テーマ:オセアニアおよびアメリカ史

南パタゴニアの人類の古代ゲノムデータ

 南パタゴニアの人類の古代ゲノムデータを報告した研究(Nakatsuka et al., 2020)が公表されました。南パタゴニアは南アメリカ大陸の南緯49度の南側の地域で、フエゴ島(Isla Grande de Tierra del Fuego)の12600年前頃(以下、全て較正年代です)とされるトレス・アリョイ(Tres Arroy…
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ペルー南部沿岸地域におけるインカ帝国期の移住

 ペルー南部沿岸地域におけるインカ帝国期の移住に関する研究(Bongers et al., 2020)が公表されました。解析技術の進展により多数の標本のゲノム規模分析が可能となり、古代DNA研究は過去を研究する強力な手法となりました。ゲノム規模データは、さまざまな地域の集団や個体群の系統の推測を高精度で可能とします。これにより、同じ地域…
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先コロンブス期のポリネシア人とアメリカ大陸住民との接触(追記有)

 先コロンブス期のポリネシア人とアメリカ大陸住民との接触に関する研究(Ioannidis et al., 2020)が報道(Wallin., 2020)されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。オセアニア史研究では長年、ポリネシア人とアメリカ大陸先住民との間の先コロンブス期における接触が議論されてきました。この問題に関し…
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マヤ文化最古の儀式用建造物

 マヤ文化最古の儀式用建造物に関する研究(Inomata et al., 2020)が報道されました。考古学界では従来、マヤ文化はじょじょに発展したと考えられており、土器の使用および定住生活の開始とともに、小規模村落が紀元前1000~紀元前350年頃(以下、すべて較正年代です)となる中期先古典期に出現した、と想定されてきました。しかし近…
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ペルー人の低身長の遺伝的要因

 ペルー人の低身長の遺伝的要因に関する研究(Asgari et al., 2020)が公表されました。ペルー人の平均身長は、世界平均と比較すると低い水準にあり、平均身長は男性が165.3cm、女性が152.9cmです。この研究は、ペルー人の身長に関連する遺伝的要因を解明するため、リマに居住する3134人の遺伝的データと身長のデータを入手…
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カリブ海諸島への人類の拡散

 カリブ海諸島への人類の拡散に関する研究(Nägele et al., 2020)が報道されました。日本語の解説記事もあります。この研究はオンライン版での先行公開となります。考古学的証拠では、カリブ海諸島への最初の人類の移住は8000年前頃と推定されています。アメリカ大陸本土に近いトリニダード(Trinidad)島を別にすると、カリブ海…
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前期完新世アマゾン地域における作物栽培と景観改変

 前期完新世アマゾン地域における作物栽培と景観改変に関する研究(Lombardo et al., 2020)が報道されました。植物栽培の開始は、人類史における最も重要な文化的移行の一つです。アマゾン川流域南西部は以前、栽培植物と野生近縁種の遺伝的類似性を示す分子マーカーに基づいて、植物の栽培化における初期の中心地だった、と提唱されました…
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アンデスの人口史

 アンデスの人口史に関する研究(Nakatsuka et al., 2020)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。南アメリカ大陸のアンデス地域における人類史は、14500年にわたります。現在のペルー・ボリビア・チリ北部となるアンデス中央および南部中央では、沿岸地帯と高地帯への初期の人類の拡散の後、定住様式の浸…
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メキシコの初期植民地時代の奴隷の起源と生活史

 メキシコの初期植民地時代の奴隷の起源と生活史に関する研究(Barquera et al., 2020)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。1518年、スペイン王カルロス1世(神聖ローマ帝国皇帝カール5世)は、アフリカ人奴隷をヌエバ・エスパーニャに移動させる許可を出しました。これは、遺伝的にも文化的にも、現代…
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サモアの人口史

 サモアの人口史に関する研究(Harris et al., 2020)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。オセアニアへの人類の移住には、2回の大きな波がありました。最初の波は遅くとも5万年前頃までに起きたと考えられ、パプア諸語集団とオーストラリア先住民集団の祖先が、サフルランド(更新世の寒冷期にはオーストラリ…
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先コロンブス期の人為的活動に起因するアマゾン川流域の植物の優占種

