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大河ドラマ『おんな城主 直虎』第16回「綿毛の案」

2017/04/25 00:00
 これは4月25日分の記事として掲載しておきます。駿府から帰還した直虎(次郎法師)は、井伊領の立て直しに動き出します。瀬戸方久は井伊家の財政立て直しのため、綿の実を栽培して木綿を作るよう勧めます。直虎は早速、瀬戸村の百姓の長である甚兵衛に相談するものの、井伊領内は深刻な人手不足のため、木綿作りを担う人材はいません。奥山六左衛門は小野政次(鶴丸)に助けを頼めばよいのではないか、と直虎に進言しますが、直虎は意地になっており、政次の助けは借りない、と言います。直虎は井伊谷三人衆に百姓を貸してくれるよう頼みますが、やはり断られます。

 瀬戸村では綿の種を植えてもなかなか芽が出ず、直虎は他の村で種を植えてみるよう勧めてまわり、ついでに人を借りようとします。その途中で直虎は若い男性と出会います。直虎はこの若い男性からも人を買うことができると教えられます。直虎が瀬戸村に戻ると、暖かくなってきたためか、綿の芽が出ていました。直虎は人を買うために戦場を探そうとしますが、近隣地域でそのうち戦いが起きる様子はありません。困った直虎に政次は知恵を貸しますが、意地になっている直虎は政次の進言を受け入れようとはしません。しかし、中野直之と瀬戸方久は政次の進言に従い、瀬戸村が人出不足で、荒れ地を耕せば3年は年貢をとらないと声高に語り、噂が広まるよう尽力します。この様子を見た直虎も、噂が広まるよう演技を始めます。直虎たちの尽力があり、瀬戸村には近隣地域から多くの人が集まってきます。駿府では寿桂尼が倒れ、今川家に暗雲が立ち込めます。

 このところ面白かったのですが、今回は正直なところやや外れでした。人身売買など当時の社会状況を取り入れた物語にしようという努力は歓迎しますが、それを視聴者に説明するために、直虎をきょくたんに無知な人物としてしまっている感は否めません。次回の重要な題材になるらしい鉄炮を直虎が知らないのは、さすがにあり得ないと思うのですが・・・。まあ、政次に強く反発しつつも、政次の方が領主として相応しいのではないか、と直虎が悩んだり、政次が直虎に助言したりするところなど、直虎と政次の関係には相変わらず見ごたえがありましたが。とはいえ、全体的にはそれなりに楽しめました。今後は、直虎と政次の関係がどう決着するのか、注目して視聴を続けるつもりです。
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フロレシエンシスの祖先はエレクトスではない

2017/04/24 00:00
 これは4月24日分の記事として掲載しておきます。インドネシア領フローレス島で発見された5万年以上前の更新世人類の起源に関する研究(Argue et al., 2017)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。この人類の分類については発見当初、ホモ属の新種フロレシエンシス(Homo floresiensis)なのか、それとも病変の現生人類(Homo sapiens)なのか、激論が展開されました。今でも病変現生人類説は一部で根強く主張されていますが、この研究でも病変現生人類説は明確に否定されており、新種説の優位は今後も動かないと思われます。では、フローレス島の5万年以上前の更新世人類をホモ属の新種フロレシエンシスと分類するとして、次に問題となるのは、フロレシエンシスを人類進化史においてどう位置づけるのか、ということです。

 この問題に関しては議論がまだ続いており、当分収束しそうにありません。この議論については、大別すると二つの見解が提示されています。一方の見解は当初提示されたもので、フロレシエンシスは東南アジアにまで進出していたホモ属であるエレクトス(Homo erectus)の子孫であり、島嶼化により小型化した、というものです。もう一方の見解は、研究の進展によりフロレシエンシスの祖先的特徴の確認例が増加してきたことから、フロレシエンシスはエレクトスよりもさらに祖先的な系統、たとえばハビリス(Homo habilis)から進化したのではないか、というものです。もっとも、後者の見解でも島嶼化による小型化が否定されているわけではありません。フロレシエンシスに関しては、昨年(2016年)大きな進展がありました(関連記事)。

 フロレシエンシスに関してこの研究は、おもに頭蓋と下顎を対象としたじゅうらいの研究にたいして、頭蓋・顎・歯・腕・脚・肩と広範に対象としており、これはフロレシエンシス遺骸の最も包括的な分析になる、と評価されています。この研究は、フロレシエンシスのそうした特徴を他のホモ属やアウストラロピテクス属と比較し、顎の構造のような多くの特徴において、フロレシエンシスはエレクトスよりもっと祖先的であることから、エレクトスがフロレシエンシスの祖先系統である可能性はほぼない、との見解を提示しています。その代わりにこの研究は、フロレシエンシスはハビリスのみの姉妹群か、ハビリスやエレクトスやエルガスター(Homo ergaster)や現生人類を構成する系統群の姉妹群である、との見解を提示しています。

 この研究は新たな分析に基づき、フロレシエンシスは175万年以上前に(後に現生人類が派生する)エレクトスの系統と分岐し、まだ知られていない出アフリカにより東南アジアにまで到達した、と示唆しています。この場合、アフリカでフロレシエンシスに進化してからフローレス島に到達したか、出アフリカの後、どこかでフロレシエンシスに進化したのではないか、と想定されています。この研究は、フロレシエンシスの祖先がエレクトスではないことに確信を有しているようですが、エレクトス説の研究者側からの反論に期待したいところです。まあ、私がまだエレクトス説に未練があるからなのですが・・・。


参考文献:
Argue D. et al.(2017): The affinities of Homo floresiensis based on phylogenetic analyses of cranial, dental, and postcranial characters. Journal of Human Evolution.
http://doi.org/10.1016/j.jhevol.2017.02.006
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長谷川眞理子、 山岸俊男『きずなと思いやりが日本をダメにする 最新進化学が解き明かす「心と社会」』

2017/04/23 00:00
 これは4月23日分の記事として掲載しておきます。集英社インターナショナルより2016年12月に刊行されました。本書は著者二人の対談で、一般読者層にもたいへん読みやすくなっていると思います。あとがきにあるように、編集者の力量が優れている、ということなのでしょう。さすがに第一人者同士の対談だけあって、じゅうぶん読みごたえがありましたし、教えられるところが多々ありました。

 本書の基調は、人間を特定の環境に適応してきた進化の産物と把握していることです。人間の認知は長期にわたる狩猟採集生活への適応として進化してきたものであり、農耕開始以降の大規模な集団での生活に適応できるだけの進化的時間を経過していない、というわけです。心は「空白の石板」ではなく、たとえば人間の情動には生得的なものもある、という進化学的な知見を前提として、社会を設計していかねばならない、と本書は強調しています。少子化などの社会問題は「心がけ」で解決するものではなく、制度設計が重要ですが、人間の頭脳は進化の産物なので、どんな制度設計も可能というわけではありません。

 人間には他人の心理・意図を推論する能力が備わっているものの、それはあくまでも想像でしかない、ということも本書では強調されています。本書は、破滅へといたる社会の暴走、たとえばアメリカ合衆国との戦争へと突入した日本社会の心理状況についても、そのような観点から説明できるのであり、真珠湾攻撃に喝采した人々が多くいたことも、一方で真珠湾攻撃を知って日本の敗北まで考えた人もいたことも、矛盾するものではない、と指摘しています。歴史の解明にしても、進化学的な観点が必要なのだな、と改めて思った次第です。

 差別と偏見を分けて考えねばならない、との見解など、本書の見解に興味深いものは多く、その全てに直ちに同意するわけではありませんが、今後調べていきたい、と思わせる問題提起が多く、たいへん有益な一冊になっていると思います。本書はグローバル化する現代社会への対応として、「安心社会」から「信頼社会」への移行を提言していますが、正直なところ、著者二人とは大きく異なり「才能のある強い個人」ではない私は、自分にとってはたいへん難しいことだな、とも思ってしまいました。まあ、たいへん情けない話ではありますが。


参考文献:
長谷川眞理子、山岸俊男(2016)『きずなと思いやりが日本をダメにする 最新進化学が解き明かす「心と社会」』(集英社インターナショナル)
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雨が降ると土壌中の細菌が大気中に運ばれる

2017/04/22 00:00
 これは4月22日分の記事として掲載しておきます。雨が降ると土壌中の細菌が大気中に運ばれることを明らかにした研究(Joung et al., 2017)が公表されました。これまで、雨滴が土壌に衝突するとエアロゾル(大気中に浮遊する水滴)が生成することは明らかになっていました。土壌が細菌にとって中間的な生息地の機能を果たしている可能性はあるものの、細菌はエアロゾル化過程を生き延びることができないと考えられていたので、細菌がどのようにして大気中に移動するのか、明らかになっていませんでした。

 この研究は、3種の非病原性菌株について、高速度カメラ・蛍光イメージング・モデル実験を実施し、1個の雨滴により土壌表面に生息する細菌の0.01%が大気中に移動し、1時間以上生き続けることを明らかにしました。この数値からは、大気中に移動する細菌の割合が低いように見えますが、この研究は、土壌中に生息する細菌の総量の1.6%〜25%(それぞれの地域での土壌の種類と気候によって異なります)が、全球的な降水によって陸上から大気中に運ばれる、と推定しています。この知見は、細菌が大気中に運搬される過程を説明し、気候・農業生産性・人間の健康にとって重要な意味を持つものの、この機構のために大雨の後に疾患の発症者が増えることを示す証拠はない、とも指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用 です。


【環境】雨が降ると微生物が大気中に運ばれる

 土壌中の細菌が雨滴によって大気中に拡散しているという考えを示す論文が、今週掲載される。この機構は、今回初めて提示されたものであり、細菌が遠くまで拡散する過程について解明する上で手掛かりになると考えられている。

 これまでの研究では、雨滴が土壌に衝突するとエアロゾル(大気中に浮遊する水滴)が生成することが明らかになっていた。土壌が細菌にとって中間的な生息地の機能を果たしている可能性はあるが、細菌がエアロゾル化過程を生き延びることができないと考えられていたため、細菌がどのようにして大気中に移動するのかが明らかになっていなかった。

 今回、Cullen Buieの研究チームは、高速度カメラ、蛍光イメージングとモデル実験を行って、1個の雨滴によって土壌表面に生息する細菌の0.01%が大気中に移動して1時間以上生き続けることを発見した。この数値を見ると、大気中に移動する細菌の割合が低いように思えるが、Buieたちの計算によれば、土壌中に生息する細菌の総量の1.6%〜25%(それぞれの地域での土壌の種類と気候によって異なる)が全球的な降水によって陸上から大気中に運ばれるとされる。土壌細菌のエアロゾル化の可視化は、3種の非病原性菌株について行われた。

 以上の知見は、細菌が大気中に運搬される過程を説明しており、気候と農業生産性と人間の健康にとって重要な意味を持つものだが、この機構のために大雨の後に疾患の発症者が増えることを示す証拠はない



参考文献:
Joung YS, Ge Z, and Buie CR.(2017): Bioaerosol generation by raindrops on soil. Nature Communications, 8, 14668.
http://dx.doi.org/10.1038/ncomms14668
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地球上の動物の分布の要因

