テーマ:オセアニアおよびアメリカ史

さかのぼるカカオの栽培

 カカオの栽培の開始年代に関する研究(Zarrillo et al., 2018)が報道されました。ナショナルジオグラフィックでも報道されました。先コロンブス期のメソアメリカにおいて、カカオ(Theobroma cacao)は文化的に重要な作物でした。カカオ豆は通貨として使われるとともに、祝祭や儀式で飲むチョコレート飲料を作るのにも用い…
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土壌炭素の貯蔵に影響を及ぼしたマヤ低地の森林伐採

 マヤ低地の森林伐採と土壌炭素の貯蔵に関する研究(Douglas et al., 2018)が公表されました。土壌は大量の有機炭素を保持しており、それらを大気から何千年以上にわたり隔離できます。そうした土壌を覆う植生に対する攪乱は全て、炭素貯蔵に影響を及ぼすと考えられていますが、その影響は土壌の種類と干渉の性質によって変化し得ます。この…
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アンデス高地住民の古代ゲノム

 アンデス高地住民の古代ゲノムを報告した研究(Lindo et al., 2018B)が報道されました。日本語の報道もあります。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。アンデス高地における恒久的居住に関しては、12000年前頃までさかのぼるとの見解も提示されていますが(関連記事 )、9500~9000年前頃に始まった、との…
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アメリカ大陸の大規模な古代DNA研究

 アメリカ大陸への人類の拡散に関する二つの研究が報道されました(報道1および報道2および報道3)。『サイエンス』のサイトには解説記事が掲載されています。これらの研究はいずれもオンライン版での先行公開となります。一方の研究(Moreno-Mayar et al., 2018B)は、アラスカからパタゴニアにまでアメリカ大陸の広範な地域に及ぶ…
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先コロンブス期アメリカ大陸は大規模に開発されていた

 昨日(2018年10月22日)、人類が一度も居住したことがなさそうだ、と考えられていたエクアドルの雲霧林に、かつて人類が500年以上居住し、作物を栽培していた痕跡が確認された、との研究を取り上げました(関連記事)。以前は、このエクアドルの雲霧林のように、アメリカ大陸における先コロンブス期の人類の痕跡が見逃されていたことは少なくありませ…
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エクアドルの森林における先住民集団の痕跡

 エクアドルの森林における先住民集団の痕跡に関する研究(Caley et al., 2018)が報道されました。19世紀の旅行者たちは、エクアドルのキホスバレーの雲霧林について、「人類がこれまで一度も住んだことがない」ようだと述べています。しかし、本論文は、この谷にある湖の土壌コアを分析し、人類の痕跡を明らかにしました。雲霧林のコアから…
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オーストラリアの人類史関連のまとめ

 これは4月19日分の記事として掲載しておきます。オーストラリアへの人類の拡散など、オーストラリアの人類史関連の記事をまとめます。オーストラリア大陸は更新世の寒冷期にはニューギニア島やタスマニア島とも陸続きで、サフルランドを形成していました。オーストラリアへにおける人類の痕跡は、現時点では65000年前頃までさかのぼります(関連記事)。…
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先コロンブス期におけるポリネシアとアメリカ大陸との人的交流

 これは4月14日分の記事として掲載しておきます。サツマイモ(Ipomoea batatas)のDNA解析についての研究(Muñoz-Rodríguez et al., 2018)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、サツマイモとその近縁種199標本から、葉緑体全領域と核の605個…
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先コロンブス期のアマゾン川流域の人類の居住(追記有)

 これは3月30日分の記事として掲載しておきます。先コロンブス期のアマゾン川流域の人類の居住に関する研究(Souza et al., 2018)が報道されました。この研究は、人工衛星画像を用いて、アマゾン川の支流となる、ブラジルのタパジョース(Tapajós)川上流域を調査し、81ヶ所の考古遺跡と合計104ヶ所の土工事の遺構を…
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インカ帝国の子供のミイラのミトコンドリアゲノム

 これは11月15日分の記事として掲載しておきます。インカ帝国の子供のミイラのミトコンドリアゲノムに関する研究(Gómez-Carballa et al., 2015)が公表されました。1985年にアルゼンチンの山中で500年前頃のインカ帝国時代の凍結した子供のミイラが発見されました。この子供は、インカ帝国で行われていた「カパ…
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洪水により衰退したカホキア遺跡

