テーマ:日本史近現代

渡辺尚志『百姓たちの幕末維新』

 草思社より2017年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は百姓視点の幕末維新史です。私のような非専門家だと、幕末維新史はどうしても、将軍など幕府要人、雄藩の大名や著名家臣、志士、列強との外交関係に注目しがちでしょうから、百姓視点本書の一般向け書籍の意義は大きいと思います。本書が対象とする年代は1830年代から1880年代で…
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麻田雅文『日露近代史 戦争と平和の百年』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2018年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は幕末から1945年までの日露(日ソ)関係史です。近現代日本の対外関係において重要な国がイギリスとアメリカ合衆国であることは、現代日本社会において一致する見解でしょう。第二次世界大戦で日本はその両国と戦い惨敗したため、戦後日本政治ではその両…
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岩井秀一郎『渡辺錠太郎伝 二・二六事件で暗殺された「学者将軍」の非戦思想』

 小学館より2020年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、二・二六事件で殺害された渡辺錠太郎の伝記です。渡辺については、学者肌の軍人だったことと、二・二六事件で殺害されたことくらいしか知らず、愛知県出身であることも、子供の頃に母親の実家に養子に入ったことも知りませんでした。厳父と賢母に育てられて鍛えられた渡辺は、養子に入…
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町田明広『攘夷の幕末史』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2010年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は複雑な幕末情勢を、主に「攘夷」の観点から解説します。本書は、幕末の「日本人(の武士など一定以上の知識層」にとって「攘夷」は常識だった、と指摘します。「国論」が分裂したのは、「攘夷」の具体的手段が大きく二つに分かれていたからでした。一方は、…
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安藤優一郎『島津久光の明治維新 西郷隆盛の“敵"であり続けた男の真実』

 イースト・プレスより2017年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。島津久光の一般的な印象は、今でもたいへん悪いように思います。時代錯誤の頑迷な保守派で、名君である異母兄の斉彬と比較して人物は大きく劣り、明治維新の功績は久光ではなく大久保利通たち家臣のもので、それどころか、久光は家臣たちに騙されて討幕に加担してしまった間抜けな…
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高杉洋平『昭和陸軍と政治 「統帥権」というジレンマ』

 歴史文化ライブラリーの一冊として、吉川弘文館より2020年11月に刊行されました。本書は、現代日本社会ではきわめて評判の悪い昭和期陸軍を、「統帥権独立」という観点から見直します。昭和陸軍は横暴で、政治に介入して国策を誤り、ついには敗戦に至り国家を破局に陥らせた、というのが現代日本社会における一般的な印象でしょうか。さらに、もう少し詳し…
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加藤聖文『国民国家と戦争 挫折の日本近代史』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2017年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は近代日本において国民国家がいかに形成されたのか、戦争はそれとどう関わったのか、論じます。まず本書は、**人(民族集団)と**国民とを区別し、同じ民族だから同じ国家に属しているとも、同じ国民だから同じ民族であるとも限らない、と指摘します。…
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安藤優一郎『渋沢栄一と勝海舟 幕末・明治がわかる!慶喜をめぐる二人の暗闘』

 朝日新書の一冊として、朝日新聞社より2020年8月に刊行されました。本書は、徳川慶喜をめぐる渋沢栄一と勝海舟との関係から、幕末史と明治史を見直します。慶喜に対する渋沢と勝の姿勢は正反対でした。豪農の長男として生まれた渋沢は、慶喜家臣の平岡円四郎と面識があり、無謀な倒幕計画への追及から逃れる目的もあり、平岡の勧めで一橋家に仕えます。渋沢…
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「なぜ日本は真珠湾攻撃を避けられなかったのか」そこにある不都合な真実

 表題の記事が公開されました。日本が対米開戦(真珠湾攻撃)へと向かった理由を、進化政治学的観点から検証しています。進化政治学とは、進化論的視点から政治現象を分析する手法とのことです(関連記事)。まず、対米開戦か避戦か悩んでいた日本の指導層にとって開戦を決意する直接的な引き金・最後の一押しがハル・ノートだった、との見解は妥当だと思います。…
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原口泉『明治維新はなぜ薩摩からはじまったのか』

