テーマ:自然科学

出生前のアンドロゲン曝露による多嚢胞性卵巣症候群のリスク

 出生前のアンドロゲン曝露による多嚢胞性卵巣症候群のリスクに関する研究(Risal et al., 2019)が公表されました。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は生殖年齢の女性の17%にまで見られ、受精率の低下や2型糖尿病、それに不規則な月経周期のような健康に有害な事象に関連があり、そのすべては肥満によりさらに悪化します。PCOSの罹患率…
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現生哺乳類と異なる聴覚器官を持つ初期哺乳類

 現生哺乳類と異なる聴覚器官を持つ初期哺乳類に関する研究(Wang et al., 2019)が公表されました。発生生物学および古生物学の双方から蓄積されたデータからは、哺乳類では、顎の歯骨後方の骨の、頭蓋の耳小骨への変化が、少なくとも3回独立に起きた、と示唆されています。また、保存状態の良好な化石からは、哺乳類中耳の進化における移行段…
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都市部の河川におけるリチウム濃度

 都市部の河川におけるリチウム濃度に関する研究(Choi et al., 2019)が公表されました。携帯電話と電気自動車が普及し、需要が生まれているため、リチウムの使用量が増加しています。また、今後もリチウムの需要増加が予想されていますが、廃棄されたリチウムの処理ガイドラインはひじょうに少なく、リチウムの製造と廃棄が環境と人間の健康に…
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絶滅したシカ似の種の「再発見」

 絶滅したシカ似の種を「再発見」したと報告する研究(Nguyen et al., 2019)が報道されました。ベトナムとラオスの大アンナマイトエコリージョン(Greater Annamites Ecoregion)は、世界有数の生態学的多様性を有する地域でする。1910年、silver-backed chevrotainと呼ばれるシカに…
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梅津和夫『DNA鑑定 犯罪捜査から新種発見、日本人の起源まで』

 講談社ブルーバックスの一冊として、講談社から2019年9月に刊行されました。本書はDNA鑑定の原理をその問題点・限界点とともに分かりやすく解説しており、DNA鑑定の具体例も示されていますから、入門書としてなかなか工夫されており、楽しめると思います。また、環境DNAなど最新の研究動向も抑えられており、この点もよいと思います。著者はDNA…
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血液におけるY染色体喪失モザイクの遺伝的要因

 血液におけるY染色体喪失モザイクの遺伝的要因に関する研究(Thompson et al., 2019)が公表されました。循環白血球におけるY染色体喪失のモザイク(LOY)は、細胞のクローン性増殖によるモザイク現象の最も一般的な形態ですが、その原因や結果についての知見は限られています。この研究は、新たな計算手法を用いて、イギリスのバイオ…
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記憶の再固定化阻害によるアルコール摂取量の減少

 記憶の再固定化阻害によるアルコール摂取量の減少に関する研究(Das et al., 2019)が公表されました。再固定化は記憶を維持するプロセスで、再活性化した長期記憶が一時的に不安定化して、新しい情報を取り込みます。不安定化した記憶は、N-メチルD-アスパラギン酸受容体(NMDAR)経路により、新しい形の記憶として安定化します。この…
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メンフクロウの白い羽衣は獲物を捕らえやすくしている

 メンフクロウの白い羽衣と獲物の捕獲に関する研究(San-Jose et al., 2019)が公表されました。月光は、個体の食餌発見能力を変えたり、動物が身を隠したままにしたりするなど、動物の模様の働きを変化させています。また月は、夜の世界をさまざまな光にさらしており、それが夜行性動物の配色の進化を促進している可能性もあります。この研…
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家畜ウマの父系起源

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、家畜ウマの父系起源に関する研究(Wallner et al., 2017)が公表されました。Y染色体の雄特有領域(MSY)は、父親から息子へと組み換えなしに継承されるので、雄の移住および人口史を反映しています。母系継承となるミトコンドリアDNA(mtDNA)と組み合わせると、単一種の雌雄の人…
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高齢期に始めた食餌制限では寿命は延びない

 栄養状態の記憶の影響に関する研究(Hahn et al., 2019)が公表されました。カロリー摂取量を通常の20~40%減にする食餌制限を一生にわたって行なうと、健康に良い影響があり寿命が延びる、と多くの動物でよく知られています。しかし、食餌制限を一生の比較的遅い時期に開始した場合に効果があるのかどうかは、分かっていませんでした。 …
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超長テロメアを持つマウスは代謝老化が少なく寿命が長い

