テーマ:日本史中世

黒田基樹『下剋上』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2021年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、戦国時代の重要な特徴と一般的に考えられている下剋上の実像を個別の事例から検証していきます。下剋上という言葉は戦国時代の前から低頻度ながら使用されており、その意味は、家臣による主君の排除だけではなく、百姓が領主支配に抵抗したり、下位の者が…
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黒田基樹『戦国大名・伊勢宗瑞』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2019年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、一般的には北条早雲として知られている伊勢宗瑞の伝記です。宗瑞は一般的に、「一介の素浪人」から戦国大名に成り上がった下剋上の典型で、当時としては高齢になって武将としての本格的な活動を開始した、と長く語られてきました。そうした通俗的な宗瑞像…
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坂井孝一『源氏将軍断絶 なぜ頼朝の血は三代で途絶えたか』

 PHP新書の一冊として、2020年12月にPHP研究所より刊行されました。本書は鎌倉幕府の初代から三代目までの源氏将軍を取り上げ、なぜ源氏将軍が三代で途絶えたのか、そもそも源氏将軍とは何だったのか、検証します。初代の源頼朝についてまず言えるのは、源氏における頼朝の卓越した地位は当初から確立していたのではなく、内乱を勝ち抜いた結果だった…
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黒田基樹『羽柴家崩壊』

 シリーズ「中世から近世へ」の一冊として、平凡社より2017年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、豊臣氏羽柴家の崩壊過程を、関ヶ原合戦後から片桐且元の大坂城退去まで、羽柴秀頼およびその生母の茶々と片桐且元との関係の視点から取り上げます。関ヶ原合戦後、秀頼はまだ幼く、茶々が「女主人」として羽柴家を率います。本書は、茶々が片…
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黒田基樹『戦国北条家の判子行政』

 平凡社新書の一冊として、平凡社より2020年10月に刊行されました。本書は、戦国大名である北条家の領国統治の仕組みが、その後の近世大名と基本的に変わらなかった、とその意義を高く評価します。江戸時代につながる統治権力による領民統治の基本的な仕組みは、織田信長と羽柴秀吉ではなく、すでに戦国大名により作り出されていた、というわけです。本書は…
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黒田基樹『関東戦国史 北条VS上杉55年戦争の真実』

 角川ソフィア文庫の一冊として、KADOKAWAから2017年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、織田信長と羽柴秀吉による天下一統路線を大前提とする通俗的な結果論的戦国時代認識に対して、関東における「関東の副将軍」たる上杉と「日本の副将軍たる」北条(後北条)との55年にわたる抗争に着目し、戦国時代の変化を把握します。信長…
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倉本一宏『皇子たちの悲劇 皇位継承の日本古代史』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2020年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、天皇(大王)に即位できた皇子(王子)とできなかった皇子とを比較し、その理由を検証することで、古代日本、さらには日本の王権の特質を解明していきます。対象となるのは、伝承的性格の強い日本武尊の頃から院政期までです。日本武尊は、倭王武の上表文…
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上横手雅敬『日本史の快楽 中世に遊び現代を眺める』

 角川ソフィア文庫の一冊として、KADOKAWAから2002年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は雑誌の連載をまとめた、中世史を中心とした歴史随筆集ですが、著者は日本中世史の碩学だけに、教えられるところが多々ありました。これまで知らなかったこととして、著者は1953年頃に研究者として歩み始めますが、当時は社会主義に共感する…
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石原比伊呂『北朝の天皇 「室町幕府に翻弄された皇統」の実像』

 中公新書の一冊として、中央公論新社から2020年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書が指摘するように、おそらく北朝の一般的な人気は南朝よりも低く、そもそも北朝への関心が低い、と言うべきかもしれません。北朝は足利将軍家(室町幕府)の言いなりで、南朝と比較して魅力というか個性に欠ける、との一般的な印象が強いようにも思います。本…
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柴裕之『織田信長 戦国時代の「正義」を貫く』

 シリーズ「中世から近世へ」の一冊として、平凡社より2020年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、旧弊・旧勢力を破壊し、新たな時代を築いた革新者という通俗的な印象が抱かれている信長を、「同時代人」として把握します。信長はあくまでも当時の社会秩序下で生きた人物だ、というわけです。本書は織田が尾張においてどのような立場にあ…
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平井上総『列島の戦国史8 織田政権の登場と戦国社会』