2017/04/21 00:00
 これは4月21日分の記事として掲載しておきます。地球上の動物の分布の要因に関する研究(Ficetola et al., 2017)が公表されました。近い種類の動物は世界の同一地域に共存する傾向があり、それは「生物地理区」として知られています。たとえば、ウォレス線はインドネシアを通る明確な境界を認めており、その両側の動物群は、それぞれオーストラリアとアジアにみられる動物群との近縁度が高くなっています。しかし、地球全体にこのような境界を形成する力は、これまで明らかにはされていませんでした。

 この研究は、世界の陸地に基づく生物地理区の分布を、気候の変動・山地の形成・プレート構造の運動に関するモデルと照合することで、その3要因のそれぞれがどれだけ動物の移動に対する障壁を形成したのか、評価しました。その結果、進化的に最も深い分岐は、その3過程全てが複合した隣接地域の間に認められることが明らかになりました。たとえば、アフリカ・アジア・アラビア・ユーラシア大陸プレートが過去1億年の間に衝突したとき、ヒマラヤのような大山脈が形成され、地域の気候が変化し、旧世界の各地に明確な区分が形成されました。

 対照的に、北アメリカ大陸に見られる動物分類の進化的近縁性は、東アジアに見られるものと同様に、プレート構造の活動とは何ら関係がなく、各大陸における異なった気候条件に対する選好性を反映している可能性が高いことも明らかになりました。これまで博物学において説明されてきた、さまざまな大陸や地域における動物相・植物相の相違の説明は、未検証の仮説に基づいているものが多かったのにたいして、この研究は、世界の陸上生物地理区の境界の背後にあると考えられる大きな要因の明確な検証結果を示している、と指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


地球の大変動が動物の分布を形成する

 地球上の全動物の分布は、変化する気温、山地の隆起、および移動するプレート構造の組み合わせによって形成された、という論文が、今週のオンライン版に掲載される。その研究は、哺乳類、鳥類、および両生類の集団を世界の異なる地域に分離する明確な境界を発見しており、進化的に大きく異なる生物群は大きな地質学的事象によって分離された地域に認められ、近縁の生物群は年代の新しい気候変動によって隔てられていることが分かった。

 近い種類の動物は、世界の同一地域に共存する傾向があり、それは「生物地理区」として知られている。たとえば、ウォレス線はインドネシアを通る明確な境界を認めており、その両側の動物群は、それぞれオーストラリア、アジアにみられる動物群との近縁度が高い。しかし、地球全体にこのような境界を形成する力は、これまで研究されてこなかった。

 今回、Gentile Francesco Ficetolaたちは、世界の陸地に基づく生物地理区の分布を、気候の変動、山地の形成、およびプレート構造の運動に関するモデルと照らし合わせることにより、その3つの要因のそれぞれがどれだけ動物の移動に対する障壁を形成したのかを評価した。その結果、進化的に最も深い分岐は、その3つのプロセス全てが複合した隣接地域の間に認められることが分かった。例えば、アフリカ、アジア、アラビア、およびユーラシア大陸プレートが過去1億年の間に衝突したとき、ヒマラヤのような大山脈が形成され、地域の気候が変化して、旧世界の各地に明確な区分が形成された。対照的に、北米に見られる動物分類の進化的近縁性は、東アジアに見られるものと同様に、プレート構造の活動とは何ら関係がなく、各大陸における異なった気候条件に対する選好性を反映している可能性が高いことが分かった。

 関連するNews & Views記事では、Alexandre Antonelliが次のように述べている。「博物学者たちは……さまざまな大陸や地域における動物相・植物相内の主要な相違を古くから記録してきた。しかし、そうした相違の説明は、未検証の仮説に基づいているものが多かった。……Ficetolaたちは、世界の陸上生物地理区の境界の背後にあると考えられる大きな要因の明確な検証結果を示している」。



参考文献:
Ficetola F, Mazel F, and Thuiller W.(2017): Global determinants of zoogeographical boundaries. Nature Ecology & Evolution, 1, 0089.
http://dx.doi.org/10.1038/s41559-017-0089
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現生人類の起源と拡散

2017/04/20 00:00
 これは4月20日分の記事として掲載しておきます。取り上げるのが遅れましたが、現生人類(Homo sapiens)の起源と拡散についての研究(Nielsen et al., 2017)が公表されました。本論文は、現代と古代の人類のゲノム解析から、現生人類の起源と拡散を概観しています。現時点でこの問題を把握するうえで、本論文はたいへん有益だと思います。この問題に関心のある人にはお勧めの論文です。

 本論文は、現生人類アフリカ単一起源説を前提とし、現生人類多地域進化説を否定しつつ、現生人類アフリカ単一起源説でも現生人類と他系統の人類との交雑を否定する完全置換説ではなく、両者の交雑を認める説を支持しています。これは、今では広く認められている、現生人類とネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)や種区分未定のデニソワ人(Denisovan)との交雑を確認した諸研究に基づいています。

 こうした後期ホモ属の複雑な交雑に関しては、一度図を作成してブログ記事にまとめようと思って挫折しかかっているのですが、本論文では簡潔にまとめた図が掲載されています。私も、近いうちに自分なりにまとめようとは思うのですが、現時点で本論文の図以上のものを作れるはずもなく、せいぜい、ミトコンドリアDNA(mtDNA)と核DNAとで区分し、スペイン北部の通称「骨の穴(Sima de los Huesos)洞窟」遺跡の人類も組み込んだお粗末な図しか作れそうにありません。お粗末でも、何とか図を作りブログ記事を執筆したいものではありますが。

 本論文は現生人類アフリカ単一起源説を前提としていますが、アフリカでどのように現生人類が出現したのか、データが不足しているため、まだ明らかではない、と指摘しています。現生人類は、出アフリカ後にネアンデルタール人やデニソワ人と交雑したと考えられていますが、本論文は、アフリカにおいても、現生人類が他系統の人類と交雑した可能性を指摘しています。ただ、アフリカの気候を考えると、更新世の人骨からDNAを解析できる可能性は低く、直接的証拠を得るのは難しそうです。

 現生人類のアフリカからの拡散に関しては、新たな環境への適応という側面が重視されています。もちろん、技術革新といった文化的な適応も重要ですが、本論文では遺伝的な適応が取り上げられています。たとえば、高緯度地帯ではビタミンD合成に有利なことから、薄い肌色への選択圧が強くなりました。また、チベットやアンデス地域など高地帯への適応を可能とする遺伝的変異も確認されています。こうした現生人類の新たな環境での適応を可能とした遺伝子のなかには、ネアンデルタール人やデニソワ人といった他系統の人類から交雑によりもたらされたと推測されているものもあります。風土病にたいする免疫に関しては、こうした交雑によりもたらされた遺伝子が重要な役割を果たしたのではないか、と考えられています。

 本論文が根拠とした文献のなかには、このブログで取り上げたものも少なくなく、その意味ではおおむね違和感のない内容でした。個人的に新鮮だったというか、見落としていた研究・見解としては、イースター島の現代人のゲノム解析から、「コロンブス以前」にポリネシア系とアメリカ大陸先住民とが接触していた可能性は高い、と指摘したものがあります。この可能性は以前から想定していたので意外な結論ではありませんが、じっさいにゲノム解析から指摘されているとは知りませんでした。なお、アメリカ大陸先住民がオーストラロ・メラネシア人とも交雑した可能性や、アマゾン地域のアメリカ大陸先住民のゲノムにオーストラレシア人との密接な共通領域が認められるとの見解(関連記事)については、アメリカ大陸の古代人のゲノムではまだ確認されていない、と指摘されています。


参考文献:
Nielsen R. et al.(2017): Tracing the peopling of the world through genomics. Nature, 541, 7637, 302–310.
http://dx.doi.org/10.1038/nature21347
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Windows 10 Creators Update

2017/04/19 00:00
 これは4月19日分の記事として掲載しておきます。Windows 10の大型アップデートとなる「Creators Update」が公開されたので、アップデートしました。まずはノートパソコン(CPUは2コア)でアップデートしてみて、とくに大きな問題はなさそうだったので、デスクトップパソコン(CPUは4コア)でもアップデートしました。6年前(2011年)に購入したデスクトップパソコン(関連記事)にたいして、ノートパソコンは今年購入したばかりなのですが(関連記事)、デスクトップパソコンの方がアップデートに要した時間は短く、デスクトップパソコンの方はCPUの周波数を4.4GHzまで上げているとはいえ、やはり4コアと2コアの違いは大きい、ということでしょうか。

 この大型アップデートで色々と新機能が追加されたようですが(関連記事)、私にとって重要なものはなさそうなので、アップデート前と大きな違いは感じません。アップグレードの半強制とも言えそうな問題もあったためか、Windows 10への反感は今でも根強くあるようで、Windows 7で問題ない、と考えている人も少なくないようです(声が大きいので目立つだけかもしれませんが)。私は、Windows 10に慣れてきたこともありますし、今更Windows 7に戻そうとは考えていません。まあ、職場のWindows 7パソコンを使っていて、とくに不便だとも感じませんが。
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ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』625話〜628話

2017/04/18 00:00
625話「4色の電車」4
 若い女性が刺殺されます。神戸でも若い女性が刺殺されており、同じ色のライターが犯行現場に落ちていたという共通点はありましたが、関連があるのか否か、確信を持てないまま一係は捜査を進めます。すると、今度は大阪でも同様の事件が発生し、一係は同一人物の犯行と確信します。ドックは大阪まで赴き、電車が重要な手がかりではないか、と推理します。犯人の姿と動機がなかなか見えてこず、謎めいた事件でしたが、鉄道マニアの鬱屈した失恋感情が動機でした。今ならば、鉄道マニアへの偏見を助長しかねない、として批判されそうな話でしたが、当時も批判の投書・電話があったのでしょうか。今回の本放送時に思春期を迎えつつあった私にとっては、ネクラ・ネアカの話は当時の世相を思い起こさせるものでした。まあ、不愉快な想い出の方が多いわけですが。本作も、とくにドック登場以降、当時の世相を取り入れようとして、軽くなっていったように思います。それが不満ではありますが、一方で、そうした方針が本作を延命させた、という側面もあるように思います。


626話「激走・大雪渓」9
 ブルースとマイコンは休暇を利用して渓谷に釣りに行きます。二人はそこで銃声を聞き、調べます。すると、銃の売人たちが試し撃ちをしていました。銃の売人たちに発見されたブルースとマイコンは、取引相手の暴力団員を装って接近します。思いがけず拉致されるなどして刑事と犯人が行動を共にする、という話は本作でも定番の一つと言えると思いますが、刑事二人が休暇中に巻き込まれる、というのは新鮮でした。また、元刑事の執念・鬱屈と絡めて話が進み、なかなか複雑な構成となっていたので、この点でも楽しめました。まあ、ブルースが終盤に負傷するまでは、もっぱらブルースが活躍し、マイコンの情けなさが目立ったのは気になりましたが、山中のアクションシーンが主体となっただけに、仕方のないところでしょうか。ただ、頭脳戦ではもう少しマイコンが活躍してもよかったかな、とは思いますが。


