テーマ:社会科学

確率論的ゲームにおける協力の進化

 確率論的ゲームにおける協力の進化に関する研究(Hilbe et al., 2018)が公表されました。個人に対する誘因が集団の利益からずれたものである場合、社会的ジレンマが生じます。「共有地の悲劇」則によれば、そのようなずれは公共資源の過剰利用および崩壊につながる場合があります。その結果として生じる行動は、ゲーム理論のツールで分析でき…
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社会的相互作用の遺伝的決定因子

 社会的相互作用の遺伝的決定因子に関する研究(Day et al., 2018)が公表されました。本論文は、孤独感・他者との相互作用の頻度・およびこの相互作用の質の高さ(秘密を打ち明けることのできる者の存在)に関する質問票に回答した、イギリスのバイオバンク研究参加者487647人の遺伝的多様性を解析しました。本論文は、複数形質のゲノム規…
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テストステロンと商品選択の関係

 テストステロンと商品選択の関係についての研究(Nave et al., 2018)が公表されました。本論文は、繁殖期に数多くの動物種の雄のテストステロン濃度が上昇するという事実から着想を得ました。テストステロン存在下では、雄によるステータス(地位)の誇示(鳥類の求愛のさえずりや、雄ジカの枝角の成長など)が顕著になると考えられています。…
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仲間が危険を冒すと自分も危険を冒しやすい

 危険性を伴う選択における他者への影響に関する研究(Tomova, and Pessoa., 2018)が公表されました。この研究は、18~25歳の学生52人に、危険を冒す行動の測定を目的とした実験室内での課題を行なわせました。この課題は、被験者が空気入れを使って風船をふくらませて金銭を得るというもので、空気入れのレバーを押す回数が増え…
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子供は外国語を話す相手でも声の調子から感情を認識できる

 子供が外国語を話す相手の感情を認識できるのか、検証した研究(Chronaki et al., 2018)が公表されました。この研究は、外国語の経験のない子供57人と若年成人22人に感情音声認識課題を実施しました。この課題では、声優が、怒り・幸福・悲しみ・恐怖・中間状態のいずれかを表現した声で疑似文を読み、被験者はそれを聞いて読み手の感…
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協力行動と不確実性の許容との関係

 協力行動と不確実性の許容との関係についての研究(Vives, and FeldmanHall., 2018)が公表されました。心理学と経済学においてこれまで、リスク(将来的な結果のそれぞれの発生確率が分かっている場合)と多義性(将来的な結果のそれぞれの発生確率が分かっていない場合)という2種類の不確実性が明らかになっています。この2種…
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原田隆之『サイコパスの真実』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房から2018年4月に刊行されました。サイコパス関連の一般向け書籍は少なくないでしょうし、中には大きな話題になったものもあります。しかし、どうも胡散臭そうだったこともあり、これまでサイコパス関連の一般向け書籍を読んだことはありませんでした。しかし本書は、少し読んでみてなかなか面白そうだったので、購入して読…
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ソ連崩壊後のエストニアにおける能力主義の遺伝的側面

 ソ連崩壊後のエストニアにおける能力主義の遺伝的側面に関する研究(Rimfeld et al., 2018)が公表されました。人々の生活レベルや社会経済的地位は、遺伝的要因と環境的要因を組み合わせることで説明できます。この研究は、12500人のエストニア人の遺伝子を、学習および職務上の成績に関する情報と共に解析しました。被験者は、ソ連時…
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気候変動と暴力的紛争の関連性を示す証拠の偏り

 気候変動と暴力的紛争の関連性を示す証拠の偏りに関する研究(Adams et al., 2018)が公表されました。この研究は、気候変動と紛争の関連性に関する査読論文を分析し、文献に最も多く登場する国々は紛争関連死者数の多い国々であるという傾向を明らかにしました。これに対して、気候変動のリスクに最もさらされている国々、または気候変動のリ…
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渡邉美樹参院議員には「人として大切なものが欠落している」のか

 これは3月20日分の記事として掲載しておきます。表題は最近私のネット環境ではよく見かける人の発言で、「正直言って渡辺美樹氏は議員として以前に、人として大切なものが欠落しているとしか思えないのです。そして彼を公聴会で質疑させた自民党に対しても、同じようにしか思えないのです」とのことです。これまでのさまざまな報道からは、渡邉美樹氏が他者へ…
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人間の協力の進化

