『ヒューマン・ジャーニー ~遥かなる人類の旅~アジアへの広がり』

 『BBC地球伝説』の『ヒューマン・ジャーニー ~遥かなる人類の旅~』シリーズの第2回で、現生人類のアジアへの拡散が取り上げられています。
http://www.bs-asahi.co.jp/bbc/history/hi_19_02.html
アジアへの拡散とは言いながらも、おもに取り上げられたのは北方経路のシベリアへの進出と寒冷地適応であり、インド洋沿岸の現生人類の進出が取り上げられなかったのは残念でした。現生人類のアジアへの進出経路としては、インド洋沿岸のほうが重要だと思うのですが。

 今回取り上げられた主要な話題の一つは、現代中国人がいわゆる北京原人の子孫であるか、つまり、現生人類のアフリカ単一起源説は間違っていて、現生人類の多地域進化説が正しいのか否か、ということでした。中国の専門家の間では、いわゆる北京原人が現代中国人の祖先と考えられているが、西洋人の専門家の多くはそうは考えていない、と番組で紹介されたときには、現生人類の起源をめぐる論争について、西洋対中国という明らかに間違った枠組みで説明が進むのか(現生人類の起源にかんして、遺伝学対人類学・考古学という枠組みにはあるていどの妥当性がありますが)、と懸念したのですが、幸いにもそのあとに、上海の復旦大学のチン=リー教授へのインタビューが紹介され、中国人研究者によって、現生人類のアフリカ単一起源説を支持する遺伝学的研究がなされたことが取り上げられていました。

 ただ、学校での教育を通じて、北京原人は現代中国人の先祖であり、自分たちは特別な民族だと信じてきたので、北京原人が現代中国人の子孫だと証明するために研究を始めたが、結果は当初の期待とは逆になった、とチン=リー教授は語っており、現代中国で現生人類多地域進化説が根強く浸透していることを、改めて思い知らされました。確かに、以前図書館で少しだけ読んだ中国の歴史教科書では、中国は人類の起源地の一つであると記述されていた、と記憶しています。じっさいにチン=リー教授がどのように語ったのか、疑問がないわけでもありませんが、この番組での翻訳が妥当なものだとすると、現代中国における歴史教育の問題点が見えてくる、とも言えそうです。

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