627話「感謝状」6
 小学生の登校を見守り続けた功績で感謝状を贈られることになっていた女子高生が転落死します。トシさんは自殺の可能性を指摘しますが、保育士になる夢を明るく語っていた女子高生の様子から、ラガーは自殺の可能性を否定します。ラガーは捜査を進めるなか、女子高生の弟がかつて交通事故で亡くなり、その弟の担任が女子高生と接触していたことを知ります。謎めいた若い男性も関わってきて、謎解きの点でまずまず楽しめました。ラガーは女子高生の弟の担任が犯人だと確信しますが、女子高生が人を撥ねた担任を庇ってしまったことを後悔して自殺した、というのが真相でした。話をひねってきた感があり、予定調和的ではありませんでしたが、全体的に盛り上がりに欠けた感は否めません。


628話「ヒーローになれなかった刑事」7
 マイコンは踏切内で倒れている男性を助けようとしますが、助けられず、男性は列車に轢かれて死にます。マイコンは、男性が自殺しようとしていたのではないか、と新聞記者に話してしまい、新聞で批判されます。マイコンは署長に叱責され、自殺説を撤回しようとしますが、山さんはマイコンを現場に連れていき、検証させます。自殺説を撤回しようとするマイコンを、山さんは叱責します。けっきょく、男性は愛していた妻から離婚を要求されたことに衝撃を受け、変わろうとしたものの上手くいかず、話し相手の野良犬もいなくなったことから、絶望して自殺したことが分かります。人間心理の機微が描かれ、大人向けの話になっていたので、なかなか楽しめました。まあ、盛り上がりに欠けた感は否めませんが。新人刑事の教育ものという本作定番の話で、今回は山さんが「教育者」となります。人間心理の機微をめぐる事件だったので、山さんが「教育者」として適任だと思います。
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大河ドラマ『おんな城主 直虎』第15回「おんな城主対おんな大名」

2017/04/17 00:00
 これは4月17日分の記事として掲載しておきます。直虎(次郎法師)が今川の下知に背いて徳政令を発布しなかったことに怒った寿桂尼は、小野政次(鶴丸)駿府へと呼びつけ、申し開きのため直虎を駿府に来させるよう命じます。以前、駿府へと呼び出された直親(亀之丞)が道中で殺されたことから、井伊家中は直虎の身を案じます。政次は直虎に、虎松(井伊直政)の後見を降り、自分を後見とするよう進言しますが、政次への敵意をむき出しにする直虎はそれを拒み、龍潭寺の武勇に優れた僧を連れて駿府へと向かいます。

 駿府への道中、直虎は襲撃され、危うく命を落としそうになりますが、直虎に強く反発してきた中野直之に助けられます。直虎は虎松の後見の座を政次に譲ると言い、政次を駿府へと向かわせ、自身は帰ろうとします。ところが、直虎は中野直之になりすまして駿府へと赴き、寿桂尼の前で弁明します。直虎は今川の徳政令を発布するので自分を虎松の後見人と認めるよう、寿桂尼に迫りますが、政次は虎松の生母である「しの」の書状を持ち出し、直虎が後見人となることに反対します。窮地に陥った直虎を救ったのは、瀬戸村の百姓が署名した南渓和尚からの書状でした。寿桂尼は直虎を虎松の後見人として認めます。

 今回は、直虎と政次の関係を軸に、緊張感のある展開となり、楽しめました。視聴率は低迷しているようですが、桶狭間の戦い以降、かなり面白くなっていると思います。今回、やはり注目されるのは、直虎と政次との関係です。直親の死後、政次の意図は明示されてこなかったのですが、今回、あくまでも推測ではありますが、政次の亡き弟の妻だった「しの」と南渓和尚が政次の意図を代弁しました。

 本作が政次を奸臣としてではなく、視聴者の同情を誘うような人物として描いていることは明らかですが、政次の真意を示唆することで、いっそう視聴者の同情が政次に集まるように思われます。しかし、直虎の政次への不信はもう根深いもので、今回は直虎が政次を出し抜こうとして、襲撃事件のさいの政次の行動からも、両者の間の溝がさらに深まった感があります。この二人の関係がどう決着するのか、たいへん楽しみではありますが、政次没後の話が薄くなってしまうのではないか、と不安でもあります。
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亀田達也『モラルの起源 実験社会科学からの問い』

2017/04/16 00:00
 これは4月16日分の記事として掲載しておきます。岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2017年3月に刊行されました。本書は、人間社会のモラルの基盤を、さまざまな分野の研究成果から検証しています。本書はこれを「実験社会科学」と呼んでいます。実験社会科学とは、経済学・心理学・政治学・生物学など複数の分野の研究者たちが集まり、「実験」という共通の手法を用いて、人間の行動や社会における振る舞いを検討しようとする、新たな学問領域です。

 本書は、人間生活の根本的な基盤は小集団にあり、小集団への適応となる心理・行動メカニズムを進化的に獲得している、という見解を前提として、人間のモラルにはどのような基盤があるのか、検証しています。本書はそのさい、人間と近縁な霊長類だけではなく昆虫をも比較対象として、一見すると人間と共通するような社会行動が存在することを明らかにしつつ、それらの基盤となる仕組みと、人間の社会行動の基盤となる認知メカニズムの違いを検証していき、人間の社会行動の独自性について解説しています。

 本書は、人間社会のモラルの重要な基盤として、多くの動物にも共有される情動的共感と、時として冷たく見えてしまうこともある認知的共感とを挙げています。本書は、情動的共感が人間のモラル形成にさいして重要であるものの、それは内集団にとどまるものであり、広範囲な対象に共感を及ぼすには、認知的共感も重要だと指摘します。内集団とは、たとえば家族や地域や国家などです。また本書は、人間社会のモラルに進化的基盤があることを前提としつつも、単純な遺伝子決定論ではなく、文化的要素も大きいことを指摘しています。新たな規範の創出・制度設計にさいしては、本書で解説されているような諸研究成果を踏まえていく必要がある、と改めて思ったものです。


参考文献:
亀田達也(2017)『モラルの起源 実験社会科学からの問い』(岩波書店)
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来年(2018年)の大河ドラマ『西郷どん』の追加配役発表

2017/04/15 00:00
 これは4月15日分の記事として掲載しておきます。来年(2018年)の大河ドラマ『西郷どん』の配役については、先月(2018年3月)すでに西郷の家族や大久保利通などが発表されていましたが、今月になって篤姫(於一、天璋院)や島津斉興などが発表されました。長州・土佐など薩摩以外の重要人物の配役も気になりますが、やはり次に気になるのは島津斉彬と島津久光で、島津斉彬については、すでに渡辺謙氏に決まっているものの、不倫報道のために発表が延期された、との噂もあります。あり得る話ではありますが、真偽は不明です。

 すでに公表されていましたが、本作では篤姫と西郷隆盛との間に「恋心が芽生え」ていくそうです。また幕末薩摩を舞台としたこともそうですが、NHKは本当に『篤姫』幻想に囚われているのだなあ、と改めて思ったものです。確かに、2008年放送の『篤姫』は21世紀の大河ドラマとしては驚異的な視聴率を誇っていますが、いつまでもその成功体験に囚われているのはどうかと思います。個人的にも、『篤姫』は予想していたよりも楽しめたものの(関連記事)、視聴率では『篤姫』に完敗したその前年(2007年)放送の大河ドラマ『風林火山』の方が、私はずっと楽しめました。まあ、たいして鑑賞力のない私の感想でしかありませんが。

 本作で篤姫を演じるのは北川景子氏で、この配役はかなり不安です。以前BSプレミアムで放送された、北川氏主演の2010年公開の時代劇映画『花のあと』を視聴したことがありますが、あまりにも演技が下手なので唖然としました。北川氏も、現代劇ならばそこまで下手ではないのかもしれませんが、本作は幕末が舞台ですから、大いに不安です。『花のあと』の公開から10年近く経過しての演技力の向上に期待したいところではありますが。

 もっとも、『花のあと』での北川氏の演技にたいする悪印象については、北川氏だけの問題とも言えず、北川氏が演じた主人公が密かに想いを寄せる相手の演技が北川氏以上に悲惨だったこともあります。これは私の持論なのですが、大根役者でも、演技力が水準以上の人との演技は破壊的なものになる可能性が低くなるものの、大根役者同士の演技となると、破滅的なものになる可能性が高くなります(関連記事)。その意味で、篤姫とのやり取りが多い人物が重要となります。おそらく、篤姫とのやり取りが最も多いのは幾島でしょうから、演者が斉藤由貴氏であることを考えると、篤姫の登場場面が破壊的なものになることは少ないかな、と期待しています。
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更新世において間氷期をもたらす要因

2017/04/14 00:00
 これは4月14日分の記事として掲載しておきます。更新世において間氷期をもたらす要因についての研究(Tzedakis et al., 2017)が公表されました。全般的に気候が寒冷だった更新世の温暖な期間である間氷期の存在は、さまざまな証拠からよく知られています。日射量の変化のタイミングは、地球と太陽の幾何学的配置の小さな変動によって調節されていますが、間氷期のタイミングや、間氷期の契機となるのに必要な軌道配置の明らかな変化について、明確な説明はまだ困難です。この研究は、夏季の日射量の閾値に基づいて間氷期を予測する単純な統計モデルを提案しています。このモデルは、100万年前に氷期サイクルが約4万1000年ごとから約10万年ごとに遷移したことと、前の間氷期からの時間の関数として退氷の可能性が増大することをうまく予測しています。更新世の気候変動は人類の進化とも大いに関わっていると思われるだけに、今後の研究の進展が注目されます。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


気候科学:日射量のどの変動周期が間氷期をもたらしたかを決める単純な法則

気候科学:更新世の間氷期のタイミング

 全般的に気候が寒冷だった更新世における温暖な期間、つまり間氷期の存在は、さまざまな証拠からよく知られている。日射量の変化のタイミングは、地球と太陽の幾何学的配置の小さな変動によって調節されている。しかし、間氷期のタイミングや、間氷期のきっかけとなるのに必要な軌道配置の明らかな変化についてはっきりと説明することはまだ難しい。今回C Tzedakisたちは、夏季の日射量のしきい値に基づいて間氷期を予測する単純な統計モデルを提案している。このモデルは、100万年前に氷期サイクルが約4万1000年ごとから約10万年ごとに遷移したことと、前の間氷期からの時間の関数として退氷の可能性が増大することをうまく予測している。



参考文献:
Tzedakis PC. et al.(2017): A simple rule to determine which insolation cycles lead to interglacials. Nature, 542, 7642, 427–432.
http://dx.doi.org/10.1038/nature21364
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最古の生命の痕跡

2017/04/13 00:00
 最古の生命の痕跡に関する研究(Dodd et al., 2017)が公表されました。海底の熱水噴出孔は、地球上における最初期の、生物が生息可能な環境の一つだったと考えられています。この研究は、少なくとも37億7000万年前の熱水噴出孔の内部および周囲に見られる生命の痕跡と推定されるものが、地球最古の生命の証拠である可能性を示唆しています。カナダのケベック州北部で発見された碧玉および炭酸塩岩に、糸状微生物の存在を示すと考えられる構造体が保存されており、こうした構造体に赤鉄鉱からなる管状のものが含まれていました。これらの管状構造体は、はるかに新しい堆積岩中で発見されている微生物活動を示す形態を保持していることも報告されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


