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zoom RSS 物語を巧みに話せることの効用

<<   作成日時 : 2018/01/26 00:00   >>

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 これは1月26日分の記事として掲載しておきます。物語を巧みに話せることの効用に関する研究(Smith et al., 2017)が公表されました。物語を語るという行為は人間社会のどこにでも存在し、貴重な知識の発信方法だと考えられています。しかし、物語を語ることの具体的な効用を明らかにするのは難しい場合があります。この研究は、フィリピンの先住民族であるアイタ(Agta)の社会において物語を語ることが、個人と集団にどのような利益をもたらしているのか、調べました。その結果、昔から語られている物語のテーマの大部分が協力と社会規範で、これは、他の7つの狩猟採集社会に対象を広げ、物語を語ることを分析した結果とも一致していました。

 この研究で行なわれた実験的ゲームでは、巧みな語り手のいる集団に属する人間の方が、そうでない集団に属する人間よりも協力的に振る舞いました。さらに、社会的パートナーとして選ばれるかどうかを予測するための判断材料として物語を語る技能が最も優れており、巧みな語り手がパートナーに選ばれる確率がそれほどでもない語り手のほぼ2倍となり、生存子数は平均で0.5人多いことも明らかになりました。この研究は、語ることが協力の増進に重要な役割を果たしており、この機能が、物語を語ること自体の普及に有利に働いた、という見解を提示しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【人類学】物語を巧みに話せることの効用

 フィリピンの先住民族「アイタ」の狩猟採集社会において物語を話す能力と協力行動が関連していることを明らかにした論文が、今週掲載される。また、巧みな語り手の方が、大きな社会的な成功と繁殖の成功を収めていることも明らかになった。

 物語を語るという行為は、人間社会のどこにでも存在し、貴重な知識の発信方法だと考えられている。しかし、物語を語ることの具体的な効用を明らかにするのは難しい場合がある。

 今回、Daniel Smithたちの研究グループは、アイタの社会において物語を語ることが個人と集団にどのような利益をもたらしているのかを調べた。その結果分かったのは、昔から語られている物語のテーマの大部分が協力と社会規範であり、このことは、他の7つの狩猟採集社会に対象を広げて物語を語ることを分析した結果とも一致していた。今回の研究で行われた実験的ゲームでは、巧みな語り手のいる集団に属する人間の方が、そうでない集団に属する人間よりも協力的に振る舞った。さらに、社会的パートナーとして選ばれるかどうかを予測するための判断材料として物語を語る技能が最も優れており、巧みな語り手がパートナーに選ばれる確率がそれほどでもない語り手のほぼ2倍となり、生存子数は平均で0.5人多かった。

 Smithたちは、物語を語ることが協力の増進に重要な役割を果たしており、この機能が、物語を語ること自体の普及に有利に働いたという考えを提唱している。



参考文献:
Smith D. et al.(2017): Cooperation and the evolution of hunter-gatherer storytelling. Nature Communications, 8, 1853.
http://dx.doi.org/10.1038/s41467-017-02036-8

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