大河ドラマ『風林火山』第28回「両雄死す」

 昨日放送分の感想です。中盤の見せ場である上田原の戦いが描かれ、武田家臣団の重鎮とも言うべき甘利と板垣が相次いで討ち死にしました。前回の甘利の行動は、やはり武田家を裏切ったのではなく、村上義清個人を殺すことで、武田軍の被害を抑えようとしたものでしたが、けっきょく失敗してしまい、村上方に捕らわれてしまいます。

 武田と村上との二日目の戦いが始まろうとする混乱した状況の中、甘利は逃げ出しますが、村上方の兵に矢を射かけられて落命します。この上田原の戦いでの武田軍の苦戦は、作中では晴信の慢心によるものとの設定になっているので、油断して本陣を突かれ、討ち死にしそうになった晴信をかばうために、甘利が身を挺して村上軍を防いで討ち死にした、というように描いたほうがよかったように思います。

 武田軍の被害を抑えようとする甘利の気持ちは分かりますが、今回の描き方では、甘利の行動は村上を利するところの方が大で、甘利の間抜けさが目立ってしまった感があります。今回の甘利の描き方については、脚本の失敗だったように思われます。

 一方、板垣のほうですが、こちらは晴信の身代わりとして壮烈な討ち死にをしたという描かれ方になっていて、これは話の流れからいっても自然な感じになっています。しかし、板垣が晴信の命を無視して突出した結果、集中攻撃されるという流れになっており、この点では、これまでの話の流れからするとやや不自然だったかな、と思います。

 板垣の慢心が、上田原での武田軍の苦戦と、板垣・甘利の討ち死につながったという話もありますが、作中では、晴信の慢心が上田原の戦いでの苦戦の要因とされているのですから、あくまで晴信の慢心・失策を前面に出したほうがよかったと思います。

 全体的にはなかなか面白かったのですが、上記のような脚本の問題点と、板垣の討ち死にの場面がくどかったことと、晴信の演技が過剰だったこととが残念でした。中盤最大の見せ場に相応しい面白さだったかというと、期待外れだったかな、というのが正直な感想です。次回は、板垣と甘利の討ち死にを受けて、晴信がどのように変化するのか、楽しみです。

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