古生態学:地球最古の熱水噴出孔沈殿物に見いだされた初期生命の証拠

古生態学:熱水噴出孔に存在した初期生命

 海底の熱水噴出孔は、地球上における最初期の、生物が生息可能な環境の1つであったと考えられている。今回M Doddたちは、少なくとも37億7000万年前の熱水噴出孔の内部および周囲に見られる生命の痕跡と推定されるものが、地球最古の生命の証拠である可能性を示唆している。カナダ・ケベック州北部に由来する碧玉および炭酸塩岩には、糸状微生物の存在を示すと考えられる構造体が保存されており、こうした構造体には赤鉄鉱からなる管状のものも含まれていた。これらの管状構造体は、今回のものよりはるかに新しい堆積岩中で発見されている微生物活動を示す形態を保持している。



参考文献:
Dodd JJ. et al.(2017): Evidence for early life in Earth’s oldest hydrothermal vent precipitates. Nature, 543, 7643, 60–64.
http://dx.doi.org/10.1038/nature21377
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負担になりかねない絶滅種の復活

2017/04/12 00:21
 絶滅種の復活が地域に及ぼす影響に関する研究(Bennett et al., 2017)が公表されました。この研究は、費用便益分析を行ない、ニュージーランドおよびオーストラリアのニューサウスウェールズ州の政府にとって、保護する余裕を持てる生物種の数を算出しました。費用の推定は、最近の絶滅種および類似の現生種に基づいています。分析の結果、最近の絶滅種の一部を元の生息地に再導入すると、局地的には現存の生物多様性が向上する可能性があるものの、ニュージーランドでは、全11種の絶滅焦点生物種を政府資金で保全した場合、ほぼ3倍となる31種もの現生種の保護が犠牲になることが明らかになりました。すでに絶滅したニューサウスウェールズ州の焦点生物種5種の保全に対する外部資金は、現生種に使えば8倍を超える42種を保護することができます。絶滅種復活技術は未完成ですが、この研究は、絶滅生物の再生ではどの種をどこに再導入すべきかについて熟慮する必要があるだろう、との結論を提示しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


絶滅種の復活は地球への負担になりかねない

 絶滅種の再生は、生物多様性を増すどころか減じる可能性がある、という論文が、今週のオンライン版に掲載される。この研究は、すでに逼迫している保護予算の対象をさらに広げて絶滅種復活のコストをまかなうことになれば、現生種(今でも存在している種)を絶滅の危機にさらしかねないことを示唆している。

 Joseph Bennettたちは、費用便益分析を行い、ニュージーランド(NZ)およびオーストラリア・ニューサウスウェールズ州(NSW)の政府にとって保護する余裕を持てる生物種の数を算出した。費用の推定は、最近の絶滅種および類似の現生種に基づいている。研究の結果、最近の絶滅種の一部をもとの生息地に再導入すると、局地的には現存の生物多様性が向上する可能性があるものの、NZでは、全11種の絶滅焦点生物種を政府資金で保全すれば、ほぼ3倍もの現生種(31種)の保護が犠牲になることが分かった。すでに絶滅したNSWの焦点生物種5種の保全に対する外部資金は、現生種に使えば8倍を超える数(42種)を保護することができる。

 絶滅種復活技術は未完成であるが、研究チームは、絶滅生物の再生ではどの種をどこに再導入すべきかについて熟慮する必要があろう、という結論に達している。



参考文献:
Bennett JR. et al.(2016): Spending limited resources on de-extinction could lead to net biodiversity loss. Nature Ecology & Evolution, 1, 0053.
http://dx.doi.org/10.1038/s41559-016-0053
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アフリカヌスの踵骨の分析

2017/04/11 00:00
 取り上げるのが遅れてしまいましたが、アウストラロピテクス属化石の踵骨に関する研究(Zeininger et al., 2017)が報道されました。この研究が分析対象としたのは、南アフリカ共和国のスタークフォンテン(Sterkfontein)洞窟で発見されたアウストラロピテクス属化石である踵骨「StW 352」です。StW 352はアフリカヌス(Australopithecus africanus)に分類されています。StW 352は、現代人・チンパンジー・ゴリラ・ヒヒと比較されました。

 分析・比較の結果、StW 352の踵骨は、これら現生種のどれかと全てにおいて最も類似しているというわけではなく、モザイク状の特徴を示していることが分かりました。たとえば、StW 352は、多変量解析ではチャクマヒヒ(Papio ursinus)と、踵立方関節ではヒガシゴリラ(Gorilla beringe)と、距踵関節ではニシゴリラ(Gorilla gorilla)と最も類似しており、ホモ属的な特徴も見られます。

 また、踵骨の形態学的分析からは、踵骨と環境との相互作用を推測することができます。この分析から、StW 352は移動に伴う踵骨への負荷を現代人よりも多く経験したものの、チンパンジー(Pan troglodytes)やニシゴリラやヒガシゴリラやチャクマヒヒよりも少ないので、アフリカヌスは樹木環境も含めて広範囲を移動しており、その行動パターンは現代人やアフリカの現生類人猿とも異なっていたのではないか、と推測されています。おそらく現代人の直系祖先ではないだろうアフリカヌスは、ホモ属とアウストラロピテクス以前の現代人の祖先系統との中間的な特徴を単純に有しているのではなく、独自の形態・行動も少なからず見られるのではないか、と思います。


参考文献:
Zeininger A. et al.(2016): Trabecular architecture in the StW 352 fossil hominin calcaneus. Journal of Human Evolution, 97, 145–158.
http://doi.org/10.1016/j.jhevol.2016.05.009
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大河ドラマ『おんな城主 直虎』第14回「徳政令の行方」

2017/04/10 00:00
 これは4月10日分の記事として掲載しておきます。直虎(次郎法師)が徳政令発布の約束を破ったことに百姓は怒り、蜂前神社の禰宜を通して、今川に徳政令の発布を直訴します。瀬戸方久に瀬戸村と祝田村を所領として与える、という直虎の対策に家臣たちが反対するなか、小野政次(鶴丸)は徳政令の発布を命じる今川の書状を受け取ります。直虎と瀬戸方久は、対策を講じ、南渓和尚に相談します。政次は今川からの書状を直虎に渡し、徳政令の発布を要求しますが、直虎と瀬戸方久は龍潭寺に瀬戸村と祝田村を寄進し、寺院への寄進地は守護不入との今川仮名目録の基底を根拠に、徳政令の発布を拒否します。

 政次に唆された蜂前神社の禰宜は瀬戸村と祝田村の百姓たちを扇動し、瀬戸方久の屋敷を襲撃させます。百姓たちは瀬戸方久を誘拐し、直虎に徳政令の発布を要求します。直虎は瀬戸村を訪ねますが、瀬戸村の百姓たちは逃散していました。打つ手のなくなった直虎は徳政令の発布を決意しますが、迷い込んできた亀を見て直親(亀之丞)とのやり取りを思い出し、人を集めて瀬戸村で苗を植えていき、百姓を説得します。

 今回は、珍しく直虎が主人公らしく活躍しました。確かに、地味な感は否めませんが、中世の慣行を取り入れての創作(だと思います)はなかなか楽しめました。戦国時代のドラマなのに合戦がほとんど描かれないのでつまらない、といった感想もあるようですが、桶狭間の戦いの後、なかなか面白くなっており、私は楽しみに視聴を続けています。今後の山場は、やはり直虎と政次との関係がどう決着するのか、ということでしょう。このところ直虎は、政次への敵意をむき出しにしていますが、この感情はどのように変わっていくのでしょうか。
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Jonathan Marks『元サルの物語 科学は人類の進化をいかに考えてきたのか』

2017/04/09 00:00
 これは4月9日分の記事として掲載しておきます。ジョナサン=マークス(Jonathan Marks)著、長野敬・長野郁訳で、2016年11月に青土社より刊行されました。原書の刊行は2015年です。本書は一般向けながら、たいへん深い内容になっていると思います。だからといって、難解とか、晦渋さを誇示しているとかいうわけではなく、文章自体は比較的平易だと思います(正確には、翻訳文がそうだと言うべきなのでしょうが、おそらく原文も同様なのでしょう)。

 本書はアメリカ合衆国の一般読者を対象としているようで、ところどころでアメリカの生活文化に詳しくないとよく理解できないような表現もありますが、それらは訳注で解説されています。また、学術的な解説となる訳注もありますから、原註と索引があることもあわせて、かなり行き届いた構成になっていると思います。分量からするとやや高め(税別2600円)と言えるかもしれませんが、それだけの価値はじゅうぶんあると思います。

 ただ、率直に言って、本書はたいへん奥深い内容になっており、私の見識・読解力ではどれだけ的確に把握できたのか、はなはだ心もとなく、今後何回も精読しないといけないな、と痛感しました。自分が、いかに表面的なことしか追えていなかったのか、思い知らされました。自分の未熟さを思い知らされたという意味で、近年読んだ本では最も衝撃でした。今後も、さまざまな情報を自分なりに咀嚼していこうとは考えていますが、そうした情報が文化的産物であることは、強く念頭に置いておかねばなりません。

 近親相姦や食人の禁忌や家族の起源など、本書の解説を手がかりに、今後も考えていきたい問題は多数あります。本書は豊富な水脈を抱えており、本書の「具体的な情報」自体は今後「古くなる」としても、本書は私にとって今後長く繰り返し読むだけの価値のある一冊になるだろう、と確信しています。一般向け書籍ということで、門外漢も興味の持ちそうな具体的事例を提示する工夫も見られ、なかでも、パイオニア10号に取り付けられた飾り板の情報が、いかに特定の文化の文脈に制約されていたのか、という解説は印象に残りました。だ


参考文献:
Marks J.著(2016)、長野敬・長野郁訳『元サルの物語 科学は人類の進化をいかに考えてきたのか』(青土社、原書の刊行は2015年)
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更新世の食人行為の評価(追記有)

2017/04/08 00:00
 これは4月8日分の記事として掲載しておきます。更新世の食人行為の評価に関する研究(Cole., 2017)が報道されました。食人行為は、その背徳性もあって、一般層の関心もなかなか高く、学界でも食人行為にはずっと一定以上の関心が寄せられているように思います。食人行為の目的に関しては、議論が続けられてきました。大まかには、儀式・(飢餓などによる)栄養摂取・攻撃性の発露(復讐)・薬用などに分類されます。

 この研究は、脂肪とタンパク質から計算される人体のカロリー価を、他の動物と比較し、更新世の食人行為はどのように評価されるのか、検証しています。この研究が分析対象としたのは更新世のホモ属です。人体のカロリー価に関しては、現代人から推定されています。そのため、現代人よりもがっしりとした体格だったネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)などの現生人類(Homo sapiens)ではないホモ属は、現代人よりも1人当たりのカロリー価が高かった可能性もある、と指摘されています。

 この研究は、更新世の遺跡で発見された(ホモ属ではない)動物化石のカロリー価を産出し、現代人のカロリー価が体のサイズおよび重量のほぼ近い動物種と同じであることを明らかにしています。成人男性1人につき、約60人の1日分の必要カロリーと推定されています。しかし、ホモ属がしばしば狩猟対象としたマンモスなどの大型動物と比較すると、ホモ属のカロリー価の方が有意に低かっただろう、とも指摘されています。さらに、ホモ属の認知能力より推定されるホモ属狩りの危険性からも、飢餓などによる「純粋な」栄養摂取のみが食人行為の目的とは考えにくい、との見解が提示されています。

 そこでこの研究は、社会的・文化的背景の食人行為も想定しています。現生人類のみならず、他のホモ属に関しても、同様の背景があったかもしれない、とこの研究は想定しています。それは、更新世の食人行為が各ホモ属系統(種)間で類似する傾向を示すことから推測されており、資源や領域をめぐって集団間・集団内の相互作用が要因となったかもしれない、と指摘されています。そうだとすると、更新世の現生人類ではないホモ属の社会構造と集団間および集団内の相互作用は、現在の推定よりはるかに複雑だったかもしれない、との見解が提示されています。

 この研究はその根拠として、ネアンデルタール人と現生人類との複雑な交雑史や、5万年前頃以降の現生人類と比較するとはるかに少ないとはいえ、ネアンデルタール人にも見られる象徴的行動を挙げています。埋葬を行なっていたネアンデルタール人の食人行為は、現生人類と同様に複雑だったかもしれない、というわけです。本論文のような観点からの食人行為の研究が進めば、更新世の現生人類ではないホモ属の見直しにもつながりそうで、今後の進展が注目されます。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【考古学】人食いによる摂取カロリーを計算する

 先史時代に行われていた食人は、純粋に「栄養をとる」という性質のものではなかった可能性を示唆するツールを紹介した論文が、今週掲載される。このツールとは、人体の各部位のカロリー価の代理指標が記載されたテンプレートのことであり、先史時代の食人が、他の動物の肉を摂取する場合と比較して、食事としてどれほどの価値を有していたのかを判断するために利用できると考えられている。

 今回、James Coleは、4人の男性の化学組成分析によって得た身体各部の平均重量とカロリー価(脂肪とタンパク質)を総合して人体の栄養テンプレートを構築した。しかし、こうして得られたデータは現代人に関するものであり、ヒト(Homo sapiens)以外のヒト族種においてどの程度異なるのかは明らかでない。Coleは、ネアンデルタール人の骨格筋の筋肉量が多いため、そのカロリー価もテンプレートの値より高かった可能性があり、ヒト以外のヒト族種のカロリー価は、今回の研究で明らかになった値と同等かそれ以上だったと考えるべきだろうという見解を示している。

 Coleは、旧石器時代に食人が行われていた遺跡において化石で発見された動物種について算出されたカロリー価を比較して、ヒトの骨格筋の栄養価が、体の大きさと重量が近い動物種とほぼ同じことを明らかにした。一方、ヒトが生み出すカロリーよりもヒト族が食用にしていたことが知られる大部分の大型動物(例えば、マンモス、ケサイ、シカ種)が生み出すカロリーの方が有意に高いことも明らかになった。

 Coleは、栄養をとるという目的だけでヒト族の狩猟を行って摂取することの実行可能性が、今回の研究で得られた知見によって疑問視されていると主張し、先史時代の食人を明らかにするための全体論的アプローチの一部として今回の研究によるデータと方法を採用することを推奨している。



参考文献:
Cole J. et al.(2017): Assessing the calorific significance of episodes of human cannibalism in the Palaeolithic. Scientific Reports, 7, 44707.
http://dx.doi.org/10.1038/srep44707


追記(2017年4月12日)
 ナショナルジオグラフィックでも報道されました。
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ヒトの身長に関連する遺伝子群

2017/04/07 00:00
 これは4月7日分の記事として掲載しておきます。ヒトの身長に関連する遺伝子群についての研究(Marouli et al., 2017)が公表されました。ヒトの身長には複数の遺伝子が関与しており、複雑な形質の遺伝的解析のモデルとされてきました。ゲノム規模の関連研究によって、これまでに約700のありふれた多様体が身長と関連づけられていますが、低頻度の多様体や希少な多様体が果たす役割については、系統的な評価が行なわれていませんでした。この研究は、71万1418人のゲノムのコード領域を解析し、身長に関連する計120ヶ所の座位を発見した、と報告しています。このうち32ヶ所は希少なコーディング多様体、51ヶ所は低頻度のコーディング多様体で、これら83の身長関連多様体からは、成長に関連する新たな候補遺伝子や候補経路、成長障害に関わることが知られている生物学的経路が明らかになりました。これらの解析結果は、ヒトの身長に関するゲノム構造を知る手掛かりになる、と指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


遺伝学:希少なコーディングバリアントおよび低頻度のコーディングバリアントが成人の身長を変化させる

遺伝学:希少な遺伝的バリアントを新たな高みに

 遺伝的要因が大きく影響するポリジーン形質であるヒトの身長は、複雑な形質の遺伝的解析のモデルとなってきた。ゲノム規模の関連研究によって、これまでに約700のありふれたバリアントが身長と関連付けられているが、低頻度のバリアントや希少なバリアントが果たす役割については、系統的な評価は行われていなかった。今回GIANTコンソーシアムのG Lettre、J Hirschhornたちは、71万1418人のゲノムのコード領域を解析し、身長に関連する計120の座位を発見したことを報告している。このうち32は希少なコーディングバリアント、51は低頻度のコーディングバリアントで、これら83の身長関連バリアントからは、成長に関連する新たな候補遺伝子や候補経路、成長障害に関わることが知られている生物学的経路が明らかになった。これらの解析結果は、ヒトの身長に関するゲノム構造を知る手掛かりになる。



参考文献:
Marouli E. et al.(2017): Rare and low-frequency coding variants alter human adult height. Nature, 543, 7640, 186–190.
http://dx.doi.org/10.1038/nature21039
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初期の軟体動物の形態

2017/04/06 00:00
 初期の軟体動物の形態に関する研究(Vinther et al., 2017)が公表されました。カタツムリからダイオウイカまで、外見の大きく異なる多様な動物群で構成される軟体動物門は、最も繁栄を遂げた動物門の一つです。しかし、軟体動物は5億年前頃のカンブリア紀に急速に進化したため、その初期の歴史、特に最初期の形態に関しては、今でも議論が続いています。この研究は、バージェス頁岩型の動物相で知られる、モロッコのオルドビス紀のFezouata累層から発見された化石について報告しています。

 この化石は、頭部に1枚の特徴的な殻板を持つ扁平なナメクジ様の動物のものであり、頭部の殻板以外は体全体が棘で覆われています。この動物は、軟体動物の特徴的な形質であるやすり状の舌・歯舌を有しており、たとえば、ナメクジがレタスを効果的に食い尽くすのはこの歯舌のためです。系統発生学的解析から、この新たな生物は、これまで軟体動物やステム群腕足動物などとしてさまざまに分類されてきた他の複数の生物群と共に、軟体動物のAculifera類(殻板を8枚持つヒザラガイ類および殻のない無板類)のごく基部に、貝殻類(その他全ての軟体動物)と対するものとして位置づけられました。これは、初期の軟体動物が殻を1枚だけ有していたことを示唆しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


進化学:オルドビス紀の新たなステム群Aculifera類から明らかになったクラウン群軟体動物の祖先的形態

進化学:新たな化石から明らかになった初期の軟体動物形態

 庭にいるカタツムリからマッコウクジラと戦うダイオウイカまで、外見の大きく異なる多様な動物群で構成される軟体動物門は、最も繁栄を遂げた動物門の1つである。しかし軟体動物は、約5億年前のカンブリア紀に急速に進化したため、その初期の歴史、特に最初期の形態に関しては、今なお活発な議論が続いている。今回、モロッコのオルドビス紀のFezouata累層(バージェス頁岩型の動物相で知られる)から発見された化石は、この問題を解決するための手掛かりとなる可能性がある。この化石は、頭部に1枚の特徴的な殻板を持つ扁平なナメクジ様の動物のものであり、頭部の殻板以外は体全体が棘で覆われている。興味深いのは、この動物が、軟体動物の特徴的な形質であるやすり状の舌、歯舌を有することである(ナメクジがレタスを極めて効果的に食い尽くすのはこの歯舌のためである)。今回の系統発生学的解析から、この新たな生物は、これまで軟体動物やステム群腕足動物などとしてさまざまに分類されてきた他の複数の生物群と共に、軟体動物のAculifera類(殻板を8枚持つヒザラガイ類および殻のない無板類)のごく基部に、貝殻類(その他全ての軟体動物)と対するものとして位置付けられた。この知見は、初期の軟体動物が殻を1枚だけ有していたことを示唆している。



参考文献:
Vinther J. et al.(2017): Ancestral morphology of crown-group molluscs revealed by a new Ordovician stem aculiferan. Nature, 542, 7642, 471–474.
http://dx.doi.org/10.1038/nature21055
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マリタ遺跡の少年のDNA解析について

2017/04/05 00:00
 これは4月5日分の記事として掲載しておきます。南中央シベリアのマリタ(Mal’ta)遺跡の少年(MA-1)のDNA解析結果について、以前このブログで取り上げました(関連記事)。その後、私も最近投稿したある掲示板で、その記事について、「アンタが出したあのブログが君のかどうかすら、さっぱりわからん!」とか、「私が日本語訳を引用したものをコピペして検索し、あのブログにたどりつき、アンタが勝手に自分のブログにしたのかもしれん」と言い出す人がいたので、その掲示板で「sicambre」として投稿しているのが、このブログの管理人であることを明記しておきます。なお、上記の記事を2013年11月に掲載した後、2014年1月2日に『ネイチャー』の日本語サイトに解説記事が掲載されていたことに気づいたので、以下に引用します。


集団遺伝学:後期旧石器時代のシベリア人ゲノムから、アメリカ先住民の祖先は2系統であることが判明

集団遺伝学:最初のアメリカ先住民の絡み合ったルーツ

 最も初期のアメリカ先住民であるファースト・アメリカンはどこから来たのか、そしてどんな人たちだったのだろうか。どちらの疑問についても、遺伝学や考古学による証拠の解釈によって答えが分かれている。だが今回、シベリア中南部のマリタで発掘された2万4000年前のヒト標本のゲノム概要配列が解読されたことで、事態の解明が進むかもしれない。この概要配列は、これまでに報告された現生人類ゲノム塩基配列の中で最古のものである。E Willerslevたちは、このマリタの個体が遺伝学的に現代のアメリカ先住民と近い関係にあり、系統的にみると現代の西ユーラシア人の基部に位置するが、東アジア人とは近縁でないことを明らかにした。このことは、現代の西ユーラシア人に近縁な集団が、過去には一般に考えられているよりも北東の地域に分布していたことを意味している。著者たちは、アメリカ先住民の祖先の14〜38%がこの古代のマリタ集団を起源とする、つまり東アジア系ではなく西ユーラシア系であると推定している。ファースト・アメリカンの一部の頭蓋骨には東アジア人と異なる特徴があることが報告されていたが、その理由もこのような起源の違いによって説明できるかもしれない。
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ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』621話〜625話

2017/04/04 00:00
621話「決闘」5
 ドックはブルースとともに、襲撃事件を防ぎます。その様子を偶然見ていた男性は、ドックに電話して決闘を申し込みます。ドックはいたずら電話だと考えますが、男性は、ダンプを使うなどしてドックを襲撃し、一係は男性が本気だと判断します。その後も、時限爆弾を仕掛けたり、銃砲店を襲ったり、人を撃って覚醒剤を奪ったりするなど、男性の行動は過激化していきます。男性の動機と人物像が当初は描かれず、不気味さと緊張感を強調することに成功していたと思います。けっきょく、難病が原因となって自暴自棄になった男性が華々しく散りたいと考えての暴走だったわけですが、たまにはこのような不気味で理不尽な話も悪くはありません。まあ、最後はかなり強引な解決でしたが、このような理不尽な話に相応しいと言えるかもしれません。


