、最大で長さ30 cm・幅8 cmでした。また、長さ10マイクロメートルの細胞が密に詰め込まれた断片も発... ...続きを見る

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2016/05/29 00:00
キリンの長い首と関連した遺伝子
 これは5月20日分の記事として掲載しておきます。キリンの長い首と関連した遺伝子に関する研究(Agaba et al., 2016)が公表されました。この研究は、ケニアのマサイマラ国立保護区とアメリカ合衆国のナッシュビル動物園の雌のマサイキリン(Giraffa camelopardalis tippelskirchi)2頭と、アメリカ合衆国のホワイト・オーク・ホールディングスの雄のオカピ(Okapia johnstoni)1頭のゲノム全体の塩基配列を解読しました。 ...続きを見る

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2016/05/20 00:00
顔面と頭部の毛髪に関連する遺伝子
 これは5月10日分の記事として掲載しておきます。顔面と頭部の毛髪に関連する遺伝子についての研究(Adhikari et al., 2016)が公表されました。現代人の顔面と頭部における毛髪の外観と分布は、同じ集団内と異なる集団間で有意差が認められますが、こうした差異の遺伝的基盤については、これまで解明があまり進んでいませんでした。この研究は、ヨーロッパ人とアメリカ先住民とアフリカ人の混血のラテンアメリカ人の全ゲノム関連解析を行ない、白髪など頭髪の特徴である形状と色、脱毛、顔面の毛髪の特徴である... ...続きを見る

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2016/05/10 00:00
脊椎動物だった「タリーモンスター」
 これは5月7日分の記事として掲載しておきます。1958年にアメリカ合衆国イリノイ州で発見され、系統関係が不明だった「タリーモンスター」に関する二つの研究が公表されました。約3億年前の軟体性の化石動物「Tullimonstrum gregarium」は「タリーモンスター」として知られており、体は魚類に似ていて、眼は体の両側に突き出た棒状構造の先端にあり、関節のある長い吻の先端に顎があります。「タリーモンスター」の系統発生上の起源については、これまで紐形動物・多毛類の蠕虫・軟体動物・コノドント・ス... ...続きを見る

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2016/05/07 00:00
エピジェネティック因子によるマウスの食餌性肥満の継承
 これは4月29日分の記事として掲載しておきます。エピジェネティック因子によるマウスの食餌性肥満の継承に関する研究(Huypens et al., 2016)が公表されました。有性生殖の生物では、両親は仔に対して遺伝情報をDNAの形で伝えるだけでなく、一生の間に獲得した遺伝物質のエピジェネティックな修飾(DNA塩基配列を変化させずに遺伝子発現に影響を及ぼす可逆的な改変)を伝えることもあります。個体が肥満になるリスクがエピジェネティック因子を受け継ぐことで増加することは、疫学研究とモデル生物研究で... ...続きを見る

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2016/04/29 00:00
親鳥が餌を与えるヒナを選ぶ基準
 これは4月23日分の記事として掲載しておきます。親鳥が餌を与えるヒナを選ぶ基準についての研究(Huypens et al., 2016)が公表されました。親鳥が餌を与えるヒナを選ぶ基準については、ヒナがどの程度強く餌を求めているのか、などといった必要性を伝えるシグナルと、ヒナの体長などといった質を伝えるシグナルのいずれなのか、長年議論が続いてきました。これは、鳥類でも種によっていずれが基準なのか異なるためです。この研究は、143種の鳥類がヒナに餌を与えるさいのヒナ育ての選好性に関する入手可能な... ...続きを見る

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2016/04/23 00:00
自然選択の効率を高める有性生殖
 これは4月22日分の記事として掲載しておきます。コストが掛かるにもかかわらず、有性生殖が広く見られる理由についての研究(McDonald et al., 2016)が公表されました。有性生殖が広く見られる理由については、クローン干渉の低減や、有害変異のヒッチハイクを減らす可能性などが示唆されてきました。この研究は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の実験進化をモデル系として用い、有性生殖集団と無性生殖集団の適応の動態を塩基配列レベルで比較しました。その結果、有性生殖が... ...続きを見る

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2016/04/22 00:00
人間社会における公平性の発達
 これは4月21日分の記事として掲載しておきます。人間社会における公平性の発達に関する研究(Blake et al., 2015)が公表されました。人間は小児期に公平性の感覚を持つようになる、と明らかにされています。しかし、自分が不公平に扱われることの回避(不利な不公平の回避)と、他者が不公平に扱われているのを見ることの回避(有利な不公平の回避)が、文化によってどのように違っているのかはよく分かっていませんでした。この研究は、7つの文化集団を対象にした実験から、不利な不公平の回避は小児期の初期に... ...続きを見る

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2016/04/21 00:00
6世紀〜7世紀の寒冷化と社会変化
 これは4月20日分の記事として掲載しておきます。6世紀〜7世紀の寒冷化と社会変化に関する研究(Büntgen et al., 2016)が公表されました。この研究は、ロシアのアルタイ山脈とヨーロッパのアルプス山脈で得られた年輪の幅の測定を用いて、西暦で紀元後536年〜660年頃は、それ以外の過去2000年間と比較すると、ヨーロッパとアジアでは異常に寒冷であったことを示しました。この寒冷化は一連の大規模火山噴火と関連した気候のフィードバックが原因であり、この急激な寒冷化が農産物の不作と... ...続きを見る

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2016/04/20 00:00
自分の位置を知るための海馬神経ネットワーク
 これは4月19日分の記事として掲載しておきます。動物の脳は動いていない時も自分の位置を追跡し続けているのか、検証した研究(Kay et al., 2016)が公表されました。哺乳類は海馬とそれに隣接する領域を基盤とするナビゲーションシステムを持ち、それによって移動中の自身の位置を追跡し続けています。しかし、動物が移動をやめた時にも脳は位置を追跡するのか、するとしたらどのように行なっているのかは、まだよく分かっていませんでした。この研究は、海馬のCA2領域に独特な海馬ニューロン群があり、覚醒して... ...続きを見る

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2016/04/19 00:00
統語規則に従っている鳥の鳴き声(追記有)
 これは4月8日分の記事として掲載しておきます。鳥の鳴き声が統語規則に従っていることを明らかにした研究(Suzuki et al., 2016)が公表されました。発声のいろいろな要素を組み合わせ、そこから複合的な意味を引き出している合成的統語というプロセスは、これまでヒトの言語においてのみ記録されていました。この研究は、鳥類のシジュウカラ(Parus minor)を対象に検証し、鳥類にも合成的統語が存在することを示すとともに、こうした合成的統語は数少ない鳴き声のレパートリーによって伝達できる意味... ...続きを見る

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2016/04/08 00:00
気候変動により絶滅した魚竜類
 これは3月25日分の記事として掲載しておきます。白亜紀後期に絶滅した魚竜類についての研究(Fischer et al., 2016)が公表されました。魚竜類はイルカに似た爬虫類で、9000万年前頃の白亜紀後期に絶滅しました。魚竜類の絶滅理由については、他の海生爬虫類との競争の激化や、食物資源の減少といった説が提示されています。最近の研究では、絶滅の数百万年前まで魚竜類は多様性の高い種だったことが示唆されています。この研究は、系統発生学的方法を用いて魚竜類の多様性の経時変化を推定し、その推定結果... ...続きを見る

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2016/03/25 00:00
真核生物がミトコンドリアを獲得した時期
 これは3月23日分の記事として掲載しておきます。真核生物がミトコンドリアを獲得した時期についての研究(Pittis, and Gabaldón., 2016)が公表されました。現在の有力説では、真核生物の進化はアーキアに類似した細胞が細菌を取り込んだことがきっかけで始まり、この細菌が後にミトコンドリアになった、と考えられています。一方、真核生物は現在の形へ向かう道をかなり進んだ後になって、後にミトコンドリアとなる細菌を取り込んだ、との説も提示されています。この研究では、ミトコンドリア... ...続きを見る

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2016/03/23 00:00
初期の脊椎動物の脳の進化
 これは3月22日分の記事として掲載しておきます。初期の脊椎動物の脳の進化に関する研究(Sugahara et al., 2016)が公表されました。脊椎動物の脳は、系統的に近い被嚢動物や頭索動物といった無脊椎動物の脳と比較してはるかに複雑なので、その起源や発生について議論されてきました。祖先的な脊椎動物である無顎類のヤツメウナギも祖先的な脳を持つと考えられており、とくにヤツメウナギの胚は、内側基底核隆起と呼ばれる構造が欠損したマウス変異体と似た特徴を持つと考えられています。 ...続きを見る

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2016/03/22 00:00
捕食者への恐怖が食物網に及ぼす影響
 これは3月20日分の記事として掲載しておきます。捕食者への恐怖が食物網に及ぼす影響についての研究(Suraci et al., 2016)が公表されました。最上位捕食者の存在は、生態系内に連鎖反応的な影響を及ぼすことがあります。その被食者の個体数が減る一方で、被食者の餌となり、あるいは被食者と競合する他の生物の個体数は増える、というわけです。捕食されることに恐怖を抱く動物が本来の生態系を離脱する場合には、捕食者への恐怖と捕食者を回避する行動は、捕食行動と機能的に類似した効果を持つ可能性がありま... ...続きを見る

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2016/03/20 00:00
地球上の海水が宇宙に流出する可能性
 地球上の海水が宇宙に流出する可能性についての研究(Popp et al., 2016)が公表されました。太陽光度が上昇し続け、地球への太陽放射量が増加していくと、地表の温度は上昇を続け、液体の水が不安定になるレベルに達し、海洋・河川・湖沼の水分は蒸発して大気中に放出され、最終的には宇宙に流出して地球は居住不能になる、と予測されています。しかし、二酸化炭素などの温室効果ガスの大気中濃度が大きく上昇することによっても、水の豊かな惑星の居住可能性が損なわれる可能性があるのか、という点はこれまで解明さ... ...続きを見る

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2016/03/18 00:37
氷期の始まりを判断するための臨界日射量と二酸化炭素の関係
 これは3月9日分の記事として掲載しておきます。氷期の始まりを判断するための臨界日射量と二酸化炭素の関係についての研究(Ganopolski et al., 2016)が公表されました。氷期が始まる条件はまだよく分かっていません。近年の北半球の日射パターンは他の氷期の開始期に伴うことが多かったパターンに似ていたのですが、氷期は始まりませんでした。この研究は、氷床コアの証拠から絞り込まれた中程度に複雑な気候モデルを用い、任意の大気中二酸化炭素濃度について、氷期が始まる契機となるのに必要な日射量を定... ...続きを見る

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2016/03/09 00:00
珍渦虫類の分類
 これは3月8日分の記事として掲載しておきます。これまで大西洋で2種発見されていた珍渦虫類の分類についての二つの研究が公表されました。深海に生息する平たい蠕虫である珍渦虫類は、集中型の神経系も体腔や肛門も生殖器官も持っておらず、分類や進化史上の位置づけが難しくなっています。体の構造が単純な珍渦虫類には、一方でヒトを含む動物群である新口動物の一員であるように見える特徴もあります。そのため、珍渦虫類が新口動物だとすると、その構造の単純さは、珍渦虫類でのみボディープランが大幅に単純化されたか、もしくは... ...続きを見る

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2016/03/08 00:00
カラスにも見られる「心の理論」
 霊長類にだけ見られるとも言われてきた「心の理論(自分以外の個体の精神状態を予測する能力)」がカラスでも確認されたことを報告する研究(Bugnyar et al., 2016)が公表されました。カラス科のアメリカカケス(Aphelocoma californica)に関しては、鳥類に基礎的な「心の理論」があるのか否か検証した以前の研究により、備蓄しておいた食料を盗むかもしれない競争相手の鳥に見られていると推測できることが明らかにされています。しかし、これまでの研究では、競争相手の視線をたどって、... ...続きを見る

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2016/02/10 00:10
複雑な構造の目を使って捕食していた中期ジュラ紀の節足動物
 これは2月9日分の記事として掲載しておきます。複雑な構造の目を使って捕食していた中期ジュラ紀の節足動物に関する研究(Vannier et al., 2016)が公表されました。この研究は、フランス南東部で発掘された保存状態のきわめて良好な約1億6000万年前の海洋節足動物の一種(Dollocaris ingens)について報告しています。走査電子顕微鏡法とエネルギー分散型X線分光法により、この節足動物の目とその他の内臓器官の構造が可視化されました。その結果、この節足動物には全身の長さの約1/4... ...続きを見る

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2016/02/09 00:00
食餌が腸内微生物相に及ぼす影響
 食餌が腸内微生物相に及ぼす影響についての研究(Sonnenburg et al., 2016)が公表されました。人類史上、食餌は大きく変化しており、たとえば西洋型の生活様式の集団における食物繊維摂取の減少は、腸内微生物相の多様性の一般的な減少と並行している、と指摘されています。食物繊維に豊富に含まれるMAC(microbiota-accessible carbohydrate)は遠位腸内微生物相にとって炭素やエネルギーの主要な供給源であり、この研究は、低MAC食を摂取させたマウスにおいては腸内... ...続きを見る

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2016/02/05 00:17
ミツバチの攻撃性を抑制する花の匂い
 ミツバチの攻撃性を抑制する花の匂いに関する研究(Nouvian et al., 2015)が公表されました。ミツバチの個体間コミュニケーションは化学シグナルを介して行われており、同じ巣の仲間に危険の源への注意を喚起するための警報フェロモンを分泌し、それを受けたミツバチが攻撃的な行動をとるようになります。この研究は、羽根を回転させる装置によってミツバチを苛立たせることで誘発される毒針攻撃の回数を測定し、花の匂いから一般的に検出されるリナロールと2-フェニルエタノールという化合物が、ラベンダーの匂... ...続きを見る

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2016/02/02 00:00
タイセイヨウサケの体のサイズを決める単一遺伝子座の性差
 これは1月29日分の記事として掲載しておきます。タイセイヨウサケ(Salmo salar)の体のサイズを決める単一遺伝子座の性差に関する研究(Barson et al., 2015)が公表されました。この研究は、タイセイヨウサケの成熟年齢についてゲノム規模の関連研究を行ない、成熟に達する年齢のばらつき、および重要な漁獲対象種の基本的形質の一つである体サイズのばらつきに、単一の遺伝子VGLL3が強い影響を及ぼすことと、VGLL3遺伝子座は性依存的優性の一例であり、雄では早めの成熟を、雌では遅めの... ...続きを見る

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2016/01/29 00:00
酸性化した土壌での生物多様性の回復
 これは1月27日分の記事として掲載しておきます。酸性化した土壌での生物多様性の回復に関する研究(Storkey et al., 2015)が公表されました。人間活動による大気中窒素の増加は草原の生物多様性が低下する原因となっていますが、窒素量が減った場合にこうした生物多様性がどの程度回復できるのかは不明でした。この研究は、イギリスのロザムステッド研究所で長期にわたって行われているパークグラス実験のデータを用い、25年前にイギリスの大気中窒素量が低下し始めて以来、土壌の酸性度が最も高い区画を除く... ...続きを見る

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2016/01/27 00:00
タンジーア諸島における陸塊の喪失
 これは1月20日分の記事として掲載しておきます。タンジーア諸島における陸塊の喪失に関する研究(Schulte et al., 2015)が公表されました。アメリカ合衆国バージニア州チェサピーク湾にあるタンジーア諸島は、最も大きなタンジーア島をはじめとしていくつかの島々によって構成されており、18世紀にヨーロッパ人が入植しました。2013年時点でのタンジーア諸島の人口は727人です。この研究は、タンジーア諸島に関して、1850〜2013年に作成された航空写真と座標参照系を使用した地図を解析し、1... ...続きを見る

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2016/01/20 00:00
限定的だった大規模噴火による硫黄の環境への影響
 これは1月19日分の記事として掲載しておきます。大規模噴火による硫黄の環境への影響に関する研究(Schmidt et al., 2016)が公表されました。二酸化硫黄は気候寒冷化と酸性雨を含む環境の酸性化をもたらすことが明らかになっています。洪水玄武岩噴出のさいに、最大で数百万㎦の溶岩が二酸化硫黄などの火山性ガスと共に数十万年にわたって噴出しました。多くの洪水玄武岩の噴出は大量絶滅事象と一致しており、大量の二酸化硫黄の放出が白亜紀−古第三紀およびペルム紀末の大量絶滅に寄与した可能... ...続きを見る

