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zoom RSS 125000年前の間氷期の海面上昇

<<   作成日時 : 2009/12/19 00:00   >>

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 現在の地球温暖化との類似性も指摘した、125000年前の間氷期の海面上昇についての研究(Kopp et al., 2009)が公表されました。この研究では、局所的な海面水準の標識がデータとして用いられ、それだけでは世界規模の海面水準とは異なっている可能性があることから、世界的規模および局所的な海面や氷床量などを推定する統計的手法とが統合され、125000年前の間氷期の海面水準が復元されました。この時期の極地の気温は、現在よりも3〜5℃高かったとされています。

 その結果、この時期の海面を現在と比較すると、95%の確率で6.6m以上高く、67%の確率で8.0m以上高く、9.4m以上となるのは33%の確率だ、との結果が得られました。海面水準が現在と近かった場合、世界規模の海面上昇の1000年間の平均値は5.6mを超えた可能性がひじょうに高く、9.2mを超えることはなさそうだ、との推定がなされました。こうした結果から、現在の氷床がかなり低水準の地球温暖化にたいしても、脆弱である可能性が示唆される、と指摘されています。

 この研究の動機に、現在の地球温暖化への危機感があることは間違いないでしょう。また、もちろん今後も検証が必要だとはいえ、現在の地球温暖化対策の議論に与える影響は小さくないかもしれません。すでに現生人類が存在した過去のある時期に、温暖化の影響で現在よりも海面が6.6m以上高かったこともあるのだから、現在の地球温暖化などたいしたことない、との見解もあるかもしれません。確かに、125000年前ていどの温暖化ならば、人類が滅亡することはないでしょう。しかし、現在の生活水準が維持できるか、きわめて疑問ですし、現在では沿岸部に大都市が多数存在していますから、海面の上昇はたいへんな脅威となるでしょう。

 またこの研究は、現在の地球温暖化問題についてだけではなく、古人類学にとってもじゅうような研究だと言えそうです。これまで、気温変動にともなう海面水準(陸地)の変化が、人類の活動に影響を及ぼした可能性への指摘は珍しくありませんが、間氷期や氷期の陸地の形状については、この研究を受けて見直しが必要になるかもしれません。そうすると、人類の進化人類の移住経路およびその時期についても、これまでとは異なる推定が必要となってくるでしょう。


参考文献:
Kopp RE. et al.(2009): Probabilistic assessment of sea level during the last interglacial stage. Nature, 462, 863-867.
http://dx.doi.org/10.1038/nature08686

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