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zoom RSS ネアンデルタール人の遺伝的影響を受けている現代人の脳と頭蓋

<<   作成日時 : 2017/07/28 00:00   >>

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 これは7月28日分の記事として掲載しておきます。現代人の脳と頭蓋におけるネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の遺伝的影響に関する研究(Gregory et al., 2017)が報道されました。ネアンデルタール人の化石記録は4万年前頃までに消滅したとされていますが(関連記事)、ネアンデルタール人と現生人類(Homo sapiens)との交雑は、今では広く認められています。この研究は、健康なヨーロッパ系221人の磁気共鳴画像(MRI)検査のデータと、ネアンデルタール人由来と推定される、現代人における156ヶ所の一塩基多型の割合(ネアンデルタール人スコア)を用いて、現代人の脳と頭蓋におけるネアンデルタール人の遺伝的影響を検証しました。

 この研究は、「ネアンデルタール人スコア」とヨーロッパ系現代人との関連を明らかにしました。「ネアンデルタール人スコア」の高い現代人では、後頭部および頭頂部においてネアンデルタール人との形態的類似性が確認されます。脳では、視覚野と頭頂間溝において、同様に「ネアンデルタール人スコア」との関連性が確認されています。ただ、この研究でも指摘されているように、頭蓋や脳の形態には多数の遺伝子が関与していると考えられます。

 これらの結果から、ネアンデルタール人由来の遺伝子が現代人の神経において機能している可能性が指摘されています。たとえば、統合失調症や自閉症などの精神疾患との関連です。これまで、非アフリカ系現代人へのネアンデルタール人の遺伝的影響は、脳というか認知能力に関連する領域では排除されていたのではないか、と示唆する研究が目についていたので、この研究はかなり意外でした。もっとも、私の観測範囲というか知見はきわめて狭いので、私が無知だっただけかもしれません。

 たとえば、FOXP2遺伝子を取り囲んでいる膨大な領域(関連記事)や、脳の左右分化と言語の発達に関連していると思われる領域(関連記事)に関する研究です。自閉症・統合失調症・アルツハイマー病などの精神疾患に関わる遺伝子において、ネアンデルタール人の場合はほとんどがメチル化により遺伝子の発現が停止しており、現代人との大きな違いになっている、とも指摘されていました(関連記事)。今後は、現代人(の一部)の認知能力におけるネアンデルタール人の影響に関する研究の進展が期待されます。また、ヨーロッパ系のみではなく、より広範囲な地域を対象とした調査も期待されます。


参考文献:
Gregory MD. et al.(2017): Neanderthal-Derived Genetic Variation Shapes Modern Human Cranium and Brain. Scientific Reports, 7, 6308.
http://dx.doi.org/10.1038/s41598-017-06587-0

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