 カホキア(Cahokia)遺跡の出現と衰退に関する研究(Munoz et al., 2015)が報道されました。カホキアはアメリカ合衆国のイリノイ州マディソン郡(Collinsville)コリンズビル市にある遺跡です。大規模なマウンドがあることで知られているカホキア遺跡ですが、大集落は300年ほどで消滅しており、その理由についてはよく…
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2013年「回顧と展望」ヨーロッパ・アメリカ

比佐篤「ヘレニズム世界の紛争と共和政期ローマの進出」『関学西洋史論集』36 足立広明「よみがえるヒュパティア」『奈良史学』30 本村凌二「エピクロス派とストア派の狭間で」『西洋古典学研究』61 有光秀行『中世ブリテン諸島史研究』(刀水書房) 飯田芳弘『想像のドイツ帝国』(東大出版会) 高神信一「アイルランド…
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片山一道「人はなぜ海洋に乗り出したか?」『人類の移動誌』第4章コラム4

 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収のコラムです。人類が海に接近するようになったのはせいぜい40万年前頃で、10万年前頃にはアフリカ南部で海産物が重要な食糧源となっていたものの、大きな転機は5万年前頃のことだ、と本コラムは指摘します。オーストラリアとニューギニアは当時陸続きで、サフルランドを形成していました。ユーラシア…
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須田一弘「移動から定住へ パプアニューギニア山麓部の事例から」『人類の移動誌』第4章第4節

 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、パプアニューギニアのクボ語集団の事例から、遊動型と定住型で人類社会がどのように変わるのか、見通しを提示しています。クボ語集団のシウハマソン集落の特徴は、資源利用にさいしての柔軟性です。ここでは父系親族集団が土地所有の単位となっており、半数以上の世帯は現在の集落の…
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印東道子「海域世界への移動戦略」『人類の移動誌』第4章「アメリカ大陸・オセアニアへ」第3節

 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文はオセアニアへの人類の移住について概観しています。ニア・オセアニアへの人類の移住は古く、50000~40000年前頃までさかのぼりそうです。この最初の移住の時期は、現在よりも海水面が低く、スンダランドからサフルランドも含むニア・オセアニアまで、海上移動の距離が現在よ…
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篠田謙一「DNAから追及する新大陸先住民の起源」『人類の移動誌』第4章第2節

 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。本論文は、アメリカ大陸への人類最初の移住というたいへん関心の高い問題についての遺伝学的研究を取り上げています。本論文で指摘されているのは、15世紀末以降、アメリカ大陸へヨーロッパから多くの人間が移住してきた影響です。これにより、アメリカ大陸先住民とはいっても、程度の差はあ…
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関雄二「最初のアメリカ人の移動ルート」『人類の移動誌』第4章第1節

 印東道子編『人類の移動誌』初版第2刷(関連記事)所収の論文です。アメリカ大陸への人類最初の移住はたいへん関心の高い問題であり、長年にわたって激論が展開されてきました。20世紀後半に一時主流となったのが、クローヴィス文化の担い手こそアメリカ大陸に移住した最初の人類だとするクローヴィス最古説で、たいへん大きな影響力を有しました。本論文でも…
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2012年「回顧と展望」ヨーロッパ・アメリカ

桜井万里子「ジェンダー史の可能性-西洋古代史研究の立場から」『歴史評論』748 古山正人「スパルタにおける商業・手工業活動」『国学院大学紀要』50 桑山由文「ハドリアヌス帝以後のアテネ」『歴史学研究』898 渡辺節夫「フランス中世王権の確立と世俗貴族層の動向」『青山史学』30 籠田のぞ実「十字軍遠征期におけるムス…
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青山和夫『マヤ文明―密林に栄えた石器文化』(岩波書店)

 まだ日付は変わっていないのですが、3月20日分の記事として掲載しておきます。岩波新書(赤版)の一冊として、2012年4月に刊行されました。マヤ文明については、「世界史上まれにみる神秘的でユニークな謎の文明」との見解が今でも一般には根強そうで、そうした「偏見」の是正も、本書の執筆意図になっているようです。じっさい、日本ではそれほどでもな…
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2011年「回顧と展望」ヨーロッパ・アメリカ

 まだ日付は変わっていないのですが、9月14日分の記事として掲載しておきます。 本村凌二『帝国を魅せる剣闘士』(山川出版社) 小池寿子『内臓の発見』(筑摩書房) 矢内義顕「13世紀の一修道士がみた十字軍とイスラーム」『早稲田商学』427 瀬原義生『ドイツ中世後期の歴史像』(文理閣) 深尾裕造「コモン・ロ…
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2010年「回顧と展望」ヨーロッパ・アメリカ

