ネアンデルタール人の分類

 ネアンデルタール人はいくつかの地域的集団に分類される、とした研究(Fabre et al., 2009)が報道されました。この研究では、諸データに基づいた生物情報学的方法論が用いられて、さまざまな可能性が検証されました。その結果、ネアンデルタール人を西部・東部・南部(地中海沿岸)の3集団に分類するのがもっとも妥当だろう、との結論が得られました。これは、ネアンデルタール人には多様性が認められ、複数の集団に分類されるのではないか、としてきた古人類学のこれまでの研究と合致していると言えます。

 この研究によると、ネアンデルタール人集団のうち、西部のほうが東部よりも派生的だとされています。西部集団のほうがより特殊化したのだ、ということになりますが、その要因としては、気候変動などが考えられます。また、ネアンデルタール人集団の人口規模は一定ではなく、諸集団間で移住があった可能性のあることが指摘されています。

 中東のネアンデルタール人については、化石から得られた配列されたDNAデータが欠如しているので、西部・東部・南部(地中海沿岸)の3集団のいずれかに位置づけることができませんでした。中東のネアンデルタール人集団は、東部または南部に位置づけられるかもしれませんが、それらとは異なる第4の集団を構成するかもしれない、と指摘されています。


参考文献:
Fabre V, Condemi S, Degioanni A (2009) Genetic Evidence of Geographical Groups among Neanderthals. PLoS ONE 4(4): e5151.
http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0005151

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