 吉川弘文館より2020年10月に刊行されました。『列島の戦国史』は全9巻で、すべて読まねばならないところですが、戦国時代の優先順位は以前ほど高くないので、まずは最も関心の高い話題を扱っているだろう本書を読むことにしました。昨年(2020年)半ば頃に電子書籍に移行したので、漫画作品の『卑弥呼』と『創世のタイガ』の単行本を除いて紙の書籍を…
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光成準治『本能寺前夜 西国をめぐる攻防』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2020年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、地域としては畿内よりも西、とくに毛利を、年代は織田信長の上洛から本能寺の変までを主要な対象として、織田権力と西国の大名・領主層との関係に着目し、本能寺の変を検証しています。本書から窺えるのは、戦国時代の領主層の自立性と、それがとくに境目…
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天野忠幸『松永久秀と下剋上 室町の身分秩序を覆す』

 シリーズ「中世から近世へ」の一冊として、平凡社より2018年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。随分前に読んだ本か記事では、松永久秀は出自不明とされていたように記憶しています。本書では、久秀の出自は摂津国の五百住の土豪だった可能性が高い、とされています。久秀は当時としてはそれなりの身分の生まれだったようですが、父の名前も伝わっ…
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川戸貴史『戦国大名の経済学』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2020年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、大名領国の収入と支出の分析から、戦国時代の日本経済の構造、さらにはアジア東部および南東部とのつながりまでを対象としており、戦国大名の領国経営という一見すると細かい主題ながら、広い視野を提示しているように思います。こうした一般向け書籍では…
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鈴木眞哉『戦国時代の計略大全』

 PHP新書の一冊として、2011年6月にPHP研究所より刊行されました。奇襲・水攻め・火攻め・伏兵・内応などといった、合戦における奇策・計略の事例を紹介しています。軍記物や講談が出典の話も多いので、単に紹介するだけではなく、創作の可能性が高いなどといった評価もなされています。戦国時代の事例が中心なのですが、南北朝時代や平安時代末期など…
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桐野作人『明智光秀と斎藤利三』

 宝島社新書の一冊として、宝島社から2020年3月に刊行されました。表題にあるように、本書は本能寺の変における斎藤利三の役割を重視しています。まず不明な点の多い明智光秀の前半生ですが、やはり確実な史料はないようで、本書も後世の編纂史料などから推測するに留まっています。本書から窺えるのは、光秀は美濃土岐氏もしくは土岐明智氏のなかなか有力な…
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関幸彦『戦争の日本史5 東北の騒乱と奥州合戦』

 吉川弘文館より2006年11月に刊行されました。本書は、前九年合戦・後三年合戦・奥州合戦(源頼朝が奥州藤原氏を攻め滅ぼした戦い)を扱っています。一般書ながら、研究史の把握・整理が多いのが特徴となっています。本書は、東北地方と河内源氏という共通点を有するこれら三合戦から、中世的世界の成立の経緯・背景・その意味、頼朝の御家人たちの間で共有…
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三鬼清一郎『大御所徳川家康 幕藩体制はいかに確立したか』

 中公新書の一冊として、中央公論新社から2019年10月に刊行されました。本書は大御所時代の徳川家康、つまり征夷大将軍を息子の秀忠に譲ってから死去までの約10年を基本的には対象としています。この期間は、江戸幕府の体制確立においてたいへん重要となります。本書は、家康の大御所政治の前提として、養子も含めて息子に家督を譲った父親が、依然として…
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髙橋昌明氏による『中世の罪と罰』の書評

 網野善彦・石井進・笠松宏至・勝俣鎭夫『中世の罪と罰』(東京大学出版会、1983年、私が所有している第9刷の刊行は1993年)が講談社学術文庫で再刊された、との呟きをTwitterで見かけました。新たに解説が所収されたのは魅力ですが、以前よりも日本中世史の優先順位が下がっているので、親本を所有しているのに新たに購入すべきか否か、迷ってい…
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金子拓『信長家臣明智光秀』

 平凡社新書の一冊として、平凡社より2019年10月に刊行されました。来年(2019年)の大河ドラマの主人公は明智光秀なので、すでに光秀関連の一般向け書籍が複数刊行されていますし、今後も続々と刊行されていくでしょう。もう15年以上、戦国時代の勉強が停滞しているので、この機会に新たな知見を得るとともに復習することも目的に、光秀関連の一般向…
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中野等『太閤検地 秀吉が目指した国のかたち』

