テーマ:日本史近世

神田千里『戦国と宗教』

 これは10月30日分の記事として掲載しておきます。岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2016年9月に刊行されました。本書では、戦国時代における宗教の大きな役割が強調されています。戦国大名間の合戦においても宗教は重要な役割を担っており、「信仰心が薄れて合理的になった」現代日本社会との違いは大きいように見えます。しかし本書は、戦国…
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渡邊大門編『戦国史の俗説を覆す』

 これは10月27日分の記事として掲載しておきます。柏書房より2016年10月に刊行されました。この十数年間、戦国時代~江戸時代初期についての勉強が停滞しており知識が古くなっていそうなので、近年の研究成果を大まかにまとめて把握できるのではないかと思い、読んでみました。本書は一般向け書籍ということで、一般層が戦国時代でとくに関心を持ちそう…
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平山優『真田信之 父の知略に勝った決断力』

 これは10月23日分の記事として掲載しておきます。PHP新書の一冊として、2016年9月にPHP研究所より刊行されました。本書は真田信之(信幸)の伝記ですが、戦国時代末期~江戸時代初期という、中近世移行期の真田家の動向を詳細に知るのにも適した一冊になっています。と言いますか、信之の思惑や心情について、推測を述べることに抑制的なので、近…
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村井章介『シリーズ日本中世史4 分裂から天下統一へ』

 これは8月30日分の記事として掲載しておきます。岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2016年7月に刊行されました。すでに第1巻と第2巻と第3巻はこのブログで取り上げています。本書は戦国時代~17世紀前半までを扱っています。中世から近世への移行期が対象と言えるでしょうか。本書の特徴は、「対外関係」や当時は日本に「包摂」されきって…
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鍛代敏雄『戦国大名の正体 家中粛清と権威志向』

 これは3月13日分の記事として掲載しておきます。中公新書の一冊として、中央公論新社から2015年11月に刊行されました。副題にあるように、本書は戦国大名の特徴というか、戦国大名を形成・存立させる要素として家中粛清を重視しています。本書は戦国大名権力を、主従制的な支配と一揆的な原理により縦横に結ばれた、全体として統合された家中である、と…
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本多博之『天下統一とシルバーラッシュ 銀と戦国の流通革命』

 これは3月101日分の記事として掲載しておきます。歴史文化ライブラリーの一冊として、吉川弘文館より2015年7月に刊行されました。本書は銀の動向を軸に、戦国時代から豊臣・徳川統一政権までの政治・経済構造の変容を検証しています。表題から容易に推測できる人も多いでしょうが、本書は日本列島に限定せず、広く東アジアや東南アジア、さらにはそれら…
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久保健一郎『戦国大名の兵粮事情』

 歴史文化ライブラリーの一冊として、吉川弘文館より2015年12月に刊行されました。本書は兵粮事情から戦国時代の経済・社会状況を検証しています。本書は兵粮をモノとカネの二つの側面で把握しています。もちろん、兵粮は食として消費されるわけですが、それだけではなく、カネのように運用されることもあるわけです。兵粮とはコメを指すことが多いようです…
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村井良介『戦国大名論 暴力と法と権力』

 これは2月24日分の記事として掲載しておきます。講談社選書メチエの一冊として、講談社より2015年9月に刊行されました。本書の特徴の一つは、一般向け書籍としては珍しいくらい、研究史への直接的言及が多いことです。研究史の整理を直接読者に提示することにより、問題の所在を浮き彫りにする、という狙いがあるようです。また、フーコー(Michel…
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黒嶋敏 『天下統一 秀吉から家康へ』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2015年11月に刊行されました。本書は、武威という視点からおもに「対外」関係を対象として豊臣秀吉と徳川家康の「天下統一」を検証しており、なかなか興味深く読み進められました。「対外」関係の点でも豊臣政権と徳川政権には連続性が認められ、それは武家政権たる両者が武威に基づき支配体制を構築してきたからだ…
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神田裕理編『ここまでわかった 戦国時代の天皇と公家衆たち 天皇制度は存亡の危機だったのか』

 これは12月25日分の記事として掲載しておきます。日本史史料研究会監修で、 歴史新書の一冊として洋泉社より2015年12月に刊行されました。本書は4部構成で、各部は複数の論考から構成されています。本書で提示された見解のなかには、すでに他の一般向け書籍で知ったものもありましたが、戦国時代の朝廷については知識が乏しかったので、得るところが…
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丸島和洋『真田四代と信繁』