 これは3月9日分の記事として掲載しておきます。人間の協力の進化に関する研究(Santos et al., 2018)が公表されました。弱肉強食の世界で利他主義がどのように進化したのか、解明する探求で生まれた全てのスキームの中で、間接互恵性は最も複雑なものとされています。間接互恵性とは、行為者が、後に第三者から報酬が与えられることを期待…
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レッテル貼りの作用

 これは1月20日分の記事として掲載しておきます。レッテル貼りの作用に関する研究(Mace et al., 2018)が公表されました。「魔女である」と名指しするといった、個人を仲間外れにするような否定的なレッテルには、人間社会において長く広範囲に及ぶ歴史があるものの、その社会的な機能はよく分かっていません。魔女のレッテルは、レッテルを…
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水資源保全対策における文化の違い

 これは11月18日分の記事として掲載しておきます。水資源保全対策における文化の違いに関する研究(Castilla-Rho et al., 2017)が公表されました。地下水は、気候変動に直面する世界の食糧安全保障と、数百万世帯の農村生活の維持に重要です。農業のための水資源の濫用は世界中で深刻に懸念されていますが、地下水利用者による保全…
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無神論者にたいする偏見

 これは11月10日分の記事として掲載しておきます。無神論者にたいする偏見に関する研究(Gervais et al., 2017)が公表されました。この研究は、宗教性のひじょうに強い社会(アラブ首長国連邦やインド)から世俗性のひじょうに強い社会(中国やオランダ)まで、5大陸13ヶ国の3000人を対象に、不道徳な行為と無神論を結びつける認…
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フェイクニュースや作り話が広まる理由

 これは11月8日分の記事として掲載しておきます。フェイクニュースや作り話が広まる理由に関する研究(Qiu et al., 2017)が公表されました。これまでの研究では、ソーシャルネットワークの構造と、人の注意力の有限性の組み合わせが、急速に伝播するミーム(伝達され得る情報やアイデアの断片)が出現する十分条件だと示されていました。情報…
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不公平にたいする感受性と鬱病の関係

 これは10月13日分の記事として掲載しておきます。不公平にたいする感受性と鬱病の関係についての研究(Tanaka et al., 2017)が公表されました。過去の研究では、富の不平等な分配(経済的不平等)が、うつ病をはじめとする精神疾患の増加に寄与することが示唆されていましたが、その背後にある神経機構は不明でした。この研究は、仮想的…
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ISとその対立集団の兵士が戦争に参加する動機

 ISとその対立集団の兵士が戦争に参加する動機に関する研究(Gómez et al., 2017)が公表されました。ISは2014年夏にその勢力をイラク全土に大きく広げました。ISの戦意の高さについて提案された理由の一つは、IS兵士が「熱烈な行為者(Devoted Actor)」として行動するためというものでした。IS兵士は、…
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序列を維持する心

 序列を維持する心に関する研究(Xie et al., 2017)が公表されました。これまでの研究では、経済ゲームにおいて人は不平等な支払いを拒否することが報告されており、平等を強く望む心は、文化の違いを越えた社会規範であると示唆されていました。しかし、そうした証拠にもかかわらず、所得の不均衡は依然として解消されておらず、他の要因の関与…
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保守派とリベラル派の科学書の読書傾向の違い

 これは6月10日分の記事として掲載しておきます。保守派とリベラル派の科学書の読書傾向の違いに関する研究(Shi et al., 2017)が公表されました。自らの政治的信念に合致する狭い範囲の情報にのみ曝される、「反響室」や「フィルターバブル」と呼ばれる現象は、両極端に位置する政党に共鳴するそれぞれの人々の相互理解を妨げる恐れがあるこ…
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テロリストの道徳的判断

 これは6月8日分の記事として掲載しておきます。テロリストの道徳的判断に関する研究(Baez et al., 2017)が公表されました。テロは、一般社会から容認されない行為とみなされるのが普通ですが、テロリストは自らの行為を、「目的は手段を正当化する」という論理により正当化します。しかし、テロリストがこのトレードオフをどのようにとらえ…
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究極の利他的行為の動機