 中公新書の一冊として、中央公論新社から2019年8月に刊行されました。本書は太閤検地を、一貫した方針・基準のもとに遂行されたものとして把握するのではなく、その時々の政治情勢から読み解いていきます。豊臣政権に服属したばかりの大名の領地、豊臣秀吉から疑いを抱かれていた大名の領地、秀吉により改易され、新たな領主が入部することになった地域など…
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和田裕弘『織田信忠 天下人の嫡男』

 中公新書の一冊として、中央公論新社から2019年8月に刊行されました。本書は織田信忠の親族と事績を丁寧に解説しており、一般向けの信忠の伝記として今後長く定番になるでしょう。信忠は本能寺の変で落命したさいに数え年26歳で、すでに家督を継承していたとはいえ、実権は父の信長にあったので、一般的な印象はさほど強くないかもしれません。かつて(今…
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長澤伸樹『楽市楽座はあったのか』

 シリーズ「中世から近世へ」の一冊として、平凡社より2019年2月に刊行されました。以前は「楽市楽座」について強い関心を抱き、色々と調べましたが、もう15年以上勉強を怠っていたので、最近の研究成果を把握するために読みました(まあ、15年前に最新の研究成果を把握できたいたのかというと、そうではないのですが)。本書は「楽市楽座」に関する各史…
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本郷恵子『院政 天皇と上皇の日本史』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2019年5月に刊行されました。本書は古代と近世にも言及しつつ、おもに中世を対象として、院政がどのように確立し、変容していったのか、解説しています。本書は、院政の前提というか院政との類似として、藤原道長の権力掌握の在り様を挙げています。公職を退いた道長は「大殿」として権勢をふるいますが、これは公式…
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佐伯智広『皇位継承の中世史 血統をめぐる政治と内乱』

 歴史文化ライブラリーの一冊として、吉川弘文館より2019年4月に刊行されました。本書は皇位継承の視点からの政治史となっています。表題に「中世史」とあるように、おもに院政期から室町時代前半までが対象となっていますが、古代にもそれなりの分量が割かれています。通史で皇位継承問題に言及されることは珍しくありませんが、古代にもそれなりの分量を割…
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乃至政彦『平将門と天慶の乱』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2019年4月に刊行されました。本書は、平将門の怨霊譚など、将門が後世においてどう語られてきたのか、という問題も取り上げつつ、天慶の乱を中心に将門の生涯を解説していきます。やや個人の心情に踏み込みすぎているかな、とも思うのですが、将門の怨霊譚にもそれなりに分量が割かれており、一般向け書籍であること…
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元木泰雄『源頼朝 武家政治の創始者』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2019年1月に刊行されました。本書は政治家としての源頼朝の行動・意図を、その時点での政治状況に即して解説しており、過度に頼朝の心情を描写し、肩入れしていないところは、いかにも歴史学からの偉人の伝記といった感じで、堅実なものになっていると思います。もちろん、本書の個々の見解にたいする批判はあるでし…
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森茂暁『戦争の日本史8 南北朝の動乱』

 吉川弘文館より2007年9月に刊行されました。「南北朝」と題した一般向け書籍の叙述範囲をどこまでとするかという問題は、著者の歴史観も表れていて興味深いと思います。本書は、鎌倉時代後期の情勢や足利義持・義教が室町殿だった時代にも言及していますが、基本的には正中の変から南北朝の合一までを扱っています。南北朝時代の通史としては基本的な時代区…
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鎌倉時代に関する記事のまとめ

 鎌倉時代に関する当ブログの記事もそれなりの本数になったので、一度まとめておきます。今後、鎌倉時代に関する記事を掲載した場合、追記していきます。 本郷和人『武士から王へ-お上の物語』 https://sicambre.at.webry.info/200711/article_6.html 久米邦武「鎌倉時代の武士道」 …
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新井孝重『戦争の日本史7 蒙古襲来』

 吉川弘文館より2007年5月に刊行されました。日本史の文脈でモンゴル襲来というと、文永・弘安の役となります。一般向け書籍でモンゴル襲来が扱われる場合、その前史としての日本とモンゴルとの交渉と、弘安の役後も日本がモンゴル襲来に備えており、それが被害妄想ではなく、かなりのところ現実的だったことにも言及されることが多いように思います。本書も…
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