雑記帳

アクセスカウンタ

zoom RSS マウスの子育ての遺伝的性質

<<   作成日時 : 2017/05/19 00:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 マウスの子育ての遺伝的性質に関する研究(Bendesky et al., 2017)が公表されました。哺乳類の養育行動は個体差・性差・種差が大きいと明らかになっていますが、マウスの場合には、仔の移動・寄せ合い・仔の面倒を見ること・仔の毛づくろい・営巣などの行動が含まれています。しかし、そうした行動を引き起こす遺伝的機構と進化的機構については、解明が進んでいません。この研究は、乱婚型のシカシロアシマウス(Peromyscus maniculatus)と一雄一雌型のハイイロシロアシマウス(Peromyscus polionotus)というごく近縁な2種のマウスを調べて、両者の養育行動に大きな違いがあり、それが遺伝性のものであることを明らかにし、養育のような複雑な社会的行動の基盤となっている神経生物学的性質に関する新たな知見が得られました。

 この研究は、量的遺伝学の手法を用いて、養育に関係する12のゲノム領域を同定し、そのうちの8つの領域が性別特異的な影響を及ぼすことを明らかにしました。これは、雄と雌の養育行動がそれぞれ独立して進化した可能性を示唆しています。また、これらのゲノム領域の中には、養育に対して幅広い影響を及ぼす領域と特定の行動(例えば営巣)に影響を及ぼす領域があると考えられています。この研究は、バソプレッシンのレベルを上昇させる遺伝的変化が、営巣行動の減少と関連していることを明らかにしています。また、この研究は、視床下部においてバソプレッシンを放出するニューロンを人工的に操作する実験を行ない、これによりマウスの営巣行動のレベルを変えることができることを発見しました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトから引用(引用1および引用2)です。


【遺伝】子育ての遺伝的性質

2種のマウスを使って養育行動の遺伝的な駆動要因を調べた研究について報告する論文が、今週掲載される。今回の研究では、これらのマウスの養育行動に影響を与える12のゲノム領域が同定され、養育の1つの側面である営巣においてバソプレッシンというホルモンが果たす役割が明らかになった。

哺乳類の養育行動は個体差、性差、種差が大きいが、マウスの場合には、仔の移動、寄せ合い、仔の面倒を見ること、仔の毛づくろい、営巣などの行動が含まれている。しかし、そうした行動を引き起こす遺伝的機構と進化的機構については、解明が進んでいない。

今回、Hopi Hoekstraたちの研究グループは、乱婚型のシカシロアシマウス(Peromyscus maniculatus)と一雄一雌型のハイイロシロアシマウス(Peromyscus polionotus)というごく近縁な2種のマウスを調べて、両者の養育行動に大きな違いがあり、それが遺伝性のものであることを明らかにした。Hoekstraたちは、量的遺伝学の手法を用いて、養育に関係する12のゲノム領域を同定し、そのうちの8つの領域が性別特異的な影響を及ぼすことを明らかにした。このことは、雄と雌の養育行動がそれぞれ独立して進化した可能性を示唆している。また、これらのゲノム領域の中には、養育に対して幅広い影響を及ぼす領域と特定の行動(例えば営巣)に影響を及ぼす領域があると考えられている。Hoekstraたちは、バソプレッシンのレベルを上昇させる遺伝的変化が、営巣行動の減少と関連していることを明らかにしている。また、Hoekstraたちは、視床下部においてバソプレッシンを放出するニューロンを人工的に操作する実験を行い、これによってマウスの営巣行動のレベルを変えることができることを発見した。今回の研究では、養育のような複雑な社会的行動の基盤となっている神経生物学的性質に関する新たな知見が得られた。


動物行動学:一夫一妻マウスにおける子育ての進化の遺伝学的基盤

動物行動学:子育ての遺伝学

 齧歯類は営巣などのさまざまな子育て行動を見せるが、こうした子育て義務を熱心に遂行する種もあれば、そうでもない種もある。しかし、子育て行動をどの程度行うかに影響を及ぼす遺伝的・進化的な機構は不明である。今回、H Hoekstraたちは量的遺伝学的手法を用いて、近縁種内で子育てに影響を与える遺伝子の候補を明らかにしている。視床下部ホルモンのバソプレッシンのレベルを上昇させる遺伝的変化は、営巣行動の減少と関連があった。さらに、バソプレッシンを分泌するニューロンを人為的に操作すると、営巣の度合いに直接影響を及ぼし、ニューロンのバソプレッシン放出活性の低下は、営巣行動レベルの上昇と相関を示した。この結果は、神経ペプチドシグナル伝達の変動が、子育てのような複雑な社会的行動に影響している可能性を示唆している。



参考文献:
Bendesky A et al.(2017): The genetic basis of parental care evolution in monogamous mice. Nature, 544, 7651, 434–439.
http://dx.doi.org/10.1038/nature22074

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
マウスの子育ての遺伝的性質 雑記帳/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる