ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相

 2010~2014年にかけて、科学研究費補助金「新学術領域研究」の一環で、「ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究」と題して、ホモ=ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)とホモ=サピエンス(現生人類)の「交替劇」についての研究が行われます。
http://www.koutaigeki.org/index.html

 この研究の趣旨については、上記サイトにて公開されていますが、ネアンデルタール人の絶滅と現生人類の現代にいたるまでの生存の要因が、両者の学習能力の差にあったのではないか、との作業仮説を実証的に検証しようとする、学際的で意欲的な計画です。昨年10月にはすでに全体会議も開催されており、その会議での報告の要旨が公開されています。
http://www.koutaigeki.org/PDF/meeting/2010.10.23.pdf

 報告の要旨なので、これといって目新しい情報はないのですが、今後の研究の進展に大いに期待しています。ただ、現時点での私の率直な感想を述べると、ネアンデルタール人と現生人類との学習能力の差を証明することは、とくに考古学の分野では難しいのではないか、と思います。ネアンデルタール人のゲノムも解読が進んでいますので、現代人のゲノムとの比較により、両者の学習能力の差を直接的に比較することができるようになるかもしれませんが、現時点では、学習能力にどの遺伝子が関与しているのか、その遺伝子の発現と環境との関係などについて、ほとんど明らかになっていないでしょうから、2014年までにこの計画の「学習仮説」が実証されるかというと、難しいのではないか、と思います。もっとも、「学習仮説」が実証されなくても、多くのことが明らかになるでしょうから、たいへん意義深い計画になるだろう、と期待しています。

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