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、先コロンブス期の人為的活動に起因するアマゾン川流域の植物の優占種に関する研究(Levis et al., 2017)が公表されました。日本語の解説記事もあります。アマゾン川流域における植物の栽培は8000年以上前から行なわれています。この研究は、植物の栽培がもたらす永続的な影響をより詳しく理…
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古典期マヤ社会を崩壊させた旱魃

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、古典期マヤ社会を崩壊させた旱魃に関する研究(Evans et al., 2018)が公表されました。日本語の解説記事もあります。紀元後800~1000年頃となる古典期終末期のマヤ文化の崩壊は一般的に、過去の気候急変が古代社会の衰退にどれほど大きな影響を及ぼすのか、という事例として使用されます…
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マヤ文化における貯蔵・流通

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、マヤ文化における貯蔵・流通に関する研究(McKillop et al., 2018)が公表されました。日本語の解説記事もあります。塩は生命の維持に不可欠ですが、人類の主要な生業が狩猟採集から農耕へと移行していく時期に、人類が塩をどのように確保していたのか、明確ではありませんでした。この研究は…
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航空調査によるマヤ文化の見直し

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、航空調査によるマヤ文化の見直し関する研究(Canuto et al., 2018)が公表されました。日本語の解説記事もあります。マヤ低地中央部は大部分が深い森林に覆われた地域のため新たな遺跡の発見は困難で、1集落を完全に地図化して特徴を明確にするには長い年月を必要とします。そのため、マヤ文化…
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以前の推測より複雑だったトウモロコシの栽培化

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、トウモロコシの栽培化に関する研究(Kistler et al., 2018)が公表されました。日本語の解説記事もあります。トウモロコシはメキシコの野草テオシントが進化した栽培種で、南北アメリカ大陸全域に急速に拡散しました。古代、トウモロコシは農地のいたる所で栽培され、16世紀にヨーロッパ人が…
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プエブロボニート遺跡の土器製作における性別分業

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、アメリカ合衆国ニューメキシコ州にある有名なプエブロボニート(Pueblo Bonito)遺跡の土器製作における性別分業についての研究(Kantner et al., 2019)が報道されました。年齢や性に基づく分業は、現生人類(Homo sapiens)社会において普遍的に見られます。しかし、資料の…
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先コロンブス期カリブ諸島の移住史

 先コロンブス期カリブ諸島の移住史に関する研究(Ross et al., 2020)が公表されました。カリブ海諸島は、大アンティル諸島・小アンティル諸島・バハマ諸島から構成されます。カリブ海には多数の島々が点在するので、人類や動物が島々に分散しやすくなりました。カリブ海諸島への人類の移住に関する有力説では、まずカヌーを用いた狩猟・漁撈・…
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以前の見解よりも早期に起きていたマヤ社会における暴力的な争い

 マヤ社会における暴力的な争いについての研究(Wahl et al., 2019)が報道されました。古典期(紀元後250~950年)におけるマヤ社会の争いについてはこれまで、儀式的なものであり、その範囲は限定的だと見なされてきました。一方で、古典期末期(紀元後800~950年)における暴力的な争いの証拠は、マヤ文明の崩壊を促進した、争い…
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アメリカ合衆国における先住民の遺伝的影響

 アメリカ合衆国におけるアメリカ大陸先住民の遺伝的影響に関する研究(Jordan et al., 2019)が報道されました。アメリカ大陸には、ユーラシア西部系に近縁な人類集団と、アジア東部系に近縁な人類集団との混合により形成された人類集団(関連記事)が、ベーリンジア(ベーリング陸橋)経由で最初に拡散してきました。その年代は遅くとも16…
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さかのぼるカカオの栽培

 カカオの栽培の開始年代に関する研究(Zarrillo et al., 2018)が報道されました。ナショナルジオグラフィックでも報道されました。先コロンブス期のメソアメリカにおいて、カカオ(Theobroma cacao)は文化的に重要な作物でした。カカオ豆は通貨として使われるとともに、祝祭や儀式で飲むチョコレート飲料を作るのにも用い…
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土壌炭素の貯蔵に影響を及ぼしたマヤ低地の森林伐採

