テーマ:アフロユーラシア史前近代

ヒマラヤ山脈の人類遺骸のゲノム解析

 ヒマラヤ山脈のインド側の人類遺骸のゲノム解析結果を報告した研究(Harney et al., 2019)が報道されました。この記事の年代はすべて紀元後です。直径40mほどのループクンド湖(Roopkund)はヒマラヤ山脈のインド側に位置し、海抜は5029mです。ループクンド湖は、湖岸に数百もの人類遺骸が散乱しているため、「スケルトン・…
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岡本隆司『世界史とつなげて学ぶ中国全史』

 2019年7月に東洋経済新報社より刊行されました。本書は経済を中心とした社会構造の観点からの中国通史です。政治史的要素は薄く、英雄譚的な要素も希薄なため、人間関係中心の通史を期待して読むと、失望するかもしれません。しかし、中国史の大きな構造が提示されているという点で、読みごたえがあります。もちろん、個人による広範な地域を対象とした通史…
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ハンガリーとウラル地域の父系のつながり

 ハンガリーとウラル地域の父系のつながりに関する研究(Post et al., 2019)が公表されました。ウラル語族集団は現在、シベリア西部からヨーロッパ北東部までユーラシア北部の広範な地域に存在します。約1300万人の話者がいるハンガリー語もウラル語族の一派ですが、現在、その話者であるハンガリー人(マジャール人)は他のウラル語族集団…
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アジア南部の現生人類の人口史

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、アジア南部の現生人類(Homo sapiens)の人口史に関する研究(Metspalu et al., 2018)が公表されました。アジア南部の人口史に関しては、以前にも短く整理しましたが(関連記事)、本論文は近年の研究成果を簡潔にまとめており、私が知らなかったことも多く、たいへん有益だと思います。…
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気候変動により分解の進むヴァイキング時代の遺物

 気候変動により分解の進むヴァイキング時代の遺物に関する研究(Hollesen et al., 2019)が公表されました。この研究は、北極域内の7ヶ所の遺跡で22点の土壌試料を採取しました。この試料には、グリーンランドの3つの主要な文化である紀元前2500~紀元前800年頃のサッカック(Saqqaq)文化、紀元前300年~紀元後600…
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ペリシテ人の起源

 ペリシテ人の起源に関する研究(Feldman et al., 2019B)が報道されました。ナショナルジオグラフィックでも報道されています。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。地中海東部において、青銅器時代へ鉄器時代への移行は、ギリシア・エジプト・レヴァント・アナトリアの繁栄した経済・文化の終焉に続く、文化的混乱によ…
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mtDNAに基づく漢人の地域的な違い

 ミトコンドリアDNA(mtDNA)に基づく漢人の地域的な違いを報告した研究(Li et al., 2019)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。漢人は現代中国人の約91.6%を占める巨大な人類集団です。以前の研究では、漢人の遺伝的多様性の高さが観察されています。mtDNAとY染色体DNAと核ゲノムのデータに…
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Y染色体DNA解析から推測される縄文時代晩期の人口減少

 父系継承のY染色体(厳密にはわずかにX染色体との間で組換えが起きますが)DNA解析から縄文時代晩期の人口減少を推測した研究(Watanabe et al., 2019)が報道されました。解説記事もあります。本論文は、現代日本人を北海道のアイヌ、本州・四国・九州(およびそれぞれのごく近隣の島々)から構成される「本土」、沖縄の琉球の3集団…
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白村江の戦い補足

 1年ほど前(2018年6月2日)に、日本は百済の植民地だったとする説を取り上げました(関連記事)。それと関連する説として、倭(日本)と百済との特別に親密な関係を想定する見解も取り上げました。そうした見解では、日本の王族(皇族)の故地は百済だった、と示唆されることも珍しくありません。唐との無謀な戦いに挑み、白村江で惨敗するに至ったのには…
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ポーランド中央部における新石器時代~前期青銅器時代の人類史

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ポーランド中央部における新石器時代~前期青銅器時代の人類集団の遺伝的構成の変容に関する研究(Fernandes et al., 2018)が公表されました。ヨーロッパ系現代人は遺伝的に、更新世の狩猟採集民、新石器時代にアナトリア半島からヨーロッパに到来した農耕民、後期新石器時代~青銅器時代にかけてポ…
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渡邉義浩『漢帝国 400年の興亡』