 パンダ・パブリッシングより2015年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、薩摩藩が幕末に大きな影響力を有するに至ったことに関して、18世紀にまでさかのぼって検証しています。本書は、薩摩藩が組織として動いたからこそ幕末に大きな影響力を有した、という視点から、家老、とくにそのうちの二人に注目しています。一人は幕府の命により行…
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坂野潤治『明治憲法史』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2020年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者は先月(2020年10月)14日に亡くなり、本書が遺著となるのでしょうか。ご冥福をお祈りいたします。本書は、大日本帝国憲法(明治憲法)の構造と機能を分析します。明治憲法が施行されてから昭和戦前期までの政治史を憲法史として再構成します。まず本書…
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川田稔『木戸幸一 内大臣の太平洋戦争』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2020年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、表題にあるように、おもに太平洋戦争期とそこへ至るまでの木戸幸一を満洲事変の頃から取り上げており、前半生は簡潔に言及されています。木戸は戦前・戦中期の昭和天皇の側近の代表格的人物で、昭和天皇の補佐を誤ったとして、一般的にはきわめて評判が悪い…
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伊藤之雄『真実の原敬 維新を超えた宰相』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2020年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者の講談社選書メチエ『原敬 外交と政治の理想』をいつか読もうと思っていたのですが、分厚いので尻込みしていたところ、本書の刊行を知り、講談社選書メチエよりは気軽に読めるかな、と考えて購入しました。本書も原敬についての堅実な評伝になっていますが、…
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岩井秀一郎『永田鉄山と昭和陸軍』

 祥伝社新書の一冊として、祥伝社より2019年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。最近5年くらい、以前よりも日本近現代史関連の本を多く読むようになりましたが、それらの本で永田鉄山に言及されることが多かったので、一度評伝的な本を読もう、と考えた次第です。本書で初めて知りましたが(以前他の本で読んで忘れてしまっただけかもしれませんが…
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一ノ瀬俊也『東條英機 「独裁者」を演じた男』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2020年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。東条英機については基本的な知識が欠けているので、首相就任前の軍人としての東条英機も詳しく取り上げている本書は、私にとって大いに有益な一冊となりました。東条英機が、その父である軍人の英教から強い反長州閥意識を受け継いだことは知っていましたが、英教の…
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小林道彦『近代日本と軍部 1968~1945』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2020年2月に刊行されました。本書は近代(1868~1945年)日本陸軍の通史です。陸軍に焦点を当てているとはいえ、日本近代の通史を一人で執筆することには多大な労力が必要だったでしょう。膨大な研究蓄積があるだけに、一人での通史執筆となると、本書の個々の見解への異論は少なくないかもしれませんが、日…
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保阪正康『幻の終戦 もしミッドウェー海戦で戦争をやめていたら』

 中公文庫の一冊として、中央公論新社から2001年7月に刊行されました。本書の親本は、同じ題名で柏書房から1997年6月に刊行されました。本書は、ミッドウェー海戦後に太平洋戦争が終結していた可能性を探る、思考実験的な歴史書と言えるでしょうが、小説的な性格も多分にあるように思います。本書はまず第一部にて、ミッドウェー海戦へと至る経緯を、軍…
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小山俊樹『五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」 』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2020年4月に刊行されました。本書は五・一五事件の具体的な経過とともに、その背景について対象を広くとって考察しています。また、五・一五事件後の首謀者、とくに三上卓の動向が詳しく取り上げられているのも本書の特徴です。そもそも、五・一五事件の具体的な経過を詳しく読んだことがなかったので、本書の簡潔な…
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加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』第10刷

 朝日出版社より2009年11月に刊行されました。第1刷の刊行は2009年7月です。本書は中学生と高校生を対象とした著者の5日間の講義の書籍化です。対象となるのは日清戦争から太平洋戦争までですが、日清戦争の前史としての日清関係も詳しく取り上げられており、「戦争を選択した」という観点からの大日本帝国史とも言えそうです。本書の特色は、同時代…
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保阪正康『昭和の怪物 七つの謎』第3刷

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2018年7月に刊行されました。第1刷の刊行は2018年7月です。本書は、昭和時代の「怪物」とそれにまつわる「謎」を取り上げています。具体的には、東條英機は何に脅えていたのか(第1章)、石原莞爾は東條暗殺計画を知っていたのか(第2章)、石原莞爾の「世界最終戦論」とは何だったのか(第3章)、犬養毅は…
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井上寿一『論点別昭和史 戦争への道』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2019年11月に刊行されました。本書は、10の視点での敗戦までの昭和史(1926~1945年)です。それぞれ、天皇(なぜ立憲君主が「聖断」を下したのか)、女性(戦争に反対したのか協力したのか)、メディア(新聞・ラジオに戦争責任はなかったのか)、経済(先進国か後進国か)、格差(誰が「贅沢は敵だ」を…
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村井良太『佐藤栄作 戦後日本の政治指導者』