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2016/01/19 00:00
前近代に変化していた生態学的群集の共在構造
 これは1月14日分の記事として掲載しておきます。生態学的群集の共在構造の変化に人類が影響を与えていたことを示した研究(Lyons et al., 2016)が公表されました。生態学的群集はランダムに構成されているわけではなく、一部の種は偶然による予測値よりも高頻度もしくは低頻度で他の種と共存しています。この研究は、過去3億年の間に存在した80の集合体に含まれる動植物種のペア30万組以上の共存パターンを調べました。その結果、有意に近接または分離している種ペアの相対的比率は3億年にわたって安定して... ...続きを見る

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2016/01/14 00:00
衛星の分解により誕生するかもしれない火星の輪
 これは1月12日分の記事として掲載しておきます。火星に輪が誕生するかもしれないことを指摘した研究(Black, and Mittal., 2015)が公表されました。火星の二つの衛星のうちの大きい方であるフォボスは、じょじょに地球から螺旋状に遠ざかっていく月とは違って、じょじょに火星の方に向かって螺旋状に回っています。その結果、内側に移動していく衛星で予想されるように、フォボスは火星の重力により増大する潮汐応力によって分裂するか、あるいは火星に衝突するかのどちらかだろう、と考えられています。 ... ...続きを見る

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2016/01/12 00:00
末梢疼痛の早期発症の原因となる遺伝的変異
 これは1月8日分の記事として掲載しておきます。末梢疼痛の早期発症の原因となる遺伝的変異に関する研究(Leipold et al., 2015)が公表されました。人間の末梢疼痛は寒さによって悪化します。この研究は、末梢疼痛の患者のいるヨーロッパ系の3世代にわたる家系を調べ、この家系に属する2人について全エキソーム塩基配列解読を行ないました。その結果、ナトリウムイオンチャネルを修飾して、感覚ニューロンの興奮性を変化させる特異的な遺伝的変異が同定されました。気温が低下すると感覚ニューロンの活動が低下... ...続きを見る

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2016/01/08 00:00
環境変化の影響からの回復力が低下したイギリスの生態系
 これは1月7日分の記事として掲載しておきます。イギリスの生態系の回復力の変化に関する研究(Oliver et al., 2015)が公表されました。この研究は、合計4400種以上となる、イギリスの過去40年間の鳥類・哺乳類・無脊椎動物・植物の生息数のトレンドを解析し、生態系においてどの生物種がどの機能を果たすのか、同定しました。その結果、花粉媒介・害虫の防除など重要な機能を果たすことのできる生物種群の規模が著しく縮小しており、その一方で、維管束植物のように炭素隔離に関連する機能を果たす生物種群... ...続きを見る

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2016/01/07 00:00
西サハラの砂漠にかつて存在した川
 これは1月5日分の記事として掲載しておきます。西サハラの砂漠にかつて広大な河川網が存在したことを明らかにした研究(Skonieczny et al., 2015)が公表されました。現在の西サハラには主要な河川系はなく、絶えず移動する砂丘しかありません。しかし近年、西サハラ沖では、深海で河川によって運ばれた微細粒が、大陸棚では大規模な海底谷が発見されたことで、西アフリカにはかつて主要な河川系が存在していた、と考えられています。しかし、これまで陸上においてそうした広大な河川網の直接的証拠は得られて... ...続きを見る

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2016/01/05 00:00
マダガスカル島以外の冬眠する霊長類
 これは1月4日分の記事として掲載しておきます。マダガスカル島以外に冬眠する霊長類が生息している可能性を報告した研究(Ruf et al., 2015)が公表されました。冬眠は、24時間を超える長さの休眠状態(体温と代謝活性の低下)の発生と定義されています。これまでに、マダガスカル島のキツネザルが冬眠すると報告されており、霊長類の冬眠はマダガスカル島に限定されている、と考えられていました。この研究は、ベトナム北部の屋外の囲いで飼育されている5匹のピグミースローロリスの深部体温を秋・冬・春にわたっ... ...続きを見る

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2016/01/04 00:00
蠕虫に似たカンブリア紀の生物
 これは12月24日分の記事として掲載しておきます。蠕虫に似たカンブリア紀の生物関する研究(Zhang et al., 2015)が公表されました。動吻動物の分類群には、海洋環境に生息する約240種の現生無脊椎動物種が含まれています。動吻動物の胴体は、頭部(1つの口円錐と複数の歯の小円盤を含みます)・頚部・11個の体節からなる胴部の3つの部分に分かれています。そのため、動吻動物は体節の起源の手がかりとなる可能性がありますが、保存状態の良好な動吻動物の化石がないため、研究の妨げになっていました。 ... ...続きを見る

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2015/12/24 00:00
マウスの味覚
 これは12月23日分の記事として掲載しておきます。マウスの味覚に関する研究(Peng et al., 2015)が公表されました。哺乳類では、舌の味覚受容器細胞からの情報は、神経系の複数の中継点を経由し、脳の一次味覚野へと伝達されます。すでに、齧歯類の味覚野では苦味と甘味が別々の領域に投影されることが明らかになっています。この研究は、覚醒状態のマウスにおいて、これらの異なる皮質領域の活動を直接的に操作し、マウスの内部表現・知覚・行動を制御して、味覚領域が学習や経験とは無関係に欲求反応・嫌悪反応... ...続きを見る

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2015/12/23 00:00
ニホンヤモリの遺伝子
 これは12月21日分の記事として掲載しておきます。ニホンヤモリ(Gekko japonicus)の遺伝子に関する研究(Liu et al., 2015)が公表されました。この研究はニホンヤモリの雄の成体のゲノム全体の塩基配列を解読し、25.5億塩基のゲノム配列を得ましたが、これはゲノム解析された爬虫類のゲノムとしては最大になるそうです。ニホンヤモリには22487個の遺伝子が含まれており、その位置と機能が同定されました。たとえば、βケラチン遺伝子ファミリーのサイズの増大が、接着力を有する剛毛(獲... ...続きを見る

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2015/12/21 00:00
脊椎動物の神経堤の起源
 これは12月12日分の記事として掲載しておきます。脊椎動物の神経堤の起源に関する研究(Stolfi et al., 2015)が公表されました。脊椎動物を他と分かつ特徴の多くは、神経堤と呼ばれる胚組織に由来します。神経堤は発達中の神経板境界部に生じ、体内を遊走します。じゅうらい、尾索動物(被嚢類)や頭索動物など脊椎動物に最も近い無脊椎動物に、神経堤に相当する痕跡は知られていませんでした。しかし最近になって、脊椎動物特有の神経堤関連遺伝子と同系の遺伝子が神経板縁細胞で発現しているという証拠が見つ... ...続きを見る

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2015/12/12 00:00
乳幼児期の言語経験と脳への長期持続的な影響
 これは12月9日分の記事として掲載しておきます。乳幼児期の言語経験と脳への長期持続的な影響についての研究(Pierce et al., 2015)が公表されました。生後1年間の脳は五感を通して外界に関する情報を収集し、保存するよう高度に調整されており、その時に接する言語の音声に適応し、その音声の神経表現が確立されます。しかし、このような乳幼児期の経験が、その後の人生における第2言語の神経処理にどのような影響を及ぼすのかは、明らかになっていませんでした。 ...続きを見る

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2015/12/09 00:00
生物種の絶滅と生息状況との関係
 これは12月8日分の記事として掲載しておきます。生物種の絶滅と生息状況との関係についての研究(Keil et al., 2015)が公表されました。生息地の減少は生物種の絶滅の要因の一つとされています。生息地の減少に関して問題とされてきたのは、都市圏や農地の拡大といった人為的要因です。個々の生物種に対する影響は生息地減少量と生息地内での分布状況によって異なっていますが、生物種の絶滅と生息地の減少との関係の研究ではこれまで、生息地面積の減少だけが考慮され、生息域のどこが失われたのかは考慮されてき... ...続きを見る

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2015/12/08 00:00
食物資源とカレドニアガラスの社会的相互作用の関係
 これは12月2日分の記事として掲載しておきます。食物資源とカレドニアガラスの社会的相互作用の関係についての研究(Clair et al., 2015)が公表されました。カレドニアガラスは、小枝や大枝などといった道具を使って樹皮の穴を調べ、餌となる昆虫を探すことが知られています。そうした技能は、それを見ていた他のカレドニアガラスへ社会的学習によって伝わると考えられていますが、どの程度の知識が伝達されるのかということは、群れの中での社会的相互関係の構造に依存している可能性が高い、と考えられています... ...続きを見る

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2015/12/02 00:00
遺伝的性決定機構から予測される四肢類の成体の性比
 これは11月24日分の記事として掲載しておきます。遺伝的性決定機構と四肢類の成体の性比に関する研究(Pipoly et al., 2015)が公表されました。動物では、個体群動態・行動・生態のさまざまな側面が個体群中の成体の性比に左右され、自然界では成体の性比にかなりの変動がありますが、そうした変動の原因は明確ではありません。この研究は、四肢類344種(鳥類・哺乳類・爬虫類・両生類)を分析し、雌ヘテロ型(雌が2種類の性染色体を持つ)のタクソンでは性比が雄に偏る傾向があることを示しました。ただ、... ...続きを見る

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2015/11/24 00:00
キングペンギンに見られる異常気象の影響
 これは11月14日分の記事として掲載しておきます。キングペンギンに見られる異常気象の影響に関する研究(Bost et al., 2015)が公表されました。エルニーニョなどの異常気象による海面水温の変動が南極前線(プランクトンと魚類の大きなバイオマスが存在する、暖水と冷水の主要な環境的境界)での生態学的過程にどのような影響を及ぼすのかは不明でした。この研究は南インド洋において、衛星発信器を取り付けられたキングペンギンの採餌旅行を16年間追跡調査しました。 ...続きを見る

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2015/11/14 00:00
高濃度の二酸化炭素環境における海洋微生物の不可逆的変化
 これは11月8日分の記事として掲載しておきます。高濃度の二酸化炭素環境における海洋微生物の不可逆的変化に関する研究(Hutchins et al., 2015)が公表されました。全球的に重要な海洋シアノバクテリアは、大気中の窒素を固定し、他のプランクトン種が利用しやすい物質に変換することで、世界中の海洋の肥沃化に重要な役割を果たしています。これまでの研究では、大気中二酸化炭素濃度を高い状態にして特定のシアノバクテリアを増殖させた場合に、窒素固定速度が上昇することが分かっていたものの、それが長期... ...続きを見る

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2015/11/08 00:00
尾索動物に見られる頭部の原型
 これは11月7日分の記事として掲載しておきます。尾索動物に見られる頭部の原型についての研究(Abitua et al., 2015)が公表されました。脊椎動物と他の動物、とくに最も近縁な尾索動物(被嚢類)とを区別する上で分かりやすい特徴は、眼・耳・鼻といった特殊な感覚器官を備えた頭部の存在とされています。この研究は、尾索動物に頭部の原型は存在するのか、検証しています。その結果、尾索動物のカタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)に、脊椎動物の特殊な感覚器官の基盤を作る神経プラコー... ...続きを見る

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2015/11/07 00:00
閉経年齢に関連する遺伝子多様体
 女性の閉経年齢に関連する遺伝子多様体についての研究(Day et al., 2015)が公表されました。40歳までに閉経を迎える女性については、乳がんを発症する確率が低いものの、他の合併症(骨粗鬆症・心血管疾患・2型糖尿病など)を発症する確率が高いと考えられています。自然閉経の年齢が決まるさいには遺伝的要因が役割を果たしていますが、それと関連する遺伝子の全容も他の疾患の発症危険性にたいする遺伝的要因の寄与も、これまでじゅうぶんには解明されていませんでした。 ...続きを見る

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2015/11/04 00:15
ヨーロッパにおける身長とBMIの遺伝的関係
 ヨーロッパにおける身長とBMI(ボディマス指数)の遺伝的関係に関する研究(Robinson et al., 2015)が公表されました。この研究は全ゲノム関連解析のデータを用い、ヨーロッパ14ヶ国の9416人の身長とBMIの差異について調べました。その結果、身長とBMIに対する過去の自然選択によって各国間の遺伝的差異が生じたことが明らかになりました。平均すると、身長の遺伝的変動の24%とBMIの遺伝的変動の8%が、遺伝的地域差によって説明可能だった、とのことです。 ...続きを見る

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2015/11/01 00:00
生物が複雑化した後期エディアカラ紀
 比較的大きい巨視的な生物が化石記録に初めて多数現れた後期エディアカラ紀(5億8000万〜5億4100万年前)の化石についての研究(Mitchell et al., 2015)が公表されました。この研究は、そうした巨視的な生物のなかでも、分枝したシダの葉のような要素を持つ固着性海洋生物「rangeomorph」の一つである「Fractofusus」の生物学的特性を検証しています。「Fractofusus」は走根(イチゴ植物体の「吸枝」に似たもの)のような構造体を用いて無性的に増殖し、繁殖体が水に... ...続きを見る

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2015/10/30 00:24
発生段階により集団内の役割の異なる海洋浮遊生物
 発生段階により集団内の役割の異なる海洋浮遊生物についての研究(Costello et al., 2015)が公表されました。この研究は、クダクラゲ目の「physonect siphonophore」という動物のコロニーでの移動における発生段階別の役割を解明しています。「physonect siphonophore」はクラゲ・イソギンチャク・サンゴと近縁のゼラチン状の浮遊生物で、複雑なコロニーレベルの構造を形成して海中を移動しています。「physonect siphonophore」の一種である... ...続きを見る

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2015/10/29 00:32
擬態により種子を散布させる植物
 擬態によりフンコロガシ(Epirinus flagellatus)に種子を散布させる植物についての研究(Midgley et al., 2015)が公表されました。この研究は、南アフリカ共和国のケープ地方南部のデフープ自然保護区の植物(Ceratocaryum argenteum)の堅果が、近縁種のものよりも大きくてアンテロープの糞に似た強烈な臭いを放ち、フンコロガシに散布させて地中に埋めさせることを明らかにしています。この堅果は硬すぎるため、フンコロガシが食べたり産卵したりすることはできず、... ...続きを見る

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2015/10/27 00:00
中生代の哺乳類化石の軟部組織
 スペインで発見された中生代の哺乳類化石の軟部組織に関する研究(Martin et al., 2015)が公表されました。この研究は、絶滅した初期哺乳類の一群である真三錐歯類(eutriconodont)の1億2500万年前の化石を報告しています。この化石には軟部組織が保存されており、これはその最古の事例となります。「Spinolestes xenarthrosus」と命名されたこの化石には、毛皮・外耳およびハリネズミやトゲマウスに見られるような背中の細かい棘毛などの皮膚構造といった、典型的な哺... ...続きを見る

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2015/10/23 00:41
卵殻から推定される恐竜の体温
 卵殻から推定される恐竜の体温についての研究(Eagle et al., 2015)が公表されました。この研究は、卵殻化石の炭素塩中に含まれる同位体の組成を用いて、排卵期の雌の体温を決定できることを明らかにしました。卵殻は体内深部の卵管下部で産生されるため、中核体温を反映しています。この研究は、現生の鳥類と爬虫類の一連の卵殻の同位体を検査し、体温の測定結果との関係を調べました。次にこのマトリックスを利用して、白亜紀後期(約8000万〜7000万年前)の大型竜脚類である首の長いティタノサウルス類と... ...続きを見る

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2015/10/17 00:51
母親の身体的状態と仔の性比
 母親の身体的状態と仔の性比についての研究(Schindler et al., 2015)が公表されました。身体的状態の良好な母親は雄の仔を多く産む傾向があり、状態の不良な母親は雌の仔を多く産む傾向がある、との見解が1973年に提示されましたが、その後に実証の裏づけはほとんど得られていませんでした。この研究は、その見解の根拠となった一夫多妻制で性的二型性を示す種では、一般的に雌よりも雄の方が死亡率が高く、それが従来の研究で考慮されていなかったのではないか、と指摘しています。この研究は、死亡率・年... ...続きを見る