 マヤ低地の森林伐採と土壌炭素の貯蔵に関する研究(Douglas et al., 2018)が公表されました。土壌は大量の有機炭素を保持しており、それらを大気から何千年以上にわたり隔離できます。そうした土壌を覆う植生に対する攪乱は全て、炭素貯蔵に影響を及ぼすと考えられていますが、その影響は土壌の種類と干渉の性質によって変化し得ます。この…
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アンデス高地住民の古代ゲノム

 アンデス高地住民の古代ゲノムを報告した研究(Lindo et al., 2018B)が報道されました。日本語の報道もあります。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。アンデス高地における恒久的居住に関しては、12000年前頃までさかのぼるとの見解も提示されていますが(関連記事 )、9500~9000年前頃に始まった、との…
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アメリカ大陸の大規模な古代DNA研究

 アメリカ大陸への人類の拡散に関する二つの研究が報道されました(報道1および報道2および報道3)。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。これらの研究はいずれもオンライン版での先行公開となります。一方の研究(Moreno-Mayar et al., 2018B)は、アラスカからパタゴニアにまでアメリカ大陸の広範な地域に及ぶ…
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先コロンブス期アメリカ大陸は大規模に開発されていた

 昨日(2018年10月22日)、人類が一度も居住したことがなさそうだ、と考えられていたエクアドルの雲霧林に、かつて人類が500年以上居住し、作物を栽培していた痕跡が確認された、との研究を取り上げました(関連記事)。以前は、このエクアドルの雲霧林のように、アメリカ大陸における先コロンブス期の人類の痕跡が見逃されていたことは少なくありませ…
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エクアドルの森林における先住民集団の痕跡

 エクアドルの森林における先住民集団の痕跡に関する研究(Caley et al., 2018)が報道されました。19世紀の旅行者たちは、エクアドルのキホスバレーの雲霧林について、「人類がこれまで一度も住んだことがない」ようだと述べています。しかし、本論文は、この谷にある湖の土壌コアを分析し、人類の痕跡を明らかにしました。雲霧林のコアから…
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オーストラリアの人類史関連のまとめ

 これは4月19日分の記事として掲載しておきます。オーストラリアへの人類の拡散など、オーストラリアの人類史関連の記事をまとめます。オーストラリア大陸は更新世の寒冷期にはニューギニア島やタスマニア島とも陸続きで、サフルランドを形成していました。オーストラリアへにおける人類の痕跡は、現時点では65000年前頃までさかのぼります(関連記事)。…
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先コロンブス期におけるポリネシアとアメリカ大陸との人的交流

 これは4月14日分の記事として掲載しておきます。サツマイモ(Ipomoea batatas)のDNA解析についての研究(Muñoz-Rodríguez et al., 2018)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、サツマイモとその近縁種199標本から、葉緑体全領域と核の605個…
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先コロンブス期のアマゾン川流域の人類の居住(追記有)

 これは3月30日分の記事として掲載しておきます。先コロンブス期のアマゾン川流域の人類の居住に関する研究(Souza et al., 2018)が報道されました。この研究は、人工衛星画像を用いて、アマゾン川の支流となる、ブラジルのタパジョース(Tapajós)川上流域を調査し、81ヶ所の考古遺跡と合計104ヶ所の土工事の遺構を…
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インカ帝国の子供のミイラのミトコンドリアゲノム

 これは11月15日分の記事として掲載しておきます。インカ帝国の子供のミイラのミトコンドリアゲノムに関する研究(Gómez-Carballa et al., 2015)が公表されました。1985年にアルゼンチンの山中で500年前頃のインカ帝国時代の凍結した子供のミイラが発見されました。この子供は、インカ帝国で行われていた「カパ…
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洪水により衰退したカホキア遺跡

 カホキア(Cahokia)遺跡の出現と衰退に関する研究(Munoz et al., 2015)が報道されました。カホキアはアメリカ合衆国のイリノイ州マディソン郡(Collinsville)コリンズビル市にある遺跡です。大規模なマウンドがあることで知られているカホキア遺跡ですが、大集落は300年ほどで消滅しており、その理由についてはよく…
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