テーマ:日本史中世

長澤伸樹『楽市楽座はあったのか』

 シリーズ「中世から近世へ」の一冊として、平凡社より2019年2月に刊行されました。以前は「楽市楽座」について強い関心を抱き、色々と調べましたが、もう15年以上勉強を怠っていたので、最近の研究成果を把握するために読みました(まあ、15年前に最新の研究成果を把握できたいたのかというと、そうではないのですが)。本書は「楽市楽座」に関する各史…
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本郷恵子『院政 天皇と上皇の日本史』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2019年5月に刊行されました。本書は古代と近世にも言及しつつ、おもに中世を対象として、院政がどのように確立し、変容していったのか、解説しています。本書は、院政の前提というか院政との類似として、藤原道長の権力掌握の在り様を挙げています。公職を退いた道長は「大殿」として権勢をふるいますが、これは公式…
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佐伯智広『皇位継承の中世史 血統をめぐる政治と内乱』

 歴史文化ライブラリーの一冊として、吉川弘文館より2019年4月に刊行されました。本書は皇位継承の視点からの政治史となっています。表題に「中世史」とあるように、おもに院政期から室町時代前半までが対象となっていますが、古代にもそれなりの分量が割かれています。通史で皇位継承問題に言及されることは珍しくありませんが、古代にもそれなりの分量を割…
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乃至政彦『平将門と天慶の乱』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2019年4月に刊行されました。本書は、平将門の怨霊譚など、将門が後世においてどう語られてきたのか、という問題も取り上げつつ、天慶の乱を中心に将門の生涯を解説していきます。やや個人の心情に踏み込みすぎているかな、とも思うのですが、将門の怨霊譚にもそれなりに分量が割かれており、一般向け書籍であること…
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元木泰雄『源頼朝 武家政治の創始者』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2019年1月に刊行されました。本書は政治家としての源頼朝の行動・意図を、その時点での政治状況に即して解説しており、過度に頼朝の心情を描写し、肩入れしていないところは、いかにも歴史学からの偉人の伝記といった感じで、堅実なものになっていると思います。もちろん、本書の個々の見解にたいする批判はあるでし…
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森茂暁『戦争の日本史8 南北朝の動乱』

 吉川弘文館より2007年9月に刊行されました。「南北朝」と題した一般向け書籍の叙述範囲をどこまでとするかという問題は、著者の歴史観も表れていて興味深いと思います。本書は、鎌倉時代後期の情勢や足利義持・義教が室町殿だった時代にも言及していますが、基本的には正中の変から南北朝の合一までを扱っています。南北朝時代の通史としては基本的な時代区…
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鎌倉時代に関する記事のまとめ

 鎌倉時代に関する当ブログの記事もそれなりの本数になったので、一度まとめておきます。今後、鎌倉時代に関する記事を掲載した場合、追記していきます。 本郷和人『武士から王へ-お上の物語』 https://sicambre.at.webry.info/200711/article_6.html 久米邦武「鎌倉時代の武士道」 …
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新井孝重『戦争の日本史7 蒙古襲来』

 吉川弘文館より2007年5月に刊行されました。日本史の文脈でモンゴル襲来というと、文永・弘安の役となります。一般向け書籍でモンゴル襲来が扱われる場合、その前史としての日本とモンゴルとの交渉と、弘安の役後も日本がモンゴル襲来に備えており、それが被害妄想ではなく、かなりのところ現実的だったことにも言及されることが多いように思います。本書も…
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高橋典幸・五味文彦編『中世史講義 院政期から戦国時代まで』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2019年1月に刊行されました。日本中世史の勉強も停滞しているので、最新の研究成果を把握するために読みました。本書はたいへん有益でしたが、もちろん、中世史の論点は多岐にわたり、新書一冊で網羅することはできませんので、続編が望まれます。以下、本書で提示された興味深い見解について備忘録的に述べていきます…
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平安時代に関する記事のまとめ

 平安時代に関する当ブログの記事もそれなりの本数になったので、一度まとめておきます。今後、平安時代に関する記事を掲載した場合、追記していきます。 元木泰雄『保元・平治の乱を読みなおす』 https://sicambre.at.webry.info/200611/article_21.html 髙橋昌明『平清盛 福原の夢…
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坂井孝一『承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱』