 中公新書の一冊として、中央公論新社から2019年5月に刊行されました。本書は秦王朝崩壊期から『三国志』の時代までを対象とし、漢王朝の前提となる秦の制度と、漢王朝滅亡後の漢の「古典化」にも言及しています。本書は、「漢」がいかに「中国の古典」となったのか、儒教を中心に解説しています。古典的というか通俗的見解では、前漢武帝期に儒教が国教化さ…
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ユーラシア草原地帯牧畜民の穀類消費の増加と地域間の相互作用

 ユーラシア草原地帯牧畜民における穀類消費の増加と地域間の相互作用の関係を検証した研究(Miller, and Makarewicz., 2019)が報道されました。ユーラシア草原地帯はは、東西のヒト・家畜・物資・文化が行き交う重要な交通路であり、もちろんそれに留まらない独自の文化を開花させてきました。本論文は、ユーラシア草原地帯牧畜民…
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フランスのブドウの歴史

 フランスのブドウの歴史に関する研究(Ramos-Madrigal et al., 2019)が公表されました。ヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)は6000年前に初めて栽培化され、多くの場合クローン化によって栽培されます。このため、種子が手に入る限り古くまで、系統をたどることができます。歴史資料によれば、ブドウは紀元前6世…
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愛知県の「縄文人」のゲノム解析

 愛知県田原市伊川津町の貝塚で発見された2500年前頃の「縄文人」個体(IK002)のゲノム解析結果を報告した研究(Gakuhari et al., 2019)が公表されました。本論文はまだ査読中なので、あるいは今後かなり修正されるかもしれませんが、興味深い内容なので取り上げます。伊川津縄文人のゲノム解析結果については、すでにアジア南東…
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アフリカ東部への牧畜の拡大

 アフリカ東部への牧畜の拡大に関する研究(Prendergast et al., 2019)が報道されました。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、アフリカ東部のうち、おもに現在のケニアとタンザニアとなる地域への牧畜の拡大と、人類集団の遺伝的構成の起源と変容を検証し…
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日本列島の言語

 日本語起源論など日本列島の主要な言語の起源論・形成論についての勉強はまったく進んでいないのですが、当ブログの関連記事を一度整理しておきます。日本列島の主要な言語としては、日本語・琉球語・アイヌ語があります。過去にはこれらと大きく異なる系統の話者数の多い言語が存在した可能性もありますが、今となってはほぼ検証不可能です。このうち、日本語と…
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北海道の「縄文人」の高品質なゲノム配列

 北海道の礼文島の船泊遺跡で発掘された3800年前頃の「縄文人」の高品質なゲノム配列を報告した研究(Kanzawa-Kiriyama et al., 2019)が公表されました。この研究についてはすでに報道されていました(関連記事)。この研究はオンライン版での先行公開となります。現代日本人は大きく、アイヌ集団・「本土」集団・琉球集団に区…
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樹脂の塊から解析されたスカンジナビア半島の中石器時代の古代DNA

 スカンジナビア半島の中石器時代の古代DNAに関する研究(Kashuba et al., 2019)が報道されました。古代DNA研究では、早期氷河期以後のヨーロッパには、ヨーロッパ西部狩猟採集民(WHG)・ヨーロッパ東部狩猟採集民(EHG)・スカンジナビア狩猟採集民(SHG)という3集団の存在が指摘されています。SHGはWHGとEHGの…
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ポーランド南部の後期新石器時代集団墓地の被葬者のDNA解析

 ポーランド南部の後期新石器時代集団墓地の被葬者のDNA解析に関する研究(Schroeder et al., 2019)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。ポーランド南部のコシツェ(Koszyce)村の集団墓地で2011年に発掘調査が行なわれました。この集団墓地は球状アンフォラ(Globular Amphor…
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バスク人の起源とインド・ヨーロッパ語族の拡散

