テーマ:アフロユーラシア史前近代

ドイツ南部の青銅器時代の社会構造

 ドイツ南部の青銅器時代の社会構造に関する研究(Mittnik et al., 2019)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。日本語の解説記事もあります。古代DNA研究により、ヨーロッパ中央部における先史時代の遺伝的変化が明らかにされてきました(関連記事)…
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ヤグノブ人の遺伝的歴史

 ヤグノブ人(Yaghnobis)の遺伝的歴史に関する研究(Cilli et al., 2019)が公表されました。アジア中央部は長きにわたって人類集団・遺伝子・言語・文化・商品の重要な経路・交差点となってきました。アジア中央部の歴史は、異なる人類集団の大規模な移動により特徴づけられ、最終氷期極大期(LGM)後に活発化し、新石器時代と青…
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中国のフェイ人(回族)の遺伝的起源

 中国のフェイ人(Hui)の遺伝的起源に関する研究(Wang et al., 2019B)が公表されました。フェイ人(回族)おもにイスラム教徒により構成され、中国全土に分布しており、中国において公認された56の民族集団の一つです。フェイ人の起源と多様化については、大規模な人類集団の移動を伴うものなのか、それとも単純な文化伝播だったのか、…
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スカンジナビア半島の戦斧文化集団の遺伝的起源

 スカンジナビア半島の戦斧文化(Battle Axe Culture、BAC)集団の遺伝的起源に関する研究(Malmström et al., 2019)が報道されました。まず、本論文で取り上げられるおもな文化の略称を先に記載しておきます。戦斧文化(Battle Axe Culture、BAC)、縄目文土器文化(Corded Ware …
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先史時代の育児

 先史時代の育児に関する研究(Dunne et al., 2019)が報道されました。授乳や離乳など、小児期の食餌に関する研究は、過去の社会の乳児の死亡率や出生率を理解する上で重要な意味を有します。乳児の骨のコラーゲンおよび歯の象牙質の試料の窒素安定同位体解析から離乳の時期に関する情報が得られていますが、先史時代の乳児がどのような食物を…
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ヒマラヤにおける人類集団の長期の遺伝的安定性

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、ヒマラヤにおける人類集団の長期の遺伝的安定性に関する研究(Jeong et al., 2016)が報道されました。高地帯は人類の恒久的居住が遅れた場所の一つで、それは、起伏の多い地形や寒冷気候や低酸素や資源の相対的不足といった問題のためです。人類の恒久的居住地域として、ヒマラヤ山脈とチベット…
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バンツー語族集団の拡大と適応

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、バンツー語族集団の拡大と適応に関する研究(Patin et al., 2017)が報道されました。バンツー語族の人口史については、本論文の後に公表された研究を当ブログですでに取り上げていますが(関連記事)、その研究の前提となる知見が提示されており、重要と思われるので、以下に本論文の内容を簡潔…
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アフリカ東部の5000年前頃の巨大な墓地

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、アフリカ東部の5000年前頃の巨大な墓地に関する研究(Hildebrand et al., 2018)が報道されました。巨大建造物の出現は社会の複雑さを示す指標とされ、それは階層化の進展を伴う人類史における画期として注目されてきて、人口密度の高い定住社会で発達した、と以前は考えられていました。本論文…
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最古の大麻喫煙

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、大麻喫煙の痕跡に関する研究(Ren et al., 2019)が報道されました。向精神的作用のある植物は、世界のさまざまな地域において儀式や宗教活動で使用されてきました。先史時代から歴史時代初期のユーラシア中央部で多く用いられたのは、ケシ(Papaver somniferum)やマオウ属種(Ephe…
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イタリア半島の人口史

 イタリア半島の人口史に関する研究(Raveane et al., 2019)が公表されました。現代ヨーロッパ人は、旧石器時代~中石器時代のヨーロッパの狩猟採集民、アナトリア半島起源の新石器時代農耕民、青銅器時代にポントス-カスピ海草原(中央ユーラシア西北部から東ヨーロッパ南部までの草原地帯)からヨーロッパに拡散してきたヤムナヤ(Yam…
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近東の家畜ウシの起源と遺伝的変容