 中公新書の一冊として、中央公論新社から2018年12月に刊行されました。本書は承久の乱を長い歴史の中に位置づけており、その前提となった政治体制について、院政の成立にまでさかのぼって解説しています。承久の乱の意義を解説するには、単にその経過と結果を叙述するのではなく、もっと時空間的に広範な把握を前提としなければならないわけで、本書はその…
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桃崎有一郎『武士の起源を解きあかす 混血する古代、創発する中世』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2018年11月に刊行されました。本書は武士の起源という大問題に挑んでおり、たいへん読みごたえがあります。私も以前はこの問題にたいへん高い関心を有しており、最近もこの問題の大家の新書を読みましたが(関連記事)、本書はじゅうらいの所説を批判的に継承しつつ、壮大な仮説を提示しています。もちろん、本書の諸…
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美川圭『公卿会議 論戦する宮廷貴族たち』

 中公新書の一冊として、中央公論社より2018年10月に刊行されました。本書は律令制成立の頃から室町幕府第三代将軍の足利義満の頃までの朝廷貴族(宮廷貴族)の会議の変遷を、おもに公卿を対象として検証・解説しています。一般向け書籍としてはなかなか詳しい制度史の解説となっているので、正直なところ、宮廷貴族の会議および朝廷の制度の変遷について、…
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清水克行『戦国大名と分国法』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2018年7月に刊行されました。本書が取り上げている戦国大名は、結城(結城氏新法度)・伊達(塵芥集)・六角(六角氏式目)・今川(今川かな目録)・武田(甲州法度之次第)です。これらの検証から、戦国時代・大名に共通する特徴と、各大名固有の特徴・状況が浮かび上がってきます。本書は、分国法から見た戦国…
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南北朝時代関連の記事のまとめ

 南北朝時代関連の記事もそれなりの本数になったので、一度まとめてみます。今後、南北朝時代に関する記事を掲載した場合、追記していきます。 安田次郎『日本の歴史第7巻 走る悪党、蜂起する土民』 https://sicambre.at.webry.info/200807/article_11.html 小秋元段「『太平記』の…
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中世初期の日本仏教

 中世初期の日本仏教について、複数の記事で言及してきたので、一度まとめることにします。参考文献は、『週刊新発見!日本の歴史』第17号「平安時代5 院政期を彩った人々」(関連記事)および第21号「鎌倉時代4 鎌倉仏教の主役は誰か」(関連記事)と『岩波講座 日本歴史  第6巻 中世1』上島享「鎌倉時代の仏教」(関連記事)です。  中世…
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亀田俊和編『初期室町幕府研究の最前線 ここまでわかった南北朝期の幕府体制』

 日本史史料研究会監修で、歴史新書の一冊として洋泉社より2018年6月に刊行されました。本書は4部構成で、各部は複数の論考から構成されています。本書で提示された見解のなかには、すでに他の一般向け書籍で知ったものもありましたが、初期室町幕府についてはよく知らなかったので、多くの知見を得られました思います。初期室町幕府についての近年の研究動…
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兵頭裕己『後醍醐天皇』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店から2018年4月に刊行されました。本書は、同時代から現代まで評価の分かれる後醍醐天皇について、それらの評価を踏まえて統一的に理解しようとしています。本書は後醍醐の伝記というだけではなく、後醍醐とその治世がどのように評価されてきたのか、その評価が後世にいかなる政治思想的影響を及ぼしたのか、という観…
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呉座勇一『陰謀の日本中世史』

 角川新書の一冊として、KADOKAWAから2018年3月に刊行されました。本書は日本中世史におけるさまざまな陰謀論的見解を取り上げ、そうした見解のどこに問題があるのか、解説していきます。本書が対象としているのは保元の乱から関ケ原の戦いまでとなります。本書は、まず史実というか通説を簡潔に叙述し、その後に陰謀論的見解を紹介し、その問題点と…
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服部英雄『蒙古襲来と神風 中世の対外戦争の真実』

 これは3月11日分の記事として掲載しておきます。中公新書の一冊として、中央公論新社から2017年11月に刊行されました。本書はモンゴル襲来(文永の役・弘安の役)を神風史観の見直しという観点から検証しています。神風史観とは、文永の役・弘安の役において神風が吹き、日本は侵略してきたモンゴル(大元ウルス)を退けることができた、というものです…
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倉本一宏『藤原氏―権力中枢の一族』