 当ブログではバスク人についてほとんど言及していませんが、その起源と関わる研究を取り上げたことがあります。バスク人は、インド・ヨーロッパ語族集団が支配的なヨーロッパにおいて、孤立言語であるバスク語を話しているため、その起源について関心が寄せられてきました。バスク語の孤立性から、バスク人は旧石器時代や中石器時代からイベリア半島で継続してき…
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バルト海東部地域のウラル語族の起源

 バルト海東部地域のウラル語族の起源に関する研究(Saag et al., 2019)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。ほとんどのヨーロッパ人の遺伝的構成は、旧石器時代~中石器時代のヨーロッパの狩猟採集民と、新石器時代のアナトリア半島起源の初期農耕民と、青銅器時代前後のポントス-カスピ海草原(中央ユーラシア…
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シナ・チベット語族の系統関係と起源

 シナ・チベット語族の系統関係と起源に関する研究(Sagart et al., 2019)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。中国語・チベット語・ビルマ語を含むシナ・チベット語族はインド・ヨーロッパ語族とともに世界の2大言語族で、話者は前者が約32億人、後者が約14億人です。しかし、シナ・チベット語族の起源と…
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ユーラシア内陸部の人類集団の形成史

 ユーラシア内陸部の人類集団の形成史に関する研究(Jeong et al., 2019)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。現代人の各地域集団間の遺伝的構成はおおむね地理的距離と相関していますが、ヒマラヤ山脈やコーカサス山脈のような地理的障壁による例外もあります。また、社会的障壁による例外もあり、レバノンでは…
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シナ・チベット語族の起源(追記有)

 シナ・チベット語族の起源に関する研究(Zhang et al., 2019)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。シナ・チベット語族は、インド・ヨーロッパ語族に次ぐ世界第2位の話者数を有する、とされています。シナ・チベット語族の起源に関しては、その地域・年代が長く議論されてきました。一方の「北部起源説」では、…
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十字軍兵士のDNA解析

 十字軍兵士のDNA解析結果を報告した研究(Haber et al., 2019A)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。ユーラシアにおけるモンゴルの拡大やヨーロッパ系のアメリカ大陸征服といった人類集団の大規模な移動は、被征服地の人類集団の遺伝的構成を大きく変えました。11世紀末~13世紀後半にかけての十字軍で…
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ヨーロッパの新石器時代巨石文化集団の構造

 ヨーロッパの新石器時代巨石文化集団の構造に関する研究(Sánchez-Quinto et al., 2019)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。ヨーロッパの農耕の起源はアナトリア半島にあります。紀元前7000頃以降、アナトリア半島の農耕民集団がヨーロッパへと拡散していき、紀元前4000年頃までに…
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ブリテン島における新石器時代農耕民の起源

 ブリテン島における新石器時代農耕民の起源に関する研究(Brace et al., 2019)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。ヨーロッパにおける初期農耕は、アナトリア半島起源の農耕民集団(エーゲ海集団)によりもたらされました。このアナトリア半島農耕民集団は、ヨーロッパで中石器時代以来の在来狩猟採集民集団と…
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河上麻由子『古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで』

 中公新書の一冊として、中央公論社より2019年3月に刊行されました。本書は、いわゆる倭の五王の時代から、遣隋使・遣唐使の時代を経て、「日中」の「国家間」の関係が途絶えた10世紀までを対象としています。倭の五王に関しては、武を最後に遣使が途絶えた理由として、日本列島における「天下」概念の成長・肥大化によるものではなく、武(雄略)死後の王…
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兵馬俑の兵器の保存方法の見直し(追記有)

 秦の始皇帝の陵墓近くにある兵馬俑の兵器の保存方法を見直した研究(Martinón-Torres et al., 2019)が公表されました。中国陝西省で発見された秦代の兵馬俑は、秦の始皇帝のために製作されました。兵馬俑が埋葬されていた兵馬俑坑は1970年代に初めて発掘され、これまで、兵士をかたどった保存状態の良い陶器約200…
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カナリア諸島先住民の起源

 カナリア諸島先住民の起源に関する研究(Fregel et al., 2019)が報道されました。カナリア諸島先住民は、考古学・人類学・言語学・遺伝学などで研究されてきており、その起源はアフリカ北部のベルベル人と密接に関連した集団である、との見解が最も有力です(関連記事)。しかし、正確な起源やカナリア諸島への人類の移住過程については、合…
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