 近東の家畜ウシ(Bos taurus)の起源と遺伝的変容に関する研究(Verdugo et al., 2019)が報道されました。日本語の解説記事もあります。絶滅したユーラシアのオーロックス(Bos primigenius)は10500年前頃に、肥沃な三日月地帯のユーフラテス川上流とティグリス川の間の限定的な地域で家畜化されましたが、…
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アジア南部の人口史とインダス文化集団の遺伝的構成

 アジア南部の人口史関する二つの研究が報道されました。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。日本語の解説記事もあります。なお、以下の主要な略称は以下の通りです。アンダマン諸島狩猟採集民(AHG)、古代祖型インド南部人関連系統(AASI)祖型北インド人(ANI)、祖型南インド人(ASI)、シベリア西部狩猟採集民(WSHG)…
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クロアチアの中世初期男性の頭蓋変形と出自

 クロアチアの中世初期男性の頭蓋変形と出自に関する研究(Fernandes et al., 2019)が報道されました。人為的頭蓋変形はおそらく更新世にまでさかのぼり、広く世界中で見られ、20世紀まで続いた地域もあります。人為的頭蓋変形は長い時間を要する意図的で不可逆的な行為なので、生涯にわたって集団内の連帯を促進し、集団間の違いの視覚…
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ヨーロッパにおけるブタの起源と遺伝的構成の変容

 ヨーロッパにおけるブタの起源と遺伝的構成の変容に関する研究(Frantz et al., 2019)が公表されました。近東で遅くとも12500年前頃に始まった農耕・牧畜は、8500年前頃にアナトリア半島からヨーロッパへと拡散し始めました。この過程でヨーロッパに導入された、穀類のような栽培化された植物とヒツジやブタのような家畜化された動…
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ヒマラヤ山脈の人類遺骸のゲノム解析(追記有)

 ヒマラヤ山脈のインド側の人類遺骸のゲノム解析結果を報告した研究(Harney et al., 2019)が報道されました。この記事の年代はすべて紀元後です。直径40mほどのループクンド湖(Roopkund)はヒマラヤ山脈のインド側に位置し、海抜は5029mです。ループクンド湖は、湖岸に数百もの人類遺骸が散乱しているため、「スケルトン・…
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岡本隆司『世界史とつなげて学ぶ中国全史』

 2019年7月に東洋経済新報社より刊行されました。本書は経済を中心とした社会構造の観点からの中国通史です。政治史的要素は薄く、英雄譚的な要素も希薄なため、人間関係中心の通史を期待して読むと、失望するかもしれません。しかし、中国史の大きな構造が提示されているという点で、読みごたえがあります。もちろん、個人による広範な地域を対象とした通史…
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ハンガリーとウラル地域の父系のつながり

 ハンガリーとウラル地域の父系のつながりに関する研究(Post et al., 2019)が公表されました。ウラル語族集団は現在、シベリア西部からヨーロッパ北東部までユーラシア北部の広範な地域に存在します。約1300万人の話者がいるハンガリー語もウラル語族の一派ですが、現在、その話者であるハンガリー人(マジャール人)は他のウラル語族集団…
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アジア南部の現生人類の人口史

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、アジア南部の現生人類(Homo sapiens)の人口史に関する研究(Metspalu et al., 2018)が公表されました。アジア南部の人口史に関しては、以前にも短く整理しましたが(関連記事)、本論文は近年の研究成果を簡潔にまとめており、私が知らなかったことも多く、たいへん有益だと思います。…
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気候変動により分解の進むヴァイキング時代の遺物

 気候変動により分解の進むヴァイキング時代の遺物に関する研究(Hollesen et al., 2019)が公表されました。この研究は、北極域内の7ヶ所の遺跡で22点の土壌試料を採取しました。この試料には、グリーンランドの3つの主要な文化である紀元前2500~紀元前800年頃のサッカック(Saqqaq)文化、紀元前300年~紀元後600…
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ペリシテ人の起源

 ペリシテ人の起源に関する研究(Feldman et al., 2019B)が報道されました。ナショナルジオグラフィックでも報道されています。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。地中海東部において、青銅器時代へ鉄器時代への移行は、ギリシア・エジプト・レヴァント・アナトリアの繁栄した経済・文化の終焉に続く、文化的混乱によ…
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mtDNAに基づく漢人の地域的な違い