 これは12月18日分の記事として掲載しておきます。平凡社新書の一冊として平凡社より2015年11月に刊行されました。著者は来年(2016年)の大河ドラマ『真田丸』の時代考証担当者の一人です。真田四代とは、幸綱・信綱・昌幸・信之(信幸)という戦国時代~江戸時代初期にかけての真田家の当主のことです。この四人と昌幸の次男である信繁とに1章ず…
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渡邊大門編『家康伝説の嘘』

 これは11月28日分の記事として掲載しておきます。柏書房より2015年11月に刊行されました。さすがに徳川家康のことともなると、大まかな事績を知っているのですが、この十数年間、戦国時代~江戸時代初期についての勉強が停滞しており知識が古くなっていそうなので、近年の研究成果を大まかにまとめて把握できるのではないかと思い、読んでみました。本…
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平山優『真田信繁 幸村と呼ばれた男の真実』

 これは11月25日分の記事として掲載しておきます。角川選書の一冊として、角川学芸出版より2015年10月に刊行されました。著者は来年(2016年)の大河ドラマ『真田丸』の時代考証担当者の一人です。真田信繁については基本的な知識もあやふやなので、来年の大河ドラマの予習の意味にもなると思い、読んでみました。本書は、史料的制約のあるなか、信…
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日本史史料研究会編『秀吉研究の最前線 ここまでわかった「天下人」の実像』

 歴史新書の一冊として洋泉社より2015年8月に刊行されました。本書は、昨年(2014年)同じく日本史史料研究会の編纂で刊行された『信長研究の最前線 ここまでわかった「革新者」の実像』(関連記事)の続編と言えそうです。本書は4部構成で、各部は複数の論考から構成されています。本書で提示された見解のなかには、すでに他の一般向け書籍で知ったも…
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佐々木克『幕末史』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2014年11月に刊行されました。本書は第1章~第5章にかけていわゆる幕末史(ペリー来航から王政復古まで)を、第6章で明治時代前半(大日本帝国憲法の発布まで)を扱っており、新書としてはかなりの分厚さになっています。本書は基本的に政治史を扱っており、経済史への言及はきわめて少なく、文化史・思想史への言…
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中野等『戦争の日本史16 文禄・慶長の役』

 吉川弘文館より2008年2月に刊行されました。本書は、文禄・慶長の役の期間のみならず、その後の日本・明・朝鮮の交渉と、日本・朝鮮間の「復交」までを対象としています。日本と明とは、文禄・慶長の役の後に通商関係は以前のように盛んとなりましたが、「国交回復」はなされませんでした。明の後に中華地域を支配したダイチングルン(大清帝国)と日本との…
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安野眞幸『教会領長崎』

 講談社選書メチエの一冊として、2014年6月に刊行されました。本書の特徴は、戦国時代の日本におけるイエズス会を「権門」として把握し、「適応主義」対「原則主義」というイエズス会の内部対立に着目するとともに、イエズス会の財政基盤となった南蛮貿易の実態を解明するために、地理的・年代的に広範な事例を参照していることです。また本書は、日本におけ…
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2013年「回顧と展望」日本・近世

伊東利勝「漂流する歴史学」『愛大史学』22 藤井讓治「織田信長の撰銭令とその歴史的位置」『日本史研究』614 尾下成敏「天正期豊臣政権下の小早川氏と肥前諸領主」『京都橘大学研究紀要』39 中島楽章「福建ネットワークと豊臣政権」『日本史研究』610 水野伍貴「前田利家の死と石田三成襲撃事件」『政治経済史学』557 …
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神田千里『戦争の日本史14 一向一揆と石山合戦』第3刷

 吉川弘文館より2012年4月に刊行されました。第1刷の刊行は2007年10月です。本書は通俗的な一向一揆像とは異なる見解を提示しています。一向一揆は、江戸時代における本願寺教団の東西分裂という状況のなか、それぞれの立場の人々に都合よく語られてきた伝承によって、当時の実情とは異なった印象が形成されており、近代以降の歴史学も、そうした印象…
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『岩波講座 日本歴史  第10巻 近世1』

 本書は『岩波講座 日本歴史』全22巻(岩波書店)の第10巻で、2014年1月に刊行されました。すでに『第6巻 中世1』(関連記事)・『第1巻 原始・古代1』(関連記事)・『第2巻 古代2』(関連記事)をこのブログで取り上げました。各論文について詳しく備忘録的に述べていき、単独の記事にしようとすると、私の見識・能力ではかなり時間を要しそ…
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織田信長の記事についてのまとめ(追記有)