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2015/10/15 00:53
マウス遺伝子の機能解明
 マウス遺伝子の機能を解明した研究(Angelis et al., 2015)が公表されました。この研究は、マウス遺伝子320個の既知の変異の表現型を全て解析しました。その結果、体重・代謝関連形質・行動関連形質など413の形質が計測され、これまで機能が明らかになっていなかった179個の遺伝子のうちの152個について、関連する表現型が同定されました。たとえば、脳内で発現する「Elmod1」遺伝子については、その変異が絶食時血糖値の低下・低体重・行動異常(驚愕反応低下・活動性の亢進など)と関連してい... ...続きを見る

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2015/10/07 00:10
歯のエナメル質の起源
 歯のエナメル質の起源に関する研究(Qu et al., 2015)が公表されました。エナメル質は脊椎動物に特有の組織で、現在は歯に付随しています。しかし、原始的な化石魚類の多くは、鱗上にガノインというエナメル様の組織を有しています。そのため、エナメル質は歯で出現して鱗に広がったのか、それともその逆だったのか、という問題が提起されていました。この研究は、化石魚類Psarolepisの標本と、硬鱗(ガノイン鱗)を身にまとう現生魚類ガーについて調べた結果、ガノインがエナメル質と相同であり、おそらく皮... ...続きを見る

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2015/10/03 00:15
奇形のプランクトンから見えてくる大量絶滅の要因
 奇形のプランクトンと大量絶滅の関係についての研究(Vandenbroucke et al., 2015)が報道されました。4億2000万年以上前のオルドビス紀-シルル紀の大量絶滅は間欠的に起こり、当時は、大部分の生物が海の中で繁殖し、陸上で生き延びた生物はわずかだった、とされています。これまでの研究で示されたモデルでは、この大量絶滅の原因は気候の寒冷化と生息地の減少だと示唆されていましたが、こうしたモデルでは、古生物学的観察結果と地球化学的観測結果を説明できない、と指摘されています。 ...続きを見る

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2015/10/01 00:00
食餌と進化歴により形成されるクジラの腸内微生物叢
 これは9月29日分の記事として掲載しておきます。クジラの腸内微生物叢に関する研究(Sanders et al., 2015)が公表されました。食餌は哺乳類の腸内微生物叢の構成を決める大きな要因の一つです。しかし、進化的近縁関係にあるクマとジャイアントパンダは、食餌が大きく異なるのに腸内微生物叢の全体的な構成が似ています。これは、腸内微生物叢の構成には進化的近縁関係も影響を及ぼしていることを示唆しています。この研究は、魚類や甲殻類を餌とするヒゲクジラ類と、その進化的近縁系統となるウシやカバといっ... ...続きを見る

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2015/09/29 00:00
淡水の酸性化がカラフトマスに及ぼす影響
 これは9月27日分の記事として掲載しておきます。淡水の酸性化がカラフトマスに及ぼす影響についての研究(Ou et al., 2015)が公表されました。二酸化炭素濃度の上昇により引き起こされる海洋の酸性化が海洋生態系に影響を及ぼすことは予想されていますが、淡水生態系に関してはこれまであまり注目されてきませんでした。この研究は、食資源として重要なカラフトマスの胚と稚魚を、二酸化炭素濃度の現在値とより高濃度の将来予測値で10週間にわたって育ててから海水に移しました。 ...続きを見る

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2015/09/27 00:00
真核生物遺伝子における原核生物遺伝子の起源
 これは9月24日分の記事として掲載しておきます。真核生物遺伝子における原核生物遺伝子の起源に関する研究(Ku et al., 2015)が公表されました。真核生物ゲノムに見られる原核生物遺伝子は、原核生物が細胞内共生によって細胞小器官となった後にゲノム内に入り込んだ、と長年考えられてきました。しかし近年になって、真核生物同士の間でも原核生物と真核生物の間でも、遺伝子水平伝播がかなりの程度で起こっている、と示唆されています。この研究は、細菌・古細菌・真核生物のゲノムを解析し、持続的な遺伝子水平伝... ...続きを見る

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2015/09/24 00:00
シーラカンスの肺
 これは9月19日分の記事として掲載しておきます。シーラカンスの肺に関する研究(Cupello et al., 2015)が公表されました。シーラカンスの化石種には、浅い海への適応と考えられている特有の「石灰化した肺」がありますが、現生種(Latimeria chalumnae)にはそれがなく、現生種の解剖学的構造に化石種の名残があるのか否か、まだ確認されていませんでした。この研究は、X線断層撮影法という画像化技術を用い、シーラカンスの現生種の肺の五つの発生段階を三次元的に再構成しました。その結... ...続きを見る

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2015/09/19 00:00
マッコウクジラの学習
 これは9月16日分の記事として掲載しておきます。マッコウクジラの学習に関する研究(Cantor et al., 2015)が公表されました。マッコウクジラは、家族単位内の個体が集合してより大きな群れを形成しています。マッコウクジラは人間と同様に複数の水準の集団を形成している、というわけです。マッコウクジラの群れは、クリック音のレパートリーのパターンの類似性で区別できますが、海中には各集団を分離する物理的障壁がないにも関わらず、数々の群れが生じる過程は十分に解明されていません。 ...続きを見る

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2015/09/16 00:00
熱帯の山の生物相の進化
 熱帯の山の生物相の進化に関する研究(Merckx et al., 2015)が公表されました。ボルネオ島のキナバル山は他の熱帯山地と同様に生物多様性ホットスポットとなっており、標高によって隔離された固有種が多数存在します。この研究は、キナバル山のカエル類・昆虫・顕花植物・シダ類・真菌類などを含む生物相全体の標本採取を行ない、DNAバーコーディング法により、キナバル山に生息する種の大半はこの山の600万年という年齢よりも新しく、生態的地位を高地に移した低地種の近縁種であるか、他の高地に由来する長... ...続きを見る

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2015/09/09 00:00
多嚢胞性卵巣症候群の遺伝学的性質
 多嚢胞性卵巣症候群の遺伝学的性質についての研究(Hayes et al., 2015)が公表されました。多嚢胞性卵巣症候群は遺伝性が高く、全世界で女性の最大15%が罹患し、健康と生殖能力に悪影響が及んでいると考えられています。この研究は、ヨーロッパ系女性のコホートを対象とした全ゲノム関連解析を行い、多嚢胞性卵巣症候群に関連した一塩基多型および変異したと考えられる遺伝子を同定しました。その結果、ヨーロッパ系女性に特有の2つの座位が同定され、中国人コホートの研究ですでに判明していた一つの座位が確認... ...続きを見る

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2015/09/04 00:00
雄のニワトリが夜明けに鳴く順番(追記有)
 雄のニワトリが夜明けに鳴く順についての研究(Shimmura et al., 2015)が報道されました。雄のニワトリは夜明けに鳴くことが知られています。この研究は、そのさいの順番が社会的序列の高い雄のニワトリからであることを明らかにしました。ニワトリは高度に社会的な動物であり、集団の中で階層を形成し、序列が上の雄が食物・交尾する権利・巣とねぐらなどに関して優先権を握っていることがあります。雄のニワトリの夜明けの鳴き声は、周囲のニワトリに対して縄張りの境界線に関する警告を発し、攻撃的相互作用の... ...続きを見る

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2015/09/02 00:00
中央アジアにおける氷河の減少
 中央アジアにおける氷河の減少についての研究(Farinotti et al., 2015)が公表されました。この研究は、人工衛星データ・現地観測・氷河学的モデルを組み合わせて、1961年〜2012年における天山地域全体の個別の氷河質量変動を再現しました。その結果、天山地域全体で過去50年間に氷河全体質量の25%以上が失われたことが明らかになりました。これは、この期間における全球平均のおよそ4倍以上となり、夏季の融解が増加したことと関連づけられています。現在の気候モデルの予測によると、今後10年... ...続きを見る

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2015/08/30 00:00
ネオニコチノイド系薬剤によるミツバチのコロニーへの影響
 ネオニコチノイド系薬剤によるミツバチのコロニーへの影響に関する研究(Budge et al., 2015)が公表されました。この研究は、2000〜2010年のイングランドとウェールズにおける農薬使用量・土地利用・セイヨウアブラナ(Brassica napus)の収量・気象条件・ミツバチのコロニー消失について記述されたデータセットを解析しました。その結果、セイヨウアブラナに使用されるイミダクロプリド(ネオニコチノイド系殺虫剤の一種)の量的増加とミツバチのコロニー消失の増加が相関していることが明ら... ...続きを見る

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2015/08/23 00:00
イヌ科動物の進化と気候変動の関係
 イヌ科動物(オオカミとキツネを含む肉食動物)の進化と気候変動の関係についての研究(Figueirido et al., 2015)が公表されました。この研究は、過去3700万年間の北アメリカ大陸のイヌ科動物の化石記録を検証し、その進化に気候変動が関係している、と指摘しています。古気候学の研究から、新生代後期に高温多湿な気候から現代の気候に近い寒冷な気候へと大きく変化し、漸新世の終わり(2700万年前〜2300万年前)にかけて草地が増えたことが明らかになっています。 ...続きを見る

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2015/08/21 00:00
ピーナッツアレルギーに関連する遺伝的変異
 ピーナッツアレルギーの発生リスクに関連する遺伝的変異についての研究(Hong et al., 2015)が公表されました。この研究は、食物アレルギーと関連する遺伝子多様体を同定するため、合計約3000人となる子供とその親の遺伝子型判定を行いました。その結果、卵アレルギーと牛乳アレルギーに関連する遺伝子多様体は見つからなかったものの、ピーナッツアレルギーに関しては、DNAの特定の変異およびHLA-DRとDQ両遺伝子領域のエピジェネティック変化のレベルと強く関連していることが明らかになった、とのこ... ...続きを見る

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2015/08/19 00:00
遺伝的変異率の変動要因
 遺伝的変異率の変動要因についての研究(Yang et al., 2015)が公表されました。この研究は、変異率がゲノム内でなぜ異なるのかを明らかにするために、シロイヌナズナ(Arabidopsis)・イネ・ミツバチにおける変異率のゲノム内変動を、親子の塩基配列を解読することで直接検証しました。その結果、ホモ接合領域よりもヘテロ接合や乗り換え現象近傍で変異率が高くなっていることが明らかになりました。変異率は浄化選択下にある遺伝子クラスター(一般にホモ接合)では低く、平衡選択下にある遺伝子クラスタ... ...続きを見る

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2015/08/16 00:00
夢と覚醒時の視覚処理との類似性
 夢と覚醒時の視覚処理との類似性を報告した研究(Andrillon et al., 2015)が公表されました。人間はレム(急速眼球運動)睡眠中に夢を見ることが知られています。この研究は、19人の被験者を対象にして、睡眠時と覚醒時、また視覚刺激を受けた場面で急速眼球運動を起こした時に、脳の内側側頭葉(長期記憶の形成にとって重要な領域)の個々のニューロンが同様に応答することを明らかにしました。このことから、睡眠中の急速眼球運動が視覚処理に類似した期間に対応しており、夢を見ている時の視覚心像を確かに... ...続きを見る

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2015/08/14 00:00
アフリカにおける地球磁場激変の証拠
 アフリカ南部の遺跡から、地球磁場が激変した証拠を発見した研究(Tarduno et al., 2015)が公表されました。過去160年間に南半球の磁場強度が低下しており、磁北と磁南が入れ替わる地磁気の逆転が起こる可能性も指摘されています。しかし、こうした変化に関しては、長期間の観測データがないために理解が限定的なものとなっています。この研究は、アフリカ南部の鉄器時代の遺跡で保存されていた小屋・穀物貯蔵庫・家畜用囲いの焼け跡から採取した磁気方位を有する試料を使い、約600年間の地球の磁場の記録を... ...続きを見る

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2015/08/13 00:00
緑茶がデンプンの消化に影響する可能性
 緑茶がデンプンの消化に影響する可能性を指摘した研究(Lochocka et al., 2015)が公表されました。この研究は、デンプンの二酸化炭素呼気検査から、緑茶抽出物の摂取によりデンプンの消化と吸収が少なくなる可能性を指摘しています。ただ、この研究における緑茶抽出物の摂取量は少なくとも数杯分の緑茶に相当し、通常の1日の摂取量がこれより少ないことが一般的であるため、緑茶の効果が実験の場合ほど明白には出ない可能性も指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。 ...続きを見る

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2015/08/10 00:00
加齢による学習と記憶の能力の低下の要因となるタンパク質
 学習と記憶を妨げるタンパク質についての研究(Smith et al., 2015)が公表されました。加齢とともに新しいニューロンの誕生は減っていき、学習と記憶の能力も次第に低下していきます。これまでの研究で、若いマウスから輸血すると、記憶障害が少し回復し、老化した脳のニューロンの機能が改善されることが明らかになっていました。この研究は、免疫機能に関連するタンパク質β2ミクログロブリン(B2M)に着目し、成体の脳における加齢性機能障害との関連を検証しました。 ...続きを見る

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2015/08/08 00:00
複雑なカメの進化
 カメの進化についての研究(Schoch, and Sues., 2015)が公表されました。カメ類のボディープランは爬虫類の中できわだって特異的であり、甲羅(甲)のあるカメ類と一般的なボディープランの爬虫類との中間的な形態の化石が見つかっていないため、カメ類の進化史をめぐって議論が続いています。この研究は、ドイツで発見された2億4000万年前頃の化石の背中に甲がなく、腹側に融合した腹甲もないものの、カメ類のステム系統の特徴と考えられている幅広で断面が、T字型の肋骨や頑丈な腹肋骨からなる胸部構造... ...続きを見る

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2015/08/07 00:00
火山性変動の年代の再較正
 火山性変動の年代の再較正についての研究(Sigl et al., 2015)が公表されました。火山噴火の気候への影響は知られていますが、1年の分解能で正確に年代決定された年輪の年代と、氷床コアに記録された火山性変動の年代を一致させるのは難しいとされてきました。この研究は、775年にヨーロッパ全域の樹木の年輪に、独特な大気中の炭素14の指紋を残した宇宙線異常との関連がはっきりしている、大気中のベリリウム10の急上昇を、グリーンランドと南極から得られた氷床コアで同じように観察されるベリリウム10の... ...続きを見る

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2015/08/04 00:00
ダイズの栽培化に重要な役割を果たした遺伝子
 ダイズの栽培化に重要な役割を果たした遺伝子についての研究(Sun et al., 2015)が公表されました。この研究は、ダイズの「GmHs1-1」遺伝子における単一の変異の有無が、透水性のある種子と透水性のない種子の違いになることを明らかにしています。野生種は透水性のない硬実種子で、栽培種は透水性のある軟実種子となります。軟実種子は急速に吸水でき、発芽が早くなるので、大規模な栽培に適しています。ただ、この遺伝的変異を持たない栽培種もわずかながら存在するそうです。以下は『ネイチャー』の日本語サ... ...続きを見る

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2015/08/01 00:51
慢性痛の性差
 慢性痛の性差に関する研究(Sorge et al., 2015)が公表されました。脊髄にある免疫細胞の一種である小膠細胞(ミクログリア)の活性化が慢性痛の発生に重要な段階である、と明らかにされています。この研究は、マウスでのミクログリア機能の減少は痛みの減少をもたらしたものの、それは雄でのことであり、雌では痛み行動への影響がなかったことを示しました。またこの研究は、この性差が雄性ホルモンであるテストステロンの存在と関連しており、雌マウスでの慢性痛の発生にはB細胞とT細胞という異なる免疫細胞がミ... ...続きを見る

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2015/07/30 00:06
両親の血縁度と子供の身長・知性との関係
 両親の血縁度と子供の身長・知性との関係についての研究(Joshi et al., 2015)が公表されました。この研究は、35万人以上を対象にゲノムのホモ接合連続領域(全長にわたってホモ接合であると考えられる領域)を調べることで、ホモ接合性が人々の健康にとって重要な形質に与える影響を検証しました。健康に関わる16の量的形質に着目した解析から、ホモ接合連続領域の総和と4つの複合形質との間に統計的に有意な関連があることが明らかになりました。4つの複合形質とは、身長・1秒量(努力肺活量測定の最初の1... ...続きを見る

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2015/07/27 00:00
乳化剤が有害な作用を及ぼす可能性
 乳化剤の有害な作用に関する研究(Chassaing et al., 2015)が公表されました。この研究は、乳化剤を含む食餌を摂取しているマウスが軽度の炎症と肥満・メタボリックシンドロームを発症することを明らかにしました。乳化剤は人間の食品で添加物として広く使われているので、乳化剤が腸内微生物相と人間の健康に与え得る影響をさらに調べる必要がある、と指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。 ...続きを見る