622話「ブルースの賞金稼ぎ」6
 強盗事件が発生し、犯人は喫茶店に逃げて客を人質に取ろうとして脅迫しますが、客の一人の男性に撃たれ、逮捕されます。強盗犯を撃った男性は逃亡し、ドックとブルースは男性の行方を追います。その男性は喫茶店で、ある店に向かう、と話していました。ブルースはその店で張り込み、接触してきた男性についていきます。すると、商事会社の社長が、男性に連れ去られた娘を取り戻してもらいたい、とブルースに依頼します。社長は、ブルースを本来依頼するはずだった氷室という男性と間違えてしまったのでした。ドックはブルースの身を案じますが、ブルースは氷室と偽って潜入捜査を続けます。ブルースは社長から、ヘロインの取引が原因で娘が誘拐された、と聞き出します。ブルースは皆の懸念をよそに潜入捜査を続け、社長の娘を連れてボートで逃げ出そうとした男性を捕まえます。これで終わりかと思いきや、本物の矢野が登場し、ブルースを脅迫して報奨金を受け取ろうとします。しかし社長は、刑事だと明かしたブルースを庇い、矢野を撃ちます。なかなかひねった話になっており、まずまず楽しめました。しかし、石橋蓮司氏が演じた矢野の出番が途中までほとんどなかったのは残念でした。それにしても、このところのブルースの「ちゅう」連発にだんだんとうんざりしてきました。本放送時にブルースのことがあまり好きではなかったのは、これが理由だったのかもしれません。


623話「マイコン刑事登場!」5
 618話で登場したマイコンが七曲署一係に赴任してきます。すでに一係の全員と面識があるというわけで、異例の新レギュラー登場となります。話の方はすっかり忘れていましたが、新人刑事の甘さ・未熟さが強調され、先輩刑事に教えられ叱責される王道的な展開でした。安心感のある話でしたが、もっとひねってきてもよかったような気もします。交通課の婦警を演じたのは沢口靖子氏で、なるほど、デビュー前に地元で話題になるような美貌だったという話(真偽を確認できたわけではありませんが)があるのも納得だな、と感心しました。デビューした頃の沢口靖子氏が見られたのには満足でしたが、話自体はさほど楽しめませんでした。


624話「張り込み」5
 トシさん主演作に分類しようかな、とも思ったのですが、トシさんとマイコンのダブル主演といった感じです。トシさんの粘り強い捜査に、コンピュータに頼ろうとする新人のマイコンが教えられるという王道的な展開になっていました。それにしても、マイコンの未熟さはかなり強調されており、登場当初はもちろんのこと、今でもかなり甘いところのあるラガーにまで捜査は向いていない、と言われる始末です。コンピュータに詳しいという強みはありますが、歴代の新人刑事のなかでもかなり冴えない方だと思います。話の方は、殺人容疑者の父親が娘の幸せな結婚を壊してしまうのではないか、という緊張感のなかで捜査が続き、複雑で不幸な家族問題は本作の定番の一つと言えるでしょう。娘が父親を庇ってしまう展開も王道的です。まずまず面白い話になっていましたが、もっと盛り上がりがあってもよかったのではないか、と思います。
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大河ドラマ『おんな城主 直虎』第13回「城主はつらいよ」

2017/04/03 00:00
 これは4月3日分の記事として掲載しておきます。虎松(井伊直政)の後見人として領地を治めると宣言した直虎(次郎法師)ですが、虎松の母である「しの」をはじめとして井伊家中の反発は強く、前途多難といった状況です。そんな中、領主の代替わりを聞きつけた瀬戸村の百姓の甚兵衛が直虎を訪ねてきて、瀬戸村を訪れるよう、要請します。家臣が反対するなか、直虎は瀬戸村を訪れます。甚兵衛は、度重なる軍役のために村が荒れているとして、徳政令の発布を求めます。

 直虎は安易に承諾しますが、他の村も徳政令の発布を求めてきて、後見人となって初めて井伊家の厳しい内情を知った直虎は、徳政令は発布できないと返答し、反発を受けます。直虎は子供時代に因縁のある有力商人の瀬戸方久の提案を受けて思案し、徳政令を発布せず、瀬戸方久を家臣として徳政令の発布を求めてきた領地を与え、百姓には荒地を上手く商売に活用させようとします。しかし、所領を失う家臣団の反発は強く、百姓は今川に直接徳政令の発布を求め、順風満帆とはいきません。

 今回は、戦国時代の地方領主の在り様をなかなか上手く物語に組み込んできたのではないか、と思います。直虎を主人公として単純に持ち上げるのではなく、無力な様も描いているのがよい点です。なかなか楽しめました。直虎を無知な人物として描きすぎている感もありますが、当時の様相を視聴者に説明するための工夫として、悪くなかったと思います。これは久々の登場となる瀬戸方久についても同様で、過度に説明調の台詞にならずに、戦国時代の様相を上手く物語に組み込んできたと思います。直親(亀之丞)亡き後、やはり注目されるのは直虎と小野政次(鶴丸)の関係です。もし、ネットの一部?で言われているように、井伊直政の「政」が政次からとられたのだとしたら、現在は政次を敵視している直親の想いが今後どのように変わるのか、注目されます。
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岩明均『ヒストリエ』第10巻発売(講談社)

2017/04/02 00:00
 これは4月2日分の記事として掲載しておきます。待望の第10巻が刊行されました。実に1年10ヶ月振りの新刊となります。第9巻は、紀元前338年、アテネ・テーベなどの連合軍とマケドニア軍とのカイロネイアの戦いがまさに始まろうとし、一番手を自分と替わってくれ、とクラテロスに頼み込んだものの断られたアレクサンドロスが、副将の下知だ、と言うところで終了しました。第10巻は、パルメニオンがクラテロスに、アレクサンドロスの指示に従うよう、命じるところから始まります。アレクサンドロスは愛馬ブーケファラスとともに一番槍の功名を挙げようとします。パルメニオンはアレクサンドロスに、敵陣を突き抜いたら、主力のテーベ軍のいる左に向かうよう、進言します。

 アレクサンドロスは自部隊の騎兵を置き去りにして先頭で進みます。ここで、後のエウメネスの回想という形式で、アレクサンドロスにフィリッポス2世やエウメネスにもない特異な能力のあることが語られます。それは、必ず発現するものではありませんが、風向き・水の流れ・動物の動き・人間の動きのわずか先のことが見える、というものです。カイロネイアの戦場でアレクサンドロスのこの特異な能力はいかんなく発揮され、アテネ軍の隊列のわずかな隙間を見出し、槍を投げつけます。この様子を見たフィリッポス2世は、エウメネスが近くにいるなか、いっそこの場で死んでくれれば、と呟きます。

 アレクサンドロスの見事な急襲でしたが、配下の騎兵はついてこられず、アレクサンドロスは孤立してしまいます。しかし、アレクサンドロスは焦ることもなく、この状況に自嘲するくらいの余裕があります。アレクサンドロスはアテネ軍の隊列を乱すべく、剣を手に持ち単騎で敵部隊の最後列の兵士たちの首を次々と切り落としていきます。所持していた2本の剣が折れてしまう前に、アレクサンドロスは多くの兵士の首を切り落としていました。アテネ軍は、何が起こっているのか理解できず、茫然としています。アテネ軍の一兵士として参戦していた高名なデモステネスは、目の前で自軍の兵士が切られてしまったことから怯えきってしまい、戦場から逃亡します。

 所持していた2本の剣が折れてしまったアレクサンドロスは、アテネ軍の目前で、殺した兵士から剣と盾を奪います。アテネ軍の兵士たちは、アレクサンドロスが目の前に一人でいるにも関わらず、その様子を茫然と見ています。アレクサンドロスは愛馬ブーケファラスに乗り、配下の騎兵を待って合流し、敵陣を突破します。フィリッポス2世は、後退させていた自軍に前進を命じ、アテネ・テーベなどの連合軍は敗走して、カイロネイアの戦いはマケドニア軍の完勝で終わりました。戦後処理により、アテネは陸軍・水軍ともに解体され、テーベは実質的な占領下に置かれました。

 ここで、話はカイロネイアの戦いの前に戻ります。フィリッポス2世は出陣前に、元老のアンティパトロスから、主力が東方に遠征したなか、アレクサンドロスが反乱した都市を寡兵で鎮圧し、その都市に「アレクサンドロポリス」と自分の名前をつけた、と報告を受けます。若い世代のなかにはアレクサンドロスを軍神と崇めている者もいる、とアンティパトロスから聞いたフィリッポス2世は、王子ではなく将軍だったらと考えることもある、惜しい才能だが、アレクサンドロスは病気だ、と言います。フィリッポス2世は、今度の戦い(カイロネイアの戦い)でアレクサンドロスに副将を任せ、その結果次第で今後のことを考える、とアンティパトロスに伝えます。

 またフィリッポス2世は、エウメネスを自分の「左腕」とする構想をアンティパトロスに打ち明けます。フィリッポス2世は、かつて軍事訓練のさいに、エウメネスが利き腕による部隊編成を進言した、とアンティパトロスに語り、その能力・発想力を高く評価していることから、自分の「左腕」に抜擢しようと考えているのでした。アンティパトロスはフィリッポス2世の構想に賛成しますが、懸念も伝えます。エウメネスを「王の左腕」に抜擢し、大きな権限を与えることになるので、マケドニアの有力貴族であるアッタロス一族のエウリュディケとエウメネスとの結婚は阻止した方がよいだろう、というわけです。フィリッポス2世は、エウリュディケと会おうとします。

 マケドニア軍は首都のペラに帰還し、エウメネスはアッタロス邸に赴き、アッタロスにエウリュディケとの結婚を申し出ようとしますが、アッタロスはエウメネスに、エウリュディケのことは諦めてくれ、と謝罪します。アッタロスはエウメネスとエウリュディケを結婚させ、アッタロス家を継がせようとさえ考えていましたが、エウリュディケはフィリッポス2世の第7王妃となることが決まったので、エウリュディケとの結婚を認めるわけにはいかない、というわけです。エウメネスは、これまでフィリッポス2世の王妃は皆外国人で、マケドニア貴族はいなかったのに変だ、と疑問を呈します。エウメネスはエウリュディケに本心を問い質しますが、エウリュディケは、女の気持ちは関係ない、光栄の至りだ、と答えます。エウメネスは、マケドニア王家の歴史を考えれば、王妃になってもろくなことはない、と言い、自分と駆け落ちするよう、エウリュディケを説得します。しかし、エウリュディケはエウメネスと口づけをかわし、別れて涙を流します。

 マケドニアから去ることも選択肢に入れ始めたエウメネスは、街を歩いていて、パルメニオンの息子のフィロータスに絡まれます。エウメネスが「王の左腕」に選ばれるとの噂がすでに広まっており、なぜ自分が選ばれないのか、とフィロータスは激昂したのでした。エウメネスはメランドロスを訪ね、「王の左腕」について説明を受けます。ギリシアの陸軍では、主力を右翼に置き、総司令官が右翼で指揮をとることが多いので、「王の左腕」とは、左翼に配置される信頼できる副将のことを云うのでした。これまで、「王の左腕」を務めてきたのはパルメニオンでしたが、すでに60歳を過ぎているので、10年前からその後継候補が噂されてきた、というわけです。