 ミトコンドリアDNA(mtDNA)に基づく漢人の地域的な違いを報告した研究(Li et al., 2019)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。漢人は現代中国人の約91.6%を占める巨大な人類集団です。以前の研究では、漢人の遺伝的多様性の高さが観察されています。mtDNAとY染色体DNAと核ゲノムのデータに…
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Y染色体DNA解析から推測される縄文時代晩期の人口減少

 父系継承のY染色体(厳密にはわずかにX染色体との間で組換えが起きますが)DNA解析から縄文時代晩期の人口減少を推測した研究(Watanabe et al., 2019)が報道されました。解説記事もあります。本論文は、現代日本人を北海道のアイヌ、本州・四国・九州(およびそれぞれのごく近隣の島々)から構成される「本土」、沖縄の琉球の3集団…
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白村江の戦い補足

 1年ほど前(2018年6月2日)に、日本は百済の植民地だったとする説を取り上げました(関連記事)。それと関連する説として、倭(日本)と百済との特別に親密な関係を想定する見解も取り上げました。そうした見解では、日本の王族(皇族)の故地は百済だった、と示唆されることも珍しくありません。唐との無謀な戦いに挑み、白村江で惨敗するに至ったのには…
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ポーランド中央部における新石器時代~前期青銅器時代の人類史

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ポーランド中央部における新石器時代~前期青銅器時代の人類集団の遺伝的構成の変容に関する研究(Fernandes et al., 2018)が公表されました。ヨーロッパ系現代人は遺伝的に、更新世の狩猟採集民、新石器時代にアナトリア半島からヨーロッパに到来した農耕民、後期新石器時代~青銅器時代にかけてポ…
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渡邉義浩『漢帝国 400年の興亡』

 中公新書の一冊として、中央公論新社から2019年5月に刊行されました。本書は秦王朝崩壊期から『三国志』の時代までを対象とし、漢王朝の前提となる秦の制度と、漢王朝滅亡後の漢の「古典化」にも言及しています。本書は、「漢」がいかに「中国の古典」となったのか、儒教を中心に解説しています。古典的というか通俗的見解では、前漢武帝期に儒教が国教化さ…
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ユーラシア草原地帯牧畜民の穀類消費の増加と地域間の相互作用

 ユーラシア草原地帯牧畜民における穀類消費の増加と地域間の相互作用の関係を検証した研究(Miller, and Makarewicz., 2019)が報道されました。ユーラシア草原地帯はは、東西のヒト・家畜・物資・文化が行き交う重要な交通路であり、もちろんそれに留まらない独自の文化を開花させてきました。本論文は、ユーラシア草原地帯牧畜民…
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フランスのブドウの歴史

 フランスのブドウの歴史に関する研究(Ramos-Madrigal et al., 2019)が公表されました。ヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)は6000年前に初めて栽培化され、多くの場合クローン化によって栽培されます。このため、種子が手に入る限り古くまで、系統をたどることができます。歴史資料によれば、ブドウは紀元前6世…
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愛知県の「縄文人」のゲノム解析

 愛知県田原市伊川津町の貝塚で発見された2500年前頃の「縄文人」個体(IK002)のゲノム解析結果を報告した研究(Gakuhari et al., 2019)が公表されました。本論文はまだ査読中なので、あるいは今後かなり修正されるかもしれませんが、興味深い内容なので取り上げます。伊川津縄文人のゲノム解析結果については、すでにアジア南東…
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アフリカ東部への牧畜の拡大

 アフリカ東部への牧畜の拡大に関する研究(Prendergast et al., 2019)が報道されました。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、アフリカ東部のうち、おもに現在のケニアとタンザニアとなる地域への牧畜の拡大と、人類集団の遺伝的構成の起源と変容を検証し…
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日本列島の言語

 日本語起源論など日本列島の主要な言語の起源論・形成論についての勉強はまったく進んでいないのですが、当ブログの関連記事を一度整理しておきます。日本列島の主要な言語としては、日本語・琉球語・アイヌ語があります。過去にはこれらと大きく異なる系統の話者数の多い言語が存在した可能性もありますが、今となってはほぼ検証不可能です。このうち、日本語と…
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