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2015/07/21 00:00
卵と精子の決定遺伝子
 卵と精子の決定遺伝子についての研究(Nishimura et al., 2015)が報道されました。読売新聞でも報道されています。脊椎動物において生殖細胞の性を決定する仕組みには、未解明なところがありました。この研究は、メダカの生殖細胞内において「性のスイッチ遺伝子」を発見した、と報告しています。この遺伝子は「foxl3」と呼ばれており、メスでは発現するものの、オスでは発現が抑制されていることが明らかになった、とのことです。 ...続きを見る

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2015/07/19 00:00
コーヒーノキの害虫の新たな駆除方法
 コーヒーノキの害虫の新たな駆除方法についての研究(Ceja-Navarro et al., 2015)が公表されました。コーヒーノキにとってもっとも影響の大きい害虫はコーヒーノミキクイムシ(Hypothenemus hampei)とされています。コーヒーノミキクイムシも含めて昆虫にとってカフェインは強力な殺虫剤として作用しますが、この研究は、コーヒーノミキクイムシの腸内微生物叢によりカフェインが無毒化されることを明らかにしています。コーヒーノミキクイムシの腸内微生物叢を実験的に不活性化したとこ... ...続きを見る

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2015/07/17 00:00
絶滅を防ぐ性選択
 性選択と絶滅との関係についての研究(Lumley et al., 2015)が公表されました。有性生殖では次世代に対する任意個体の遺伝的寄与が半分となるため、無性生殖よりも高コストとされています。一方、無性生殖には変異の蓄積という短所があるのにたいして、有性生殖では、そうした変異が配偶者をめぐる競争や配偶者選択を介して働く性選択により排除されている可能性が示唆されています。この研究は、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)の集団を7年間にわたり飼育・観察することで、この理論... ...続きを見る

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2015/07/14 00:00
ペスト菌の進化
 ペスト菌の進化についての研究(Zimbler et al., 2015)が公表されました。この研究は、仮性結核菌とペスト菌の中間的な系統にあたる「古代の」ペスト菌の分離株を用いてペスト菌の進化をたどり、軽度の胃腸障害を引き起こす仮性結核菌がペスト菌に進化したのは過去1万年の間のことだったことを明らかにしました。ペスト菌の古代の菌株は肺ペストを引き起こす能力を与える1つの遺伝子を獲得し、その後、この遺伝子がコードするタンパク質の1つのアミノ酸が変異することで、感染力の強い現代の菌株が多くなった、... ...続きを見る

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2015/07/13 00:00
重要なメタン吸収源としての淡水湿地
 淡水湿地におけるメタンの発生と分解についての研究(Segarra et al., 2015)が公表されました。湿地は、強力な温室効果ガスであるメタンを放出する自然の供給源として最大であるとされています。メタンの嫌気的酸化は、微生物が介在する過程で、わずかな酸素しか含まれていない海洋堆積物と淡水堆積物において起こされます。この過程では通常、メタン分子が硫酸と硝酸との反応によって分解され、微生物にとってのエネルギーと害の少ない老廃化合物が発生します。 ...続きを見る

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2015/07/12 00:00
加齢に伴うショウジョウバエの性的動機付けの低下の回復
 加齢に伴うショウジョウバエの性的動機付けの低下の回復に関する研究(Kuo et al., 2015)が公表されました。ショウジョウバエからヒトに至る数多くの生物種の雄の性欲は、通常、加齢に伴って減退します。これまでの研究で、性欲と神経伝達物質の一種であるドーパミンとの関連が明らかにされていましたが、性欲がドーパミンによって制御される過程については、解明されていませんでした。この研究は、老齢の雄のショウジョウバエの脳内に存在するニューロンの小集団のドーパミン量を、加齢により減少したレベルから元の... ...続きを見る

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2015/07/09 00:00
爬虫類における性転換と性決定機構との関係
 爬虫類における性転換と性決定機構との関係についての研究(Holleley et al., 2015)が公表されました。爬虫類の性決定機構には遺伝性と温度依存性とがあり、進化の過程でしばしば相互に移行しています。この研究は、フトアゴヒゲトカゲ(Pogona vitticeps)の観察から、性決定機構に性転換が重要な役割を果たしている可能性を指摘しています。フトアゴヒゲトカゲでは、生息域のより温暖な地域における性転換例が観察されており、性転換で雌となった個体が本来の雄と交尾すると、染色体による... ...続きを見る

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2015/07/08 00:00
幼若期の抗生物質の使用とその後の発育への影響
 幼若期の抗生物質の使用とその後の発育への影響に関する研究(Nobel et al., 2015)が公表されました。アメリカ合衆国における抗生物質の使用量は、10歳未満の子供が最も多くなっています。この研究は、マウスを対象に、子供に処方されることが最も多い抗生物質であるアモキシシリンとタイロシンを投与し、幼若期における抗生物質の投与によって体重と骨の成長が短期的に増えることを明らかにしています。また、腸内細菌叢の多様性と構成についても、抗生物質の投与から数ヶ月間持続する長期的変化が観察された、と... ...続きを見る

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2015/07/03 00:00
精神疾患と創造性との遺伝的関係
 精神疾患と創造性との遺伝的関係についての研究(Power et al., 2015)が公表されました。この研究は、大規模な遺伝学的データの分析から、精神疾患と創造性とが遺伝的な根を共有していることを示唆しています。そもそも、「精神疾患」の定義が社会的規範に大きく影響を受けるだろう、という複雑で微妙な問題もありますし、この研究の見解が確証されたとまでは言えないでしょうが、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)と現生人類(Homo sapiens)との比較という観点か... ...続きを見る

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2015/07/02 00:00
痛みを感じるのに必要な遺伝子
 痛みを感じるのに必要な遺伝子についての研究(Chen et al., 2015)が公表されました。先天性無痛症では、肉体的苦痛を感じることができません。この研究は、血縁関係のない11家系において先天性無痛症患者を同定しました。その結果、患者には共通してPRDM12遺伝子に変異のあることが分かりました。この変異があると、生まれつき痛みを感じることができず、不快な暑さと寒さを区別できなくなりますが、その他の感覚は他の多くの人間とほとんど変わりません。マウスと人間の細胞を用いた実験により、PRDM1... ...続きを見る

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2015/07/01 00:00
新生児の段階で予測できるかもしれない小児期の気質
 新生児の視覚的注意のさまざまなパターンが、その後の小児期の気質と行動の差異と関連している可能性のあることを示唆する研究(Papageorgiou et al., 2015)が公表されました。最近の研究では、生後4〜10ヶ月の乳児の、刺激を固視する能力の向上が、行動の制御力向上・落ち着きのなさ・多動性・不注意といった行動特徴の改善と関連していることが明らかにされています。この研究では、生後1〜4日の新生児80人を対象として停留時間(個別の刺激を注視している時間)の測定が行われ、その後、その新生児... ...続きを見る

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2015/06/30 00:00
地球温暖化と海洋生態系の変化
 地球温暖化と海洋生態系の変化についての研究(Beaugrand et al., 2015)が公表されました。この研究は、3種類の温室効果ガス排出と関連する温暖化シナリオの条件下において、21世紀末までの海洋における生物多様性のパターンをモデル化し、現在とは気候が大きく異なる最終氷期最盛期(26500〜20000年前頃)、および比較的気候が温暖だった中期鮮新世の海洋生物多様性のパターンとを比較対象としました。 ...続きを見る

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2015/06/27 00:00
ミツバチによる作物の花粉媒介
 ミツバチによる作物の花粉媒介についての研究(Kleijn et al., 2015)が公表されました。この研究は、90件以上となる5大陸の野生ミツバチに関する研究データを組み合わせることにより、研究対象となった785種のうち作物の花粉媒介による経済的利益の最も大きい種を発見するための解析を行いました。その結果、野生ミツバチ群集の作物生産に対する寄与は平均でヘクタール当たり3000米ドル以上となり、飼育下のミツバチコロニーの経済的寄与と同程度であることが明らかになりました。 ...続きを見る

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2015/06/25 00:00
トウヨウミツバチの嗅覚学習を阻害する殺虫剤
 トウヨウミツバチ(Apis cerana)の嗅覚学習に殺虫剤が与える影響についての研究(Tan et al., 2015)が公表されました。これまでの研究により、ミツバチに対し致死量に満たないネオニコチノイド系殺虫剤を投与すると、ミツバチの健康と採餌能力が阻害されることがあり、ミツバチの重要な花粉媒介サービスに連鎖反応的な影響が生じる可能性や、セイヨウミツバチ(Apis mellifera)に対し致死量に満たない量のネオニコチノイドを投与すると、嗅覚学習が阻害される場合があることが明らかになっ... ...続きを見る

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2015/06/23 00:00
長くなっている漁場と消費地との距離
 漁場と消費地との距離が長くなっていることを明らかにした研究(Watson et al., 2015)が公表されました。20世紀の人口増加と世界貿易の拡大で、タンパク質供給源としての魚類に対する需要が増加しました。この研究は、国連食糧農業機関が集めた世界の漁獲量データを解析し、漁場と消費地間の距離が1950年から2011年まで年々長くなってきてたことと、漁獲に必要なエネルギーが各海域の年間生産量のそれより多くの割合を占めるようになったこととを明らかにしました。 ...続きを見る

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2015/06/19 00:00
北極の地中における土壌微生物による発熱
 北極の地中における土壌微生物による発熱についての研究(Hollesen et al., 2015)が公表されました。この研究は、グリーンランドの6地点で採取された21点の天然の有機質の永久凍土試料における微生物による熱発生を定量化し、2012年から2100年までの間に永久凍土の融解速度と微生物による熱発生速度が加速することを示しています。さらにこの研究は、永久凍土に埋没している考古学的痕跡(有機質の貝塚)に保存された北極における人類の初期活動の証拠が失われてしまう可能性も明らかにしています。以... ...続きを見る

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2015/06/17 00:00
侵入種のナミテントウの生活史
 侵入種のナミテントウの生活史に関する研究(Tayeh et al., 2015)が公表されました。ナミテントウは世界で最も繁栄した侵入種の1つとされています。これまで侵入種に関しては、生活史が相対的に短いことに加えて、生殖開始年齢が低く、寿命が短いと考えられてきました。この研究は、さまざまな気候条件と生態学的条件の環境に侵入して適応してきたナミテントウの生活史の変化を調べることで、侵入種の戦略を検証しています。比較対象とされたのは、在来・生物的防除(100世代にわたって捕食者のいない環境で飼育... ...続きを見る

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2015/06/16 00:00
哺乳類と双弓類で独立に生じた鼓膜
 哺乳類と双弓類(爬虫類と鳥類)で独立に生じた鼓膜の発生遺伝学的基盤に関する研究(Kitazawa et al., 2015)が公表されました。化石証拠から、哺乳類と双弓類は共通祖先から分岐した後にそれぞれ独自に中耳を獲得した、という見解が提示されていますが、その発生学的基盤はよく分かっていませんでした。この研究は、下顎領域が上顎に変化するような変異を導入することにより、マウスでは中耳形成に重要な遺伝子が抑制されて鼓膜が消失する一方、ニワトリでは鼓膜が重複して発生することを明らかにしました。また... ...続きを見る

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2015/06/14 00:00
7500万年前頃の恐竜化石に保存されていた細胞
 7500万年前頃の恐竜化石に保存されていた細胞についての研究(Bertazzo et al., 2015)が公表されました。この研究は、7500万年前頃の白亜紀の恐竜の骨化石標本8点から、コラーゲンと思われるものも含む有機質構造を発見した、と報告しています。このことから、たとえ保存状態の良くない化石であっても、分子解析を行う価値がある、と示唆されています。この研究は、太古の動物の生理・行動を調べる研究への道を大きく開いた、と言えるかもしれず、その意味で大いに注目されます。以下は『ネイチャー』の... ...続きを見る

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2015/06/13 00:00
アノマロカリス類の肢の進化
 アノマロカリス類の肢の進化についての研究(Roy et al., 2015)が公表されました。節足動物様の多様な動物群であるアノマロカリス類は、カンブリア紀の海洋に生息していた巨大な捕食者です。現在では、こうしたバージェス頁岩の多様なカンブリア紀動物相は、4億9000万年前頃に始まったオルドビス紀まで存続していたことが明らかになっています。この研究は、モロッコのオルドビス紀の地層で見つかったアノマロカリス類について報告しています。このアロマロカリス類は体長2 mを超える濾過摂食者で、胴部の体節... ...続きを見る

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2015/06/10 00:00
ブラジルで発見されたゴンドワナ大陸の鳥類の化石
 白亜紀前期のゴンドワナ大陸に生息していた鳥類の化石についての研究(Carvalho et al., 2015)が公表されました。この種の鳥類化石標本としてはこれまでで最も完全なもので、ハチドリの大きさに近い、とのことです。白亜紀の羽毛のある鳥類の化石の大部分は中国北東部で発掘されており、南アメリカ大陸ではこれが初の発見になるそうです。この鳥類化石の尾羽には、楕円形の羽幹や一列に並んだ斑点が見られ、装飾的な色彩パターンの名残だと解釈されています。この尾羽は空力的に最適化されていないことが立体化石... ...続きを見る

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2015/06/07 00:00
スナック食品をやめられない理由
 スナック食品をやめられなくなる理由についての研究(Hoch et al., 2015)が公表されました。高カロリーの食物や脂肪分・炭水化物を多く含む食物は、通常の満腹状態を超えた過剰摂取の引き金となる可能性があり、エネルギー摂取量の増加は体重の増加につながることがあります。そうした食物は脳の報酬系内の活動を変化させると考えられており、ラットにポテトチップを与える過去の研究で観察されました。こうしたことから、スナック食品のエネルギー含量が報酬特性と美味しさの重要な決定要因であり、それが摂取量の増... ...続きを見る

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2015/05/23 00:00
季節により変化する人間の遺伝子発現
 人間の遺伝子発現の季節的変化についての研究(Dopico et al., 2015)が公表されました。遺伝子には24時間周期で発現量が増減するもの(「概日」遺伝子)が存在し、哺乳類の免疫応答の主要な調節因子となっていることが明らかになっています。しかし、遺伝子発現の季節的な変動については、まだよく分かっていないところがありました。この研究は、いくつかの一般公開されているデータセットの遺伝的データを調べ、発現量に有意な季節差のある遺伝子が全体の約4分の1を占め、血液中のさまざまな免疫細胞の相対組... ...続きを見る

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2015/05/20 00:00
現生鳥類の近縁種の最古となる化石
 現生鳥類の近縁種としては最古となる化石についての研究(Wang et al., 2015)が公表されました。2億5200万〜6600万年前頃の中生代の鳥類には、現生鳥類の祖先が含まれる真鳥形類と、白亜紀末に絶滅して現代には子孫が残っていないと考えられる異鳥類とが存在しました。中生代の鳥類の化石は少ないため、鳥類の初期進化史についてはよく分かっていません。この研究では、中国の河北省にある四岔口(Sichakou)盆地で発見された真鳥形類の新種化石(Archaeornithura meemanna... ...続きを見る

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2015/05/16 00:00
皮膜の痕跡が保存されている恐竜
 皮膜の痕跡が保存されている恐竜についての研究(Xu et al., 2015)が公表されました。スカンソリオプテリクス類は、最終的に鳥類へとつながった恐竜系統の基部に位置づけられ、じゅうらいの復元図では、樹上生活をするキツネザル様の動物として描かれてきました。この研究で報告されたスカンソリオプテリクス類は中国で発見された1億6000万年前頃のもので、固い繊維状の羽毛が生えており、手首に2本の長い骨性要素が付いていました。これにより、滑空飛行を担った可能性がある皮膜を支えていた、と考えられていま... ...続きを見る

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2015/05/12 00:00
代謝の記憶
 摂取した食物に関するカロリー情報の記憶についての研究(Zhang et al., 2015)が公表されました。この研究は、ショウジョウバエの代謝の記憶に関与すると考えられる複数の遺伝子と、いくつかの脳領域を同定しました。ショウジョウバエは食物のカロリー量を記憶して、標準的なカロリー量の食物を好むように学習しますが、ショウジョウバエに高カロリー食を無理やり食べさせた後は、カロリー摂取量が増えて、糖尿病様の症状が見られるようになることが明らかにされました。代謝の記憶が遺伝的変化や慢性的な過食によっ... ...続きを見る

