テーマ:アフロユーラシア史前近代

日本語とオーストロネシア語族との関係

 日本語とオーストロネシア語族との関係を指摘した研究(崎山., 2001)を読みました。もう20年近く前(2001年)の論文となるので、あるいは近年の言語学の知見を踏まえてかなりの修正が必要になるかもしれませんが、近年大きく発展した古代DNA研究、とくに、今年(2020年)になって飛躍的に進展したアジア東部の古代DNA研究(関連記事)の…
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ヴァイキングのゲノム解析

 ヴァイキングのゲノム解析に関する研究(Margaryan et al., 2020)が報道されました。ヴァイキング(Viking)は、襲撃・探検・略奪などを意味する「víking」という古ノルド語(古北欧語)に由来します。紀元後750~1050年頃となるヴァイキング時代の事象は、ヨーロッパの政治・文化・人口地図を変えました。スカンジナ…
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家畜ウマのアナトリア半島起源説の検証

 家畜ウマのアナトリア半島起源説を検証した研究(Guimaraes et al., 2020)が公表されました。5500年前頃となるウマの家畜化は、古代世界で最重要の技術革新の一つです。馬力の利用により、ウマは輸送に革命を起こし、交易・戦争・移住のパターンに影響を及ぼしたので、古代世界の政治・経済・社会関係は変化しました(関連記事)。考…
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ウマ遺骸の性比の変化

 ウマ遺骸の性比の変化に関する研究(Fages et al., 2020)が公表されました。5500年前頃のウマの家畜化は人類史の転機となりました。最古となる馬の家畜化の確実な証拠はカザフスタン北部のボタイ(Botai)文化で得られており、年代は5500年前頃です(関連記事)。ウマの家畜化により高速輸送が可能となり、青銅器時代となる40…
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古代エジプトの動物のミイラ

 古代エジプトの動物のミイラに関する研究(Johnston et al., 2020)が公表されました。この研究は、非侵襲的なX線マイクロコンピューター断層撮影(CT)法を用いて、ネコのミイラの頭蓋骨が、外側を覆う包みのほぼ半分のサイズであることを明らかにしました。その形態からこのミイラは、エジプトのイエネコの一種である可能性が高い、と…
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中国陝西省の石峁遺跡の発掘成果

 中国陝西省の石峁(Shimao)遺跡の発掘成果について報道されました。紀元前2300~紀元前1800年頃の石峁遺跡では、高台にある長方形の20段のピラミッド状建築物(ギザの大ピラミッドと比較して、高さは半分ですが、底面積は4倍とのことです)やその周囲を取り囲む全長10km以上の防壁、壁画や翡翠といった工芸品、生贄の証拠が見つかっている…
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岡本隆司『シリーズ中国の歴史5 「中国」の形成 現代への展望』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年7月に刊行されました。本書はいわゆる明清交代から現代までを扱っています。本書は、17世紀の混乱期に対して、アジア東部ではダイチン・グルン(大清国)が広範な地域の安定化をもたらした一方で、ヨーロッパでは諸勢力の競合がもたらされ、これが近代における東西の違いにつながった、との見通しを提示…
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大津透『律令国家と隋唐文明』第2刷

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年4月に刊行されました。第1刷の刊行は2020年2月です。本書は、律令の導入を中心に、古代日本が隋と唐から文化・制度をどのように受容していったのか、概説します。碩学の著者らしく、その射程は律令に留まらず仏教や儒教にも及んで、広くまた深く掘り下げられており、新書とはいえ、たいへん密度が高…
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ヴァイキング時代のヨーロッパ北部で拡散していた天然痘

 ヴァイキング時代のヨーロッパ北部における天然痘の拡散を報告した研究(Mühlemann et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。天然痘ウイルス(VARV)により引き起こされる天然痘は、毒性がひじょうに強く、壊滅的な影響を及ぼすヒト疾患で、20世紀だけでも5億人もの死亡原因となっている可能性があり、人類に…
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檀上寛『シリーズ中国の歴史4 陸海の交錯 明朝の興亡』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年5月に刊行されました。一般向けの中国通史で、10巻以上の構成ならばともかく、本シリーズは5巻構成にも関わらず明に1巻を割いており、かなり大胆だと思います。本書は、明初の体制が、大元ウルス治下の14世紀前半における、気候変動に伴う大きな社会的不安定化への対処によりもたらされた統治の厳格…
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過去500年と比較した現代ヨーロッパの河川洪水頻度(追記有)

