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zoom RSS 海岸沿いだったアメリカ大陸最初の人類の移住経路

<<   作成日時 : 2017/08/14 00:00   >>

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 これは8月14日分の記事として掲載しておきます。アメリカ大陸への人類最初の移住経路に関する解説(Wade., 2017)が公表されました。この問題に関する近年の研究成果がまとめられており、有益な解説になっていると思います。アメリカ大陸への人類最初の移住について、20世紀後半には、クローヴィス(Clovis)文化の担い手が最初の移住者だとするクローヴィス最古説が主流でした。しかし20世紀末以降、アメリカ大陸におけるクローヴィス文化以前の人類の痕跡が相次いで報告されていることから、クローヴィス最古説を否定する研究者が増えつつあり、クローヴィス最古説はもはや否定された過去の仮説と言ってよいでしょう。

 しかし、だからといってこの問題に関して新たな共通認識が形成されたとも言い難い状況であり、その年代や拡散の速度・経路などをめぐって、議論が続いています。数少ない共通認識の一つは、アメリカ大陸に移住した人類は現生人類(Homo sapiens)のみだった、というものです。しかし、今年(2017年)になって、アメリカ大陸における13万年前頃の人類の痕跡が確認された、との見解が提示され、現生人類ではない系統の人類がアメリカ大陸に進出した可能性も議論されています(関連記事)。ただ、これはあまりにも異例の発見であり、まだ広く認められているとは言い難く、将来撤回される可能性もじゅうぶんあると思います。

 20世紀後半には有力だったクローヴィス最古説は、アメリカ大陸最初の人類は更新世末期に内陸部の無氷回廊を通過してアメリカ大陸に拡散した、と想定していました。しかし近年では、ベーリンジア(ベーリング陸橋)からアメリカ大陸西岸を南下したのではないか、との見解(沿岸仮説)が有力になっています。しかし、内陸部の無氷回廊を通過した後に海岸へと到達した、との見解も根強くあるようです。更新世末期以降の温暖化により、沿岸仮説で想定される経路は今では大半が海面下にあると考えられるので、直接的証拠を確認するのが困難になっています。しかし、海中での調査など沿岸仮説証明のための努力が続けられており、今後の研究の進展が大いに期待されます。

 沿岸仮説の直接的証拠を提示するのはなかなか難しいのですが、間接的証拠は提示されています。アメリカ大陸北西部の氷河は16000年前頃まで陸路を覆っており、アラスカのバイソンとアメリカ大陸本土のバイソンが混じり合うようになったのは13000年前頃と推測されているので、アメリカ大陸西岸は最初のアメリカ人の唯一の移住経路だったかもしれない、というわけです。これまでの沿岸部の遺跡の証拠から、最初期のアメリカ人は、植物・動物に限らず海洋資源をよく活用していたようです。これも、決定的ではないとしても、沿岸仮説の証拠となるでしょう。おそらく今後、沿岸仮説の証拠はさらに蓄積されていくことでしょう。


参考文献:
Wade L.(2017): On the trail of ancient mariners. Science, 357, 6351, 542-545.
http://dx.doi.org/10.1126/science.357.6351.542

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