 テロメアの長さと寿命に関する研究(Muñoz-Lorente et al., 2019)が報道されました。テロメアは体内の各細胞の核で染色体の末端を形成しており、その役割は、DNAの遺伝情報の完全性を保護することです。 細胞が分裂するたびに、テロメアは少し短くなるため、老化のおもな特徴の一つは、細胞内の短いテロメアの蓄積です。テロメア…
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更科功『残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか』

 NHK出版新書の一冊として、NHK出版から2019年10月に刊行されました。本書は、第1部が「ヒトは進化の頂点ではない」とあるように、進化に関する一般的な誤解を強く意識した構成になっています。進化に完成型が存在するとか、ヒトが最も進化していて高性能であるとかいった観念は、今でも根強くあるかもしれません。進化否定論でよく言われているよう…
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新種の鳥類化石

 新種の鳥類化石に関する研究(Imai et al., 2019)が公表されました。ドイツで発見されたジュラ紀後期(約1億6000万年~1億4000万年前)の始祖鳥は、最初の鳥類だと一般的には考えられていますが、現生鳥類に関連する特徴は、白亜紀まで出現しませんでした。最古となる既知の白亜紀の鳥類化石は、中国北東部で発見された2次元化石標…
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国立公園のメンタルヘルスへの影響

 国立公園のメンタルヘルスへの影響に関する研究(Buckley et al., 2019)が公表されました。メンタルヘルスが損なわれていることの経済的コストには、治療・ケア・職場の生産性低下などがある。一方、自然の中で時間を過ごすことによって得られる健康に関連した恩恵としては、注意力・認知力・睡眠の向上、ストレスからの回復などがあると考…
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酵母の交雑

 違う種類の酵母の交雑により、醸造環境への適応と異なるビールスタイルの出現が促進された、と報告する2編の論文が公表されました。これらの論文は、雑種形成が醸造環境での酵母の適応と多様化をどのように促進したのか示すとともに、産業に関連する他の雑種酵母を開発する上で有益となる情報をもたらしています。人類は、数千年前からサッカロミケス(Sacc…
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北極海の海氷減少による海生哺乳類の疾患の蔓延(追記有)

 北極海の海氷減少による海生哺乳類の疾患の蔓延に関する研究(VanWormer et al., 2019)が公表されました。アザラシジステンパーウイルス(PDV)は、1988年と2002年に北大西洋のゼニガタアザラシの大量死を引き起こし、2004年には北太平洋で確認されました。この研究は、北太平洋へのPDVの侵入時期、PDVの出現に関連…
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後天性細菌間防御系を含むヒトの腸内細菌

 ヒトの腸内細菌の後天性細菌間防御系に関する研究(Ross et al., 2019)が公表されました。ヒトの消化管は、密で多様な微生物群集によって構成されており、その組成は健康と密接に結びついています。この群集の構成要素を説明するには、食餌や宿主免疫などの外因性の要因だけでは不充分で、共存する微生物間の直接的な相互作用が腸内微生物叢(…
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学習に最適な難易度

 学習に最適な難易度に関する研究(Wilson et al., 2019)が公表されました。教育のための最適条件をめぐる論点については、何年も前から研究者の間で議論が続けられています。しかし、学習に有益な特定の難易度が存在している理由とその最適レベルが具体的に何なのかは、まだ分かっていません。この研究は、トレーニングの難易度が学習速度に…
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森林の枯死の予測

 森林の枯死の予測に関する研究(Liu et al., 2019)が公表されました。森林枯死の発生頻度が高まっていることは全世界で観測されており、その結果としての土地被覆の変化が、生態系と在来種に影響を及ぼしています。また、この数十年間にわたって、気候変動による気温と降水量のパターンの変化が、森林にとってストレスになっています。森林枯死…
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ワクチン接種を受けていない小児の「免疫記憶喪失」

 ワクチン接種を受けていない小児の「免疫記憶喪失」に関する二つの研究が公表されました。日本語の解説記事もあります。麻疹ワクチン導入前は、ほぼ全ての小児が麻疹感染を経験していました。ワクチン接種は2000~2017年の麻疹症例の80%減少に役立ち、推定2110万人の生命を救いました。しかし、反ワクチン活動・反ワクチン宗教団体・ワクチン接種…
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ネオニコチノイド系殺虫剤の使用により破綻した宍道湖の漁業(追記有)