 中公新書の一冊として、中央公論新社から2019年12月に刊行されました。本書は、日本の首相として連続在職日数の最長記録を有する佐藤栄作(2020年8月には佐藤栄作の姪孫である安倍晋三首相がこの記録を抜くかもしれませんが)の伝記で、誕生から政治家になる前までに1章、政治家になってから首相に就任する前までに2章、首相時代に3章、首相退任後…
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山内昌之、細谷雄一編『日本近現代史講義 成功と失敗の歴史に学ぶ』

 中公新書の一冊として、中央公論新社から2019年8月に刊行されました。以下、本書で提示された興味深い見解について備忘録的に述べていきます。 序章●山内昌之「令和から見た日本近現代史 ヘロドトスの「悪意」から劉知幾の「公平」へ」P3~29  近現代日本の起点として、徳川家康による江戸幕府開設が「日本1.0」として高く評価…
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筒井清忠編『昭和史講義 【戦前文化人篇】』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2019年7月に刊行されました。すべて筒井清忠氏編の、『昭和史講義─最新研究で見る戦争への道』(関連記事)、『昭和史講義2─最新研究で見る戦争への道』(関連記事)、『昭和史講義3─リーダーを通して見る戦争への道』(関連記事)、『昭和史講義 【軍人篇】』(関連記事)の続編となります。いずれも好評だった…
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松尾千歳『シリーズ・実像に迫る11 島津斉彬』

 戎光祥出版から2017年7月に刊行されました。本書は島津斉彬の生涯を、豊富な図版で分かりやすく解説しています。斉彬の背景として、島津がどのような家柄なのか、ということも鎌倉時代にまでさかのぼって簡略に説明されており、少ないページ数ながら、一般向け書籍としてなかなか配慮されていると思います。斉彬登場の背景として、琉球を服属させ、「中国」…
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伊藤之雄『大隈重信』上・下

 中公新書の一冊として、中央公論新社から2019年7月に刊行されました。大隈重信は83歳まで生き、若き日より政治の場で活躍し、76歳で首相に就任し(第二次大隈内閣)、78歳まで務めただけに、取り上げるべき事柄は多く、新書で取り上げるとなると、過不足なく適切にその事績を叙述するのはなかなか難しいと思います。本書は新書としては大部の上下2巻…
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内藤一成『三条実美 維新政権の「有徳の為政者」』

 中公新書の一冊として、中央公論社より2019年2月に刊行されました。三条実美の一般的な評価は高くない、と言えるでしょう。歴史ドラマでも、おおむね優柔不断で優秀ではない人物として描かれてきたように思います。内閣制度導入の一因として、政治力に欠ける三条実美の更迭が必要だった、とも指摘されているくらいです(関連記事)。本書も、三条の政治的な…
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大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』田畑政治の人物造形

 大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第二部の主人公である田畑政治の人物造形について、以下のような指摘があります。 とある年配の方と話をしていると、今の大河の阿部サダヲの演技がけたたましすぎて、全然重厚感がない、昔の人はあんなではなかったはずと仰るのだけど、実際に田畑政治を知る人の感想は「生き返ったようにそっくり」だそうで…
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今上陛下と先祖が同じ方は皆皇族です

 Twitterで、表題の発言への批判を見かけました。まず元の発言は 旧、元という表現に気を付けるべきだと思います。例えば「旧皇族」です。皇族は血統です。離れても、今上陛下と先祖が同じ方は皆皇族です。事実上、GHQの強制であったいわゆる「皇籍離脱」は書類上の話であり、血の繋がりに関係ありません。しかも占領後は無効にできます。だから…
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皇室の生存戦略

 今年(2019年)5月1日に天皇の代替わりがありました。それ以降、新天皇の徳仁氏とその妻である皇后の雅子氏を称賛する記事が増えてきたように思います。天皇夫妻を称賛するサイトの中には、秋篠宮家にたいする批判・中傷(というのは私の判断ですが)・嘲笑に熱心なところもあります。そのようなサイトは、雅子氏もしくは天皇夫妻のファンか、雅子氏ファン…
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