 過去500年と比較した現代ヨーロッパの河川洪水頻度に関する研究(Blöschl et al., 2020)が公表されました。最近の気候変動により、河川洪水の頻度と規模が前例のない形で変わりつつある、と懸念されています。歴史研究では、ヨーロッパのさまざまな地域で過去500年間に起きた複数の洪水多発期が特定されています。しかし、既存のデー…
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インダス文化に関するまとめ

 当ブログのインダス文化に関する記事を短くまとめます。インダス文化はメソポタミアやエジプトといった年代の重なる他地域の古代文字文化と比較して、謎めいた印象を持たれているように思いますが、それはインダス文字(インダス文化の印章記号)がまだ解明されていないからなのでしょう。インダス文字で書かれた文書の文字配列の統計的構造を、シュメール語や古…
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インドネシアにおける最初の稲作

 インドネシアにおける最初の稲作に関する研究(Deng et al., 2020)が公表されました。現代世界においてコメは最重要作物の一つです。インドネシア、より広義にはアジア南東部島嶼部(ISEA)は、人口が2億6700万人以上で、イネ(Oryza sativa)の栽培と消費の主要地域の一つです。長江中流および下流では9000年前頃に…
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鉄器時代と現代のウンブリア地域の人類集団のmtDNA解析

 鉄器時代と現代のウンブリア地域の人類集団のミトコンドリアDNA(mtDNA)解析に関する研究(Modi et al., 2020)が公表されました。先史時代の地中海地域では3回の重要な移住の波があり、現代人の遺伝的構成を形成しました。それは、旧石器時代の狩猟採集民と、東方からの新石器時代農耕民と、青銅器時代の始まりにおけるポントス・カ…
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麻疹の起源

 麻疹の起源に関する研究(Düx et al., 2020)が公表されました。日本語の解説記事もあります。麻疹ウイルスは人類最古の病原体の一つと考えられており、保健機関と科学者たちは、麻疹ウイルスを主要標的に一般的なヒト病原体の進化経路の解明に努めてきました。研究者たちは、麻疹ウイルスが出現したのは、今は根絶された牛疫ウイルスの家畜から…
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ゴットランド島の円洞尖底陶文化と戦斧文化の関係

 スウェーデンのゴットランド島の円洞尖底陶文化と戦斧文化の関係についての研究(Coutinho et al., 2020)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。物質文化の考古学的解釈は長い間、過去のヒト社会と人口動態の変化を理解する主要な手法の一つでした。最近の考古学的調査では、大規模な移住を含むヒトの移動が、…
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鉄器時代から現代のレバノンの人口史

 鉄器時代から現代のレバノンの人口史に関する研究(Haber et al., 2020)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。古代近東はユーラシア西部の主要な文化間の相互作用の中心に位置し、エジプトやヒッタイトやアッシリアやバビロニアやペルシアやギリシアやローマや十字軍やマムルークやオスマン帝国など、さまざまな…
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新石器時代から鉄器時代の中国北部の人口史

 新石器時代から鉄器時代の中国北部の人口史に関する研究(Ning et al., 2020)が公表されました。中国は近東の次に独自に穀物栽培の始まった地域で、南部の長江流域では天水稲作農耕が、北部の黄河(YR)流域では乾燥地帯雑穀農耕が行なわれました。中国北部は、黄河中流から下流の中原を含む広大な地域で、世界でも比較的古い都市文化の起源…
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中石器時代から鉄器時代のフランスの人口史

 中石器時代から鉄器時代のフランスの人口史に関する研究(Brunel et al., 2020)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。過去1万年、ユーラシア西部集団は2回の大きな文化的変化を経てきました。最初は、新石器時代における狩猟採集生活様式から食料生産に基づき生活様式への移行です。その次が、紀元前三千年紀…
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古松崇志『シリーズ中国の歴史3 草原の制覇 大モンゴルまで』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年3月に刊行されました。本書はおもに、紀元後4~14世紀のユーラシア内陸部東方を対象としています。比較的乾燥した「中央ユーラシア」は、文字記録の多く残るアジア東部および南西部やヨーロッパよりも軽視されてきたところがありますが、前近代、とくに海域交流が比重を増してくる16世紀以前において…
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バイカル湖地域における上部旧石器時代から青銅器時代の人口史