 これまで噂されてきた有力人物として、ギリシア人の傭兵隊長で、内乱を避けてマケドニアに身を寄せていたペルシア貴族アルタバゾスの娘婿でもあるメムノンと、マケドニア貴族のクラテロスがいました。しかし、メムノンは国外に逃亡し、クラテロスはフィリッポス2世と相性が悪いので、エウメネスに白羽の矢が立った、というわけです。「王の左腕」たる副将になるつもりのないエウメネスは、アレクサンドロスと遭遇します。アレクサンドロスは、エウメネスならば副将が務まる、と嬉しそうに言いますが、エウメネスは強く否定し、早く身を引かないと危険だ、と考えます。紀元前337年、フィリッポス2世とエウリュディケの婚礼が秋と決定した、と説明が入って今回は終了です。


 第10巻は、カイロネイアの戦いでのアレクサンドロスの特異な才能と活躍が強烈に印象づけられました。アレクサンドロスは後に勢力圏を拡大して世界史上でも有数の英雄となったわけですが、本作のアレクサンドロスは、そうした大英雄としての片鱗をじゅうぶん見せつけており、説得力のある人物造形になっているように思います。一方、アレクサンドロスとフィリッポス2世との関係は、かなり微妙なようです。第6巻では、フィリッポス2世はアレクサンドロスを自分の後継者として育成しよう、と真剣に考えていたようですが、第10巻の時点では、アレクサンドロスを後継者とすることを躊躇っているようです。

 アレクサンドロスは神話に憧れる空想的な人物なので、マケドニア国王としては危うい、との冷徹な判断なのか、アレクサンドロスが自分の実子ではなさそうだということに気づいたので複雑な感情があるのか、それとも別の意図があるのか、現時点ではどうもよく分かりませんが、作中では翌年に迫ったフィリッポス2世の暗殺事件(本作では、フィリッポス2世は暗殺されない、と私は予想していますが)とも関わってきそうなので、注目されます。エウリュディケは史実通りフィリッポス2世の妻となりそうで、悲惨な最期を遂げるのではないか、と思います。エウメネスにとって2回目の悲恋となりますが、エウリュディケの最期にエウメネスはどう関わってくるのでしょうか。まあ、フィリッポス2世が暗殺されずに生き延びるとしたら、エウリュディケの運命も変わってくるのかもしれませんが。



 なお、第3巻までの内容は
http://sicambre.at.webry.info/200707/article_28.html

第4巻の内容は
http://sicambre.at.webry.info/200708/article_18.html

第5巻の内容は
http://sicambre.at.webry.info/200904/article_10.html

第6巻の内容は
http://sicambre.at.webry.info/201005/article_25.html

第7巻の内容は
http://sicambre.at.webry.info/201111/article_29.html

第8巻の内容は
http://sicambre.at.webry.info/201308/article_26.html

第9巻の内容は
http://sicambre.at.webry.info/201505/article_34.html

フィリッポス2世の今後についての予想は
http://sicambre.at.webry.info/201112/article_2.html

フィリッポス2世の墓については
http://sicambre.at.webry.info/201507/article_29.html

にて述べています。
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クリミアのネアンデルタール人の象徴的行動の証拠

2017/04/01 00:00
 これは4月1日分の記事として掲載しておきます。クリミアのネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の象徴的行動に関する研究(Majkić et al., 2017)が報道されました。この研究が分析対象としたのは、クリミアのザスカルナヤ6(Zaskalnaya VI)岩陰遺跡の中部旧石器時代の層で発見された、ワタリガラス(Corvus corax)の橈骨の断片です。ザスカルナヤ6遺跡は1969年に発見され、1969〜1975年・1977〜1978年・1981〜1985年に集中的に発掘されました。ザスカルナヤ6遺跡の中部旧石器時代は7層(1・2・3・3a・4・5・6)に区分されており、ミコッキアン(Micoquian)インダストリーに分類されています。ザスカルナヤ6遺跡の2・3・3a層では、2個の断片的な下顎骨・遊離した14個の歯・手根骨・前腕骨・脛骨などといったネアンデルタール人の化石が発見されています。

 この研究で分析の対象となったワタリガラスの橈骨は3層で発見されました。3層で発見された動物の骨の年代は、放射性炭素年代測定法により較正年代でおおむね43000〜38000年前頃となります(3点の骨が測定され、それぞれの推定年代は42936〜41820年前・41847〜40127年前・41846〜38175年前)。ただ、依拠している文献が2004年・1998年・1996年と古いのは気になるところです。同じく放射性炭素年代測定による1層の推定年代がおおむね30000〜26000年前頃となっており、2004年以降にヨーロッパの旧石器時代のじゅうらいの放射性炭素年代測定結果が大幅に見直され、さかのぼる傾向にある(関連記事)ことを考えると、3層の年代が繰り上がる可能性もじゅうぶん想定されます。

 3層で発見されたワタリガラスの橈骨には、7ヶ所の刻み目がありました。顕微鏡を用いての技術的・形態計測的分析から、この刻み目のうち2ヶ所は、それ以前の刻み目の隙間を埋め、おそらくは等距離の配置というパターンの視覚的一貫性を高めるために追加で刻まれたのではないか、と推測されています。この研究はその証拠として、他の旧石器時代の動物の骨の刻み目の検証と、家畜化されたヒョウモンシチメンチョウ(Meleagris ocellata)の骨を用いた実験を挙げ、ザスカルナヤ6遺跡のワタリガラスの橈骨の刻み目は、ネアンデルタール人の象徴的行動の直接的証拠になる、と指摘しています。

 ネアンデルタール人の象徴的行動については、上部旧石器時代・後期石器時代以降の現生人類(Homo sapiens)と比較してずっと貧弱とはいえ、その証拠が蓄積されつつあり、ネアンデルタール人が鳥の爪を用いて装飾品を製作した可能性も指摘されています(関連記事 )。ネアンデルタール人と現生人類とで象徴的行動にどの程度の違いがあったのか定かではないとはいえ、ネアンデルタール人の象徴的行動はもはや否定できないだろう、と思います。

 この研究は、視覚的効果という観点からワタリガラスの骨の刻み目を検証し、ネアンデルタール人の象徴的行動の根拠になりそうな事例を提示したという意味で、注目されます。ただ、ザスカルナヤ6遺跡3層の43000〜38000年前頃という推定年代からは、クリミアのネアンデルタール人が現生人類と接触し、その(文化的、さらには遺伝的?)影響を受けた、という可能性もじゅうぶん想定されると思います。ただ、上述したように、ザスカルナヤ6遺跡3層の年代が繰り上がる可能性も低くないでしょうから、クリミアのミコッキアン期のネアンデルタール人が、現生人類の影響を受けずに独自に象徴的行動を発達させた、という想定も有力説の一つとして考えておかねばならないでしょう。


参考文献:
Majkić A, Evans S, Stepanchuk V, Tsvelykh A, d’Errico F (2017) A decorated raven bone from the Zaskalnaya VI (Kolosovskaya) Neanderthal site, Crimea. PLoS ONE 12(3): e0173435.
http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0173435
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ひかりTVのチューナー交換と録画

2017/03/31 00:00
 ひかりTVのシングルチューナーPM-700を7年ほど使用してきましたが、交換するようお報せが来たので、無償ということもあり、今週(2017年3月28日)交換しました。交換を申し込んでから、これまでに録画したデータを視聴できなくなるのではないか、と気づき、もったいないことをしたなあ、とも思ったのですが、再視聴するだけの時間をなかなか作れそうにありませんし、ハードディスクが3台空くことを考えると、まあそんなに悔やむことでもないかな、と考えが変わりました。

 新たに届いたのはトリプルチューナーのST3400で、操作方法が前のシングルチューナーとは変わっているので、やや戸惑いましたが、USB3.0も使えるようになるなど、かなり高性能化しているようです。嬉しい誤算だったのは、過去の録画データも視聴できることで、利用者からの要望に応えたのでしょう。1台のハードディスクに関しては、一部引き継げなかった作品もあったようですが、使用していて最後の方には録画があまり上手くいかなかったので、ハードディスクの寿命の問題なのかもしれません。

 ST3400になり、ハードディスクに録画していた番組をBDにダビングできるようになりました(関連記事)。私のPC環境では、「PC TV Plus」というソフトを導入すれば、BDにダビングできるようです。まあ、2TBのハードディスクは50GBのBDで約40枚分となるわけで、設置場所と利便性を考えると、とりあえずハードディスクに保存したままでよいかな、と思います。以前のチューナーでフォーマットしたハードディスクだと、新たなチューナーではダブル録画のさいに失敗することもあるようなので、近いうちにUSB3.0対応のハードディスクを導入しよう、と考えています。
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カメ類が甲羅に収納する機構を発達させた理由

2017/03/30 00:00
 カメ類が甲羅に収納する機構を発達させた理由に関する研究(Anquetin et al., 2017)が公表されました。これまで、カメ類が甲羅に収納する機構を発達させたのは、頭と首を防護する選択圧のためだとされてきました。現生カメ類の2系統は、それぞれ異なる収納機構を発達させました。曲頸亜目のカメは、首を横に曲げて収納するのに対して、潜頸亜目のカメは、首を垂直方向に曲げ、頭を真っすぐ引いて収納します。この二つの機構は、1億6100万年〜1億4500万年前頃のジュラ紀後期以降に独立に進化したと考えられています。

 この研究は、ジュラ紀後期に現在のドイツとスイスに相当する地域に生息していた、初期の曲頸亜目のカメ(Platychelys oberndorferi)の第6頸椎と第8頸椎について報告しています。この曲頸亜目のカメは、潜頸亜目の現生種と同じ機構を用いて首を垂直方向に曲げ、頭を部分的に甲羅に収納していました。また、頭を部分的にしか収納できなかったことから、この機構が進化したのは主に、カメが頭を素早く伸ばして、すばしこく動き回る獲物を捕獲する能力への選択圧のためだという見解が提示されています。この研究は、現生のカメ類が食物を摂取するさいに頭を制御する機構をさらに調べることにより、この見解を検証していく必要がある、と指摘しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【進化】初期のカメが首を垂直方向に曲げて甲羅に収納していた理由

 一部のカメでは、首(頸部)を甲羅に収納する能力が、頭を素早く伸ばして獲物を捕らえるために進化したという見解を示すJeremy Anquetinの研究チームの論文が、今週掲載される。Anquetinたちは、頭を甲羅の中に完全に収納して防護することは、この進化過程の二次的利益だったと考えている。

 従来の学説では、カメ類が甲羅に収納する機構を発達させたのは、頭と首を防護するためだとされてきた。現生カメ類の2つの系統は、それぞれ異なる収納機構を発達させた。つまり、曲頸亜目のカメは、首を横に曲げて収納するのに対して、潜頸亜目のカメは、首を垂直方向に曲げ、頭を真っすぐ引いて収納する。この2つの機構は、ジュラ紀後期(約1億6100万年〜1億4500万年前)以降に独立に進化したと考えられている。

