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zoom RSS 農耕の開始により変化した人間のゲノム

<<   作成日時 : 2015/12/27 00:00   >>

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 これは12月27日分の記事として掲載しておきます。農耕の開始に伴う人間のゲノムの変化に関する研究(Mathieson et al., 2015)が報道されました。この研究は、古代西ユーラシアの230人の高精度のゲノム解析を報告しています。この230人の年代は紀元前6500〜紀元前300年にわたっており、この研究で新たに報告されたデータも含まれています。アナトリアの新石器時代農耕民のゲノム規模の解析はこの研究が初めてのことだ、とその意義が指摘されています。

 この研究は、地理的・時間的に広範にわたるゲノム規模の解析から、新石器時代以降の西ユーラシアにおける移住・交雑の様相を明らかにしようとしています。たとえば、ヴォルガ川沿いの草原地帯では、異なる2系統からの人口の流入があった、と示唆されています。また、アナトリアの新石器時代の農耕民は、これまでにも推測されていたように、ヨーロッパに最初に農耕をもたらした集団の遺伝子源となったことが、改めて明らかになりました。

 また、農耕の開始により、ヨーロッパにおいて人間のゲノムが変化したことも指摘されています。たとえば、身長・免疫・乳糖耐性・薄い肌の色・青い目・セリアック病の危険性などに関連する遺伝子です。身長に関しては、独立した二つの変異が報告されています。免疫に関しては、人口密度が高まったことと、動物の家畜化の開始との関連が指摘されています。セリアック病の危険性を高める遺伝子に関しては、初期農耕における食性への適応には重要だったかもしれない、と指摘されています。これらのうち最も強い選択シグナルは乳糖耐性関連遺伝子に存在し、ヨーロッパで乳糖耐性の頻度が大幅に増えたのはわずか4000年前のことだとする見解が裏づけられた、と指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


集団遺伝学:230人の古代ユーラシア人に見られるゲノム規模の選択パターン

集団遺伝学:古代DNAから推定される選択圧

 約8500年前のヨーロッパにおける農耕文化の到来は人類進化の極めて重要な事象の1つである。今回その経緯を探る手掛かりとして、古代DNAを用いた研究が行われた。紀元前6500〜300年の西ユーラシア人230人からゲノム規模のスキャンデータが得られ、その中に含まれる、新石器時代のアナトリアの新石器時代農耕民26人の標本は、地中海東部地域の人々に由来するものとしては最初のゲノム規模の古代DNAである。著者たちは、食餌、体色および免疫に関連する座位に選択がかかったことを示す証拠を見いだした。最も強い選択シグナルは、乳糖分解酵素の活性持続(乳糖耐性)を担う対立遺伝子に存在し、ヨーロッパで乳糖耐性の頻度が大幅に増えたのはわずか4000年前のことだとする見方が裏付けられた。



参考文献:
I. et al.(2015): Genome-wide patterns of selection in 230 ancient Eurasians. Nature, 528, 7583, 499–503.
http://dx.doi.org/10.1038/nature16152

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