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zoom RSS 環境変化とホモ属の出現

<<   作成日時 : 2017/05/17 00:00   >>

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 これは5月17日分の記事として掲載しておきます。環境変化とホモ属の出現に関する研究(Robinson et al., 2017)が報道されました。アフリカ東部におけるアウストラロピテクス属からホモ属への移行は、鮮新世〜更新世にかけての、湿潤な森林の多い環境から乾燥した草原環境への移行と関連づけられてきました。しかし、鮮新世末期の環境に関するデータは不足しています。この研究は、アワシュ川下流域とトゥルカナ盆地において、350万〜100万年前頃の動物相の土壌炭酸塩安定同位体を分析し、環境変化と食性を明らかにしています。

 アワシュ川下流域のレディゲラル(Ledi-Geraru)ではホモ属的特徴を有する280万〜275万年前頃の下顎(LD 350-1)が発見されています(関連記事)。これは、ホモ属化石の年代を40万年ほどさかのぼらせる発見として話題になりましたが、この頃にホモ属が出現していた、と断定するのには慎重であるべきだと思います。しかし、アフリカ東部において300万年前頃までには痕跡の途絶える(ホモ属的特徴の見られない)アウストラロピテクス属と、ホモ属との間を埋めるたいへん重要な化石であることは間違いないでしょう。

 この研究は、アワシュ川下流域とトゥルカナ盆地における鮮新世〜更新世の環境変化が大まかには類似していることを明らかにしました。しかし、アウストラロピテクス属からホモ属への移行期とも考えられる300万〜280万年前頃にかけては、アワシュ川下流域の方が、湿潤な森林環境から乾燥した草原環境への移行が早かったことも明らかになりました。また、このように環境の移行にともなって動物相が変化したにも関わらず、「LD 350-1」の歯の分析からは、「LD 350-1」の食性がそれ以前のアウストラロピテクス属と変わらなかったことも明らかになりました。この結果には、本論文の著者の一人であるカンピサノ(Christopher J. Campisano)博士も率直に、驚いたと述べています。

 こうした知見より、アウストラロピテクス属からホモ属が出現する背景として、湿潤な森林環境から乾燥した草原環境への移行があるのではないか、と考えられています。これは、従来から有力視されていた見解を補強する証拠と言えるでしょう。ただ、初期ホモ属とはいっても、ハビリス(Homo habilis)と分類されている人骨群にはホモ属的(派生的)特徴と祖先的特徴が混在しており、アウストラロピテクス属からホモ属への移行には長い時間を要したのではないか、と考えられます。


参考文献:
Robinson JR. et al.(2017): Late Pliocene environmental change during the transition from Australopithecus to Homo. Nature Ecology & Evolution, 1, 0159.
http://dx.doi.org/10.1038/s41559-017-0159

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