 この論文では、ジュラ紀後期に現在のドイツとスイスに当たる地域に生息していた初期の曲頸亜目のカメ(Platychelys oberndorferi)の第6頸椎と第8頸椎について説明している。Anquetinたちは、P. oberndorferiが潜頸亜目の現生種と同じ機構を用いて首を垂直方向に曲げ、頭を部分的に甲羅に収納していたことを発見した。また、Anquetinたちは、頭を部分的にしか収納できなかったことに着目し、この機構が進化したのは主に、カメが頭を素早く伸ばして、すばしこく動き回る獲物を捕獲する能力を高めるためだという考えを示している。さらに、Anquetinたちは、現生のカメが食物を摂取する際に頭を制御する機構をさらに探究することによって、この学説をさらに検証する必要があると指摘している。



参考文献:
Anquetin J, Tong H, and Claude J.(2017): A Jurassic stem pleurodire sheds light on the functional origin of neck retraction in turtles. Scientific Reports, 7, 42376.
http://dx.doi.org/10.1038/srep42376
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霊長類の脳サイズと食性の関係

2017/03/29 00:00
 これは3月29日分の記事として掲載しておきます。霊長類の脳サイズと食性の関係についての研究(DeCasien et al., 2017)が公表されました。霊長類の脳サイズの進化に関するこれまでの研究では、種の典型的な集団の平均的な構成個体数と体の大きさに対する脳サイズとの間に相関が見出されています。しかし、種が一夫一妻制かどうかなど、社会的複雑性に関する別の尺度を考えると、結果には一貫性がなく、環境中の他の潜在的推進要因が探られていません。この研究は、非ヒト霊長類の脳サイズに関して、これまでに異なる140種以上から集めた最大のデータセットをまとめ上げ、脳サイズと複数の社会性尺度(集団サイズ・社会システム・配偶行動)および摂餌習慣の関係を調べました。その結果、脳サイズにはどの社会性尺度とも関係が認められず、食餌の予測力の方がはるかに強力である、と明らかになりました。

 この研究は、それぞれの種の進化的近縁度と相対的な体の大きさを考慮し、果実を食べる霊長類の脳組織が草や葉を食べる種と比較して約25%大きいことを明らかにしました。この分析では、果実食が大きな脳の進化につながる理由は明らかにされていませんが、この研究は、果実の位置の想起および手作業での果肉の取り出しに関連する認知的要求と、低エネルギーの草や葉と比較した高エネルギーの果実の消費と関連するエネルギー報酬との組み合わせにより、脳サイズ増大の進化が促進された可能性を示唆しています。確定したとはまだとても言えませんが、この研究の提示した見解はたいへん注目されるので、今後の検証の進展が大いに期待されます。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


果実は大きな脳の進化を促進する

 霊長類の脳サイズを的確に予測するのは、社会生活の複雑さよりも食餌である、という論文が、今週のオンライン版に掲載される。この種の分析としてはこれまでで最大のものとなった今回の研究は、ヒトおよび一部の霊長類群が他の多くの動物と比較して大きな脳を進化させた理由を説明する従来の仮説に対し、疑問を投げ掛けている。

 霊長類の脳サイズの進化を調べたこれまでの研究は、種の典型的な集団の平均的な構成個体数と体の大きさに対する脳サイズとの間に相関を見いだしている。しかし、社会的複雑性に関する別の尺度(たとえば、種が一夫一妻制かどうかなど)を考えると、結果には一貫性がなく、環境中の他の潜在的推進要因が探られていない。

 Alex DeCasienたちは、非ヒト霊長類の脳サイズに関して、これまでに異なる140種以上から集めた最大のデータセットをまとめ上げ、脳サイズと複数の社会性尺度(集団サイズ、社会システム、および配偶行動)と摂餌習慣の関係を探った。その結果、脳サイズにはどの社会性尺度とも関係が認められず、食餌の予測力の方がはるかに強力であることが分かった。

 それぞれの種の進化的近縁度および相対的な体の大きさを考慮して、研究チームは、果実を食べる霊長類の脳組織が草や葉を食べる種と比較して約25%大きいことを発見した。その分析では、果実食が大きな脳の進化につながる理由は明らかにされていないが、研究チームは、認知的要求(果実の位置の想起および手作業での果肉の取り出しに関連)とエネルギー報酬(低エネルギーの草や葉と比較した高エネルギーの果実の消費と関連)との組み合わせによってそれが促進された可能性を示唆している。

 関連するNews & Views記事では、Chris Vendittiが次のように述べている。「今回の研究によって霊長類や他の哺乳類の認知的複雑性を解明する研究に改めて注目が集まり、この分野が再び活気づくことは間違いないだろう。しかし、残されている問題はまだ多い」。



参考文献:
DeCasien AR, Williams SA, and S JP.(2017): Primate brain size is predicted by diet but not sociality. Nature Ecology & Evolution, 1, 0112.
http://dx.doi.org/10.1038/s41559-017-0112
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大河ドラマ『おんな城主 直虎』第12回「おんな城主直虎」

2017/03/28 00:00
 これは3月28日分の記事として掲載しておきます。今川からの呼び出しに応じて駿府に向かった直親(亀之丞)は、道中で今川方の兵たちに取り囲まれ、討たれます。申し開きの場さえ与えられず、騙し討ちで殺害されたことに、井伊家中は憤激します。直親の妻の「しの」は、次郎法師(直虎)が小野政次(鶴丸)を成敗しなかったのでこうなったのだ、と次郎法師を責め立てます。今川は直親の嫡男である虎松(井伊直政)を殺すよう命じ、新野左馬助は虎松助命のために駿府に赴きます。激昂する今川氏真の出した助命の条件は、松平元康(徳川家康)を討ち取ることでした。

 今川への忠誠を誓う政次は、松平と三河の一向宗門徒との対立を煽るよう、氏真に進言します。政次の目論見通り、三河では一向一揆と松平との対立が激化し(松平の家臣団の中には一向一揆に走る者もいました)、松平の勢いは殺がれます。今川の命により、直平・左馬助・中野直由たちは今川に敵対する勢力との戦いに赴き、相次いで討ち死にします。これは今川と政次の思惑通りということなのでしょう。井伊家中の要人が相次いで討ち死にすると、政次が井伊谷に戻って来て、家督たる虎松の後見人を自分が務めるよう、今川から命じられた、と次郎法師の母である千賀に告げます。次郎法師は政次に裏切ったのか問い質しますが、政次は、井伊は終わるべくして終わったのだ、と次郎法師を突き放します。

 千賀は南渓和尚に虎松の後見人になるよう要請しますが、南渓和尚は次郎法師を後見人にしようと考えていました。無力な自分を思い知らされて自暴自棄になりかけた次郎法師を、南渓和尚は穏やかに諭します。次郎法師は直親の遺志を継ぐ決意を固め、井伊直虎として、今川の目付もいるなか、領地を治めると宣言します。いよいよ直虎が主人公らしく動いてきそうで、今後が楽しみです。やはり、直虎と、井伊を裏切ったように見える政次との関係が今後の見どころになりそうです。直虎は幼馴染の政次を敵視するようになりましたが、本作における政次の描かれ方からすると、単純に政次を主人公の敵役とするわけではなく、ひねった展開になりそうな気がします。直虎と政次との関係は、どのような結末を迎えるのでしょうか。
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大相撲春場所千秋楽

2017/03/27 00:00
 これは3月27日分の記事として掲載しておきます。稀勢の里関が「日本出身」力士として久々に横綱に昇進して初めての場所を迎えたことで、今場所は大いに盛り上がったように思います。稀勢の里関は12日目まで無敗を守り、単独首位に立ちました。ただ、相撲内容自体は、攻め込まれることも多く、あまり褒められたものではないと思っていたので、13日目に日馬富士関に敗れたことは意外ではありませんでした。まあ、攻め込まれることが多かったとはいっても、余裕のある残し方が多かったので、好意的に解釈すれば、横綱相撲と言えるかもしれませんが。稀勢の里関は13日目に日馬富士関に敗れて負傷し、強行出場したものの、やはり力を出せる状態ではなく、14日目に鶴竜関に敗れ、14日目が終わった時点で、優勝争いは1敗の照ノ富士関と2敗の稀勢の里関に絞られました。

 正直なところ、私は照ノ富士関があっさり2回目の優勝を決めると確信しており、14日目が終了した時点でほぼ記事を執筆し終えていたのですが、稀勢の里関が本割と決定戦で連勝して2場所連続2回目の優勝を果たし、かなり書き直さざるを得ませんでした。千秋楽の稀勢の里関に関しては、本割で変化したことも含めて、本割・決定戦ともに相撲内容はよくなったのですが、勝因は、照ノ富士関が稀勢の里関の怪我を悪化させまいとして気を遣い過ぎたことにあるのではないか、と思います。確かに、稀勢の里関の怪我は深刻なものであり、本割での変化は、何とか勝とうとしての苦肉の策なのでしょうが、14日目の対戦相手の鶴竜関もそうだったであろうように、対戦相手に状態を気遣わせることはあってはならず、ましてや横綱なのですから、14日目と千秋楽は休場すべきだったと思います。これで怪我が悪化し、稀勢の里関の現役生活を縮めるようなことがなければよいのですが。

 照ノ富士関に関しては、もう以前の力を取り戻せないのではないか、と心配していただけに、今場所の復活には喜んでいます。鶴竜関とは異なり、相手の状態を気遣いつつ勝つような器用さがなかったのが、優勝を逃した要因でしょうか。照ノ富士関は、大怪我の前に一度は実力で稀勢の里関を完全に上回り、稀勢の里関よりも横綱にずっと相応しい、と私は考えていましたし、今の横綱・大関陣は照ノ富士関を除いて全員30代であり、20代半ばの照ノ富士関がこのまま復活できなければ、数年後たいへん厳しい状況になるのではないか、と懸念していたので、照ノ富士関に横綱昇進への道が再び開かれ、安心しました。もっとも、照ノ富士関は先場所が4勝11敗、昨年は大関として33勝48敗9休という成績だっただけに、来場所全勝優勝を果たしたとしても、もう1場所様子を見て横綱に昇進させるか否か、決めるほうがよいと思います。

 ただ、照ノ富士関は復活したとはいえ、力任せの雑な相撲は以前と変わらないので、また負傷するのではないか、との懸念は払拭できません。また、琴奨菊関との取り組みでの変化とその後の表情などもあり、横綱に昇進したとしても、悪役として人気が低迷しそうなのも、懸念されます。稀勢の里関に逆転で優勝を許した一因として、琴奨菊関との一番で観客を敵に回してしまい、それが重圧になったこともあるのではないか、と思います。まあ、照ノ富士関に色々と問題もあるとはいえ、以前の力を取り戻せたとしたら、照ノ富士関が次の横綱にもっとも相応しいことは確かであり、安易に変化することなく、豪快な相撲で人気を得ていってもらいたいものです。

 鶴竜関と日馬富士関はともに10勝5敗で、まあこんなものだろう、と思います。日馬富士関の方は、やはり状態が悪いようなので、後1回優勝できるかどうか、といったところでしょうか。鶴竜関の方は、白鵬関が復活できず、稀勢の里関が今場所の強行出場により実力を大きく落とすとしたら、今後数回優勝できるかもしれません。ただ、白鵬関が復活し、稀勢の里関の怪我が深刻なものではないとしたら、もう優勝できないかもしれません。高安関は12勝3敗で、来場所再度大関昇進に挑戦することになります。現時点で、高安関がもっとも大関に近い力士であることは間違いないでしょうが、今場所もそうだったように、集中力が途切れるのか、終盤に失速することがあり、この点が懸念されます。
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