大河ドラマ『風と雲と虹と』第17回「曠野の蝶」

 坂東に戻ってきた将門は、民人たちから歓迎を受けますが、民人たちは盗賊に怯える生活を送っていました。そこへ騎馬の一団がやって来て、荒らしに来た盗賊かと将門は身構えますが、そうではなく鹿島玄道で、玄道は将門の帰還を歓迎します。その後に将門の弟の三郎がやって来て、将門は久々に実家に帰り、家族の前で坂東が一番だ、もう都には行かない、と宣言します。将門の母正子は、将門が心に傷を負っていると察しましたが、問い質すことはなく、将門を歓迎します。

 将門は三郎から、叔父たちが苦境の三郎を助けないばかりか、領地問題でも怪しげな動きを見せている、との報告を受けます。しかし将門は、とりあえずは土地の開墾に精を出し、都での記憶を振り払おうとするかのように懸命に働きます。年が明けて将門の帰国を祝う宴が開かれ、坂東の所領で過ごす菅原景行・三宅清忠・将門の弟四郎も出席しますが、将門の叔父の平国香と平良兼は来ず、代わりに配下の佗田真樹・蓮沼五郎が来ます。真樹によると国香は腹痛、五郎によると良兼は風邪のため来られなかった、とのことでした。土地問題の話し合いを考えていた将門との話し合いを、国香も良兼も避けたのでした。

 国香が当てにならないことをすでに知っていた将門は、まず良兼を訪問することにしました。そこへ若い女性たちが現れましたが、そのうちの一人は良兼の娘良子でした。明るく美しく成長した良子に、将門は好感を持ちます。将門は良子の前で、自分は坂東で生まれ坂東で死ぬのだ、と力強く言います。将門は良兼やその幼い子供たちと会い、妻を亡くした良兼の老いを感じます。同時に将門には、良兼の子供たちが明るく、良兼が子煩悩であることから、良兼が悪人であるようには見えませんでした。

 将門が土地問題を良兼に切り出すと、良兼は、将門が源家と諍いを起こしたさいに(第3回・第4回)、
http://sicambre.at.webry.info/200909/article_23.html
http://sicambre.at.webry.info/200909/article_29.html
将門の父良将が紛争解決のために源護に献上したのだ、と説明します。しかし、将門は良兼の説明に納得できません。その様子を見た良兼は、今では国香の近くに住んでいる源護を明日早くともに訪ねよう、と嬉しそうに言います。良兼の真意がどうにもつかめなかった将門ですが、良兼が源護の長女詮子に恋をしている、と良子から聞き、やっと謎が解けます。良子は、都には良子以上に美しい女性がいるのか、と将門に尋ねるなど、将門への好意は視聴者には明らかなのですが、将門は相変わらず鈍感なようです。

 その頃、貴子と貞盛の仲はますます深まり、順調に出世した貞盛の庇護を受けた貴子の暮らし向きはますますよくなり、乳母の他に召使を雇うようにもなっていました。伊予で手柄を立て、次の除目での出世は確実だったのに、報告もせずに帰郷した将門は変な奴だ、と語る貞盛にたいして、将門は自分たちの関係に気づいたのではないか、と貴子は語ります。今でも貴子の心が将門にあることに改めて気づかされた貞盛は、自分だけが好きだと言え、と貴子に命じます。

 今回は久々に坂東に舞台が移り、私もなんだか懐かしい気分になったものです。当時の視聴者がどのような気持ちになったかは分かりませんが、私よりも1回ごとの視聴間隔が長いだけに、同様に感じた人もいるのではないか、と思います。人が良さそうに見えて、じつは腹黒いところもある、という良兼を長門勇氏が相変わらず好演しています。良兼の娘良子も、明るくなかなかよい感じです。坂東の男である将門には、都の高貴な姫である貴子よりも、坂東の女である良子のほうが相応しいな、と素直に思えるような設定・話の展開になっていると思います。

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