 これは5月4日分の記事として掲載しておきます。究極の利他的行為の動機に関する研究(Vekaria et al., 2017)が公表されました。腎臓を見知らぬ人に提供する行為は、痛みを伴い、犠牲が大きく、標準的ではなくて極めてまれであり、利他主義の典型例とみなすことができます。ヒトの利他主義傾向を高める要因は何なのか、また、その寛大さは…
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長谷川眞理子、 山岸俊男『きずなと思いやりが日本をダメにする 最新進化学が解き明かす「心と社会」』

 これは4月23日分の記事として掲載しておきます。集英社インターナショナルより2016年12月に刊行されました。本書は著者二人の対談で、一般読者層にもたいへん読みやすくなっていると思います。あとがきにあるように、編集者の力量が優れている、ということなのでしょう。さすがに第一人者同士の対談だけあって、じゅうぶん読みごたえがありましたし、教…
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亀田達也『モラルの起源 実験社会科学からの問い』

 これは4月16日分の記事として掲載しておきます。岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2017年3月に刊行されました。本書は、人間社会のモラルの基盤を、さまざまな分野の研究成果から検証しています。本書はこれを「実験社会科学」と呼んでいます。実験社会科学とは、経済学・心理学・政治学・生物学など複数の分野の研究者たちが集まり、「実験」…
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加齢によるリスク選好の変化は脳構造の変化に起因する

 これは2月25日分の記事として掲載しておきます。加齢によるリスク選好の変化に関する研究(Grubb et al., 2016)が公表されました。ヒトがリスク(予測できない結果)を伴う意思決定を行うさいには、右後部頭頂皮質という脳領域が活動しています。これまでの研究では、この領域の灰白質の量が若年成人のリスク選好と相関していることが明ら…
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「男脳」「女脳」のウソはなぜ、どのように拡散するのか

 これは2月20日分の記事として掲載しておきます。表題の記事がナショナルジオグラフィックに掲載されました。正直なところ、表題を読んだ時には、男女には本質的な違いはないとか、性別を重視すること自体が社会的に構築されたものだとか、性別自体が生物学的に否定されているとかいった言説が展開されるのではないか、とかなり警戒したのですが、以前からの私…
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不正を続けると不正への脳の感受性が低下する

 不正直な行動と脳の感受性に関する研究(Garrett et al., 2016)が公表されました。この研究は、18~65歳の80人に参加してもらい、第1被験者に1ペンス銅貨入りのガラス瓶の画像を見せて銅貨の数を見積もらせ、その数を第2被験者に伝えさせる、という実験を行ないました。この研究は、(1)第2被験者が不利益を受けて第1被験者が…
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社会規範の違反の程度と応答

 これは2月8日分の記事として掲載しておきます。社会規範の違反の程度と応答に関する研究(Balafoutas et al., 2016)が公表されました。この研究は、ドイツの駅で軽微な違反行為(コーヒー用の紙コップのポイ捨て)と重大な違反行為(コーヒー用の紙コップと何かが入っている紙袋のポイ捨て)を演出し、800回以上の試行によって旅行…
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社会的ネットワークにおける富の不平等と可視性

 社会的ネットワークにおける富の不平等と可視性についての研究(Nishi et al., 2015)が公表されました。富の不平等と富の可視性は、社会における協力行動のレベルや全体的な経済的繁栄のレベルに影響を及ぼす可能性があります。この研究は、オンラインゲームを用いて、この両要因がどのように相互作用するのか、調べました。その結果、プレー…
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人間の協力性

 人間の協力性についての研究(Peysakhovich et al., 2014)が公表されました。この研究は、1400人以上の被験者の参加した協力ゲーム・規範強制型懲罰ゲーム・競争ゲームの結果から、協力するという決定がさまざまなシナリオにわたって相関するかどうか、検証しました。その結果、さまざまな協力ゲームにおける参加者の意思決定に相…
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社会学と生物学

 昨日このブログにて取り上げた高橋征仁「遺伝子共同体としての家族―マルクス主義フェミニズムからダーウィニアン・フェミニズムへの道」にはたいへん興味深い指摘が色々とあり、昨日の記事では取り上げきれなかった問題もあるので、少し補足しておきます。高橋論文では安藤寿康『遺伝子の不都合な真実─すべての能力は遺伝である』(関連記事)も引用されていま…
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