 ブログを始めてから7年半以上経過しました。一度更新をしないとそのままずるずると更新しなくなるだろうから、との考えでブログ開始当初から毎日更新するよう心掛けており、それはほぼ守れているので、怠惰な私にしては上出来だと思います。しかし、多忙な時やとくに書くことが思い浮かばない時もあるだろうと考えて、ブログを始めた当初から予備の記事を執筆し…
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『週刊新発見!日本の歴史』第36号「江戸時代10 世界の中の幕末日本」

 この第36号は水野忠邦の老中就任から大政奉還の頃までを中心に、江戸時代の日本が世界からどのように認識されていたのか、という問題がおもに論じられています。「新発見」的な見解が複数提示されていますが、一般にも浸透しているものもあるかな、と思います。江戸時代には「庶民」たちは武芸を禁じられていた、との見解が常識だったが、実は江戸時代後期~幕…
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『週刊新発見!日本の歴史』第35号「江戸時代8 動き始めた民衆の力」

 この第35号は11代将軍家斉の時代を対象としています。この時期に、商品経済の拡大などもあり、村落・所領の範囲を超えて広域的な民衆の動きが見られるようになったことが強調されています。また、この時期の村落内部の変化も指摘されており、村役人は世襲ではなく入札により選ばれることが多くなりました。村落における知識人層・文化の拡大が見られるのもこ…
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『週刊新発見!日本の歴史』第34号「江戸時代7 村人は豊かだったのか」

 この第34号は江戸時代の村落を取り上げており、全体的に、生業・構成員・役割など、江戸時代の村落の多様な側面を強調しています。江戸時代の村落は包容力と厳しさの両面を有し、その構成員たる百姓は、相互扶助(災害などへの対応)と相互規制のもとで、助け合い、競い合い、規制し合って暮らしていました。こうした村落が江戸時代の社会基盤となっていたわけ…
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『週刊新発見!日本の歴史』第33号「江戸時代6 田沼意次と松平定信」

 まだ日付は変わっていないのですが、2月12日分の記事として掲載しておきます。この第33号は徳川吉宗の死から松平定信の失脚までを対象としており、おおむね田沼時代と寛政の改革を扱っています。「新発見」的な見解としては、政権獲得に「奥」の掌握が必須だった、ということが指摘されています。4代将軍家綱以降、老中が将軍側近的性格を失い、「表」の長…
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『週刊新発見!日本の歴史』第32号「江戸時代5 享保の改革の成功と限界」

 この第32号はおおむね8代将軍吉宗の時代を対象としています。享保の改革は、将軍権力の強化・幕府の立て直しに限らず、社会を大きく変え、近代化の起点になった、との見通しをこの第32号は提示しています。享保の改革には中央集権的志向があり、官僚制度の整備が進められるとともに、災害・疫病などにたいして、じゅうらいの領主単位の対応からより広域的な…
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『週刊新発見!日本の歴史』第31号「江戸時代4 元禄の政治と赤穂事件」

 今日は3本掲載します(その一)。この第31号は、3代将軍家光の死から7代将軍家継の死までを対象としています。この第31号の特徴は、江戸時代後期の事象・印象を江戸時代前期に当てはめることによる、歴史認識の歪みを指摘していることです。江戸幕府の正統性を担保し、大政奉還の前提となった言説である大政委任論が主張され始めるのは寛政の改革の頃だっ…
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『週刊新発見!日本の歴史』第30号「江戸時代3 江戸・大坂・京の三都物語」

 この第30号は江戸時代の三都を取り上げています。三都を城下町と把握し、その形成・発展と経済・生活の様相を考察の対象としています。「新発見」的な見解としては、江戸の災害というと火事が注目される傾向にあるなか、町造り(江戸の都市計画は明暦の大火以前に破綻していた、とされています)に伴う自然への干渉の結果としての水害も取り上げていることでし…
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『週刊新発見!日本の歴史』第29号「江戸時代2 秀忠と家光の築いたもの」

 この第29号は家康の死から家光の死までを対象としています。今回も、「新発見」的な見解を備忘録的に述べていくことにします。ただ、このブログでも何度か述べてきたように、「新発見」的見解とはいっても、すでに近年刊行された一般向け書籍で紹介されたものも少なくありません。その意味で、『週刊新発見!日本の歴史』を購入している読者には、編集部の意図…
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『週刊新発見!日本の歴史』第28号「江戸時代1 徳川家康の国家構想」

 この第28号は、豊臣秀吉の死から徳川家康の死までを対象としています。家康のみならず秀吉も死後に神格化され、織田信長にもそうした構想があったらしいことは、一般にもよく知られていると思います。この第28号では、その背景に中世~近世にかけての思想上の変化があったと指摘されており、ここが「新発見」的でしょうか。人の本質を清浄と見る密教思想など…
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