小河浩『紀元前4世紀ギリシアにおける傭兵の研究』(溪水社) 島田誠「ローマ帝国における皇帝権力と地方都市」『歴史学研究』872 堀越宏一「中世ヨーロッパにおける岸と弓矢」小島道裕編『武士と騎士』(思文閣出版) 渡邊節夫「ヨーロッパ中世社会と騎士」『歴史と地理』631 武田元有「フランス革命・ナポレオン戦争とロシア…
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2009年「回顧と展望」ヨーロッパ・アメリカ

阿部拓児「クテシアス『ペルシア史』と前4世紀」『史潮』新65 明石茂生「古代帝国における国家と市場の制度的補完性について(1)ローマ帝国」『成城大学経済研究』185 和田廣「ギリシャ正教世界における二大潮流」『史境』59 田中拓道「自由・人格・連帯」『社会思想史研究』33 服部春彦『経済史上のフランス革命・ナポレ…
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実松克義『アマゾン文明の研究』

 現代書館より2010年2月に刊行されました。副題は、「古代人はいかにして自然との共生をなし遂げたのか」です。以前テレビで、アマゾン流域の「モホス文明」が紹介されていましたが、それは、著者が主体的役割を果たしたモホス・プロジェクトの途中までの成果をテレビ局(TBS)が映像化したものでした。この番組を見たときは、モホス「文明」と言えるのか…
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先スペイン期の南米における祭祀

 先スペイン期の南米における祭祀について論じた研究(Iriarte et al., 2008)が報道されました。ブラジルやアルゼンチンの高地に点在する12~13世紀の埋葬塚を発掘したところ、土造りの炉が非常に数多く発見され、共同体の長老を追悼する祭りが習慣的に催されていた可能性が示唆されました。  12~13世紀世紀当時、この地域…
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中米の未知の文化?

 メキシコ中央部で15年前に見つかった石の彫像群は、未知の文化の存在を示している可能性がある、との見解が報道されました。石像群は、メキシコシティーの北東約100kmにあるイダルゴ州トゥランシンゴ市の渓谷で発見されました。メキシコ国立人類学歴史学研究所の考古学者カルロス=エルナンデス氏によると、41体の石像のほとんどが、渓谷内やメキシコ中…
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先コロンブス期のアマゾンにおける複雑な社会と大規模な環境開発

 アマゾン川の支流の一つであるシングー川上流には、先コロンブス期に人口密度の高い集落が存在しており、大規模な環境開発が行なわれていた、との研究(Heckenberger et al., 2008)が報道されました。これまで、この遺構は原生林だと考えられていたのですが、実は先コロンブス期の人間が大規模に手を加えていた、というわけです。 …
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ニュージーランドへの人類の移住年代

 ニュージーランドへの人類の移住時期をめぐって議論が展開されてきましたが、人類がニュージーランドに持ち込んだナンヨウネズミ(Rattus exulans)の骨やネズミが齧った種子の年代を改めて測定したところ、後期移住説が支持される結果になった、との研究(Wilmshurst et al.,2008)が報道されました。  ニュージー…
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先史時代のアンデスにおける頭蓋穿孔

 先史時代のペルーのクスコ地域で、オカルト的民間療法としてではなく、医療目的としての頭蓋穿孔が行なわれていたことを指摘した研究(Andrushko et al.,2008)が報道されました。これは、従来の通説をさらに補強する研究となります。  この研究では、ペルーのクスコ地域の埋葬地から、頭蓋穿孔のある66人分の頭蓋骨が調べられま…
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アステカ族の算術

 アステカ族は独自の算術を行なっていたことが判明した、との研究(Williams et al.,2008)が公表されました。1540~1544年頃のアステカの都市テペトラオズトクで、各世帯が所有していた農地について記録された二つの手書き文書の分析によると、アステカ族は分数の代わりに心臓・手・矢といった絵文字を用いて、土地区画の測量や記録…
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ユカタン半島の熱帯雨林は高度に管理されていた

 ユカタン半島の熱帯雨林は、一般に考えられているように人の手が加わっていないのではなく、かつてマヤ文明によって高度に管理されていた、との見解が報道されました。今年1月23日分の記事で取り上げた『1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見』にて、アマゾンの密林は一般に考えられているような「手つかずの自然」ではなく、かなり人の手が加…
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