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2015/05/09 00:00
DNAメチル化による脳の発達における性差
 DNAメチル化による脳の発達における性差についての研究(Nugent et al., 2015)が公表されました。脳の特定の領域では、著しい性差が見られます。哺乳類の胎児の発達過程において精巣由来のホルモンにさらされると、多数の雄性関連遺伝子が発現するなどして、脳は雄としての特徴を有するようになります。しかし、そうした遺伝子が雄でのみ発現し、雌では休止する仕組みについては明らかではありませんでした。 ...続きを見る

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2015/05/04 00:00
オキシトシンと母性行動
 オキシトシンが母性行動に及ぼす影響についての研究(Marlin et al., 2015)が公表されました。オキシトシンが社会的相互作用や母性行動の調整に関わっていることは知られていますが、その仕組みについてはまだよく分かっていません。この研究は、マウスが仔を回収する行動を調べ、オキシトシンが仔の鳴き声への皮質の応答性を調節しており、その働きは左の聴覚野に特異的であることを明らかにしました。またこの研究は、未経産の雌に鳴き声を聞かせるとともに左聴覚野へのオキシトシン投与を行うと、鳴き声への応答... ...続きを見る

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2015/04/29 00:00
情緒的な出来事により強化される記憶
 情緒的な出来事と記憶との関係についての研究(Dunsmoor et al., 2015)が公表されました。人間以外の動物における研究から、当初弱かった記憶痕跡が短時間経過してから再活性化されると強化されることがある、ということが明らかになっていました。人間に同様の機構が存在するのかよく分かっていなかったのですが、この研究は、人間においても、当初弱かったエピソード記憶がそれと概念的に関連する情報を含む情緒的な学習を後に行うことにより、選択的に強化・固定化され得ることを明らかにし、最初は瑣末だった... ...続きを見る

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2015/04/22 00:00
倍数性によって加速する進化
 進化における倍数化(染色体の数が通常の染色体数または半数体数の2倍より多くなる現象)の役割についての研究(Selmecki et al., 2015)が公表されました。倍数化は多くの生物に共通して見られますが、それが進化に与える影響は不明でした。この研究は、酵母の無性生殖株の半数体・二倍体・四倍体を用いて実験し、炭素源の乏しい環境における増殖への適応は倍数性によって加速されることがあり、なかでも四倍体の適応が最も速いことを明らかにしています。このことから、倍数性は不安定な場合がある一方で、適応... ...続きを見る

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2015/04/15 00:00
結核菌の混合感染が一般的だった18世紀のヨーロッパ
 18世紀のヨーロッパにおける結核についての研究(Kay et al., 2015)が公表されました。この研究では、ハンガリーのヴァーチにあるドミニコ会教会の地下室に安置されていた、1745〜1808年に亡くなった26人の遺体から採取した結核菌のDNAが解析されました。この26人中8人に由来する14点の結核菌ゲノムが再現されましたが、そのうち5人から複数の結核菌遺伝子型が見つかり、複数の系統株による結核感染が流行していたことが明らかになりました。このことから、18世紀のヨーロッパでは結核菌の混合... ...続きを見る

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2015/04/12 00:00
脳内における温度変化の情報処理
 脳内における温度変化の情報処理に関する研究(Liu et al., 2015)が公表されました。動物は外界の温度変化を末梢神経系の温度受容器で検知しますが、そうした信号を処理する中枢回路には不明なところがありました。この研究は、ハエの脳には外界温度の低下・上昇またはその両方に応答する独特なニューロン群があり、それらが行動応答に寄与することを報告し、高次脳中枢が末梢の単純な温度マップから刺激の質・強度・およびタイミングに関する情報を抽出する仕組みを明らかにしています。以下は『ネイチャー』の日本語... ...続きを見る

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2015/04/08 00:00
有顎脊椎動物の起源
 有顎脊椎動物(顎口類)の起源に関する研究(Giles et al., 2015)が公表されました。この研究は、1992年に刊行された、シベリアの前期デボン紀(4億1500万年前頃)の顎口類化石の脳頭蓋および頭蓋冠について、コンピューター断層撮影法を用いて再分析しました。その結果、脳頭蓋には、硬骨魚類と軟骨魚類それぞれの特徴と、どちらにもない特徴が混在することが明らかになりました。系統発生解析では、この魚類が顎口類の基部に位置付けられ、完全に絶滅した化石魚類群である棘魚類が軟骨魚類に近縁だったの... ...続きを見る

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2015/04/07 00:00
人間の病気と遺伝的多様性に関するゲノム研究
 人間の病気と遺伝的多様性に関する諸研究が公表されました。これらは、2000万個以上の遺伝子多様体を同定した、2636人のアイスランド人のゲノム解析結果に基づいています。このデータを10万4000人以上のアイスランド人の網羅性の低い別の遺伝子型データと組み合わせて関連解析を強化した研究(Gudbjartsson et al., 2015A)は、肝疾患の発症危険性と有意に関連するABCB4遺伝子の多様体を含む、さまざまな病気に関連する遺伝子多様体を数多く同定しました。 ...続きを見る

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2015/04/02 00:00
恐怖関連記憶についての研究
 恐怖関連記憶は扁桃体に保存され、生涯利用され得ます。恐怖関連記憶がさまざまな時点で想起されるのに必要な回路については不明なところがあるのですが、最近の研究では、マウスに身体的・心理的ストレスをかけると、視床室傍核が強く活性化することが明らかになっています。そうしたなか、恐怖関連記憶に関する二つの研究が公表されました。一方の研究(Penzo et al., 2015)は、行動恐怖訓練後に、視床室傍核から扁桃体の特定部位への投射を抑制すると、扁桃体中の特定の介在ニューロン群上のシナプスで、恐怖によ... ...続きを見る

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2015/03/29 00:00
細胞の形態を決定するタンパク質の進化
 細胞の形態を決定するタンパク質の進化に関する研究(Duggin et al., 2015)が公表されました。細胞骨格は細胞の形態を定め、細胞分裂などの過程に重要な役割を果たしています。真核生物において、微小管などの細胞骨格を形成しているタンパク質の一つとして、チューブリンがあります。細菌には細胞骨格が存在しませんが、チューブリンの相同体(ホモログ)であるFtsZタンパク質(細胞分裂過程で環状構造を形成し、細胞をくびって細胞質分裂を起こさせます)が存在します。 ...続きを見る

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2015/03/21 00:00
人新世の定義
 人新世の定義に関する研究(Lewis, and Maslin., 2015)が公表されました。現在の地質年代区分は完新世(Holocene)とされていますが、完新世はすでに終結し、人類が優占する新たな地質年代「人新世(Anthropocene)」が始まっている、との見解が近年になって盛んに議論されています。この研究は、地質記録中の人為的であることが明らかな痕跡を人新世の承認に必要な公式要件と照合して評価し、紀元後1610年および1964年が人新世の始まりを示す可能性のあることを明らかにしていま... ...続きを見る

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2015/03/18 00:00
海洋哺乳類の進化
 海洋哺乳類の進化に関する研究(Foote et al., 2015)が公表されました。クジラやマナティーなどの海洋哺乳類は、海洋環境に適応する上で必要な共通の形質を持っていますが、そうした形質はそれぞれの哺乳類群で独立して進化しました(収斂進化)。この研究では、海洋哺乳類のゲノムが解読され、陸上生活から海の生活への移行に関連すると考えられる遺伝子が同定されました。そうした遺伝子のなかには、分析対象とした海洋哺乳類4種すべてで同じ分子的変化をもたらすものもあるそうです。以下は『ネイチャー』の日本... ...続きを見る

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2015/03/07 00:00
高度な認識機能における扁桃体の働き
 長期にわたる報酬の備えに関わる作業における扁桃体の働きに関する研究(Hernádi, Grabenhorst, and Schultz., 2015)が公表されました。扁桃体は、恐れや攻撃性に関連する脳の領域とされ、報酬関連行動に関わることが明らかになっています。しかし、長期にわたる報酬の備えに関わる作業は大脳皮質の属性とされてきました。しかしこの研究は、比較的「原始的な行動」にのみ関わるとされていた扁桃体が、そうした「高度な認識機能」においても役割を果たしている可能性を示唆していま... ...続きを見る

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2015/03/04 00:00
カバの起源
 カバの起源に関する研究(Lihoreau et al., 2015)が公表されました。カバとクジラ類(クジラ、イルカ、ネズミイルカ)は単一の分類群に属しており、その共通祖先は、カバに似た絶滅種であるアントラコテリウム科の動物とされています。クジラ類の進化を実証する化石標本は数多く存在するものの、こうした祖先動物とカバの関係については、化石記録による裏付けが不充分であるため、現存のカバの祖先は特定されていませんでした。 ...続きを見る

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2015/03/02 00:00
脊椎動物の頭部の進化
 脊椎動物の頭部の進化に関する研究(Jandzik et al., 2015)が公表されました。独特の構造をしている脊椎動物の頭部に対応する構造が無脊椎動物には一切存在しないこともあり、脊椎動物の頭部がどのように進化してきたのか、長きにわたって議論されてきました。最初に出現した脊椎動物の頭部骨格は、神経堤に由来するコラーゲン性の細胞性軟骨でできていた、との見解が提示されていますが、無脊椎の脊索動物には神経堤が存在しないため、頭部軟骨の起源を解明することは困難でした。 ...続きを見る

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2015/02/28 00:00
魚竜の祖先の水陸両生爬虫類?
 新たに発見された小型の魚竜様爬虫類に関する研究(Motani et al., 2015)が公表されました。完全水生の爬虫類である魚竜類は三畳紀に出現し、白亜紀末に恐竜とともに絶滅しました。魚竜類は最初期ですら完全な水生動物であり、これまでは陸上から水中への移行に関する情報が確認されていませんでした。この研究は、中国南部の下部三畳系で新たに発見された極めて小型の原始的な魚竜様爬虫類が水陸両生だった可能性と、それが魚竜類と絶滅水生爬虫類の一群(Hupehsuchia)の共通祖先に近縁だった可能性を... ...続きを見る

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2015/02/17 00:00
蛇の最初期の進化
 蛇の最初期の進化に関する研究(Caldwell et al., 2015)が公表されました。この研究では、イギリス・ポルトガル・アメリカ合衆国で発見された蛇の頭蓋骨化石から、1億6700万〜1億4300万年前頃に生息していた蛇の新種(4種)が同定されました。その結果、最初期の蛇が出現した時期には有鱗爬虫類の他の主要な分類群の大部分が急速に多様化しており、最初期の蛇はジュラ紀中期に世界各地のさまざまな生息地(沼地・池・河川・沿岸など)に存在していたことが明らかになりました。また、じゅうらいは蛇の... ...続きを見る

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2015/02/14 00:00
加齢に伴う精子の機能低下
 加齢に伴う精子の機能低下に関する研究(Preston et al., 2015)が公表されました。この研究では、モロッコ東部で行われているフサエリショウノガン(Chlamydotis undulata)の大規模保護事業によって得られた10年分のデータが解析されました。その結果、オスの高齢化によって卵の孵化率が低下しただけでなく、ヒナの成長速度も低下したのに対して、成長速度が最大だったのは、未成熟なオスの精子から生まれたヒナだったことが明らかになりました。 ...続きを見る

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2015/02/07 00:00
カリブ諸島におけるコウモリの絶滅年代
 カリブ諸島におけるコウモリの絶滅年代についての研究(Soto-Centeno, and Steadman., 2015)が公表されました。カリブ諸島における生物の絶滅に関しては、霊長類・齧歯類・ナマケモノなど一部の哺乳類は8000〜7000年前頃の人類の到来との関連が推測されている一方で、コウモリは更新世〜完新世の移行(11000〜9000年前頃)に伴う気候変動との関連が想定されていました。しかしこの研究は、カリブ諸島におけるコウモリの絶滅年代が4000年前頃まで下る可能性を指摘し、これまでの... ...続きを見る

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2015/01/27 00:00
吉川浩満 『理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ』初版第2刷
 朝日出版社より2014年12月に刊行されました。初版第1刷の刊行は2014年10月です。生物種の大半は絶滅してきた、との冒頭の指摘を読み、絶滅という視点からの進化史・進化学解説なのかと思ったら、科学哲学史・思想史的な解説が主題になっており、これは予想外でした。本書の特徴は、なぜ非専門家の一般層は進化論を誤解するのか、専門家同士の論争(とくに適応主義をめぐる論争)における「敗者」の躓きの要因は何だったのか、という「否定的側面」から進化論の魅力・有効性を解説していることです。いわば逆説的な進化論解... ...続きを見る

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2015/01/10 00:00
細菌から古細菌への遺伝子伝播
 細菌から古細菌への遺伝子伝播の頻度に関する研究(Nelson-Sathi et al., 2015)が公表されました。原核生物においては、個々の細胞間の水平遺伝子伝播が、進化・種の形成に重要な役割を果たす、とされています。この研究は、134例の古細菌ゲノムにおける遺伝子の分布と系統発生を調べ、古細菌においてじゅうらい知られている13の高次分類群の出現が、細菌からの2264件の分類群特異的な水平遺伝子獲得に対応することを明らかにしました。細菌から古細菌への遺伝子伝播の頻度は、その逆の伝播の5倍以... ...続きを見る

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2015/01/07 00:00
ゴンドワナテリウム類の新化石
 ゴンドワナテリウム類の頭部の新化石とその系統関係についての研究(Krause et al., 2014)が公表されました。白亜紀後期から暁新世前期にかけてゴンドワナ大陸で恐竜と共に生息していたゴンドワナテリウム類の化石は、これまでわずかな歯と少数の下顎骨片しか発見されていなかったので、その進化的系統関係には不明なところがありました。この研究は、マダガスカルの白亜紀層で発見された新たなゴンドワナテリウム類の頭蓋化石の分析により、ゴンドワナテリウム類が絶滅した齧歯類様の哺乳類群「多丘歯類」と近縁で... ...続きを見る

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2014/12/21 00:01
先カンブリア時代の謎の生物群
 カンブリア大爆発の直前となる約6億年前のエディアカラ紀の化石群についての研究(Chen et al., 2014)が公表されました。この研究では、中国の陡山沱(Doushantuo)のエディアカラ紀の化石群が報告されています。この化石群の分類についてはさまざまな解釈が提示されてきましたが、この研究では、新たに発見された球状微化石には細胞分化・プログラム細胞死・体細胞および生殖細胞の分離を示す明らかな証拠が認められるものの、それ以外は既知のいかなる生物群とも類似点がない、と指摘され... ...続きを見る

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2014/12/14 00:00
トビハゼのゲノム解読
 トビハゼのゲノム解読についての研究(You et al., 2014)が公表されました。この研究は4種類のトビハゼのゲノムを解読し、陸上生活に対応できるような諸々の遺伝子を特定しています。トビハゼは、呼吸能力・優れた視力・陸上を移動する能力・環境中の高濃度のアンモニアへの耐性などを獲得して、胸鰭を使って陸上を動き回る水陸両生魚類に進化しました。この研究は、トビハゼのゲノムを解読し、トビハゼが他の条鰭類から分岐して、その後に陸上生活に役立つ数百個の遺伝子を獲得したことを明らかにしています。こうし... ...続きを見る

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2014/12/11 00:00
大量絶滅後の海洋生態系の回復
 中国南西部で発見されたノトサウルス類の化石についての研究(Liu et al., 2014)が公表されました。この研究では、中国南西部で発見された2億4700万年前頃〜2億3700万年前頃の三畳紀中期の巨大な海生爬虫類(Nothosaurus zhangi)の化石が報告されています。この個体は顎の長さが65cmで体長は5m〜7mと推定されており、その下顎は三畳紀の水生爬虫類である鰭竜類のものとしては最大になるそうです。そのため、Nothosaurus zhangiは当時の生態系の最上位捕食者と... ...続きを見る

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2014/12/04 00:00
畜乳の消費を示す歯の記録
 畜乳の消費を示す直接的証拠となる歯の記録についての研究(Warinner et al., 2014)が公表されました。この研究は、歯石の中に保存されていた乳清タンパク質であるβラクトグロブリン(BLG)が、畜乳の消費の直接的証拠となり得ることを明らかにしました。BLGにより牛・羊・山羊の乳の消費を区別できるそうです。これは、さまざまな人間集団における乳製品の消費パターンや、乳製品の消費行動の進化過程を調べるために利用できるのではないか、とされています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引... ...続きを見る