 これは3月4日分の記事として掲載しておきます。中公新書の一冊として、中央公論新社から2017年12月に刊行されました。本書は、おもに7世紀半ばの乙巳の変から鎌倉時代の五摂家(近衛・九条・一条・二条・鷹司)の分立までを、藤原氏を視点に据えて概観しています。本書のような視点の通史は珍しくないのかもしれませんが、藤原氏のうち摂関家のみならず…
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平井上総『兵農分離はあったのか』

 これは10月29日分の記事として掲載しておきます。シリーズ「中世から近世へ」の一冊として、平凡社より2017年9月に刊行されました。私はかつて兵農分離について熱心に調べていましたが、この十数年ほどは優先順位が以前ほど高くはなくなり、ほとんど勉強が進んでいません。それでも、まだ関心の高い問題なので、最新の研究成果を知る好機と思い読んでみ…
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渡邊大門編『信長研究の最前線2 まだまだ未解明な「革新者」の実像』

 これは8月20日分の記事として掲載しておきます。日本史史料研究会監修で、 歴史新書の一冊として洋泉社より2017年8月に刊行されました。本書は『信長研究の最前線 ここまでわかった「革新者」の実像』の続編となります(関連記事)。本書は5部構成で、各部は複数の論考から構成されています。本書で提示された見解のなかには、すでに他の一般向け書籍…
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大石泰史編『今川氏研究の最前線 ここまでわかった「東海の大大名」の実像』

 これは8月13日分の記事として掲載しておきます。日本史史料研究会監修で、歴史新書の一冊として洋泉社より2017年6月に刊行されました。本書は4部構成で、各部は複数の論考から構成されています。本書で提示された見解のなかには、すでに他の一般向け書籍で知ったものもありましたが、今川氏についてはよく知らなかったので、多くの知見を得られました思…
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亀田俊和『観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い』

 これは8月6日分の記事として掲載しておきます。中公新書の一冊として、中央公論新社から2017年7月に刊行されました。都内の某大型書店で本書を購入したのですが、入荷数が多いのに驚きました。本書は刊行前よりネットで話題になっているように見えましたが、それは私の観測範囲の狭さが原因で、知名度のあまり高くない争乱だけに、刊行当初より書店に多数…
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金子拓『織田信長 不器用すぎた天下人』

 これは6月25日分の記事として掲載しておきます。河出書房新社から2017年5月に刊行されました。本書は、裏切られ続けた人物との観点から信長の人物像を検証しています。信長を裏切った人物として検証の対象になっているのは、浅井長政・武田信玄・上杉謙信・毛利輝元・松永久秀・荒木村重・明智光秀です。このうち、浅井長政・武田信玄・上杉謙信・毛利輝…
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和田裕弘『織田信長の家臣団 派閥と人間関係』

 これは6月18日分の記事として掲載しておきます。中公新書の一冊として、中央公論新社から2017年2月に刊行されました。本書は織田信長の家臣団について、陪臣も含めてその地縁・血縁関係や事蹟を検証していき、信長時代の織田家特徴を家臣団の観点から浮き彫りにしています。とにかく取り上げられている人物が多く、その地縁・血縁関係にまで言及されてい…
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渡邊大門『おんな領主 井伊直虎』

 これは3月12日分の記事として掲載しておきます。中経の文庫の一冊として、2016年9月にKADOKAWAより刊行されました。大河ドラマ『おんな城主 直虎』関連本としては読んだのは本書で2冊目となります。以前に読んだ関連本(関連記事)は、門外漢にはかなり奇抜な内容に思えたので、もう一冊関連本を読むことにしました。中世~近世移行期にはまっ…
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平野明夫編『家康研究の最前線 ここまでわかった「東照神君」の実像』

 これは12月4日分の記事として掲載しておきます。日本史史料研究会監修で、歴史新書の一冊として洋泉社より2016年11月に刊行されました。本書は、同じく歴史新書の一冊として、一昨年(2014年)刊行された『信長研究の最前線 ここまでわかった「革新者」の実像』(関連記事)と、昨年(2015年)刊行された『秀吉研究の最前線 ここまでわかった…
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夏目琢史『井伊直虎 女領主・山の民・悪党』

 これは11月30日分の記事として掲載しておきます。講談社現代新書の一冊として、講談社から2016年10月に刊行されました。来年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』の予習になると思い、読んでみました。本書は、第一章で井伊直虎(次郎法師)の生涯と井伊氏の動向について解説し、第二章で直虎の正体というか、歴史的位置づけを解明しようと試みています。…
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