 シベリア南部のバイカル湖地域における上部旧石器時代から青銅器時代の人口史に関する研究(Yu et al., 2020)が報道されました。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。この研究はオンライン版での先行公開となります。シベリアのバイカル湖地域には上部旧石器時代以来現生人類(Homo sapiens)が居住しており、豊…
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ヨーロッパ中央部新石器時代最初期における農耕民と狩猟採集民との関係

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ヨーロッパ中央部新石器時代最初期における農耕民と狩猟採集民との関係に関する研究(Nikitin et al., 2019)が公表されました。線形陶器文化(Linear Pottery、Linearbandkeramik、略してLBK)は、ヨーロッパ中央部の新石器時代の始まりにおいて重要な役割を果たし…
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池上英洋『血みどろの西洋史 狂気の1000年』

 光文社新書の一冊として、光文社より2007年11月に刊行されました。本書はまず、ヨーロッパには『ヨーロッパの歴史』という共通教科書があり、ヨーロッパの相互の利害関係を排除した中立的視点で歴史を把握しようとしているものの、ヨーロッパをあまりにも美化していることが決定的欠陥である、と指摘します。このヨーロッパ共通教科書は、日本語版で400…
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チベット高原の古代人のmtDNA解析

 チベット高原の古代人のミトコンドリアDNA(mtDNA)解析結果を報告した研究(Ding et al., 2020)が公表されました。チベット高原は平均海抜4000mと、世界でも最高かつ最大の高原です。アジア東部高地における人類集団の継続性は少なくとも3000年続いている、と推測されています(関連記事)。しかし、比較のためのチベット高…
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中国南北沿岸部の新石器時代個体群のゲノムデータ

 中国南北沿岸部の新石器時代個体群のゲノムデータに関する研究(Yang et al., 2020)が報道されました。『ネイチャー』のサイトには解説記事が掲載されています。日本語の解説記事もあります。この研究はオンライン版での先行公開となります。中国・モンゴル・朝鮮半島および日本列島など近隣の島々で構成されるアジア東部には、世界の人口のほ…
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丸橋充拓『シリーズ中国の歴史2 江南の発展 南宋まで』第2刷

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年2月に刊行されました。第1刷の刊行は2020年1月です。本書はおもに江南を対象に、新石器時代から南宋の滅亡までを取り上げています。江南は華北で形成されていった「中華世界」の視点からは、当初外縁的な位置づけでした。それが、前漢後期から後漢前半にかけて成立していった「古典国制」に江南も次…
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中国河南省の新石器時代遺跡におけるコイの養殖

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、中国河南省の新石器時代遺跡におけるコイの養殖に関する研究(Nakajima et al., 2019)が報道されました。水産養殖は現代世界で最も急速に成長している食料生産体系で、今では人類の消費する魚の約半分を提供しています。しかし、その重要性にも関わらず、魚の養殖の起源はほとんど知られていません。…
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中期新石器時代~前期青銅器時代のスイスの人口史

 中期新石器時代~前期青銅器時代のスイスの人口史に関する研究(Furtwängler et al., 2020)が報道されました。遺伝学的研究により、新石器時代のヨーロッパ中央部の人々は遺伝的に、先住のヨーロッパ狩猟採集民と、アナトリア半島西部早期農耕と関連した系統を有する新たに侵入してきた人々との混合だった、と明らかにされてきました。…
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古代ゲノムデータに基づくアジア東部における現生人類集団の形成史

 古代ゲノムデータに基づくアジア東部における現生人類(Homo sapiens)集団の形成史に関する研究(Wang et al., 2020)が公表されました。本論文は査読前なので、あるいは今後かなり修正されるかもしれませんが、ひじょうに興味深い内容なので取り上げます。世界でも農耕・牧畜が早期に始まった地域であるアジア東部には、現在世界…
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完新世ヨーロッパにおけるヒトの拡大と景観の変化との関連

 完新世ヨーロッパにおけるヒトの拡大と景観の変化との関連についての研究(Racimo et al., 2020)が報道されました。8500年前頃まで、ヨーロッパはおもに比較的低密度で暮らす狩猟採集民集団で占められていました。このヨーロッパの人口構造は、新石器時代にアナトリア半島から農耕民が到来したことで変わりました。第二のヨーロッパにお…
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