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2014/12/03 00:00
北極海の海氷の減少によるユーラシアにおける厳冬の確率上昇
 北極海の海氷の減少とユーラシアにおける厳冬の確率上昇との関係についての研究(Mori et al., 2014)が公表されました。この研究によると、過去数十年間にわたる北極海の海氷の減少が、ユーラシアに厳冬が来る確率を倍にしている、とのことです。しかしながら、こうした気候変化は一時的なもので、21世紀の終わりには、気候温暖化が海氷の効果に勝ると予想されている、とのことです。厳冬になると、「地球温暖化は嘘であり、それが強く主張されるのは陰謀だ」と騒ぎ立てる人が少なくないようですが、そのような見解... ...続きを見る

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2014/12/01 00:00
キンシコウのゲノム解読
 中国の南西部と中央部に生息し、絶滅危惧種に指定されているキンシコウ(Rhinopithecus roxellana)のゲノム解読についての研究(Zhou et al., 2014)が公表されました。キンシコウはおもに葉や種子など消化しにくい植物を食べています。キンシコウの属するオナガザル科コロブス亜科は、ウシのような特化した複数の胃を持っており、この胃の中には、哺乳類が通常は消化できない植物化合物を分解する細菌が生息しています。この研究はキンシコウのゲノム解読により、キンシコウには他の霊長類と... ...続きを見る

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2014/11/27 00:00
カカオ豆の認知機能促進効果
 カカオ豆による高齢者の認知機能促進効果についての研究(Brickman et al., 2014)が公表されました。加齢に伴う認知機能の減退では、歯状回という脳領域に変化が見られ、この機能低下と記憶力の低下との関連の可能性が報告されています。この研究では、カカオ豆に多く含まれるフラバノールという成分を高齢者に投与したところ、多量に摂取した被験者群は少量を摂取した被験者群と比較して、遅延再認課題の反応がはるかに速い、と報告されています。この研究ではさらに、フラバノールの摂取による能力改善が歯状回... ...続きを見る

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2014/11/25 00:00
哺乳類の初期の分岐
 哺乳類の初期の分岐についての研究(Bi et al., 2014)が公表されました。この研究では、最近まで歯の化石だけから存在が考えられていた、きわめて古い哺乳類のハラミヤ類3種の新たな化石が報告されています。ハラミヤ類の系統関係については、頭蓋や骨格が発見されると諸説が提示されていたのですが、この研究では、大いに繁栄した後に絶滅した齧歯類様の多丘歯類に近縁だ、との結論が提示されています。また、現生哺乳類群同士の最初の分岐(単孔類と有袋類・有胎盤類)が三畳紀にまでさかのぼることも明らかになりま... ...続きを見る

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2014/11/01 00:00
アメリカ大陸の結核の起源
 アメリカ大陸の結核の起源についての研究(Bos et al., 2014)が公表されました。現在のアメリカ大陸で見られる結核菌株はヨーロッパのそれと近縁ですが、考古学的証拠から、アメリカ大陸ではヨーロッパ人の到来前から結核菌が存在していたことが示唆されています。この研究は、ペルーで発見された1000年前頃の人骨から得た結核菌ゲノムの塩基配列を解読し、これがアシカ類やアザラシ類に適応した結核菌株に最も近縁だったことを明らかにしました。 ...続きを見る

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2014/10/31 00:00
Hoxの発現と後脳分節化の結び付き
 Hoxと分節化の結び付きについての研究(Parker et al., 2014)が公表されました。入れ子状のHoxの発現領域は、顎口類(有顎脊椎動物)の後脳の分節構造である菱脳分節と関連しています。入れ子状のHoxの発現領域は、脊椎動物ではない脊索動物でも見られますが、その神経系領域は単純で分節化されておらず、顎口類の脳と関連付けることが難しいので、入れ子状Hoxの発現領域と脳のパターン形成との関係性については、無顎類と共によく分かっていません。この研究はヤツメウナギにおけるHoxの発現と後脳... ...続きを見る

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2014/10/30 00:00
ミトコンドリアDNAの変異が寿命に影響を与える可能性
 ミトコンドリアDNAの変異と寿命との関係についての研究(Ross et al., 2014)が公表されました。母系伝達となるミトコンドリアDNAの変異は健康に影響を及ぼすこともある、とこれまでの研究は示唆してきました。この研究は、ミトコンドリアDNAの変異により平均寿命が短くなることを明らかにしました。マウスの平均寿命は、低レベルのミトコンドリアDNA変異を有する場合には100.2週であるのに対して、そうではない場合には141.1週だった、とのことです。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの... ...続きを見る

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2014/10/14 00:00
ノーベル物理学賞発表
 昨日、ノーベル物理学賞が発表され、「日本人3名」が受賞したということで、日本では大きく報道されています。授賞理由は青色発光ダイオードの開発なのですが、これは事前の報道で有力候補の一つとされていたので、とくに意外な感はありません。受賞者のうちの1人が中村修二氏なのですが、第一報を知った時には、これでまた日本の「進歩的で良心的な」人々が日本における司法・企業の在り様や日本社会全体を得々として批判するだろうと考えて、やや嫌な気分になってしまいました。 ...続きを見る

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2014/10/08 00:00
人間の身長に関連する遺伝子
 昨年や一昨年よりも凱旋門賞の結果に落胆していないとはいっても、やはり悔しくてかなり気分が落ち込んでしまったことは否定できず、まだ1日程度ではとてもそこから抜け出せてはいないのですが、こういう時こそ、いつものように淡々とブログを更新していこう、と考えています。とはいっても、数年前に執筆したものを公開することも多くなりそうですが・・・。以下、本題です。 ...続きを見る

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2014/10/07 00:00
蝶や蛾の幼虫の生存率の変化と幼鳥の学習の関係
 蝶や蛾の幼虫の生存率の変化と幼鳥の学習の関係についての研究(Mappes et al., 2014)が公表されました。蝶や蛾の幼虫には、派手な体色や模様のものと隠蔽色のものがいます。前者は自らが危険なことを捕食者に誇示することで生存率を高め、後者は背景に紛れ込むことで捕食者から発見される可能性を減少させるわけです。前者は、捕食者が派手な体色の意味を理解していることが前提となります。この研究は、派手な体色の幼虫の生存率が学習していない鳥類の最も少ない巣立ちの初期と末期に上昇した一方で、巣立ち期の... ...続きを見る

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2014/09/27 00:00
チンパンジーの攻撃性
 チンパンジーの攻撃性についての研究(Wilson et al., 2014)が報道されました。現代人に最も近縁な現生種がチンパンジーとボノボであることはよく知られているでしょう。そのため、チンパンジーとボノボは人類の進化モデルとしても研究されてきました。そのなかには、人間の攻撃行動の進化に関するものもあるのですが、近年になって、チンパンジーに見られる暴力は主として人為活動の結果であるとする「人為的影響仮説」が主張されました。この研究では、アフリカ各地のチンパンジーやボノボに関する研究のメタ分析... ...続きを見る

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2014/09/21 00:00
乳児期の言語獲得の遺伝的影響
 乳児期における言語獲得の遺伝的影響に関する研究(Pourcain et al., 2014)が公表されました。じゅうらいの研究でも、乳児の語彙獲得に遺伝的影響のあることが指摘されていました。この研究は、生後15〜30か月の乳児10000人以上から得た言語熟達度データを用いて、語彙評価の結果と遺伝子多様体との関連を調べました。その結果、発達初期における1語の獲得と有意に関連する特定の1つのゲノム領域が同定されたものの、その後の2語の組み合わせが発達する時期と関連するゲノム領域は同定されなかった、... ...続きを見る

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2014/09/18 00:00
腸内微生物叢に影響を及ぼす性差
 腸内微生物叢の構成に関する研究(Bolnick et al., 2014)が公表されました。この研究によると、腸内微生物叢の構成には食餌だけではなく性別も影響を及ぼしている、とのことです。ただ、どのような仕組みで性差が生じているのか、まだ解明されていないそうです。この研究では、ホルモンまたは免疫機能の性差と結びついている可能性が指摘されています。腸内微生物叢の構成に性差があることは、タンザニアのハツァ族の腸内微生物叢研究でも指摘されていましたが、この時は、性別分業との関連の可能性が指摘されてい... ...続きを見る

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2014/08/29 00:00
中沢弘基『生命誕生 地球史から読み解く新しい生命像』第2刷
 講談社現代新書の一冊として、講談社より2014年6月に刊行されました。第1刷の刊行は2014年5月です。本書の特徴は、(地球)物理学・化学に基づき、地球誕生以降の分子単位での物質の変遷とエネルギーの動きを追うことで、生命誕生へと至る経緯を把握しようとしていることです。地球史の観点からの壮大な生命起源論となっており、困惑させられたところが少なくありません。ただ、生命は諸物質から構成されているわけですから、物理学・化学の観点からの生命起源論はある意味当然とも言えます。 ...続きを見る

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2014/08/06 00:00
仲野徹『エピジェネティクス―新しい生命像をえがく』
 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2014年5月に刊行されました。近年大いに注目されているエピジェネティクスについて、一度基礎知識をしっかりと学ぼうと思い、読んでみました。本書によると、近年におけるエピジェネティクスについての最大公約数的な定義は、「エピジェネティックな特性とは、DNAの塩基配列の変化をともなわずに、染色体における変化によって生じる、安定的に受け継がれうる表現型である」とのことです。エピジェネティック修飾による遺伝子発現制御の基礎は、 (1)ヒストンがアセチル化をうけ... ...続きを見る

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2014/05/30 00:00
現代人の発祥地の推定(通算3000本目の記事、追記有)
 現代人の発祥地を遺伝学的に推定する研究(Elhaik et al., 2014)が公表されました。人間の移動の流れに関する遺伝学的研究は盛んですが、個々の現代人の近い世代での発祥地を詳しく特定する研究は、これまでのところ成功しているとは言い難いようです。この研究では、正確な遺伝情報と地理情報を用いたアルゴリズムを開発し、200名の現代サルジニア人に関してはかなりの精度でそれを実現できたと報告しており、今後の研究範囲の拡大と応用が期待されます。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。 ... ...続きを見る

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2014/05/09 00:00
胎児のDNAメチル化に影響する母親の食事
 母親の食事が胎児のDNAメチル化に影響することを報告した研究(Dominguez-Salas et al., 2014)が公表されました。DNAメチル化はエピジェネティックな現象(DNA塩基配列の変化を伴わない後成的な遺伝子発現の変化)の仕組みの一つであり、大いに注目されている分野と言えるでしょう。この研究は、雨季と乾季で食事がきょくたんに変化するアフリカ西部ガンビア共和国の農村部における調査で、雨季に受胎した乳児が乾季に受胎した乳児と比較して6個の遺伝子すべてでメチル化レベルが高かったことと... ...続きを見る

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2014/05/07 00:00
ニジマスのゲノム解読
 ニジマスの全ゲノム塩基配列の解読結果についての研究(Berthelot et al., 2014)が公表されました。ゲノムが突然倍加する全ゲノム重複は脊椎動物の進化に重大な結果をもたらしていますが、既知の全ゲノム重複事象の大部分は大昔に起きているため、その解明はほとんど進んでいない、とのことです。この研究では、全ゲノム重複が比較的最近起こったニジマス(Oncorhynchus mykiss)の全ゲノム塩基配列の解読結果から、全ゲノム重複後の遺伝子の進化は、じゅうらい考えられていたよりも相当に緩... ...続きを見る

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2014/04/25 00:00
地域集団間で異なる腸内細菌叢
 タンザニアのハツァ族の腸内細菌叢についての研究(Schnorr et al., 2014)が公表されました。この研究で注目されるのは、「善玉菌」として一般にもよく知られているだろうビフィズス菌が、ハツァ族には見られないことです。また、ハツァ族の腸内細菌叢については、性差も見られるそうです。一般的な意味での「正常」・「健康」な微生物叢という考え方が状況依存的であることを明確に示している、と指摘されており、たいへん興味深いと思います。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。 ...続きを見る

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2014/04/17 00:00
白亜紀末の大量絶滅の要因
 まだ日付は変わっていないのですが、3月11日分の記事として2本掲載しておきます(その一)。白亜紀末の大量絶滅の要因についての研究(Ohno et al., 2014)が報道されました。白亜紀末に恐竜など多くの生物が絶滅したことは以前からよく知られており、この20年ほどは、その要因として小惑星が衝突したという説が有力視されていることも、一般に知られるようになったと思います。この研究では、6500万年前頃に現在のユカタン半島あたりに小惑星が衝突した結果、硫酸エアロゾルがこれまでの推定よりもずっと早... ...続きを見る

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2014/03/11 00:00
プロコンスルの生息環境
 プロコンスルの生息環境についての研究(Michel et al., 2014)が公表されました。2300万〜1700万年前頃にアフリカ東部に生息していたプロコンスルは、類人猿と人間の系統の起源に関係があるとされています。これまで、プロコンスルの生息環境は、開放地を含めてさまざまな場所にわたっていた可能性が示唆されていました。この研究では、ケニアのルシンガ島で発見されたプロコンスルの生息環境について、化石植物や化石土壌といった環境指標から推測されています。 ...続きを見る

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2014/02/21 00:00
人間の腸内微生物叢は食餌によって迅速に変化する
 人間の腸内微生物叢と食餌による迅速な変化についての研究(David et al., 2014)が公表されました。腸内細菌叢によっても消化効率が違ってくるので、同じ食餌内容でも個人により摂取カロリーが異なってくる、ということを以前このブログでも取り上げました(関連記事)。この研究によると、人間の腸内微生物叢は食餌によって迅速に変化し、代謝機能のパターンも変わるそうです。これは、治療や体質改善にも大いに役立ちそうな研究となりそうです。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。 ...続きを見る

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2014/02/15 00:00
過去5万年間の北極圏における植物相と大型動物の食性の変遷
 過去5万年間の北極圏における植物相と大型動物の食性の変遷についての研究(Willerslev et al., 2014)が報道されました。北極圏の植物相は、地上で最も形成年代が新しく、多様性に乏しいと一般的に理解されています。しかし、このような植物相がどのように形成されてきたのかという理解は貧弱だ、とこの研究では指摘されています。更新世後期〜末期の北極圏の植生は、イネ科植物に覆われたマンモスステップと考えられてきました。マンモスなど現在では絶滅している大型動物が多数、ツンドラで草を食んでいる様... ...続きを見る

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2014/02/08 00:00
新型万能細胞をめぐる報道
 新型万能細胞についての研究は世界で大きく取り上げられたようですが、日本人研究者が中心になったということで、日本ではとくに扱いが大きかったように思います。しかし、日本での報道の在り様について、外国のマスコミは詳しく報道しているのに、「毎日新聞以外は、発見そのものに関する説明は控えめで、業績には関係のない情報ばかりが報道されて」おり、朝日新聞には「発見そのものに関する詳しい説明はありません」と指摘し、日本のマスメディアを痛烈に批判した見解が公表されています。 ...続きを見る

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2014/02/01 00:00
新型の万能細胞
 新型の万能細胞についての研究が大きく取り上げられました。日本では朝日新聞などが大々的に報道しています。『ネイチャー』の今週号には、外界刺激が誘導する体細胞から多能性細胞への運命転換という表題の研究(Obokata et al., 2014A)と、多能性を獲得した再プログラム化細胞における二方向性の発生能という表題の研究(Obokata et al., 2014B)が掲載されています。この新型万能細胞は「STAP細胞」と名づけられました。2年前の4月に研究チームが『ネイチャー』に投稿したさい、じ... ...続きを見る

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2014/01/31 00:00
種によって異なる老化
 生物の老化についての研究(Jones et al., 2014)が公表されました。種によって老化の在り様が異なるだろうということは、鮭や昆虫などの事例からも、私も含めて多くの非専門家にも直感的に理解しやすいでしょう。ただ、生物すべてが対象となるわけですし、人間のように世代の長い生物種もいますから、それを実証して理論化することには、長い時間を要するのではないか、と思います。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。 ...続きを見る