 宍道湖の漁業におけるネオニコチノイド系殺虫剤の使用の影響に関する研究(Yamamuro et al., 2019)が公表されました。日本語の解説記事もあります。花粉媒介種に対して世界で最も広く使われているネオニコチノイド系殺虫剤の悪影響はよく知られています。この研究は化学・生物学・漁獲量に関する20年以上に及ぶデータを用いて、動物プラ…
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数年後に中国人がノーベル賞取りまくるのはほぼ確実なんだよ

 表題の発言がTwitterで話題になっているようです。全文を引用すると、 数年後に中国人がノーベル賞取りまくるのはほぼ確実なんだよ 論文投稿サイトすら知らない一般人は「中国人は真似ばかり」とか言うけど、いつまで中国を科学力の低い国だと思ってんだろ とっくに追い越されてるんですけど となります。ノーベル賞では業績から受賞…
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南極の氷から推測される気候周期

 南極の氷から推測される気候周期に関する研究(Yan et al., 2019)が公表されました。過去80万年にわたって、氷期–間氷期サイクルの振動周期は10万年でした(10万年周期の世界)。氷床コアと海洋堆積物のデータは、10万年周期の世界では、大気中の二酸化炭素濃度・南極の気温・深海の水温・全球の氷体積が互いに強く相関していた、と示…
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節足動物の広範にわたる減少

 節足動物の広範にわたる減少に関する研究(Seibold et al., 2019)が公表されました。節足動物種の局地絶滅や節足動物の生物量の激減に関する最近の報告は、土地利用の強化が生物多様性の低下の主要な駆動要因であることを指摘しています。しかし、土地利用強度の勾配全体にわたる節足動物の存在に関する多地点の時系列データで、因果関係を…
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緑色植物の進化

 緑色植物の進化に関する研究(One Thousand Plant Transcriptomes Initiative., 2019)が公表されました。陸上植物と緑藻類を含む緑色植物門はきわめて多様な約45万~50万種の植物から構成され、陸上生態系および水界生態系で重要な役割を担っています。この研究は、「1000植物トランスクリプトーム…
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マウスの高塩分摂取と認知機能低下

 マウスの高塩分摂取と認知機能低下に関する研究(Faraco et al., 2019)が公表されました。食習慣や血管リスク因子は、アルツハイマー病と血管性の要因による認知障害の両方を促進します。さらに、過剰リン酸化タウの蓄積(タウは微小管結合タンパク質で、アルツハイマー病の病理学的特徴でもあります)も、血管性認知障害と関連しています。…
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海面上昇による世界沿岸部への影響

 海面上昇による世界沿岸部への影響に関する研究(Kulp, and Strauss., 2019)が公表されました。この研究は、新しい数値標高モデル(CoastalDEM)を用いて、地球上で極端に高い水位の沿岸海域の影響を受ける人口を評価しました。CoastalDEMは、従前のモデルの垂直バイアスを低減するために役立つニューラルネットワ…
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小型のティラノサウルス

 小型のティラノサウルスに関する研究(Nesbitt et al., 2019)が公表されました。巨大なティラノサウルスは8000万~6600万年前の後期白亜紀に繁栄しました。しかし、ティラノサウルス類の起源は、現在の北アメリカ大陸で中期白亜紀に起こった海水準上昇に伴う標本発見の全般的空白のため、ほとんど明らかにされていません。この研究…
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地球規模のミミズの生物多様性パターン

 地球規模のミミズの生物多様性パターンに関する研究(Phillips et al., 2019)が公表されました。日本語の解説記事もあります。この研究は、世界57ヶ国の7000ヶ所近いサンプリング場所で得られたミミズに関するデータを評価しました。ミミズはひじょうに多様な生物の総称で、世界中の土壌に豊富に分布しています。ヒトがミミズの…
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崩壊しやすくなった南極の棚氷

 南極の棚氷が崩壊しやすくなったことを報告した研究(Dickens et al., 2019)が公表されました。この研究は、過去の氷質量減少を駆動した要因と過去の氷質量減少が現状に及ぼした影響を調べるために、南極半島の北東端で採取された海底堆積物コアに保存されていた単細胞藻類の酸素同位体を分析し、6250年間の氷河融解水の流出に関する記…
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