テーマ:自然科学

真珠貝の進化に影響する気候変動

 気候変動が真珠貝の進化に影響する可能性を報告した研究(Takeuchi et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。日本では19世紀後半から真珠養殖が盛んに行なわれ、美しい真珠を広く養殖・商品化できるようになりました。一方、遺伝学的・進化論的な観点では、真珠の母貝であるアコヤガイ(Pinctada fuca…
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脊椎動物の手の起源

 脊椎動物の手の起源に関する研究(Cloutier et al., 2020)が公表されました。魚類から四肢類(肢が4本の脊椎動物)への進化は、脊椎動物の進化において最も重要な変化の一つです。四肢類の出現は3億7400万年前頃と推定されていますが、その起源に関する仮説は、中期および後期デボン紀(3億9300万~3億5900万年前頃)の数…
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乳児の食物アレルギーのリスクを低減する妊娠中の母親の腸内微生物

 妊娠中の母親の腸内微生物が乳児の食物アレルギーのリスクを低減する、と報告した研究(Vuillermin et al., 2020)が公表されました。妊娠中の母親の腸内マイクロバイオーム(細菌叢)は、胎児の免疫系の発生・発達を促進する上で重要な役割を果たしています。これに対しては、特定の細菌種の不在が免疫関連疾患の発症リスクの高さと関連…
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DNAメチル化が正確に継承される分子機構

 DNAメチル化が正確に継承される分子機構に関する研究(Nishiyama et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。DNAメチル化はDNAのシトシンの炭素原子にメチル基 が共有結合で付加される化学反応です。メチル化されたDNAはメチル化DNA結合タンパク質を呼び込み、遺伝子発現の抑制など様々な生命現象に重…
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イギリスにおける生物多様性の回復

 イギリスにおける生物多様性の回復に関する研究(Outhwaite et al., 2020)が公表されました。生物多様性の大規模研究は、保全の取り組みが確実に的を射ているようにする上で重要です。しかし、生物多様性の傾向に関する広範囲の分析には、無脊椎動物群の多くが登場しません。昆虫たちの減少を報じた最近の研究は懸念を巻き起こしましたが…
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クラウン群鳥類の起源(追記有)

 クラウン群鳥類の起源に関する研究(Field et al., 2020)が公表されました。クラウン群鳥類の進化の最初期に関する理解は、中生代の鳥類の化石記録がきわめて少ないため、進んでいません。クラウン群鳥類の最も古い系統分岐は白亜紀に起きたと知られていますが、クラウン群鳥類の最も古く分岐したサブクレードである古顎類(ダチョウとその仲…
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千葉聡『進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語』

 講談社ブルーバックスの一冊として、講談社から2020年2月に刊行されました。本書は一般向けを意識してか、進化の実態や仕組みといった学術的な解説だけではなく、進化学に関わった研究者たちの人間模様話も取り上げており、単に進化学の解説書というだけではなく、読み物としても優れていると思います。たとえば、ガラパゴス諸島が進化論発祥の聖地というよ…
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オゾン層の回復を遅らせているかもしれないCFCバンクからの排出

 CFC(クロロフルオロカーボン)バンクからの排出がオゾン層の回復を遅らせているかもしれない、と報告した研究(Lickley et al., 2020)が公表されました。大半の国々は、モントリオール議定書に定められた製造工程におけるCFC使用の全廃に同意しました。しかし、冷蔵庫・エアコン・断熱材などのすでに使用されている製品(CFCバン…
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氷期と間氷期の原動力

 氷期と間氷期の原動力に関する研究(Bajo et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。258万年前頃~現在までとなる第四紀は、一般に氷期と間氷期を繰り返す特徴があるとされ、北半球の大部分では、大陸ほどの大きさの氷床が凍った海水のように拡大・縮小と浸食を繰り返しています。中期更新世気候遷移期(MPT、125…
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大規模な生態系崩壊のモデル化

 大規模な生態系崩壊のモデル化に関する研究(Cooper et al., 2020)が公表されました。生態学上のレジームシフトは、安定した生態系が持続的に大きく変化することで、突然起こることが多く、「転換点」に達するとフィードバックループによって駆動される可能性があります。レジームシフトの発生頻度は、気候変動と環境悪化により上昇すると予…
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新型コロナウイルスに関する研究