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2014/01/12 00:00
78万〜56万年前頃のウマのゲノム解読
 明日(11月9日)からしばらく留守にするかもしれないので、とりあえず来週分までまとめて更新することにします。これは11月10日分の記事として掲載しておきます。 ...続きを見る

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2013/11/10 00:00
過去の気候変動の範囲を超える温暖化が最初に起きるのは熱帯地域
 温暖化の予測とその影響についての研究(Mora et al., 2013)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。人為的要因による地球温暖化については、現代科学の苦手な多くの要因の考慮と長期の観察を要するため、どの程度気温が上昇するのか、その影響はどの程度なのか、また地域ごとにどれだけ影響が異なってくるのか、正確な予測が難しいことは否定できないでしょう。この研究では、現在進行中の地球温暖化が過去の気候変動の範囲を超える最初の時期は21世紀中期〜後期で、それが最初に起... ...続きを見る

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2013/11/03 00:00
顎の発達についての研究
 これは10月14日分の記事として掲載しておきます。顎の発達についての研究(Zhu et al., 2013)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用で、脊椎動物の進化における重要な出来事である顎の発達について報告されています。この研究で明らかにされているのは、サメや硬骨魚などの現生有顎脊椎動物が、板皮類として知られる有顎の甲冑魚類群から出現した段階です。板皮類の多くの顎は、現生有顎脊椎動物のそれとは大きく異なっていましたが、この研究で報告された板皮類のEntelognat... ...続きを見る

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2013/10/14 00:00
恐竜の寄生虫ではなかったジュラ紀の昆虫
 まだ日付は変わっていないのですが、4月7日分の記事として掲載しておきます。ジュラ紀の昆虫についての研究(Huang et al., 2013)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用で、これまで、ジュラ紀の化石昆虫であるstrashilidは、翼竜または羽毛恐竜にたかるノミのような寄生虫だと考えられてきたのですが、新たな化石標本の発見により、そうではない可能性が高くなった、とのことです。strashilidの鋏のような肢は、これまで、宿主にしがみつくために使われたと考えら... ...続きを見る

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2013/04/07 00:00
スノーボールアースにおける海洋の役割
 まだ日付は変わっていないのですが、4月3日分の記事として掲載しておきます。スノーボールアースにおける海洋の役割についての研究(Ashkenazy et al., 2013)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用で、新原生代の約7億5000万〜6億3500万年前に凍結が全球に及んでいたか否かという議論が活発ですが、それはともかくとして、大規模な氷河作用が起きたことについては、おおむね見解が一致しているようです。ただ、これまでのほとんどの研究では、当時働いていた大気過程が注... ...続きを見る

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2013/04/03 00:00
目の発生に必要な光
 まだ日付は変わっていないのですが、2月15日分の記事として掲載しておきます。光が目の発生を調節する仕組みについての研究(Rao et al., 2012)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用で、目の発生には光が重要とのことであり、素人の思いつきではありますが、発生ではこのように外部からの刺激が重要な部位が多くありそうな気がします。ただ、この研究はマウスを対象としたものであり、人間の目の発生もマウスと同様なのか、まだ定かではない、とも指摘されています。ただ、人間とマウス... ...続きを見る

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2013/02/15 00:00
エーミアン間氷期の気候の詳細な記録
 まだ日付は変わっていないのですが、1月25日分の記事として掲載しておきます。完新世における人類の遺伝的変異を推定した研究(Dahl-Jensen et al., 2013)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用ですが、エーミアン間氷期と呼ばれる130000〜115000年前頃は、現生人類(ホモ=サピエンス)がアフリカからレヴァントへと進出した時期でもあり、以前より、温暖な気候に変化したことによって、アフリカ起源の現生人類のレヴァントへの進出が可能になったのではないか、と... ...続きを見る

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2013/01/25 00:00
更科功 『化石の分子生物学』
 まだ日付は変わっていないのですが、11月15日分の記事として掲載しておきます。講談社現代新書の一冊として、講談社より2012年7月に刊行されました。本書では、分子生物学の具体的な解析について、一般書にしては詳しく述べられており、分子生物学史的な記述もあるので、分子生物学の入門書としての性格もあるように思います。本書は全体的に、分子生物学の有効性とともに限界性も強調した内容になっているので、その点で明快な説明を求めている人には物足りないところもあるかもしれませんが、それだけに良心的ではある、とも... ...続きを見る

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2012/11/15 00:00
安藤寿康『遺伝子の不都合な真実─すべての能力は遺伝である』
 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2012年7月に刊行されました。本書では「能力」には遺伝子の影響があるという見解が強調されていますが、もちろん「能力」は遺伝子だけで決まるものではなく、遺伝子と環境の両者の影響が指摘されています。そんな当然のことをわざわざ本にまとめる必要があるのか、と多くの人が考えるかもしれませんが、多くの人が直感的に・漠然と自明のことと考えている常識を、学術的に検証することも専門家の役割であり、その意義は大きいと思います。その意味で、多くの人が漠然と考えているであろう常識... ...続きを見る

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2012/08/13 00:00
恐竜が内温性だった可能性
 恐竜が内温性だった可能性を指摘した研究(Köhler et al., 2012)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用ですが、これまで恐竜が内温性ではなかった根拠として、爬虫類や両生類の骨にも似た特徴が見られる、成長の季節的な減速または中断を示す「成長停止線」のあることが挙げられていました。一方、内温性とされる鳥類や哺乳類については、これまで1季節内で成体に育つものがおもに研究対象となっており、この研究でシカ・レイヨウ・トナカイなど大型の内温性哺乳類が調べられ... ...続きを見る

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2012/07/21 00:00
視点・論点「黒人選手は本当に"速く""強い"のか」
 NHKの「視点・論点」で「黒人選手は本当に"速く""強い"のか」という表題の解説が放送されたところ、かなり注目を集めているようです。解説者は、以前このブログで取り上げた『人種とスポーツ 黒人は本当に「速く」「強い」のか』(中央公論新社、2012年)の著者であり、この解説は、同書の一部を要約したものとなっています。同書もそれなりに反響を呼んだようですが、この解説と比較するとはるかに小さいようで、今でもテレビの影響力は大きいのだな、と改めて思った次第です。なんといっても、世帯で平均1/3人が視聴し... ...続きを見る

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2012/07/08 00:00
イクチオステガの移動様式
 イクチオステガの移動様式についての研究(Pierce et al., 2012)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用ですが、遊泳から歩行への移行は漸進的だった可能性が高そうとのことです。もっとも、移動様式の進化のより詳細な推定のためには、今後さらなる化石の発見が必要になるでしょう。なお、このブログでは以前、イクチオステガが幼体期には多くの時間を水中で過ごし、後年は陸上に移動する可能性を指摘した研究(関連記事)と、イクチオステガに類似した最初期の陸生脊椎動物(四肢動物)... ...続きを見る

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2012/07/01 00:00
川島浩平『人種とスポーツ 黒人は本当に「速く」「強い」のか』
 中公新書の一冊として、中央公論新社から2012年5月に刊行されました。黒人が先天(遺伝)的に運動能力に優れているという言説は、現代日本社会でもかなり浸透しているように思われます。本書は、アメリカ合衆国スポーツ史の検証を通じて、この黒人運動能力先天的優越説が、20世紀、とくに1930年代以降に顕著になっていったことと、プロ・アマを問わず黒人のスポーツでの活躍が、経済・社会資本・政治的制度・社会思潮に大きく影響されていたことを示しています。おもに分析対象となるのは、野球・アメリカンフットボール・バ... ...続きを見る

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2012/06/13 00:00
トマトのゲノム解読
 トマトのゲノム解読についての研究(The Tomato Genome Consortium., 2012)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用ですが、栽培種や家畜種のボトルネックはありそうなことではあります。トマトは現在、原産地の南アメリカ大陸のみならず、他の多くの地域で食材として利用されており、それらの中には郷土料理としてすっかり定着しているものも多くあります。今ではトマトが南アメリカ大陸原産であることはあまり意識されていないでしょうが、アメリカ大陸以外の地域では、... ...続きを見る

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2012/06/01 00:00
金環日食
 昨日、東京でも午前7時半頃に金環日食を見ることができました。この時間帯の東京はわりと雲が出ていたのですが、ちょうど薄い雲にかかっていたために、金環日食の状態をよく観察できました。金環日食が始まると、しだいに暗くなっていき、もっとも太陽が隠れている時には、はっきりと暗くなっていることが分かりました。皆既日食だと本当に暗くなるようで、めったに見られない自然現象だけに、文字記録のない社会では大いに恐れられたのではないか、とつい想像したくなるのですが、じっさいのところどうなのかというと、各社会・個人に... ...続きを見る

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2012/05/22 06:21
最終氷期末期の急速な海面上昇
 最終氷期末期における急速な海面上昇についての研究(Berna et al., 2012)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用ですが、最終氷期末期には急速な海面上昇があったことになります。これが人類の行動に大きな影響を与えたことは間違いなく、今でも大きな関心を集めている、アメリカ大陸への人類の移住時期・経路についての議論にも関係してくるでしょう。また、更新世末期の人類の沿岸部における痕跡のなかには、海面の上昇により今では海面下にあるものも多いでしょうから、水中考古学のさ... ...続きを見る

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2012/04/10 06:26
脊椎動物の脳の起源
 脊椎動物の脳の起源についての研究(Pani et al., 2012)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用ですが、特定の形質だけを基準とすると、系統分類とは異なる近縁関係が示されるということは、各種生物間の比較でよくあることなのだろう、と思います。とくに脳については、人間と他の動物を区別する最重要の指標と考えられる傾向にあるので、人間の側の思い入れというか思い込みが強いように思われ、人間や人間と近縁な生物の脳進化の独自性が強調されやすいのかもしれません。今後も、そうし... ...続きを見る

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2012/03/21 00:00
『ハイビジョン特集 カンブリアン ウォーズ』
 BSプレミアムで放送されていたので、録画して視聴しました。生物進化史において大爆発期とされるカンブリア紀を、ドラマ形式で解説した番組です。ドラマに挿入される、カンブリア紀についての研究者の解説自体はなかなか面白かったのですが、肝心のドラマのほうがさっぱりで、これならば、研究者の見解を上手くまとめてCGとともに放送するという王道的構成にしたほうがよかったでしょうし、生物進化史に詳しくない芸能人を多数呼んで、あまり意味のないお喋りをさせておくほうがまだよかったのではないか、とさえ思います。 ...続きを見る

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2012/02/23 19:12
真核生物の淡水への進出時期
 真核生物の淡水への進出時期についての研究(Strother et al., 2011)が公表されました。この研究では、スコットランド北西部の高地にある先カンブリア時代のトリドニアン系頁岩で発見された10億年前の化石が報告されています。この微化石集団は、かつての湖底や珪砕屑性微生物マットに堆積したもので、有機質の壁を持つ長さ1ミリメートル近い多細胞生物からなる多様な集団とのことです。この微化石集団は淡水に生息していた単純な真核生物のようで、時々部分的に大気に触れていたのではないか、と考えられます... ...続きを見る

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2011/06/04 00:00
ローヤルゼリーの活性成分
 ローヤルゼリーの活性成分についての、富山県立大学の鎌倉昌樹講師の研究(Kamakura., 2011)が報道されました。ミツバチの集団における女王バチと働きバチの違いが、遺伝子ではなく栄養によるもので、ローヤルゼリーを食べた幼虫が女王バチへと分化することはよく知られていますが、ローヤルゼリー中の活性成分は、これまで明らかになっていませんでした。この研究では、セイヨウミツバチのローヤルゼリーの成分分析から、含まれるタンパク質の量と女王蜂になる個体数に相関があることが確認され、複数のタンパク質を個... ...続きを見る

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2011/06/02 00:00
ミミズトカゲ類の進化系統樹上の位置づけ
 ミミズトカゲ類の進化系統樹上の位置づけについての研究(Müller et al., 2011)が公表されました。日本にはいないミミズトカゲ類は、地中生活に適応した肢のないトカゲの一群ですが、その分類と進化系統樹上の位置づけについては、意見が分かれていました。分子遺伝学の分野からは、ミミズトカゲ類はカナヘビ類におさまる、との分類が提示されていました。しかし、形態学の分野では、ミミズトカゲ類の肢のない長い体は共通祖先から受け継いだものであるとして、ヘビ類とまとめる分類が主流になっていまし... ...続きを見る

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2011/05/29 05:09
大量絶滅は進行中なのか
 現在、大量絶滅がすでに始まっているのか否か、という問題についての見解(Barnosky et al., 2011)が公表されました。生物史上、5回ほど大量絶滅があったことが知られており、直近となる6500万年前頃の白亜紀末期の5回目の大量絶滅は、大型の恐竜が絶滅したこともあって、とくによく知られていますが、現在、6回目の大量絶滅が進行中なのではないか、との主張は珍しくなく、この見解では、その主張の是非について論じられています。 ...続きを見る

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2011/03/04 00:00
節足動物の起源
 節足動物様の付属肢を持ち、被甲を有するカンブリア紀の葉足動物の化石についての研究(Liu et al., 2011)が報道されました。この研究では、中国南西部の雲南省で発見された、5億2千万年前頃の葉足動物の化石が報告され、節足動物の起源との関連が指摘されています。この葉足動物は蠕虫に似た体長約6センチの細い生物で、その姿から「歩くサボテン」という愛称で呼ばれているそうですが、学名は“Diania cactiformis”となります。 ...続きを見る

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2011/02/27 05:39
更新世の大規模旱魃
 アメリカ合衆国南西部の、更新世における大規模旱魃についての研究(Fawcett et al., 2011)が公表されました。米国南西部では、過去2000年の間に、何十年も持続する旱魃が時々起こっていたことが知られていますが、長期の気候変動を予想するモデルシミュレーションでは、将来、気候がより温暖になると、これらよりはるかに長期間にわたる大規模旱魃が起こる可能性が示唆されています。 ...続きを見る

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2011/02/25 06:32
さかのぼる複雑な形態の生物の起源
 これまで、巨視的で複雑な形の生物が最初に出現したのは、5億7900万〜5億6500万年前頃だと考えられてきました。これは、カナダのミステイクンポイント(ニューファンドランド・ラブラドル州)で数年前に発見された、深海性アバロン化石群集のことです。しかし、中国の藍田累層で新たに発見された海草様の形態を持つ一連の鮮明な化石は、6億年前頃にまでさかのぼる、と報告した研究(Yuan et al., 2011)が公表され、巨視的で複雑な形の生物の起源がさかのぼる可能性が高くなりました。 ...続きを見る

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2011/02/20 21:01
ネイチャーからオープンアクセス誌が創刊される
 Natureの発行元であるネイチャー・パブリッシング・グループからこのたび創刊されるScientific Reportsは、一次研究論文を扱う、オープンアクセスの電子ジャーナルです。本誌は、自然科学(生物学、化学、物理学、地球科学)のあらゆる領域を対象としています。  本誌は、自然科学の特定分野の専門家が関心を持つような研究論文を迅速に査読して出版できる環境を備え、掲載論文への障壁なきアクセスを実現することを目的としています。 ...続きを見る

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2011/02/19 05:33
新旧の必須遺伝子
 必須遺伝子についての研究(Chen et al., 2010)が公表されました。これまで一般的には、人間が生きるために不可欠な遺伝子は古くからのものであり、それらは進化の過程でずっと保存されている、と考えられてきました。しかしこの研究では、ショウジョウバエ属12種のゲノムを比較した結果、3500〜300万年前頃にショウジョウバエ属のゲノムに取り込まれた195個の新しい遺伝子を発見し、それらのうち3分の1が生存に欠かせなくなっていることが明らかになった、と指摘されています。 ...続きを見る

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2010/12/22 00:00
砒素を食べ、DNAに取り込む生物
 砒素を食べ、DNAに取り込む細菌についての研究(Wolfe-Simon et al., 2010)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。NASAが日本時間の昨日午前4時に、「地球外生命体の証拠の探索に影響を与えるであろう、宇宙生物学上の発見」について会見を開く、との告知が事前になされており、謎めいた文言であることから、地球外生命体を発見したのではないか、と妄想した人も少なからずいたでしょうが、多くの人が予想していたであろうように、それほど一般受けする内容ではありません... ...続きを見る

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2010/12/04 00:00
哺乳類の大型化
 大型哺乳類の進化についての研究(Smith et al., 2010)が公表されました。哺乳類はその出現から1億4千万年の間、3g〜15kgと小型だったのですが、6500万年前頃の白亜紀末の生物大量絶滅後、劇的に大型化しました。この研究では、南アメリカ大陸のデータが少ないものの、各大陸を対象として、分類学上の各目に属する陸生哺乳類の体のサイズを示す化石データが収集され、検証されました ...続きを見る

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2010/11/27 00:00
気候により異なる性決定機構
 ある種の胎生トカゲでは、生息場所の気候が著しく異なる場合、性決定機構も異なることを明らかにした研究(Pen et al., 2010)が公表されました。脊椎動物のうち、我々人間などは遺伝的に性別が決まりますが、亀などは、母亀の産卵後から20〜40日後くらいの、まだ孵化前の期間における卵の周囲の温度により性別が決まります。つまり、脊椎動物の性決定は遺伝だけではなく温度によることもあるわけですが、亀をペットとして飼う人はそれなりの割合でいますから、これはわりとよく知られていることかもしれません。 ... ...続きを見る

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2010/11/19 00:00
真核生物の進化とミトコンドリア
 真核生物の進化とミトコンドリアについての研究(Lane, and Martin., 2010)が公表されました。我々現代人を含む多細胞生物は真核生物に属しますが、真核生物は原核生物から進化しました。原核生物には複雑性を拡大する傾向がほとんど見られないのにたいして、真核生物は、とくに多細胞生物において、ひじょうに複雑な構造の進化が認められます。この研究では、こうした違いが何に起因するのか、推測されています。 ...続きを見る

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2010/10/22 00:00
地球の窒素サイクルへの人類の影響
 地球の窒素サイクルに人類が与えた影響についての研究(Canfield et al., 2010)が公表されました。現代の窒素サイクルの始まりは、微生物が地球上に初めて出現した約27億年前ですが、地球誕生時から現代に至るまでの地球の窒素サイクルを追跡したこの研究によると、人類はその重要なサイクルを過去100年間でがらりと変えてしまい、人類の活動が窒素サイクルに及ぼした影響は、最初の微生物が地球上に出現して以降で最大のものである可能性がある、とのことです。 ...続きを見る

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2010/10/13 00:00
遺伝子組み換え綿花の導入による弊害
 バチルス=チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)という土壌細菌由来のタンパク質を発現する遺伝子組み換え作物は、Bt作物と呼ばれています。Bt作物は、害虫を駆除し、新たに殺虫剤を必要とすることなく、収穫量を上げることができます。しかし、中国北部で10年間にわたり実施された現地調査から、Bt綿花の栽培により、中国北部における害虫の個体群数のバランスが崩れ、以前はきわめて少数であった害虫のカメムシが、近年になって急増していることが明らかになった、との研究(Lu et al... ...続きを見る

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2010/06/12 00:00
始生代の海洋は穏やかだった
 始生代前期(約35億年前)の海水温は、じゅうらい考えられてきたよりも低かったことを論証した研究(Ruth et al., 2010)が公表されました。じゅうらい、始生代前期(約35億年前)の海水温は55〜85℃と考えられてきました。しかしこの研究では、南アフリカのバーバートン緑色岩帯で得られた保存状態のよい岩石の分析から、始生代前期の海水温は40℃を超えなかっただろう、とされています。バーバートンの岩石には、35〜32億年前頃の初期生命と海洋の化学的性質の地球化学的記録が保持されています。 ... ...続きを見る

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2010/04/17 00:00
鰻の完全養殖に成功
 水産総合研究センターが、鰻の完全養殖に成功にした、と報道されました。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100408/t10013720241000.html ...続きを見る

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2010/04/09 06:59
水蒸気と地球温暖化の関係
 水蒸気と地球温暖化の関係についての研究(Solomon et al., 2010)が公表されました。水蒸気は強力な温室効果ガスで、太陽光を一旦吸収し、大気中に熱を再放出します。この研究では、データとモデルが併用され、2000年頃の成層圏の水蒸気濃度の低下が、2000〜2009年頃の地球の平均地表温度に影響を及ぼしたことが示されました。とくに、下部成層圏水蒸気は、2000年以降の地球の平均気温を横ばいにしている重大要因であり、温度上昇を約25%減速するように作用していると考えられる、とのことです... ...続きを見る

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2010/03/07 06:25
小惑星の衝突による白亜紀末期の大量絶滅
 生物史上、何度か大量絶滅があったことが知られていますが、そのなかでも白亜紀末期の大量絶滅は、大型の恐竜が絶滅したこともあって、とくによく知られています。大型恐竜の絶滅要因についてはさまざまな仮説が提唱されてきましたが、1980年代に隕石もしくは小惑星の衝突が要因との仮説が提示されてからは、日本ではテレビや一般向け科学雑誌などでよく取り上げられたこともあって、非専門家の間では、隕石・小惑星衝突説がほぼ定説として浸透しているように思われます。しかし、隕石・小惑星衝突説を大量絶滅の主因とする説への疑... ...続きを見る

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2010/03/06 00:00
マダガスカルへの哺乳類の進出
 マダガスカルへの哺乳類の進出を説明した研究(Ali, and Huber., 2010)が公表されました。マダガスカルの哺乳類の様相はアフリカのそれとは大きく異なっており、マダガスカルの哺乳類は、数千万年にわたって隔離された状態で進化したと考えられています。マダガスカルの哺乳類の祖先がどのようにマダガスカルへと到着したのかという問題をめぐっては、総合説の成立に重大な役割を果たしたジョージ=ゲイロード=シンプソンが、アフリカから漂流物に乗って海を渡るという、運任せの賭けをしてたどり着いたのだとす... ...続きを見る

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2010/02/13 00:00
多様性のゆりかごとしてのサンゴ礁
 サンゴ礁は、その生物多様性が以前から高く評価されていますが、それだけではなく、新種の発生地としても重要である、と指摘した研究(Kiessling et al., 2010)が公表されました。この研究では、ドイツとアメリカ合衆国において、カンブリア紀より海底に生息していた化石生物の膨大なデータベースが調査されました。サンゴ礁で最初に発生した新属と浅海域で発生した新属の数が比較されたところ、サンゴ礁は非常な多様性を擁しているだけでなく、海底に生息する新たな種が発生する重要な場所でもあることが認めら... ...続きを見る

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2010/01/09 00:00
脊椎動物の起源
 脊椎動物の起源についての研究(Niedźwiedzki et al., 2010)が報道されました。この研究では、ポーランドの採石場で発見された陸生脊椎動物(四肢動物)の足跡化石について報告されています。この中には、保存状態が極めて良好で足部の形態の詳細な検討が可能なものがあり、初期の原始的な四肢動物であるイクチオステガ(Ichthyostega)と類似していることが判明しました。この足跡化石が注目されるのは、3億9500万年前という年代です。これは、じゅうらい最古の四肢動物化石の年... ...続きを見る

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2010/01/08 00:00
125000年前の間氷期の海面上昇
 現在の地球温暖化との類似性も指摘した、125000年前の間氷期の海面上昇についての研究(Kopp et al., 2009)が公表されました。この研究では、局所的な海面水準の標識がデータとして用いられ、それだけでは世界規模の海面水準とは異なっている可能性があることから、世界的規模および局所的な海面や氷床量などを推定する統計的手法とが統合され、125000年前の間氷期の海面水準が復元されました。この時期の極地の気温は、現在よりも3〜5℃高かったとされています。 ...続きを見る

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2009/12/19 00:00
歴史時代の異常気候
 過去1500年の異常気候についての研究(Mann et al., 2009)が公表されました。過去1500年の世界の気候記録によると、20世紀の温暖化以前の気候異常期として、950〜1250年頃の温暖期と、1400〜1700年頃の寒冷期が挙げられますが、こうした異常気候をもたらした仕組みはほとんど解明されていません。この研究では、年輪・氷床コア・サンゴ・堆積物から得られた気候の代替データが解析され、代替データに基づく地表温度のパターンと気候モデルから再現されたパターンが比較されました。 ...続きを見る

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2009/12/10 06:57
古気候の見直し
 過去の間氷期の気温を見直した研究(Sime et al., 2009)が公表されました。じゅうらいの過去の気温についての研究では、水素と酸素の同位体比と気温の関係が空間的にも時間的にも安定である、という仮定に基づいていました。しかしこの研究では、南極から得られた34万年前の3つの氷床コアが分析され、同位体を組み込んだ大循環モデルが用いられて、同位体比と気温の関係は非線形的であることが明らかにされています。この研究によると、温暖な期間には同位体比は温度にたいする感度がより低く、そのため、これまで... ...続きを見る

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2009/12/04 06:52
始生代の海洋温度
 始生代の海洋温度についての研究(Hren et al., 2009)が公表されました。これまで、約35億年前の始生代の気候はたいへん暖かく、海洋の温度は80℃ていどだった、と考えられてきました。しかしこの推定は、堆積鉱床の酸素同位体比から古代の海洋温度を推定するという方法には不確実性がかなり大きいという理由で、疑問視されるようになってきています。 ...続きを見る

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2009/11/25 00:04
短い睡眠でも平気な人
 短い睡眠でも平気な人がいる理由を遺伝的に推測した研究(He et al., 2009)が公表されました。この研究では、短時間睡眠でも平気なことに一部関与する突然変異が発見されました。研究の対象になったのは、平均して常に一晩約6時間しか眠らない母娘が属するある拡大家族です(通常は、一晩8時間の睡眠が必要とされています)。さまざまな候補遺伝子の塩基配列を調べた結果、この母娘だけが「DEC2遺伝子」の変異体を有しており、他の親戚にはないことが判明しました。 ...続きを見る

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2009/09/05 00:00
雲と温暖化の関係
 雲量と温暖化の関係についての研究(Clement et al., 2009)が公表されました。温暖化と雲量の関係については、対照的な見解が提示されています。いくつかのモデルでは、温暖化により低層雲が増加する可能性がある、とされています。しかし、雲自体は、太陽放射をさえぎることで、「負のフィードバック」と呼ばれる冷却効果を生じさせています。温暖化が低層雲を減少させれば、太陽放射はもっと増えて、温暖化を加速させる「正のフィードバック」効果をもたらす可能性があることになります。 ...続きを見る

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2009/09/04 07:08
騎乗技術と走破時計の短縮
 騎乗技術の向上が走破時計の短縮をもたらした、とする研究(Pfau et al., 2009)が報道されました。この研究によると、19世紀末〜20世紀初頭にかけて、英国・米国で競走馬の走破時計が5〜7%も短縮されたのは、上体を起こした騎乗姿勢から腰を浮かせて上半身を前傾させる姿勢へと変わり、馬への負担が軽減されて走行が安定したからだ、とされています。 ...続きを見る

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2009/08/07 00:00
台風と地震の関係
 台風と地震の関係についての研究(Liu et al., 2009)が報道されました。この研究によると、大気圧の季節変動が微小地震活動を調節していることが明らかになりました。台湾東部で観測されたデータによると、台風が引き金となり、継続時間が分から秒ではなく、時間から分にわたる地震現象である「ゆっくり地震」が起きることがある、と分かりました。数値モデルでは、台風にともなって気圧が低下すると、高い応力がかかっていて破壊条件に近い断層がごくわずか緩む、と示唆されています。 ...続きを見る

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2009/06/21 06:23
火山活動による大量絶滅
 二畳紀中期における大量絶滅と火山活動との関係について論じた研究(Wignall et al., 2009)が公表されました。この研究では、二畳紀中期に、連続性のガス爆発を伴う火山噴火により海洋性生物が大量絶滅したことが、中国南西部の新たな地質学的証拠から示唆されました。この研究は2つの現象間の因果関係を詳細に解明するまでには至りませんが、この研究結果から、火山活動が冷却効果と酸性雨をもたらし、大量絶滅をひきおこしたことが示唆されている、とのことです。 ...続きを見る

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2009/06/04 00:00
北極圏の天然資源
 北極圏の天然資源の埋蔵量を評価した研究(Gautier et al., 2009)が公表されました。この研究では、北極圏北部に眠る天然資源の埋蔵量を評価した結果、世界でまだ発見されていない天然ガスの30%と原油の13%が存在する可能性があることが示されました。この研究では、北極圏における原油の推定埋蔵量は、主要産油国において確認されている埋蔵量より少ないため、世界の石油市場が大きく変わることはない、とされています。 ...続きを見る

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2009/06/03 00:00
文化の遺伝的制約
 文化の遺伝的制約についての研究(Fehérk et al., 2009)が公表されました。この研究では、文化の遺伝的起源を調べるため、他集団のさえずりを聞いたことがないキンカチョウからなる孤立したコロニーで、社会的学習の行われるさえずりの確立について調べられました。その結果、コロニーの創始者となった複数の個体は、成長中に手本となるさえずりを一度も聞かされなかったため、野生型と著しく異なるさえずりをしましたが、3〜4世代のうちに、手本からの学習により獲得した歌は野生型のものに近づきまし... ...続きを見る

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2009/05/29 06:30
アフリカ西部の旱魃
 アフリカ西部の旱魃についての研究(Shanahan et al., 2009)が公表されました。アフリカ西部のサハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地域では、20世紀後半に大きな被害をもたらす旱魃がたびたび発生しました。この研究では、ガーナにあるボスムトゥイ湖の3000年間の堆積物の記録が分析されましたが、水文学的に閉鎖された湖盆であるボスムトゥイ湖は、局地的な降雨量に影響を受けやすく、湖の水量や堆積物の地質学的性質が影響を受けてきました。この分析の結果、アフリカ西部では過去3000年間、数十年から数... ...続きを見る

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2009/04/30 05:25
水中から陸上へ
 陸生動物の進化系統樹について論じた研究(Callier et al., 2009)が公表されました。この研究では、初期の原始的両生類とされるイクチオステガの腕骨が分析されました。その結果、イクチオステガの上腕骨の位置が成長に伴い徐々に変化することが分かりました。これは、イクチオステガの腕の機能は一生を通じて変化し、イクチオステガは幼体期には多くの時間を水中で過ごし、後年は陸上に移動することを示しています。 ...続きを見る

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2009/04/29 05:57
12万年前の急速な海面上昇?
 サンゴ礁化石の分析から、12万年前頃の海水面の上昇を示唆した研究(Blanchon et al., 2009)が報道されました。メキシコにある大幅に露出したサンゴ礁化石から得られた証拠より、サンゴ礁段丘の発達・浸食表面と海水準変動についての詳細な描像が得られました。ウラニウム系列による正確な年代測定と層序学的分析との組み合わせ、さらにはさまざまな場所でのサンゴ礁年代との比較も加えると、12万1000年前頃に海面が2〜3メートル急激に上昇したことが示唆されました。これは、最終間氷期の末期の氷床が... ...続きを見る

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2009/04/18 13:43
酸素濃度上昇の要因
 太古の地球における酸素濃度上昇の要因について論じた研究(Konhauser et al., 2009)が報道されました。地球上で大気中の酸素濃度が上昇したのは24億年前頃とされ、その要因は大気中のメタン濃度の低下だと考えられています。これは、大酸化事変(GOE)と呼ばれていますが、大気中のメタン濃度が低下し始めた原因は、まだよく分かっていません。 ...続きを見る

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2009/04/11 00:00
大量絶滅の原因はガンマ線バースト?
 オルドビス紀(4億8800万〜44300万年前頃)終盤における生物の大量絶滅の原因はガンマ線バーストだったのではないか、とする研究が報道されました。ガンマ線バーストのほとんどは、ひじょうに質量の大きい星の核が崩壊したときに発生する、高エネルギーの放射線と考えられています。新たなコンピューターモデルのシミュレーションによると、6500光年以内で発生したガンマ線バーストが地球に届けば、オゾン層を破壊して酸性雨を降らせ、地球寒冷化を引き起こす恐れがあることが示されました。 ...続きを見る

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2009/04/09 06:51
ビタミンAの過剰摂取の危険性
 4月4日付の読売新聞に、ビタミンAの過剰摂取の危険性を指摘する見解が掲載されていましたが、古人類学に関心のある人のなかには、河合信和『ネアンデルタール人と現代人』(文藝春秋社、1999年)などを読んで、人類が古くからビタミンAの過剰摂取により命を落としていたことを知っているかもしれません。 ...続きを見る

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2009/04/07 00:18

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