 現在、世界規模で大問題となっている新型コロナウイルスに関する二つの研究が公表されました。一方の研究(Wu et al., 2020)は、1人の患者についての調査を報告しています。重症急性呼吸器症候群(SARS)やジカウイルス感染症などの新興感染症は、公衆衛生にとって大きな脅威です。精力的な研究の取り組みにも関わらず、新しい疾患が、いつ…
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白亜紀のハチドリサイズの恐竜(追記有)

 白亜紀のハチドリサイズの恐竜に関する研究(Xing et al., 2020)が公表されました。ミャンマー北部で見つかる9900万年前頃の琥珀に封入された骨からは、他の堆積環境では通常保存されないような、小型の動物相の軟部組織や骨格構造についての前例のない手掛かりが得られます。そうした標本には多様な脊椎動物のものが含まれますが、そのう…
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海底下の微生物が生き続ける仕組み

 海底下の微生物が生き続ける仕組みについての研究(Li et al., 2020)が公表されました。地球の上部地殻には微生物が存在すると知られていますが、岩石化した海洋下部地殻は調査が困難なため、地球上における生物学的な最後の辺境の一つとなっています。海底下の堆積物中あるいは火成岩質の基盤中に生息する微生物相にとって、増殖を支えるため、…
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気候変動により脅かされるキツネザルの生息地

 気候変動によるキツネザルの生息地縮小の可能性を報告した研究(Morelli et al., 2020)が公表されました。世界の生物多様性の5%が存在するマダガスカルでは、気候変動・外来種の侵入・乱獲・生息地の消失と分断化など、主要な地球規模の重大な脅威が全て起きています。マダガスカルに生息するキツネザル種は、全101種のうちの96%が…
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言語脳活動の遺伝と環境の影響度

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、言語脳活動の遺伝と環境の影響度に関する研究(Araki et al., 2016)が公表されました。日本語の解説記事もあります。これまで、言語機能は生まれた後、両親をはじめとする周囲の環境の影響を受けて形成される一方で、ある特定の遺伝子異常により言語障害が生じることから、遺伝的な影響もあるこ…
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神経発達に由来するショウジョウバエの行動の個性

 ショウジョウバエの行動の個性に関する研究(Linneweber et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。動物の行動の個性の起源に関する通俗的な認識の大半は、「氏」(行動を導くのは遺伝ゲノム)か「育ち」(行動を導くのは経験と環境)か、という規範的な枠組みにあります。ほぼ全ての動物において、固有の行動癖は遺…
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飼い犬に見られる不安や問題行動

 飼い犬に見られる不安や問題行動に関する研究(Salonen et al., 2020)が公表されました。この研究は、フィンランドの飼い犬13700頭について、飼い主の報告に基づいて調査し、72.5%の飼い犬が攻撃性や恐怖心などの問題行動を示した、と明らかにしました。最も多かった不安様形質は騒音感受性で、32%の飼い犬が1種類以上の騒音…
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世界の島嶼鳥類の多様性を説明するモデル

 世界の島嶼鳥類の多様性を説明するモデルについての研究(Valente et al., 2020)が公表されました。定着・種分化・絶滅は、種の豊富さの全球パターンに影響を与える動的な過程です。この島嶼生物地理学の理論は1963年に提唱されました。島嶼生物地理学の理論では、これらの過程の種の多様性の蓄積への寄与は、島の面積と隔離度に依存す…
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確率を理解しているオウム

 確率を理解しているオウムに関する研究(Bastos, and Taylor., 2020)が公表されました。この研究は、対象の動物が統計を理解しているかどうか、判定するための基準の検証のため、実験を行ないました。この研究は、以前に霊長類とヒト乳児で行われた研究にひじょうによく似ています。まず、6羽のミヤマオウム(Nestor nota…
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鳥の卵の色の多様性

 鳥の卵の色の多様性に関する研究(Wisocki et al., 2020)が公表されました。鳥の卵の色と模様はさまざまですが、こうした多様性の主要因については分かっていません。たとえば、濃い色素は薄い色素よりも多くの熱を吸収するため、色の濃い卵殻は寒冷な地域で有利と考えられますが、温暖な地域の方が強い有害な紫外線放射も遮断します。同様…
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新生児の代謝に影響を与える母親の腸内微生物

 母親の腸内微生物が新生児の代謝に影響を与えることを報告した研究(Kimura et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。バランスの取れた微生物叢は良好な健康状態と関連しており、微生物叢の異常や変化は、肥満・心疾患・糖尿病など複数の疾患および障害と関連しています。母親の微生物叢が乳児の健康に与える影響は充分…
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両生類に広く見られる生体蛍光

 両生類の生体蛍光に関する研究(Lamb, and Davis., 2020)が公表されました。これまでに生体蛍光(生物が光エネルギーを吸収して蛍光を発すること)が観察された両生類は、サンショウウオ1種とカエル3種だけでした。この研究は、32種の両生類のそれぞれ1~5個体に青色光と紫外光を当てて、これらの個体が発する光の波長を分光測定し…
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不妊の原因となる遺伝子

 不妊の原因となる遺伝子に関する研究(Ishiguro et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。全身の組織・器官では、通常は体細胞分裂と呼ばれる細胞分裂により延々と細胞の増殖が行なわれます。一方、卵巣や精巣では減数分裂と呼ばれる特殊な細胞分裂により卵子や精子が作り出されます。いずれも細胞分裂でありながら、…
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三畳紀中期の新種鱗竜形類

 三畳紀中期の新種鱗竜形類に関する研究(Sobral et al., 2020)が公表されました。鱗竜形類は規模と多様性が最大級の四肢動物系統で、10500種以上が含まれており、現代のトカゲ類・ヘビ類・ムカシトカゲ類の祖先に相当します。しかし、化石標本は、数ヶ所の三畳紀の遺跡でしか発見されておらず、鱗竜形類の初期進化はほとんど解明されて…
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産業革命以前のメタンから示される人為起源のメタン排出

 産業革命以前のメタン排出に関する研究(Hmiel et al., 2020)が公表されました。大気中のメタン(CH4)は強力な温室効果ガスで、そのモル分率は産業革命以前の時代の2倍以上になっています。化石燃料の抽出と使用は、最大の人為的メタン排出源の一つですが、こうした寄与の正確な規模は議論になっています。炭素14のメタンを使って、化…
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過去5万年間の鳥の渡り

 過去5万年間の鳥の渡りに関する研究(Somveille et al., 2020)が公表されました。多くの鳥類種は、気候の季節変動に応答して渡りをします。渡り行動は柔軟に変化し、たとえば、現在進行中の気候変動に対処するために渡りの経路を変えてしまった鳥類種もいます。これに対して、氷期は季節性がそれほどはっきりしないため、鳥類の渡りの重…
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テストステロンの疾患リスクへの影響の性差

 テストステロンの疾患リスクへの影響の性差に関する研究(Ruth et al., 2020)が公表されました。テストステロンは女性も男性も作る天然ホルモンの一種で、テストステロンの補充療法は、骨の健康増進や性機能・体組成の改善に広く用いられています。しかし、テストステロンが病気の転帰に及ぼす影響については、ほとんど分かっていません。この…
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近くにいるクラゲに刺されなくても痛みを感じる理由(追記有)

 近くにいるクラゲに刺されなくても痛みを感じる理由に関する研究(Ames et al., 2020)が公表されました。マングローブ林の流域に生息するサカサクラゲ属のクラゲ(Cassiopea xamachana)は、浅瀬の底で上下逆さになっており、フワフワした口腕が上向きについています。アメリカ合衆国フロリダ州やカリブ海やミクロネシアの…
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禁煙により非喫煙者と変わらなくなる一部の細胞の変異量

 一部の細胞の変異量が禁煙により非喫煙者と変わらなくなることを報告した研究(Yoshida et al., 2020)が公表されました。喫煙は肺癌を引き起こし、この過程は、煙草の煙に含まれる60種類以上の発癌物質がDNAを直接損傷して変異させることにより進行します。肺癌細胞のゲノムに煙草が及ぼす重大な影響に関しては充分に裏づけられていま…
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妊娠中の母親のパラベン類曝露に関連している小児期の体重

 小児期の体重が妊娠中の母親のパラベン類曝露に関連していることを報告した研究(Leppert et al., 2020)が公表されました。パラベン類の化合物は抗菌性と抗真菌性を有し、数々の消費者製品に使用されていますが、経口摂取や皮膚吸収によって体内に入り、尿や血液中に検出されることが知られています。この研究は、出生前のパラベン類曝露が…
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